人の話が理解できない原因や理由
仕事や日常生活において、人の話が理解できないと悩んでしまうことはありませんか。特に一緒にいる他の人達は理解していて、自分を置いて話が進んでいってしまうようなときは自分の理解力のなさに不安を覚えてしまうこともあります。
その会話が自分の得意な領域でないときや、専門用語が多いなどの知識が不足していることに原因がある場合もありますが、自分の体調によっては話の内容が頭に入ってこないことあったり、実は、病気が原因になっている場合もあります。
様々な理由で「人の話が理解できない」ことが起きてしまいますが、その原因と解決法を紹介していきますので、自分は出来ない人間とあきらめないでください。人の話が理解できない理由を学び、理由に応じた解決法を試すことで自身の理解力を高め、苦手を克服しましょう。
知識不足
人の話が理解できない原因として最も多いのは、知識が不足していることで相手の話している単語や言葉が理解できないというものです。就職したての新入社員時代に初めて参加した打合せで、たくさんの業界用語や社内用語が理解できないことに状況は似ています。
新入社員でなくても、専門性の高い業務の打合せに参加した時にも同様の事が発生します。例えば社内でのシステム構築に関する打合せに参加した際など、社内の専門部署の人が話している単語や用語の意味を理解するのは難しいものです。
これは、その担当者が話している(その業界では一般的に使われている)共通言語を理解することができないことから、理解できないのです。知識不足で言語が理解できないことも、人の話が理解できない原因の一つです。
自分が分かる量以上を話される
人の言うことが理解できない原因の一つとして、様々な情報を一度で大量に、更に一方的に説明された場合に理解できないことが挙げられます。
この様な状況では、説明されている情報は自分の知らない新しい情報であることが大半です。例えば新しい業務システムについての説明を詳しく受けたとしても、自分が頭で整理している間にどんどん新しい情報がインプットされていくような状況では、頭が追い付かない場合があります。
聞く気持ちになっていない
人の話が理解できない理由として、自分の状況に理由がある場合があります。つまり自分に話を聞く準備が出来ていない、もしくは聞く気がない状況に原因があるということです。
例えば、今すぐに終わらせなければいけない仕事があるにも関わらず話しかけられたとき。この様な状況の場合誰かが話していることよりも、すぐにその仕事を再開したいという気持ちが勝り、人の話が耳に入ってこない状態になることがあります。
この場合、原因はその状況であり、一概に理解力に問題があるとは言い切れないことがあります。理解力を疑う前に、その原因が自分自身なのか状況なのかを振り返ってみましょう。
相手が嫌い
人の話が理解できないことの一因として、話している相手の事が好きではないという感情に原因がある場合もあります。嫌悪感を抱いている相手が話している内容を自然と聞き流そうとしてしまうことで、話の内容をしっかり理解できないことが起きてしまいます。
体調が悪い
人の話が理解できないと感じた時、ひょっとしたら体調が悪かったということはありませんか。頭痛や腹痛などの体調不良を感じているときは頭が働かないことも多々あり、相手の話を聞き入れる余裕がなくなることで話を理解できない状態にってしまいます。
人の話を理解するためには、「聞く」ことが十分にできる状況や感情、状態が必要であり、自分の理解力ということだけに原因があるわけでも無い事が多々あります。条件が整っていても、知識という別の理由で人の話が理解できないこともありますので、原因が何かを理解したうえで克服できるようにしましょう。
人の話が理解できない人の特徴
なかなか人の話が理解できないという方、または人の話が理解できない方が周りにいてどう指導しようか悩んでいる方、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。何度同じことを教えても、理解してもらえない、しっかり聞いているはずなのに同じミスを繰り返してしまう。
自分自身がこの様な状況になってしまうと苦しいし、その様な人を指導するのも精神的に辛くなりますし諦めたくもなってきてしまいます。なぜ同じことを繰り返してしまうのか、何度言っても克服してもらえないのか。ここからは、理解力が不足していることの理由や解決法を紹介します。
自分だけが正しい先入観がある
人の話が理解できない人、理解力がない方の特徴として「自分だけが正しいという先入観」が強い方が多く見受けられます。理解力が無いというより、自分の考えを曲げることが出来ないことで話を理解出来ない。人の話を理解しようとする努力が不足していることがあります。
この様な方の特徴は、過保護に甘やかされて育てられていて、自分が考えていることが常に正しく、その考えに従って行動することがベストである。他の人の意見をなかなか取り入れようとしないという特徴があります。
このような方は、自分の考え方を訂正されたような場合、自分の意見を正当化するために屁理屈を並べて自分の意見を肯定しようとし過ぎてしまうため、周囲の人から「理解力のない人」と思われてしまいます。
応用力がない
人の話が理解できない人の特徴として「応用がきかない」という方が多く見られます。これらの方は、何を説明するにも細かく説明しなければならないことが多く、似たような事柄についても改めて説明が必要な場合が多いです。応用力が無い為、同じような事を何度も説明する必要があるのです。
この様な状況が多いので、周囲からは理解力が無いと思われます。やや記憶力も良くない方が多く、例えば同じようなミスを繰り返した場合、前回の事象を踏まえて話をしても覚えていなかったりする為、一から説明し直さなければ理解できない特徴があります。
結果的に何度も同じミスを繰り返し、同じような質問を繰り返してしまうことがあります。知識を記憶しておく努力をせず、その場しのぎでやり過ごす方が多い傾向があります。
分からないままに放置してしまう
人の話が理解できない方の特徴として、分からないことを聞き返すことなく放置してしまうという特徴があります。このような方は、分からなくても問題ないと考えている、もしくは聞き返すことで怒られることを避けようとしている傾向が強く見られます。
判らなくても問題ないと考える理由として、多くの場合「何も考えていない」ことが挙げられます。理解しなければいけないとも思っておらず、それが原因で大きなミスが起こるかもしれないということまで考えが及んでいないのです。
怒られるのを避けたがる方は、そもそも相手との信頼関係が築けていないこともあり聞き返したくてもできないこともあります。これらの方の最も厄介な部分は、「自分は分かっている」という気でおり、周囲にもそのように見えている点です。
勝手に解釈してしまう
人の話が理解できない人は「人の話を自分で勝手に解釈してしまう」特徴があります。相手の話の途中で勝手に結論を出してしまうのです。これはあくまで自分の解釈なので、本来伝えようとしたことと異なる認識になることも多く、想像外の大きなミスを引き起こしてしまうこともあります。
本人は自分の解釈が正しいと思っているのですが、ベースとなる理解力が不足しているからこそ、自分の想像で話の結論や理屈を作り上げてしまうようです。つまり、話の途中で自分で結論を作り上げ、まったく違う受け取り方になってしまうということです。
何事に関しても無気力気味
人の話が理解できないのは、そもそも無気力、無関心が理由かもしれません。頭が悪い(回転が良くない)のではなく、知識が豊富な場合もあるのになぜか理解力が乏しいと感じさせてしまう方は、これが理由かもしれません。
このような方の解決法は、そもそもの原因がどこにあったのかを明らかにしないと克服することは難しい場合があります。原因とは、何がきっかけで無気力、無関心になってしまったのかの原因を探るということで、無気力状態を克服しないと、いくら説明しても無駄に終わってしまいます。
元々理解力が無いわけではなく、興味が無いということで聞いていない/理解しようとしないことが人の話を理解できない理由なのですから。悩み事等を理由にこの状態になっているのだとすると、根本解決にも協力し気長に接し続ける必要があります。
考え方が傲慢
人の話が理解できない方の特徴として、自分は理解できていて、話が通じないのは相手のせいだと考えていることがあります。自分の理解力がないことを、他人のせいにしているというケースです。
このような方は、こちらが論理的に話をしようとしても聞き入れることをせず、激昂してしまうことすらあります。自分は頭が良く、理解力が高いと思い込んでいる状況です。相手の方が理解力がない為、自分の言っていることを理解していないと感じ怒ってしまうという思考回路です。
人の話が理解できない時の解決法
ここまで人の話が理解できない理由を紹介してきました。主に、自分自身の体調や気持ちに起因する原因、自分が正しいと解釈していたり、解らないことをそのままにしておくなどの、姿勢に起因する原因の2つの特徴に大別されることを紹介しました。
ではそれら、人の話が理解できない人達に対し何をすることで克服できるのか。理解力を向上させるための解決法は何なのか。ここからは、人の話が理解できない状態を克服するための解決法を紹介します。
メモを取る
最初に紹介する解決法は『自分でメモを取ること』です。特別な解決法ではないと感じるかもしれませんが、ポイントは聞きながら『文字を書く』ことです。書くことで記憶にも残りやすくなり、視覚情報としても残ります。
メモには、話の内容とともに疑問点、後で調べておこうと感じた情報なども残しておくことです。後で見直し、調べることは調べておくと理解が深まりますし、そのうえでの疑問点を洗い出すことも出来るようになります。理解力不足克服の第一歩はメモを取ることです。
相手の話だけに意識を剥ける
続いての解決法は『相手の話を聞くことにだけに集中する』ことです。相手の話が理解できない理由の一つに、気になった『単語』に意識が向いてしまい、その続きの部分に意識が集中できない。結果、話を全体として理解できなくなってしまうということがあります。
または、話の途中で気になった部分を明確にしたいあまり、相手の話の途中であっても気にせずに話をし出すようなことにより話の全体が理解できなくなってしまうことがあります。
まずはメモを取りながら、後で質問したいこともメモしておく。自分が知りたい気持ちをすぐに出さず、相手の話が終わってから質問するという行動に変えてみましょう。自分が疑問に思ったことの答えを、話者は用意しているかもしれません。
自分が理解できる話に落とし込む
人の話が理解できない状況を克服するための方法として『自分としての理解を整理し、自分がわからない部分を明確にする』ことが挙げられます。そのうえで『自分が理解しやすいように要約する』という手順で理解を深めるという方法があります。
上司からの指示や、お客様からの依頼内などを聞き終わったあとにメモを見返し『理解できたこと・できなかったこと』を整理します。整理せずにバラバラ質問することで相手も苛立たせてしまうリスクがありますし、整理した上で質問することで論点を明確にできるメリットがあります。
相手の話を聞いているときは「考える」と「話す」を同時に行う必要があります。理解力が不足している方は「考える」能力が低い状態にあることが多いので、最終的な克服ポイントは「考える」能力を鍛えることです。まずはメモを見返して整理することを継続し、地力を鍛えましょう。
視覚的に理解する
続いて紹介する解決法は、情報をイラストや色などに変換し『視覚的に理解する』ことです。視覚的に表現された情報の方が、理解しやすいことが多々あります。
例えば数表です。単なる数表を見ても理解しにくい事でも、グラフ化することで変化が見つけやすくなります。また、例えば非常口のマーク。ピクトグラムと呼ばれるイラストで何かを表現することは、言語の通じない外国人への理解を深める効果があります。
この様に、視覚的な表現に物事を置き換えることで理解を深めることが可能になります。頭の中でイメージしやすい手段を探して記憶することも解決法の一つです。
知識を増やす
続いての理解力向上の方法は『知識量を増やす』ことです。知識量を増やすことに加え、読解力も向上させるのが効果的です。文字情報は、何度も繰り返し読むことで理解できるようになります。
一般的に理解力が低い人は、本を読む行為を避ける傾向にあります。活字を読むのもインターネット上の優しい表現で書かれた文章のみという方も多くなってきています。まずは簡単な本からでもきちんとした文章を読むことをお薦めします。
その際、解らないと思った部分を読み飛ばさず、何度か読み返すクセをつけましょう。会話においてはやり直しがききませんが、相手の伝えたいことを素早く理解して答える、疑問に思ったことを質問できるようになるため、まずは読書で練習です。
病院に行く
人の話が理解できない原因には、本人の気持ちや状況だけではなく病気が原因になっている場合もあります。以前と比べ記憶力が低下した、全般的に人の話が理解できない傾向が感じられるような場合は、心療内科や精神科での診察も検討してみてください。
人の話が理解できない時が理解力をあげる方法
何かに迷い、悩み、それを克服したいと思うときには何かのきっかけがあるものです。例えば最近、誰かの話が理解できないと感じるような出来事があったとき。
この時がまさに、理解力をあげるためのチャンスでもあります。これまでその様なことを感じることのなかった方も、時代の変化とともに必要とされる知識がアップデートされている可能性もあります。その場合は自分の知識のアップデートが必要になります。
それ以外にも、自分の心身の調子が良くないことで人の話が理解できない状況が生まれてしまう可能性もあります。ここからは理解力を低下させないためのコツを紹介していきます。
分からない言葉は自分で調べる
まずは、常に情報をアップデートするためのアンテナを広く張り続けること。そして、解らないと思った言葉や単語はすぐに自分で調べることです。スマートフォンを使えば、どこにいても言葉の意味は調べられますので、解らない単語を忘れる前に調べましょう。
最近ではアルファベット3文字に省略された言葉をたくさん目にする機会が増えてきています。そのすべてを全員が理解しているわけではありませんが、仕事上でよく耳にするようになったワードは、出来るだけ早く自分の知識として身に付けるようにしておきましょう。
言葉をインプットしたあとは、出来る限り自分でもアウトプットしてみましょう。自分の言葉の中でその単語を使用することで、復習にも定着にも繋がります。
体調管理をする
記憶は体調に左右されます。身に覚えはありませんか。二日酔いの朝の打合せで、上司が話している内容が全く頭に入ってこないような状況。数時間後に自分が何を聞いたのか、何を話したのかもイマイチ思い出せないよう状況。
大事な打合せや会議がある場合は、いつも以上に十分な睡眠をとることができるよう、そしてその睡眠の質を高めるためにアルコールは控えめにする等、体調を整えておくことが重要です。
ストレスを減らす
強いストレスを感じてしまう状況では、物事に集中できず気持ちも分散しがちです。話を聞こうとしていても、ストレスの原因になっていることが頭に浮かび話の内容を聞き逃してしまったり、途中で気力がなえてしまうこともあります。
ストレスを取り除くことは簡単ではないかもしれません。思い切って休暇を取得したり、一時的なストレスであれば少しその場を離れてみる、少し早く就寝する等を試してみましょう。
人の話が理解できない病気
人の話が理解できなくなってしまった方は、その原因が病気である可能性があると紹介しました。では、その様な症状が起き得る病気とはどのような病気が考えられるのでしょうか。具体的に紹介していきます。
ADHD
ADHDとは「注意欠陥多動性障害」のことで発達障害の一つです。症状として現れる事象として「人の話が理解できない」ことが挙げられる病気です。
この病気に悩まされている方は、一つのことに注意を注ぐことが難しく、人の話を最後まで聞けない、聞いても忘れてしまうということが発生します。
以前は子供の発達障害と考えられてきました。しかし最近では、社会に出て人とのコミュニケーションがうまく取れないことから悩み、発見されるケースも増えてきているようです。
うつ病
うつ病は集中力、気力、やる気が減退するという症状が見られます。そのため、本人に聞きたい気持ちはあっても、話を集中して聞くことが難しくなってしまうということがあります。落ち込みや焦り、イライラの症状を感じると同時に、理解力も落ちてきたと感じた際は注意が必要です。
認知症
認知症も、人の話が理解しにくくなる症状がでる病気です。物事を理解するためには認知機能が正常である必要がありますが、認知機能に障害を及ぼす認知症の進行により、理解力とともに記憶力が低下する症状が出ます。
自閉症スペクトラム障害
以前はアスペルガー症候群とも呼ばれていた病気で、発達障害の一つです。現在は自閉症スペクトラム障害と呼ばれており、自分の興味が話には全く関心を持てない傾向が強くなります。
人の話が理解できない時は地道に克服しよう
ここまで、人の話が理解できない人の特徴や原因、解消法を紹介してきました。理解力をつけたいと悩んでいる方も多くいらっしゃると思いますが、解消法を取り入れてもすぐに克服できるわけではありません。
毎日の地道な積み重ねのもと、少しずつ理解力は向上していくものなので、焦らずにじっくりと取組んでください。継続することこそが克服への近道です。