趣味を履歴書に書く理由とは
現在、企業に就職する為の面接を受ける前に、ほとんどの企業が履歴書やエントリーシートの提出を求めています。中には履歴書の詳細など、学歴や職歴以外のところは細かくは見ないだろうと、履歴書を軽視している人も少なからずいると言えるでしょう。この事実に関しては、実は正解でもあり、不正解でもあります。
特に優れた人材が多い、6大学と国立大学の理系の学生のみを採用基準としている企業は実際存在しており、学歴や職歴の欄を先ず見て、その時点でその企業のレベルに達していないと判断された場合、その履歴書の他の部分は読まれることはまずありません。但し、これは1部の非常に特殊な専門性の高い企業に限られます。
また、英語で履歴書のことを「resume」と呼ぶ為、最近では履歴書のことを「レジュメ」のように呼ぶ人も多いようです。他には、昔は履歴書は基本的に手書き書くもの、という暗黙の了解のようなものがありましたが、今では、字の綺麗さよりもパソコンのスキルを重視する企業が増えている為、パソコンで作成したものも受け付けている企業が増えています。
履歴書の中で自分で考えて作成しなければならない部分は、趣味・特技・自己アピールの3つが主に挙げられます。今回はこの3つの項目の効果的な書き方や、例文を徹底解析します。
採用担当者が履歴書に「趣味」の欄を設けるにはそれなりの理由があります。まずは、採用担当者が応募者の趣味を知る必要がある理由の説明をします。
緊張を和らげるための役割
履歴書に自分の趣味や特技を書くことにより、面接の際にそれらの話題に触れて、面接者の緊張を和らげて面接の場を和ませるという役割があります。面接の際に緊張して上手く本来の自分が表現できないこともある為、趣味や特技といった面接者の好きな話題に触れることにより、面接者の緊張が解け、積極的に自分から話させるという効果があります。
ここで大切なことは趣味や特技の欄に、その企業に良い印象を与えようとして、その企業の企業理念に合ったような嘘の趣味や特技を書いたりする書き方は止めましょう。面接を行う人事部の人間は何千、何万の面接者と面接を行っているプロフェッショナルなので、嘘をつくとすぐにバレる可能性が非常に高いと言えるでしょう。
そして、明らかにその嘘の趣味や特技を書いて提出するような応募者を採用する会社は、ほぼ存在しないと言っていいでしょう。
また、履歴書の趣味・特技の欄で、合否を判断されることがあるのか、という疑問を持つ方もいるでしょう。実際にリクルートが採用担当者に「履歴書の趣味・特技の部分で合否を判断したことがあるか」という調査をしたところ、18%の採用担当者が「ある」と回答しています。従って、履歴書の趣味・特技の書き方はとても重要な部分の1つと言えるでしょう。
また、履歴書に趣味・特技を書くことにより、面接の際の緊張を和らげる役割以外にも、応募者の大まかなの人柄を知る役割や、職務への適性を調べる為の役割もあります。
趣味や特技を履歴書に書くメリット
一般的な面接の時間は、30分~1間程度だと言われています。反対に10分以内で面接が終了するケースなどは、インターンなどの結果で面接前から合否が事前にほぼ決まっているケースだと言えるでしょう。しかし、採用担当者からすると、30分~1間程度で、その面接者の人間性や人格を適切に評価するのはほぼ不可能だと言えるでしょう。
そこで採用担当者側はは敢えて事前に、履歴書に自分の趣味や特技について、よく考えさえた上で工夫を凝らした文章を作らせ、採用担当者の印象に残るチャンスを面接者に与えているとも言えるでしょう。
ここで、趣味や特技を履歴書に書く主なメリットを3つ紹介しますので、この3点を意識しながら履歴書を作成してみると良いでしょう。
企業研究を自然にアピール
1つ目のメリットとして、「企業研究の成果を自然にアピールできる」というものが考えらえるでしょう。実際に就職活動を行う際に、自らの為にも企業研究は必須です。余程その企業に、思い入れがあったり、その企業に知り合いがいる場合などはOB・OG訪問なども考えられますが、企業のホームページに大体のことが記載されています。
従って、企業研究を行う際には、その企業のホームページをできるだけ隈なくチェックしましょう。採用に関するページを作っている企業も多く、そこから「企業理念」、「社長・会長からの挨拶」、「採用担当者からのメッセージ」また「求められる人物像」などがチェックできます。
また、それなりに大きな企業になると「企業内のスポーツ活動」のようなページをサイト内に設けている企業も少なくありません。会社で働いているの社員たちは、実はサークルや同好会などの「ふれあいの場」を求めているのが理由です。
オリコンの調査によると、最も多い社内サークルは、野球でした。その次にテニス、サッカー、バドミントンなどが続いています。また文系の社内サークルでは、茶道、将棋、料理教室、英会話などが人気です。これらの情報をもとに、履歴書の趣味・特技の欄を書くのも良いと言えるでしょう。
また、実際に存在していない社内サークルで、例として自分の特技として将棋のレベルが高い場合、面接の際に、例として「入社した際には、将棋サークルが御社にはないので、是非私が新設して他の部署との交流をしてみたいと思っております。」のようなことを発言して、事前に企業研究をしていたことをアピールすることができます。
自己PRの補強
自分の趣味・特技が入社を志望している企業や職種とマッチングしていれば、当然ながらそのこと自体が、自分の強みとして自己PRにもなります。例えば、趣味・特技が「英会話」の場合、海外転勤の可能性が高い商社や、近年増加傾向の外資系企業の面接の際に、そのことをアピールすることができます。
また、別の例として、趣味・特技が「プログラミング」や「システム構築」といった類のものであれば、現在平均年収が最も高いとされている、IT系の企業の面接の際の自己PRの補強になると言えるでしょう。
面接にインパクトを持たせる
また、履歴書の趣味・特技の欄に自分の趣味・特技についてできるだけ掘り下げて、よく考えて工夫した書き方によって文章を作ることによって、採用担当者ににインパクトを持たせることができます。例えば、趣味・特技の欄にただ「私は読書をすることが趣味です。」とう書き方をしても、あまり採用担当者の印象に残るとは言えないでしょう。
ポイントは具体的に書くことです。趣味が読書の場合の書き方の例文として「私の趣味は読書で、月に20冊程度の本を読みます。好きなジャンルは純文学で、特に川端康成と三島由紀夫の大ファンです。1番印象に残っている本は、三島由紀夫の「金閣寺」です。」のような文章の方が、採用担当者によりインパクトを与えることができると言えるでしょう。
但し、現代の日本社会では、企業によって理念は異なりますが、読書が趣味の場合、採用担当者からどのような本が好きかなどの質問すをることは基本的に違法ではありませんが、良くない風潮となっています。宗教も同様です。間違っても採用担当者から、貴方は何かの宗教を信仰していますか?といった質問は出来ないことになっています。
これについては後述でも書きますが、様々な理由があります。例えば先程、純文学の例として、川端康成と三島由紀夫の名前を出しました。川端康成は1968年にノーベル文学賞を受賞しており、三島由紀夫とは師弟関係にありましたが、彼らの思想を未だに良く思っていない採用担当者もいるということです。
川端康成も三島由紀夫も最後は自決という形で生涯を終え、特に三島の政治的思想はかなり右側に偏っていました。しかし、面接で読書の話題になり、「最近読んだ本の中でおすすめの本はありますか?」という採用担当者からの質問もあります。その場合は太宰、川端、三島のような異端な文豪を尊敬するような発言は避けた方が無難だと言えます。
趣味は履歴書にどんなものを書いたら良い?
それでは、履歴書の趣味の欄にはどのようなことを、どのような書き方が良いのでしょう。基本的に採用担当者は、応募者の人間性や社交性を判断する為に、趣味の欄を設けているて言えるでしょう。従って、履歴書の趣味の欄を記入する際には特に形式ばった書き方をする必要はなく、寧ろ少しユーモアを交えて記入するのも良いでしょう。
厳粛なビジネスマナーは基本的にない
先述のように、履歴書の趣味の欄には、基本的に厳粛なビジネスマナーはないと言えます。冒頭で18%の採用担当者が、履歴書の趣味・特技の部分で合否を判断したことがあるという調査結果を記しましたが、それは厳粛なビジネスマナーがない文章の書き方であったからではなく、趣味の内容に問題があったからだと言えるでしょう。
履歴書に書く趣味【旅行】
具体的にどのような形で自分の趣味を履歴書に、上手く表現できるような書き方が相応しいのかを説明します。書き方のポイントとして重要なのは具体的に書くことです。例えば、茶道が趣味の場合、茶道の歴史的背景や、日本の文化、また茶道に魅かれた理由や、どのくらいの頻度でお茶会を開くのかなどを簡潔に纏めるのような書き方が良いでしょう。
ここでは「旅行」を趣味と仮定した場合の履歴書の書き方を、例文を織り交ぜながら紹介します。
趣味として十分に使える
旅行は履歴書に趣味として記入するのに十分な趣味と言えます。まず、何処か知らない場所に行くということは「行動力」があることと、知的好奇心があることをアピールできます。また旅行と言ってもいろいろありますが、例として「1人旅が好き」と、記入した場合、知らない場所でも自分1人で生活できる適能力があることをアピールできます。
また、その他の要素として「複数の友達と海外に旅行に行くことが好き」という書き方をした場合、一緒に旅行できるような友達がいて、「社交性」があることが示すことができますし、また複数の人と数日間生活できることを連想させ、「協調性」があることもアピールできます。
また、「家族でよく旅行に行く」のような書き方をした場合、家族を大切にして思いやりがあり、また家族間トラブルのない良い環境で育ったことをアピールすることができます。
旅行を趣味にした書き方
つぎに、旅行を趣味にした場合の履歴書の書き方を例文を交えて説明をします。ここでのポイントは出来るだけ具体的に書くことです。これは面接の際に趣味について話す場合にも繋がります。面接の際に採用担当者は、趣味を通じて、その人の人柄や会社への適正以外にも「何故それが趣味なのかを的確に答えることができるのか」という点もを見ています。
例えば、先述した文章を少し応用した例文として「半年に1回1人で知らない国に旅行することが趣味です」とした場合、「何故1人が好きなのか」、「普段旅行に行く場合、どのくらいの期間行くのか」、「どの様な国が好きなのか、またその理由」、「旅行中は主にどのようなことをするのか」、などを適切な文字数で書くのが良いと言えるでしょう。
旅行を趣味にした例文
それではつぎに、旅行を趣味にした例文をいくつか紹介します。エントリーシートや履歴書のフォーマットにより、短く纏めなければならない場合と、それなりに具体的にキチンとした文章を求められるケースがありますので、短く纏めた例文と具体的に記した例文の2種類を紹介します。
短い文章のケース【例文】
短い文字数の例文としては「私の趣味は、昔からの親友と国内外問わず旅行に行くことです。場所は特に拘りはありません。知らない土地で親友と2人で同じ時間を過ごすことにとても魅力を感じます。」または「私の趣味は複数の友人と出来るだけ安く旅行に行くことです。綿密に計画を立て、旅先でのスケジュールも細かく決めて行くことにしています。」
短い文字数の例文として、このような例文が考えられます。初めの例文では、知らない土地でも物怖じしないことと、知らない場所でも生活に適応できる能力、そして長年の親友がいることにより、この先社会人になって、様々な困難出来事があっても、相談できる相手がいる、という主に3つの能力を短い文章でアピールしています。
また、2つ目の例文では、旅行に一緒に行けるほど仲が良い友達が複数いるという書き方をすることによって「協調性」、そして、綿密に計画を立てた上で出来るだけ安く旅行に行く手段を見つける、「発想力」、「計画性」を上手くアピールできています。
長文のケース【例文】
長文での趣味の書き方の例文として次のようなものが考えられます。「私の趣味は1年に1回1人で海外に旅行に行くことです。所謂「バックパッカー」のような感じで、ツアー旅行のように、パッケージ化されたされたものではなく、知らない土地で、知らない人と交流することで、ツアー旅行では味わえない「リアル感」を感じることに、とても魅力を感じます。
そして、この年に1回の旅行に行くという目標の為に、日々バイトしたり、語学の勉強をするのも好きです。私は大学でフランス語と英語を専攻している為、前回はフランス語が公用語となっている、セネガルとマリ共和国といったアフリカ大陸に2週間滞在しました。」
このような例文が考えられます。このような文章の書き方によって、1人で全く知らない土地に2週間滞在出来るという「行動力」と「適応力」。また、フランス語と英語が話せるという「語学力」。また目標を達成する為に努力を惜しまない「向上心」または、「達成力」を上手くアピールできていると言えるでしょう。
履歴書に書く趣味【音楽鑑賞】
履歴書にの趣味の欄に音楽鑑賞と記入する人はかなり多いと言えるでしょう。先ほどの旅行を趣味にした場合、先述で説明した旅行を趣味とした場合の例文からは、「協調性」、「適応性」または「語学力」や「向上心」など仕事に繋がる能力をアピールするような書き方ができましたが、音楽鑑賞の場合はどのような書き方が効果的か説明します。
音楽鑑賞という言葉から仕事に直結する能力を表現するのは、比較的困難であると言えるでしょう。但し、趣味が音楽鑑賞だからといってマイナスポイントになる訳でもありません。しかし、書き方によっては、採用担当者の視点で見た場合、「何も趣味がないから適当に音楽鑑賞と書いたのだろう。」と思われてしまう可能性があります。
アピールするポイントを押さえる
まず始めに音楽鑑賞を趣味とする文章の書き方の大切なポイントとして、本当に音楽鑑賞が好きな人のみ趣味欄に音楽鑑賞と書くべきだということです。何故ならば、特に新卒採用の場合、履歴書を送って、書類選考に受かっていざ面接となると、どこかのタイミングで音楽鑑賞について、採用担当者から具体的な質問がくるケースがあるからです。
従って、実際に音楽鑑賞が趣味の場合、そのことをアピールする必要があります。従って、趣味の欄に音楽鑑賞と書く場合は、音楽鑑賞が普段どのようなことに役立ち、音楽鑑賞からどういったことを学び、どのような良いことがあったかなどを具体的に記し、音楽鑑賞を仕事に役立つような書き方にする必要があります。
音楽をアピールする3つのコツ
音楽鑑賞を趣味としてアピールする場合には3つのコツがあります。1つは先程のように音楽鑑賞が普段どのようなことに役立ち、音楽鑑賞からどういったことを学び、どのような良いことがあったかなど、音楽鑑賞について具体性を持たせることです。これには特にマニュアルなどはなく、自分の言葉で、自分が感じたことを書くべきだと言えるでしょう。
また、もう1つのポイントとして、何故音楽鑑賞が好きなり、趣味になったのかを明確化することです。これも変に採用担当者の印象を良くしようと嘘のストーリーを作ったりするのではなく、本当のことを書くことが大切です。
更に、音楽鑑賞に纏わるエピソードなどを添えると更に良い文章ができるでしょう。この3つの要素は非常に大切なので、1つ1つ詳しく説明します。
具体性を持たせる
まず、音楽鑑賞が趣味だということに具体性を持たせるという意味は、言い換えると音楽鑑賞が好きになったきっかけを思い出し、その音楽を聞くと、落ち込んでいる時でも明るくなれる、のような具体的に好きになった理由を書くといいでしょう。例として1つ例文を紹介します。
「私の趣味はミュージカル関連の音楽鑑賞をすることです。小学生の頃に、父親にミュージカルの「ライオンキング」を観に連れて行ってもらい、そこからミュージカルに興味を持つようになり、その他にも「オペラ座の怪人」や「キャッツ」などのミュージカルにも連れて行ってもらい、それ以来私はミュージカル関連の音楽を聴くことの虜になりました。」
このような例文が考えられます。実際ミュージカルには名曲が沢山あり、もし面接の際に、採用担当者もミュージカルのファンだとしたら、そこから話を広げることもできます。また、ミュージカルは基本的に英語なので、「ミュージカルが好きになるにつれて、英語にも興味を持ち始め、英会話も趣味の1つです。」という文章を加えることもできます。
この例文では分章や話を分かり易く展開できて、きっかけも自然な為、採用担当者も趣味が音楽鑑賞なんだということに、納得するでしょう。音楽には様々なジャンルがありますが、ジャンルはなんでも良いのです。重要なのは、「具体性を持たせる」ことです。
理由を明確にする
つぎに、その音楽を好きになった理由を明確化してみましょう。これもミュージカルの例で説明すると、ミュージカルというものは基本的に映画のようにストーリーになっていて、会話の部分が歌になっています。そして、「レ・ミゼラブル」や「オペラ座の怪人」のような大ヒット作はほとんどが1800年代の後半にフランスで創られた、非常に悲しい物語です。
しかし、その非常に悲しい結末で終わるストーリー「レ・ミゼラブル」と、その主題歌「I dreamed a dream」(夢破れて)が絶妙にマッチングして素晴らしいミュージカルになっています。そういったまめ知識を含みながら、「私はこの曲を聞くと、絶対に最後まで諦めてはならない、という強い気持ちが芽生え、困難を乗り越える糧になります。」
このように、その曲を好きになった理由を明確に文章化する書き方が重要です。例えば「この曲のサビの部分が格好いいので、この曲を聞くと明るい気持ちになれます」のような単純な書き方とでは、かなりの差別化が図れると言えるでしょう。
特に大手企業が新卒採用を行う場合、物凄い数のエントリー数が集まります。その中でも特に採用担当者の印象に残るような書き方で文章を作るのがポイントです。
エピソードを添える
趣味の音楽鑑賞に、具体性を持たせ、そしてその音楽を好きになった理由を明確化した上で、その音楽に纏わる何かしらのエピソードを加えることも、採用担当者の印象に残る1つの要素になると言えるでしょう。例として、つぎはロックが好きという設定で仮のエピソードの例文を紹介します。
「私は中学1年生の時に「アルマゲドン」という映画を観て、それ以来その映画の主題歌を歌っている「エアロスミス」というアメリカのロックバンドが大好きで、特にボーカルのスティーヴン・タイラーの大ファンです。初めて、映画のヒロイン役の、リヴ・タイラーがティーヴン・タイラーの実の娘だと知ったときは本当にびっくりしました。
そして、高校に入学してからできた初めての彼女と初めてデートした時も、この映画をDVDで借りて私の家で一緒に観ました。その為、バンドには沢山のに色々な良い思い出があり、悲しいこと・辛いことがあった時は、いつもこの曲を聞いて、楽しかった頃のことを思い出し、自分を励ましています。」
このような例文が、音楽鑑賞が好きになったエピソードの1つとして考えられます。ただ1つ注意点として、履歴書の趣味の欄を書く際も、面接で仮に趣味の話になってもダラダラと長く書いたり、話したりしないことです。
履歴書に書く趣味【将棋】
最後にもう1つ履歴書に書く趣味の例として、将棋」と書く応募者も、ここ数年の将棋ブームから多くなっているとされています。また、将棋は上達すると、初段~6段までのアマチュアの段位の正式な免状が、日本将棋連盟から貰えるので、実際に将棋が上手い人は、特技の欄に書くこともできます。初段以上であれば特技と書いても問題ないでしょう。
また、将棋の腕を本格的に上達させる為には、様々な手筋・戦術・定跡などの勉強をする必要があり、そこで「向上心」、「勤勉さ」などをアピールすることができます。また将棋の対局時間は長く「我慢強さ」や「根気比べ」のような力も必要です。
これらのことを加味すると、趣味・特技の欄に将棋や囲碁といった頭を使うゲームを書くのも、様々な自分の強みをアピールできて、好印象を与えることができると言えます。
履歴書の趣味と特技の違い
履歴書や企業のエントリーシートでは趣味と特技は別々の欄に書くケースがほとんどです。ここでは、趣味と特技の具体的な相違点は何かを説明します。趣味とは「趣を味わう」で、単純に自分が好きなことで、特に他人よりそのスキルが優れている必要はありません。特技は「特別な技能」のことを指し、特に他人よりそのスキルが秀でているものを指します。
特技は趣味が高じたもの
趣味と特技の違いを、ゴルフを例として説明します。例えば、ゴルフが大好きで毎週のようにゴルフ場に行きプレーをしていて、その人のゴルフのハンデキャップが32だったとします。ゴルフのハンデキャップが32という意味は、Par72のコースで平均104のスコアでプレーすることで、腕前は一般的には平均かそれ以下とされています。
この場合、ゴルフはその人にとって趣味ではありますが、特技とは言えません。逆に小さい頃からゴルフを習っていて、今はもうほとんどゴルフに興味がなく、プレーするのも付き合いで年間2~3回しかプレーしなくても、仮にその人のハンデキャップが3だった場合、その人の特技はゴルフだと言えます。ハンデキャップ3はプロに近いトップアマのハンデです。
このように、ゴルフは大好きだけどレベルは平均以下の人にとってゴルフは趣味でしかなく、特技とは言えません。逆も然りで、ハンデキャップ3の人にとってゴルフは特技だと言えます。間違っても、ゴルフのスコアで100を切ったことがないような人は「私の特技はゴルフです。」などと言わないように注意しましょう。
因みにゴルフを特技と言えるのは、ハンデがシングル(10以下)でプレーすることのできる限られた人だと言えるでしょう。
履歴書に書ける意外な趣味
趣味というものが本当になく、全く思いつかない人もいると考えられますが、そのような人は普段行っている何気ないことを振り返ってみましょう。本人が趣味だと認識していなくても世間一般ではそれが趣味であったりすることが意外とあります。半身浴や車の洗車は日常生活の1部でしかないと捉われがちですが、履歴書には趣味と書くことができます。
ここで一般的には趣味と捉われていないような、意外な趣味をいくつか紹介します。どうしても趣味が思い浮かばない人は参考にして見て下さい。またここで重要なことは、どのくらいの頻度でどのように行っているかを付け加えることがポイントです。
ウォーキング
ここ数年で流行り出した「ウォーキング」も立派な趣味の1つだと言えるでしょう。例えアルバイトなどで多忙でも、最寄りの駅から1つ離れた駅で降車して家までウォーキングをたまに行うことで、履歴書の趣味の欄に書くことができます。その場合、「健康の為」や「ダイエットの為」など理由をつけると、印象が良くなるでしょう。
半身浴
主に女性が良く行っている「半身浴」も趣味の欄に書くことができます。ウォーキングと同様に、1回にどれくらいの時間半身浴を行い、半身浴をしている最中にどのようなことをしているのかを簡潔に説明するのがポイントです。例として「私は趣味として、毎日40分程半身浴を行いながら、推理小説を読んでいます。」のような文章で良いでしょう。
カメラ
カメラでいろいろなものを撮影することも立派な趣味の1つだと言えるでしょう。今はほとんどの人がカメラ付きのスマホを持っている時代なので、本格的なデジカメでなく、仮にスマホに搭載されているカメラで撮影しても、趣味と言えるでしょう。この場合も、どのような被写体をどれくらいの頻度で撮影しているのかを簡単に記すようにしましょう。
例えば、「私の趣味は寝る前に愛猫(あいびょう)の写真を4~5枚、毎日欠かさずスマートフォンのカメラで撮影することです。」のような文章で良いでしょう。
洗車
意外だと捉えられがちですが、車を所持している場合、車の洗車を趣味にしている車好きの人は一定数います。そしてそれを履歴書の趣味の欄に書いても全く問題なく、寧ろ好印象になるケースが多いようです。自分が普段愛用しているものを、機械を使わず自分の手で手間暇を掛けて綺麗にすることは立派な趣味と言えるでしょう。
寧ろ、面接の際には「趣味が車の洗車とは珍しいですね」、「ドライブではなく洗車なんですね!」のように話が弾む可能性もあると言えるでしょう。
料理
料理を趣味の欄に書くと好印象が得られるとされています。特に男性の趣味が料理だと面接の際にも話題になる可能性が比較的高いと言えるでしょう。また、1人暮らしで自炊している場合なども、若いのに節約している慎ましい生活を送っているイメージを与えることができると言えるでしょう。
ここでも、料理をする頻度や、得意な料理などのコメントを付け加えることで、更に良い印象を与えることが出来ると言えるでしょう。
趣味を履歴書に書く際の注意する事
つぎに、趣味を履歴書に書く際に注意するべき点の説明をします。基本的に、日本では違法性がない限り、表現の自由が認められており、どのような趣味があっても良いとされていますが、履歴書にはなるべく書くことを控えた方が良いものもいくつかあります。1つは、競馬やパチンコといったギャンブル関連のものです。
ギャンブル好きな人は、お金にだらしないという印象を与えてしまいがちな為、書くのは避けましょう。
もう1つは、政治や宗教に関係するものです、繰り返しになりますが、日本では信仰の自由も権利として認められています。しかし宗教には様々なものがあり、中には宗教の行事によって業務に支障をきたしたり、他の社員の迷惑になる可能性もないとは言い切れません。従って、宗教に関することは書かない方が無難だと言えるでしょう。
政治に関しても同様で、新聞やネットなどで日本の政治情勢を学ぶのは立派な行為と言えますが、中には極端な右寄り・左寄りの思想を持った人も少なからず存在します。そういった理由から採用担当者「この人は偏った思想・考え方をもっていて、入社後にトラブルを起こしかねない」と捉えられてしまう可能性がある為、記入しない方が無難と言えます。
最後に、記入しない方が良い例として、「趣味・特技は特になし」のような記入の仕方は避けた方が良いと言えるでしょう。採用担当者に「創造性・社交性」がないと捉われてしまう可能性があると言えるでしょう。
読書やスポーツ観戦に注意
先述でも少し触れましたが、読書やスポーツ観戦の話になった場合注意が必要です。これはとても重要なポイントなので覚えておきましょう。先述した、三島由紀夫は昭和を代表する偉大な文豪ですが、同時に活動家でもありました。そして、彼の政治的思想や自決行為を極端に嫌っている企業理念をもった企業も少なからず存在します。
またスポーツも注意が必要です。スポーツ観戦を趣味に書くのは問題ないですが、具体的なチーム名を明言するのは避けましょう。これも同様に、その企業が面接者の応援しているチームのライバルチームのサポンサーであったりする可能性がある為です。
例えば、具体的な例を挙げると、楽天株式会社の書類選考に受かり、面接までたどり着き、採用担当者に趣味を聞かれ「ヨーロッパサッカーをテレビで観戦するのが大好きです。特にスペインのレアル・マドリードの大ファンです。」のような回答をしたら、採用される確率は極めて低いと言えるでしょう。
何故なら、株式会社楽天は2017年~2021年までの間、「レアル・マドリード」の伝統的ライバル「FCバルセロナ」とスポンサー契約を交わしており、総額は4年間で291億円と言われています。また、イギリスのプレミアリーグの「チェルシー」は横浜ゴム株式会社と、イタリアのセリエAの「ユベントス」は株式会社Cygamesと大型契約をしています。
勿論これらの事実は企業研究をすればすぐに分かることですが、それでも面接の際に出してはならない名前として「政治色が強く出ている文豪、または政治家・活動家」、「日本を含む世界各国の野球・サッカーなどすべてのスポーツに於いての特定のチーム名」が挙げられ、これらの名前は決して明言しないように注意しましょう。
趣味は嘘無く履歴書にしっかりと書こう!
ここまで、就職する際に必要な履歴書の趣味の欄の効果得な書き方、自己PRを含めた書き方、また履歴書や面接の際の注意点など様々な観点から説明しましたが、如何でしたでしょうか?履歴書の書き方に「正解」はありませんが、絶対にしてはならないのは「虚偽の記載」をすることです。真実のみを正直に書いて、誠実な気持ちで面接に臨みましょう。