30代の貯金額の平均金額
30代は人生の転換点でこの時期に前後して大きなイベントが起きる年代ではないでしょうか。転職、独立、結婚、家族が増える、引越し等々、皆さんのそれぞれのライフスタイルにより内容は変わってくるでしょうが、将来30代の頃を振り返ってみたら、自分の人生で特に大切な出来事が起きる年代だったと感じることになります。
そのような大切な時期に必要となる貯金額についてはとても気になることです。以下ではさまざまなライフスタイルに対応した必要なお金についての知識のなかで貯金を中心に貯め方なども含めてまとめています。
年齢・家族の人数・性別によって違う
一口に貯金額といっても平均はあるでしょうが、おかれている状況や貯め方といった条件や方法により変わってくるのは当然です。特にその内容を大きく左右するのが年齢、独身、夫婦、家族の数、性別ではないでしょうか。
このまとめでは特に年齢については30代に限定しています、その中でさらに家族の数と性別の違いにも着目をしてそれぞれ必要な貯金について貯め方や支出の見直しなどについて、事例の紹介を含めて説明をしていきます。
30代男性の貯金額の平均
あるアンケート結果によると30代では過半数の人が150万円以上をためていました。一番多かった回答は全体の約24%で50万円未満でしたが、1000万円以上という方も14%います。
同じ30代の貯金の額でも非常に幅あって、それはまるで富裕層と貧困層というように富の配分が2極化しているといわれて久しい社会情勢を反映しているようです。その中でも150万円以上をためているという人が全体で過半数を占めているということは重要な注目ポイントでひとつの貯金の目安と考えていいでしょう。
さらに、アンケートを見ていくとその違いにおいて注意すべきなのが家族構成でした、独身か夫婦か家族がいるかといった家族の人数によって貯金している金額が変わってきているということです。
家族の人数による違い
結論は独身でも家族がいても、そのことで貯金額に大きな違いはありませんでした。みもふたもない話ですが、収入が多い人は貯金も多く相対的に収入が少なくなると貯金も少なくなるというものでした。そして、子供が多いほど支出も増えて貯金にまわせる額も減っていく傾向があります。
上記のようにアンケート結果は現実的で暗くなりそうな話です。だからこそ長期的かつ計画的に貯金をすることが大切です。
そして、平均して金額は少なくても一定額を強制的に引き落としをして若い頃から長く貯金をしているといったように、長期的で計画的に貯金をしている人がより多くの貯金をしていることがアンケートからわかりました。
年齢による違い
最後にアンケート結果から年齢による違いについてみてみましたが、貯金の平均について年齢だけでの大きな違いは見られませんでした。
やはりそれぞれ自身の収入があってその中で生活のための支出がありさらに貯金をしていくので、「よし、今日は誕生日で35歳になったから貯金額を増やそう!」と思ってもそう簡単に増やせるものではありません。ですので大切なのは一定額を計画的に続けていくことだということがわかります。
30代女性の貯金額の平均
30代の女性の貯金額の平均はどのようなものでしょうか、性別を問わず30代の貯金についてはこれまで見てきましたが、30代女性と限定することで貯金額の平均は変わってくるのかということが気になる方も多いのではないでしょうか。ここでは30代女性に限定してさらに世帯数や年齢でどのような違いがあるのかを見てみます。
世帯数による違い
まず結論は、やはり30代で女性と限定したことと単に30代としたことの違いはありませんでした。しかし、女性特有の将来の不安に備えるという計画的な視点がより顕著です、世帯数の違いということで夫婦で子供がいる家庭のような場合は子供の将来の教育費など必要な貯金を計画的に行っているということがわかります。
年齢による違い
年齢についても年齢だけで貯金額が特に大きく変わる点は見られません。これはやはり貯金は増やしたいからといってすぐ増やせるものではないということと関係しています。
ただ、もうひとつの視点として節約を心がけているというアンケート結果が多く、貯金についてのもうひとつの忘れがちな別の視点を提供してくれます。つまり貯めることに加えて出て行くこと(支出)を減らすという大切な視点です。
30代の貯金額目標の決め方
ここまではアンケート結果から実際に30代ではいくらの貯金があるのかという事実の確認でした。その感想はさまざまだと思います、1000万円を貯金している人がいるからもっと貯金をしよう、貯金してない人もいるんだからしなくてもいいんじゃないの?等々
ここからはどのくらい貯金をしたらよいか、どのような貯め方をすればよいかというあるべき望ましい状態のことを考えたいと思います。
ある調査では30代で必要な貯金額を900万円としています。これの内訳は、結婚費用300万円、マイホーム購入予算300万円、出産40万円、マイカー購入300万円と設定しています。
金額が大きくて驚いた方も多いと思いますが、この試算は独身世帯や夫婦だけの世帯、子供など家族がいる世帯での平均的な支出を元に算出しており、切り詰めた生活をするものでもなく余裕もあり、ほぼ理想的な内容ですのでこれを基本に考えていけばよいと思います。
家族の人数で貯金額は変わる
貯金額を大きく左右するのは家族の数です。家族が増えると子供か成人か高齢者かで金額は変わってきますが各種の統計で一人に必要なおおよその支出は算出がされていますので、おのずと増加した家族の数からこれからどのくらいの備えが必要なのかはわかってきますので、それに対応して必要な貯金額も変えていく必要があります。
夫婦の場合
夫婦の場合はこの試算のように900万円という貯金額があればまず問題がないと思います。すでに結婚をしているので結婚費用300万円がなくなっているので600万円ぐらいになっています、ここで夫婦でよく話し合っていただきたいことは自分たち夫婦のライフスタイルを決めていくということです。
たとえば結婚当初で都会で夫婦が共働きということであれば車を持たないという選択肢もあると思います、そうすればマイカー費用が不要になります。
一方、地方で生活に車が不可欠だとしたら必要不可欠な普段使いの道具と考えて、調子よく動いてくれたら数十万円の軽自動車でも十分という考え方をすればやはりマイカー費用を削減できます。これからの二人の生活の基本となる考え方をよく話し合って貯金額に反映をさせてください。
子供がいる場合
900万円の試算では特に大きなイベントに備えるための貯金と考えていますので、子供について日々必要な支出については当然必要なものなので考えていません、その前提で大きな支出に備えて必要な預金を算出しています。
この試算では夫婦の子供1人について大学入学90万円、子供の結婚資金援助として100万円を設定しています。子供が一人増えればその金額が倍に増えていきます。
独身の場合
結婚をせず独身を前提としている場合の試算もあります。こちらは30代ではマイカー購入費300万円のみで300万円で試算をしています。
その後に年代があがれば独身での将来設計に基づいたマイホーム購入予算や老後資金を設定していく必要があります、独身で30代であればひとまず300万円が貯金の目標金額になります。この300万円は独身の方ご自身のライフスタイルとして車以外の目的に使ってももちろんいいわけです。
30代のお金の貯め方
必要な貯金額はわかりましたがこれを実際に貯金していく貯金の貯め方ことが難しい問題です。25万円の収入で生活している独身の方が、「これから毎月15万円の貯金をする!」といってもそんなことは簡単にできることではありません。平均的で現実的な方法で貯金をするお金の貯め方の方法を紹介していきます。
支出を見直す
まずは、大前提として貯め方の前に支出を見直すということです。繰り返しになりますが貯金という簡単に増やせるものではありません、独身であれば自分だけでが我慢すればいいのである程度は可能でしょうがそれでも限界があります、ましてや家族がいると家族にも負担がかかってくるのですからとても難しいです。
なので、まずできることは今の生活での支出をみなおしてみることです。そして、そこで節約できたお金を貯金に回すということが現実的な貯め方です。具体的な方法は「節約術」などのキーワードでサイトなどから見つけることができます。
①通信料
まずは誰でもすぐにできそうな節約としてスマホなどの通信料があります。たとえば大手キャリアから格安スマホなどに切り替えるだけで携帯料金を半額~4分の1程度に節約することも可能です。格安スマホに変えたくないという方でもショップで料金プランなどについて相談をしたら節約ができるプランの提案をしてもらえることがあります。
②保険料
次に注目したいのは保険です。特に新卒で保険の外交員に勧められるまま加入したというような保険の場合はぜひ見直しをしてください。
貯蓄型ではなく保障タイプの掛け捨て部分が大きい保険の場合は、昔に入った保険であればあるほど、現在のほうがより安くよい保障がよい保険が出ていることが多いからです。また健康面の不安が少ない若い世代では簡単な審査で加入できて保証もよいネット保険もおすすめです。
③住宅ローン
すでに住宅ローンを組んでマイホームを持っているという方は住宅ローンの見直しもしてみてください。各金融機関が借り換えのためのローン設定しており相談をすれば提案をしてもらえますので条件がよいものがあれば借り換えを検討しましょう。
条件面で借り換えが必要のない住宅ローンがある場合には繰り上げ返済は積極的にしてください。公庫系は制約が多いですが民間金融機関のローンは10万円単位で繰り上げ返済できるところも多く、月々の返済を減らす繰上げ返済もできます、月々の返済が減れば余剰分を貯金に回すこともできます。
資産運用
資産運用は有力な貯金方法です。現在の低金利時代では定期預金でも利息はないに等しく、利息だけで貯金が増えていくというようなことは億単位の預金でもないと難しいです。そんなときでも資産運用をつかった貯め方であれば預金を増やすことも可能です。
「72のプリンシプル」という言葉を聴いたことはありますか?。それは資産運用での大切なキーワードです、このキーワードを使うと預けたお金が大体2倍になる期間がわかります。
たとえば年利(複利)で1%なら72÷1=72なので2倍になるのに72年かかります、ですので年利が7.2%なら10年で2倍になります。参考までに現在の定期預金の0.03%といったような限りなく0に近い金利では、2倍になるにはなんと2000年や3000年という時間がかかります。
7.2%となるとそれなりにリスクをとらなくては難しいですが、これが5%や3%あたりですと比較的安全なインデックス型の投資信託などでも可能な利回りです。
数千円でもいいので20年30年といった長期的な視点で30代の今から老後資金を資産運用してみるということも検討していただきたいです。
しかし、資産運用には注意があります、必ず余剰資金で資産運用をするということです、資産運用ではリスクが伴いますがそのリスクに応じてリターン(利息や配当)が得られます。最悪の場合には投資したお金がなくなることを覚悟することが必要なので余剰資金で資産運用をしなくてはいけません。
積み立て・定期預金
元本が保証されない資産運用はちょっと心配だという方には、元本が保証される積み立てや定期預金で貯金をしてください。
その場合でも優先順位があります、それはもし社内預金などで金利がよいものがあればそちらから貯蓄をしていくということです、そして社内預金の定期などが上限まで貯金をしてしまったというときにそれ以外の積み立てや定期での貯金を検討してください。
参考までに、積み立てや定期の利息はその金融機関が資産運用をしてその利益でみなさんに利息を支払っています、そう考えると資産運用というものも多少身近に感じることができないでしょうか。
まずは元本が保証された積み立てなどで貯金を始めて金融の事をしっかり勉強して将来の資産運用に備える資金を蓄えるのもお勧めです。
30代が貯金する理由
アンケート結果をみると30代が貯金をする理由は「将来に備える」ということに集約されます。結婚や出産や子供の教育費といった家族にかかわるものや、マイホームの購入といった大きな買い物に備えるためでなど内容は様々ですが、予期できるものや不測の事態に備える資金として貯金をしているということが読み取れます。
目標・ライフプランによって理由が違う
同じ30代でも独身である夫婦である家族がいるといったその人の状況により、貯金は何のためにされるのかという優先順位は変わってきます。
シングルライフを考えている方であれば老後を考えた貯金をすでに始めている人もいるでしょう、夫婦でこれから子供が生まれるというカップルがいた場合には、これからは子供の教育資金などに備えていくことになるでしょう。それぞれの人が自分自身のライフプランをしっかり描いて貯金を考えていくことが必要です。
貯金で助かったこと
各種アンケートで貯金をしていて助かったことを見てみると、家電製品などが故障して買い替えた、急な入院でお金が必要になった、独立開業するときの資金になった等々と突発的な出来事において貯金があって助かったという意見が多く見られます。そのような不測の事態に対処するのも貯金の大きな目的である将来に備えるということになります。
貯金のために大切な考え方
貯金をする上で大切な考え方があります、それは小額でもいいので長期的な視点で継続をしていくということです。
30代の方にとってはリタイアされるまでにまだ数十年の時間があります、たとえば節約をして数千円をリスクはありますが、iDeCo(イデコ)で比較的リスクが低いインデックス型の投資信託で個人年金として積み立てるというのもよいと思います。
証券会社などの積み立てシミュレーションなどで計算してみましたら、5000円ずつ30年間の積み立てで利回りが3%としたら約300万円になります、1万円なら約600万円でした。
金利と時間を利用することでこれだけのお金が生み出されます。もちろん手堅く貯金をするだけでもいいです、大切なのは長期的な視点で貯めていくということです。
30代の貯金はハッキリとした目標を決めるのが大事
30代は人生を長期的に見て将来に備えるためにも、あらたな挑戦をして飛躍をしていくためにも貯金をしていくべきです、日々の生活が厳しくて貯金する余裕なんてないという方もいるかもしれませんが、そんな方にお伝えしたいことがあります。
「10のレベルになるためには、7や8のレベルに到達する前にまず2や3のレベルに到達しなくてはならない」という言葉を聴いたことはありませんか。小さくても確実な一歩からすべてが始まります。まずは自分ができる範囲で貯金を始めてみることが大切だと思います。