土地家屋調査士の平均年収を調査!
少子高齢化の日本の現状に伴い、「土地家屋調査士」の仕事が脚光を浴びています。なぜ「土地家屋調査士」なのかというと、高齢化することで、不動産の相続関係や、不動産の空き家問題などが顕在化し始めているからです。
上記以外にも今後5年〜10年スパンで不動産関係のいろいろなケースが増えてくることは確実。そんな時世の流れからますます「土地家屋調査士」のニーズは高まる見込みです。
今回はそんな中で「土地家屋調査士」の平均年収を調査!これから目指す人も、今目指している人も、「土地家屋調査士」がどんな仕事で、どのくらい稼げるのかを調べましましたので、是非ご参考ください。
土地家屋調査士とは
まずはじめに、「土地家屋調査士」ってどんな仕事なのでしょうか?一般的には「不動産について調査する仕事」と漠然と認識しております。しかし、その範囲は日本国の私たちが所有する不動産全てに及ぶため、不動産についてとても重要な担い手になっています。
不動産登記に必要な土地・家屋の調査や測量をする
土地家屋調査士とは「不動産の表示に関する登記につき、不動産に必要な土地・家屋の調査や測量をする」仕事です。不動産とは土地及びその土地の定着物である立木や家屋の事を意味しています。
「不動産の測量」をご存知でしょうか?ここでいう測量とは「推し量ること」ではなく、機器を用いて、地表各点の高低差や角度、距離を測定し、これを数値や図面であらわすことが不動産でいう測量です。
不動産登記とは不動産の実態の権利関係を、社会に広く公示するため、登記法や手続法に則り登記簿に記載することで、これを保護する事です。
登記簿に記載するためには、不動産の実態の権利関係を明確にする必要があります。登記簿に測量に則った正確な情報が反映されて初めて登記が完了します。
それぞれの不動産の物理的状況を正確に反映するために、調査・測量することが土地家屋調査士の主な仕事なのです。
不動産登記の手続きの代理も行う
不動産の表示に関する登記は、権利関係の当事者、いわゆる所有者が申請することが基本です。しかし、不動産登記の手続きには複雑な知識を要求するケースも多く、一般的には理解が難しい専門性を有します。
そのため、土地家屋調査士が所有者の代理として、不動産の表示に関する登記を行うこともその仕事の1つでもあります。
土地家屋調査士の平均年収
では今脚光を浴びている「土地家屋調査士」の平均年収ってどんなものでしょうか?土地家屋調査士は上記のように不動産の調査や測量をする仕事です。ときにはきつい傾斜で測量の作業したり、崖などの危険な場所での測量の作業も要求されます。事務作業だけの仕事ではありません。
登記手続きの専門性を有する不動産の測量という仕事には、そんな肉体労働のきつい一面もあるのが土地家屋調査士なので、年収などでそれなりの見返りがあって然るべきですが、いかがでしょうか?以下にその年収をご紹介しますのでご参考ください。
平均年収は400~750万円
土地家屋調査士の平均年収は400万台〜750万円台です。「どうして年収に開きがあるのか?」ですが、年齢による平均年収の開きあると見ていただいて構いません。
年功序列的に、年齢が50台で半ばで年収のピークを迎えます。経験値も物を言う仕事なので、年齢相応の賃金体系を取っている組織も多いようです。
この平均年収については、年齢別のデータを下記で後述いたします。年齢が20代〜60代までのそれぞれの平均年収のを紹介していますので、ご参照ください。
給料の平均は?
土地家屋調査士の平均の給料ですが、42.58万円になります。もちろん、上述のように、20代〜60代まででは、給料に開きがあり、あくまで間をとった平均値です。こちらも下記にて20代〜60代までのそれぞれの平均月収を紹介していますので、ご参照ください。
土地家屋調査士の年齢別の平均年収・給料・ボーナス
それでは、実際に土地家屋調査士の平均年収・給料・ボーナスを年齢別に確認していきます。土地家屋調査士になりたいと思い目指している方、目指そうと検討している方、実際に仕事を携わるにあたり、「どのくらい稼げるのか?」目安にしていただければ幸いです。
下記数値は国税庁の年齢別階層年収との比率で、算出した数値です。またボーナスは夏冬合わせた4ヶ月分で算出しています。
20代の平均年収・給料・ボーナス
土地家屋調査士の20代の平均年収は、480万円になり、平均月額給与にすると30万円、ボーナスは120万円になります。
具体的には20〜24歳の平均年収は、427.5万円、平均月額給与は26.7万円、ボーナスは106.9万円、25〜29歳の平均年収は、532.5万円、平均月額給与は33.3万円、ボーナスは133.1万円となります。
30代の平均年収・給料・ボーナス
土地家屋調査士の30代の平均年収は、626.25万円になり、平均月額給与にすると39.15万円、ボーナスは156.6万円になります。
具体的には30〜34歳の平均年収は、585.0万円、平均月額給与は36.6万円、ボーナスは146.3万円、35〜39歳の平均年収は、667.5万円、平均月額給与は41.7万円、ボーナスは166.9万円となります。
40代の平均年収・給料・ボーナス
土地家屋調査士の40代の平均年収は、795万円になり、平均月額給与にすると49.7万円、ボーナスは198.75万円になります。
具体的には40〜44歳の平均年収は、750万円、平均月額給与は46.9万円、ボーナスは187.5万円、45〜49歳の平均年収は、840万円、平均月額給与は52.5万円、ボーナスは210万円となります。
50代の平均年収・給料・ボーナス
土地家屋調査士の50代の平均年収は、896.25万円になり、平均月額給与にすると56.05万円、ボーナスは224.05万円になります。
具体的には50〜54歳の平均年収は、900万円、平均月額給与は56.3万円、ボーナスは225万円、55〜59歳の平均年収は、892.5万円、平均月額給与は55.8万円、ボーナスは223.1万円となります。
60代の平均年収・給料・ボーナス
土地家屋調査士の60代の平均年収・給料・ボーナスは、定年退職を想定して、60〜65歳までの数値となります。平均年収は、607.5万円になり、平均月額給与にすると38万円、ボーナスは151.9万円になります。
土地家屋調査士の男女別の平均年収・給料・ボーナス
土地家屋調査士の平均年収・給料・ボーナスを年齢別に確認しましたが、男女別の数値もありますので、下記にてご紹介いたします。
下記数値は国税庁の年齢別階層年収との比率で、算出した数値です。またボーナスは夏冬合わせた4ヶ月分で算出しています。
男性の年齢別の平均年収・給料・ボーナス
まずは男性の年齢別の平均年収・給料・ボーナスです。男性は土地家屋調査士の絶対数が多いため、女性と比較すると高い数値になりますが、これは性別による能力差ではありませんので、お知り置きください。それでは、下記よりご紹介いたします。
20代の平均年収・給料・ボーナス
土地家屋調査士の男性20代の平均年収は、610.55万円になり、平均月額給与にすると76.3万円、ボーナスは96.15万円になります。
具体的には20〜24歳の平均年収は、602.3万円、平均月額給与は37.6万円、ボーナスは37.6万円、25〜29歳の平均年収は、618.8万円、平均月額給与は38.7万円、ボーナスは154.7万円となります。
30代の平均年収・給料・ボーナス
土地家屋調査士の男性30代の平均年収は、670.9万円になり、平均月額給与にすると45.1万円、ボーナスは180.5万円になります。
具体的には30〜34歳の平均年収は、659.5万円、平均月額給与は44.3万円、ボーナスは177.4万円、35〜39歳の平均年収は、682.3万円、平均月額給与は45.9万円、ボーナスは183.6万円となります。
40代の平均年収・給料・ボーナス
土地家屋調査士の男性40代の平均年収は、813.75万円になり、平均月額給与にすると56.25万円、ボーナスは218.65万円になります。
具体的には40〜44歳の平均年収は、764.5万円、平均月額給与は54.7万円、ボーナスは206.3万円、45〜49歳の平均年収は、863万円、平均月額給与は57.8万円、ボーナスは231万円となります。
50代の平均年収・給料・ボーナス
土地家屋調査士の男性50代の平均年収は、930.9万円になり、平均月額給与にすると61.65万円、ボーナスは246.45万円になります。
具体的には50〜54歳の平均年収は、935万円、平均月額給与は61.9万円、ボーナスは247.5万円、55〜59歳の平均年収は、926.8万円、平均月額給与は61.4万円、ボーナスは245.4万円となります。
60代の平均年収・給料・ボーナス
土地家屋調査士の男性60代の平均年収・給料・ボーナスは、定年退職を想定して、60〜65歳までの数値となります。平均年収は、775.05万円になり、平均月額給与にすると41.8万円、ボーナスは167.1万円になります。
女性の年齢別の平均年収・給料・ボーナス
次は女性の年齢別の平均年収・給料・ボーナスです。先述通り、女性は土地家屋調査士の絶対数が少ないため、男性と比較すると低い数値になりますが、これは性別による能力差ではありませんので、お知り置きください。それでは、下記よりご紹介いたします。
20代の平均年収・給料・ボーナス
土地家屋調査士の女性20代の平均年収は、443.6万円になり、平均月額給与にすると27.95万円、ボーナスは111.8万円になります。
具体的には20〜24歳の平均年収は、412.5万円、平均月額給与は26.7万円、ボーナスは106.9万円、25〜29歳の平均年収は、474.7万円、平均月額給与は29.2万円、ボーナスは116.7万円となります。
30代の平均年収・給料・ボーナス
土地家屋調査士の女性30代の平均年収は、534.475万円になり、平均月額給与にすると34.05万円、ボーナスは136.16万円になります。
具体的には30〜34歳の平均年収は、510.2万円、平均月額給与は33.5万円、ボーナスは133.8万円、35〜39歳の平均年収は、558.75万円、平均月額給与は34.6万円、ボーナスは138.5万円となります。
40代の平均年収・給料・ボーナス
土地家屋調査士の女性40代の平均年収は、666.625万円になり、平均月額給与にすると41.25万円、ボーナスは164.95万円になります。
具体的には40〜44歳の平均年収は、625.75万円、平均月額給与は38.9万円、ボーナスは155.6万円、45〜49歳の平均年収は、707.5万円、平均月額給与は43.6万円、ボーナスは174.3万円となります。
50代の平均年収・給料・ボーナス
土地家屋調査士の女性50代の平均年収は、761.075万円になり、平均月額給与にすると46.5万円、ボーナスは186万円になります。
具体的には50〜54歳の平均年収は、768.5万円、平均月額給与は46.7万円、ボーナスは186.8万円、55〜59歳の平均年収は、761.65万円、平均月額給与は46.3万円、ボーナスは185.2万円となります。
60代の平均年収・給料・ボーナス
土地家屋調査士の女性60代の平均年収・給料・ボーナスは、定年退職を想定して、60〜65歳までの数値となります。平均年収は、624.15万円になり、平均月額給与にすると31.5万円、ボーナスは126.1万円になります。
企業の大きさ別の平均年収・給料
企業の大きさによって、平均年収が変わってくるのは、土地家屋調査士の仕事も他の民間企業と同じ理論です。大きな売り上げを誇れば、それだけ利益になり、賃金などで還元されます。
では、土地家屋調査士の平均年収について、企業の規模ごとの違いを大企業・中企業・小企業に分けてそれぞれ紹介していきます。
大企業の土地家屋調査士の場合
大企業とは中小企業の基準を超える企業のことです。中小企業の定義は後述の「中企業の土地家屋調査士の場合」をご参照ください。
大企業の土地家屋調査士の場合、平均年収は870万円です。平均月額給与にすると54.4万円になります。大企業の土地家屋調査士の平均年収と平均月額給与の数値も上述のように、厚生労働省の企業規模比率から算出しております。
中企業の土地家屋調査士の場合
中小企業とは、資本金または出資の総額が3億円以下の会社、または常時使用する従業員・社員の数が300人以下の会社および個人を指しています。小企業は「小規模企業」として下記にて後述します。
中企業の土地家屋調査士の場合、平均年収は720万円です。平均月額給与にすると45万円になります。中企業の土地家屋調査士の平均年収と平均月額給与の数値も上述のように、厚生労働省の企業規模比率から算出しております。
小企業の土地家屋調査士の場合
小企業とは「小規模企業」のことを本記事では意味しており、常時使用する従業員の数が20人の会社及び個人のことを指します。
小企業の土地家屋調査士の場合、平均年収は652.5万円です。平均月額給与にすると40.8万円になります。小企業の土地家屋調査士の平均年収と平均月額給与の数値も上述のように、厚生労働省の企業規模比率から算出しております。
土地家屋調査士の年収を1000万にするにはどうする?
高収入は多くの人の望みです。生活は安定、衣食住に困らず、精神的にもゆとりが持てます。ただ、全ての業種で全ての人が高収入になることはなかなか難しいのが現状。その点、土地家屋調査士は不動産の調査・測量という仕事のため、高収入の仕事の部類に属しています。
それは不動産登記に関して同じ基準に則って、依頼される仕組みが確立しているからです。実際のシビアな測量の作業もありますが、不動産の調査・測量という作業は、私たちの不動産の権利関係と切っても切れない関係です。
そんな「不動産の調査・測量」という世の途切れないニーズを受ける土地家屋調査士の仕事において、「年収1000万」というボーダーを超えるにはどうすれば良いのでしょうか?以下よりその方法をご紹介いたします。
独立する
土地家屋調査士の仕事で「年収1000万」を見込めるケースを想定すると、独立開業が近道です。独立開業すれば、自分で給料や仕事の量などをある程度自由に決定することができます。
ただ、独立開業には、事務所、測量の機器などの購入費用など、最低でも数百万円の初期投資が必要になります。また、顧客獲得も大手の土地家屋調査会社と競合になるので、販路をしっかりと見据えた営業力も大切となります。
上記の背景から、数年間サラリーマンである程度のノウハウを培った後、独立開業するケースも多々見受けられます。
大手企業で役職につく
土地家屋調査士ので「年収1000万円」を見込めるケースのもう一つの選択肢は大手企業に就職し、役職へと昇進していく道が挙げられます。
先述したように、大手企業は、大きな売り上げを上げる組織力を持っているから、大きな企業規模になったわけです。それは土地家屋調査会社も例外ではなく、その利益は毎月の賃金などで還元されます。
ただ、年収1000万円を超えるとなれば、役職者として、昇進していく技量と実績を兼ね備えていく必要があります。もちろん大手企業であれば、相応のライバルも存在しています。
誰もが役職者になることができないため、年収1000万円を超えるかどうかは、あくまでも個人の技量に頼ることになります。
役職別の平均年収・給料・ボーナス
上記で役職につくことが、年収1000万円を超える1つの道であることに触れましたが、役職と言っても、1つだけではありません。
そこで、より具体的に、それぞれの役職ごとの平均年収・給料・ボーナスをご紹介していきます。以下の平均年収と平均月額給与の数値も上述同様、厚生労働省の企業規模比率から算出しております。役職が上がるにつれ、年収が上がっていくのは当然ですが、一つの目安にしてもらえれば幸いです。
主任の場合
大手土地家屋調査士の企業に勤めているケースで、役職が主任の場合の平均年収・給料・ボーナスについてです。平均年収は643.5万円、給料は40.2万円、ボーナスは160.9万円です。一般社員の平均年収が420万円と言われていますが、遥かに高い数値ですが、1000万円には至らずです。
係長の場合
大手土地家屋調査士の企業に勤めているケースで、役職が係長の場合の平均年収・給料・ボーナスについてです。平均年収は801万円、給料は50.1万円、ボーナスは200.3万円です。係長クラスでも一般社員の平均年収くらべると倍近くの年収ですが、1000万円には至らずです。
課長の場合
大手土地家屋調査士の企業に勤めているケースで、役職が係長の場合の平均年収・給料・ボーナスについてです。平均年収は1058.4万円、給料は66.2万円、ボーナスは264.6万円です。課長クラスで初めて、1000万円を超える年収を得ることができます。
部長の場合
大手土地家屋調査士の企業に勤めているケースで、役職が係長の場合の平均年収・給料・ボーナスについてです。平均年収は1170万円、給料は73.1万円、ボーナスは292.5万円です。部長クラスでは1200万円近くの年収を得ることができます。
土地家屋調査士になるにはどうしたらいいの?
では土地家屋調査士になるためにはどんなルートが考えられるでしょうか?誰もが志願すればなれる仕事なのでしょうか?不動産の表示に関する登記につき、調査・測量という手段でもって、人々の権利関係を明確にする責任のある仕事なだけに、土地家屋調査士になるためのノウハウが気になります。
国家試験に合格して資格を取得
土地家屋調査士になるためには国家試験に合格する必要があります。いわゆる「土地家屋調査士」資格試験です。合格すれば、晴れて土地家屋調査士の独占資格を得ることができます。
実施日程は決まっており、筆記試験は毎年8月第3日曜日、口述試験は、筆記試験合格者のみ受験資格があり、11月中旬に実施されます。
合格率はどのくらい?
気になる合格率ですが、全受験生のわずか10パーセントと非常に狭き門です。社会人の方は数年間働きながらの勉強するケースが多く、主に仕事帰りや休みの日を利用して、資格試験専門学校に通いながら頑張ります。
また、登記には司法書士の資格が必要なので、司法書士の資格を獲得してから土地家屋調査士の資格獲得を目指すケースも多々見受けられます。
土地家屋調査士の年収は日本人の平均より高め
土地家屋調査士は不動産の表示に関する登記につき、調査・測量する大切な仕事なので、その分に見合った年収が得られます。
先述したように日本人の平均年収よりも高く、安定していますが、合格率の低い国家試験を通過した人が就ける狭き門です。本記事を機に土地家屋調査士の年収に関する理解が得られれば幸いです。