広報の仕事内容とは
今回は、広報という仕事について解説をします。広報とは、「PR(パブリックリレーションズ)」とも呼ばれ、団体の情報を内外に発信することで、発信元と一般社会とのつながりを作っていく仕事になります。企業に限らず、学校や公共団体など、いろんな団体で発生する仕事です。
広報という仕事とはどんな内容か、持っておくと良いスキルや資格、向いている性格や広報としての仕事のやりがいなどについて紹介していきます。
報道対応
広報として行なう仕事の一つ目は、報道対応です。報道対応と聞けば、記者会見など華やかな場面をイメージする方も多いかもしれませんが、その華やかな会見を準備するのが広報という仕事です。会見会場のセッティングや各メディアへの情報公開などが業務内容になります。
どちらかといえば裏方の内容になり、事前の各メディアとのやり取りや打ち合わせなどがメインになります。報道対応への準備にはいろんな手続きが必要になるので、広報の仕事は段取りの良さと根気強さを持っている人が向いているとされています。
社内広報
広報として行なう仕事の二つ目は、社内広報です。特に規模の大きな企業などで見られる仕事になります。他の部署で行なっている取り組みなどを社内で情報共有する役割を担います。
働きやすい環境づくりの一環として、企業への帰属意識を増進させる目的で広報誌を作成したり、社員で楽しめるイベントを開催したりすることが具体的な仕事内容になります。積極的に情報提供をして、率先して取り組みを進めていける人に向いている仕事といえます。
社外広報
広報として行なう仕事の三つ目は、社外広報です。これには大きく分けて二種類あります。まずはPRの側面です。パブリック・リレーションズの略で、発信元の団体が行なっている取り組みなどを世間一般に公開する仕事になります。
もう一つは、IR(インベスター・リレーションズ)で、投資家に向けた情報開示の事です。これは株式を証券市場に上場している企業が行なう義務のある仕事です。会社の業績や今後の経営見通しなどを株主に対し公開することが仕事の内容になります。
危機管理
広報として行なう仕事の四つ目は、危機管理です。特に昨今ではSNSの浸透などで情報に関する危機意識を持つことは非常に重要です。情報公開に関する危険を察知し、報道対応をすることが主な仕事内容になります。
世間に出回っている情報を常にチェックし、所属団体にとって不利な情報などがないかを監視し、危険を察知したら早急に対応するという危機意識の高さを維持しつつ、いざという時に早急な動きができる対応能力が高い方が向いている仕事です。
広報の仕事に必要な資格
広報の仕事をする際に、必ず必要となる資格はありません。特に資格を持っていなくても広報として仕事に従事することはできます。
ただ、広報担当としてより高い質の仕事をこなすために持っておいた方がいい資格はあります。PRプランナー認定資格です。この資格は、レベル別に3つに分類されます。以下、順に説明をしていきます。
PRプランナー資格認定制度
PRプランナー認定資格制度とは、公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会が主催する資格試験で、広報に関する知識やスキル、危機管理やコンプライアンスに関する認識を求められる内容です。
広報担当として必要なスキルを効率よく身に付けることができる資格試験になります。試験は一次・二次・三次試験まであり、どこまで合格したかによって取得できる資格のグレードも変わってきます。
PRプランナー補
まずPRプランナー補について説明します。認定条件は、一次試験を合格し、PRプランナー補書類審査を通過する必要があります。広報としての仕事をするうえで必要最低限の知識とスキルがあると認定されることになります。
書類審査では、本人確認手続きに加え、協会が定めている倫理規定にのっとり、不適切でないかどうかを判断する内容になっています。
准PRプランナー
次に准PRプランナーについて説明します。認定条件は、一次・二次試験に合格し、准PRプランナー書類審査を通過する必要があります。広報の仕事をするうえで必要な知識とスキルがあることを認定してもらうことができます。
准PRプランナーの資格を取得する前に、必ずしもPRプランナー補の資格を取得しておく必要はありません。いきなり准PRプランナーの資格を取得することももちろん可能です。
PRプランナー
最後にPRプランナーの解説をします。認定条件は、一次から三次すべての試験に合格し、PRプランナー書類審査を通過する必要があります。
広報の仕事に関する業務をこなす幅広い知識とスキルを持ち、責任者をサポートできる能力や提案スキルを備えていることを認定される資格とされています。
広報の仕事に向いている人のスキルや特徴
広報の仕事をするのに向いている性格やスキルといえば、どんなものがあるでしょうか。専門職ではないので、必ず必要となる資格は存在しないことは説明しましたが、適性を考えるうえで向いている性格や能力というものは存在します。
臨機応変な対応ができる
広報の仕事をするのに向いている方の特徴として、第一に臨機応変な対応ができることが挙げられます。ワンパターンで情報を公開していっても、それを受け取る側には響かないことも起こってきます。
常に世間の情勢に敏感になり、世の中の変化に柔軟に対応できる臨機応変さが必要になります。常にアンテナを張り続け、情報収集することも大事です。
情報まとめが得意
広報の仕事をするのに向いている方の特徴として、第二に情報を集め、まとめるのが得意なことが挙げられます。広報用のデータを取りまとめる際、いろんなソースから情報を集めていかないといけないことも多いです。
場合によっては足を運んでインタビューなどをする必要が生じることもあります。このような対応を面倒だと感じるような方には、広報の仕事は向いていないといえます。
好奇心旺盛
広報の仕事をするのに向いている方の特徴として、第三に好奇心が旺盛であることが挙げられます。ワンパターンの業務をこなしているだけでは、良い広報の仕事を遂行することはできません。
自主的に動いて情報を収集したり、各種イベント開催においても新しい趣向を取り入れるなど、好奇心を持って新しいことに挑戦できるような方に、広報の仕事は向いています。
変化のある仕事を求める人
広報の仕事をするのに向いている方の特徴として、第四に変化のある仕事を求めることが挙げられます。常に一定の仕事をこなすルーティーンワークを好む方には広報の仕事は適切ではありません。
常に世間のニーズをとらえ、それに応えていこうとする積極性と臨機応変さが必要になってきます。逆にいろんな仕事をしたいと思っている方に広報の分野は向いているといえます。
コミュニケーションを取るのが得意
広報の仕事をするのに向いている方の特徴として、第五に他人とのコミュニケーションをとることが上手であることが挙げられます。広報の仕事ではインタビューやイベント準備などの際に他社と十分にコミュニケーションをとる必要があります。
実務を円滑に進めるために、他人とのコミュニケーション能力は必須といえます。広報の仕事は一人で完結できるものでもないので、他社との協力は必ず必要です。
office系のソフトが扱える
広報の仕事をするのに向いている方の特徴として、第六にOFFICE系ソフトを使えることが挙げられます。OFFICE系ソフトとは、ワードやエクセル、パワーポイントのソフトが該当します。
広報誌作成、各種映像コンテンツ作成などの際に、OFFICE系ソフトを使いこなせると非常に良い質のものを作ることができます。広報の仕事で生み出すコンテンツには見やすさなども重要です。
広報の仕事のやりがい
最後に、広報の仕事のやりがいについて説明します。例えば企業においては、営業部門のような花形部門ではありませんが、広報として一生懸命仕事をして、やりがいを感じている方ももちろんたくさんいます。
人脈を築ける
広報の仕事のやりがいとして、第一に人脈を築けることが挙げられます。広報の仕事をする中で、いろんな人とやり取りをすることになります。特に企業の広報においてはマスコミ関係とのやり取りが増え、日常では接する機会がない分野での人脈を作る機会があります。
会社の代表の存在になれる
広報の仕事のやりがいとして、第二に会社の代表としての役割を実質的に担えるという点です。自分が公開するプレスリリースの内容如何によって今後の会社の業績を大きく左右するという場面もあり得ます。
実質、プレスリリースを実施する権限は本来の企業代表者にあるのは間違いありませんが、公表内容を作ったのが自分だという自負を持つことができるのは大きなやりがいにつながります。
広報の仕事は自分次第でやりがいを感じられる!
以上、広報の仕事に就いて解説をしてきましたがいかがでしたでしょうか。広報の仕事内容、所有を推奨される資格、向いている人の特徴やスキル、やりがいなどについて紹介してきました。
職種の希望は人それぞれですが、広報という仕事にはたくさんのメリットがあります。希望にかなわず広報部門に配属された方も、自主的にやりがいを見つけて働くことも一つの考え方ではないでしょうか。