資格手当とは?支給額の相場やメリットを紹介!
企業には資格手当があること知っていますか。資格手当は、従業員の知識向上やスキルアップなど人材育成のためにメリットがある制度です。また資格手当には、従業員のモチベーションをアップさせるメリットもあります。
さらに、企業が資格手当を支給することは、イメージアップすなわち雇用を確保しやすいメリットがあります。このようなメリットがあることから資格手当を支給する企業が増えてきています。
企業が支給する資格手当の相場はいくらなのでしょうか。また、企業が支給する資格手当には、どんな種類の資格が対象になるのかなど企業が支給する資格手当について詳しくご紹介していきます。
資格手当とは
企業が従業員が持っている資格にお金を支給することを資格手当と呼びます。資格手当は、プロスポーツ界で行われているインセンティブのような制度です。つまり、従業員が持っている資格を企業が高く評価していることになります。高い評価の代償として資格手当を支給するのです。
資格手当の支給の対象になる資格は、企業によって違いがあります。単に資格を持っているからといっても、必ずしも資格手当が支給されるとは限らないということです。企業は仕事に関連し、活用できる資格でなければ資格手当を支給しないこともあります。
つまり、資格手当の支給額の相場も出す出さないも企業で設定できるということです。資格手当の支給を受けるには、企業での仕事に関連し、活用ができる資格でなければ意味がないとも言えます。さらに、資格手当の支給額の相場も企業によって違いがあります。
資格手当の種類
企業の仕事に活用できる資格を持っている従業員に支給されるのがる資格手当です。資格手当は、従業員のレベルアップとモチベーションがアップする面では企業にメリットがあります。
また、企業から資格手当が支給される従業員には、モチベーションがアップすることに加えて、お金をもらえるわけですから嬉しい制度でしょう。
企業と従業員にメリットがある資格手当には種類があることを知っていますか。企業と従業員にメリットがある資格手当の種類について詳しくみていきましょう。
資格手当
企業の資格手当には、毎月支給と一時的な支給の2つの種類があります。毎月支給されるのが給料に加算する形で資格手当として支給されるものです。資格を持っていれば毎月資格手当がもらえるということです。毎月企業から資格手当が支給されるため給料が増えるメリットがあります。
合格報奨金
企業から毎月支給されるのではなく、一時的に支給されるのが資格を取得時に支給される一時金です。資格を取得したことへの努力を認めて支給されるものです。資格を取得するまでの勉強したことへのお疲れ様的な意味で支給されます。
この一時金(合格報奨金)は、資格を取得時に支給されるため1回の支給で終わりになります。しかし、資格を取得時に支給する一時金と毎月資格手当として支給する両方を出してくれる企業もあります。
一時金と毎月資格手当として支給する両方を出してくれるのは、専門性が高い仕事をしている企業が多い傾向があります。つまり、資格がないと仕事がやりづらいあるいは、できない企業になります。
資格手当の支給方法
企業からの資格手当には、毎月支給と一時支給の2つの種類があります。中には両方を支給してくれる企業もあります。企業から支給され資格手当の種類を整理してみましょう。
1つ目の種類が毎月給料に加算されて支給される資格手当です。企業によっては資格給といった呼び方をします。毎月資格手当を支給する企業には、宅地建物取引士などの資格がないと仕事をすることができない「不動産業」があります。
また、建築に関する資格が必要な「建設業」、ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格が活用できる「金融業」などの企業もあります。2つ目の種類が合格報奨金です。
合格報奨金は文字のとおりで、資格に合格した時に支給されます。合格報奨金が支給されるのは、専門性が高く、合格率が低いつまり、難易度が高い資格になります。専門性が高く、合格率が低い資格には、情報処理技術者試験があります。
いわゆるIT企業で活用できる資格です。特に上級システムアドミニストレータ試験は、難易度が高く合格すれば高い報奨金が支給される傾向にあります。また、難易度からみれば、税理士も高く、合格すれば高い報奨金が支給されます。
資格手当の対象となる資格と相場【国家資格】
企業から支給の対象になる国家資格にはどのような種類があるのでしょうか。また、合格した場合の支給額の相場はどのくらいになるのでしょうか。資格手当の対象となる国家資格と支給される相場について詳しくみていきましょう。
宅地建物取引士
「宅地建物取引士」は宅建や宅建士と呼ばれている国家資格です。「宅地建物取引士」は、不動産企業などで土地や建物を売ったり、買ったりできます。また、賃貸住宅や賃貸マンションなどを紹介したり、交渉の世話をしたりすることができる国家資格です。
「宅地建物取引士」になるには、不動産取引でのトラブルを起こさないために設立された国土交通省が管轄する「一般社団法人不動産適正取引推進機構」で年1回実施される試験に合格する必要があります。
「宅地建物取引士」の試験は、「宅建業法」「法令上の制限」など4つの種類の科目から出題されます。「宅地建物取引士」の試験の合格率は、毎年15%から17%で推移している難易度が高いとまでは言えませんが、決して低くない試験と言えるでしょう。
「宅地建物取引士」の資格を持っている人に支給される相場は、3万円から5万円です。「宅地建物取引士」の資格を取得すれば毎月給料に3万円から5万円が加算されるということです。
「宅地建物取引士」の資格には有効期間がありますので更新しないと、資格手当が支給されなくなりますので更新期間には注意しましょう。有効期間が過ぎる更新が必要です。期間後更新には、受講料と申請手数料など合わせて1万7千円ほど必要なりますの知識として覚えておきましょう。
また、「宅地建物取引士」の資格は不動産関連の企業では、必須ともいえる資格です。そのため持っているのがあたり前といった意味合いから基本給や歩合などに資格手当を含ませている企業もありますので知っておきましょう。
つまり、資格手当の相場が3万円の企業と相場が5万円の企業では実質的には、変わらない可能性があるということです。
社会保険労務士
「社会保険労務士」は、企業で働く従業員の雇用や労働に関するアドバイスや手続ができる「社労士」と呼ばれている資格です。企業に採用されると従業員の雇用保険や労災保険、社会保険などの手続が必要になります。このような手続を企業に代わってできるのが「社会保険労務士」です。
「社会保険労務士」になるには、国家試験に合格する必要があります。社会保険労務士」になる国家試験を受けるためには、受験資格が必要です。大卒・短大卒・高等専門学校を卒業していれば問題なく、受験できます。
専門学校の場合は、教育を受けた期間や取得した称号によって変わりますので、よく確認する必要があります。高校卒の場合は、実務経験の期間が通算3年以上あることが受験資格の条件になります。
「社会保険労務士」の試験科目は、「労働基準法及び労働安全衛生法」「雇用保険法」「厚生年金保険法」など8種類から出題されます。「社会保険労務士」の試験合格率は2.6%から9.3%とバラツキが大きくて、また難易度が高い資格と言えます。
「社会保険労務士」の資格手当は、1万円から3万円が相場とされています。難易度が高い資格なのですが、やや低い相場になっています。
中小企業診断士
「中小企業診断士」は、企業の経営の発展や抱えていることを解決する策などを助ける業務をする人のことです。つまり、企業の役員の相談などを受けてそれに対してアドバイスを送る経営コンサルティングなのです。
「中小企業診断士」には、売上を向上するための知識が必要。また、コスト削減や新しい技術の導入に向けての開発などの知識が必要になります。さらに、企業の役員を納得させるわかりやすい用語やコミュニケーション能力も必要になります。
「中小企業診断士」になるのは、「経済学」「経済政策」「財務・会計」など7種類の科目試験に合格するとともに、口述試験に合格する必要があります。さらに、口述試験に合格してから3年の期間内に実務補習を受けてはじめて、「中小企業診断士」として登録されます。
「中小企業診断士」の試験の合格率は、3.1%から5.8%で推移している難易度が高い資格と言えます。「中小企業診断士」の資格手当は1万円から3万円が相場です。
しかし、金融機関に関係している企業では5万円の資格手当になることがあり、「中小企業診断士」の働く環境によってかなり変わることを覚えておきましょう。
資格手当の対象となる資格と相場【民間資格】
企業から支給の対象になる民間資格にはどのような種類があるのでしょうか。また、合格した場合の支給額の相場はどのくらいになるのでしょうか。資格手当の対象となる民間資格と支給される相場について詳しくみていきましょう。
TOEIC
「TOEIC」は、「Listening Reading Test」の略で、英語の能力を知ることができる資格になります。「TOEIC」は、英語でのミュニケーション能力を評価する「TOEIC Program」に位置し、(TOEIC Tests)と(TOEIC Bridge Tests)の2種類に分かれます。
(TOEIC Tests)はビジネスで使う英語の能力を評価するテストで、(TOEIC Bridge Tests)は日常生活で使う英語の能力を評価するテスト。当然のことながら、企業から支給の対象になるのは(TOEIC Tests)になります。
(TOEIC Tests)には、リスニングつまり、聞く試験、スピーキング話す試験、英語でのコミュニケーション能力試験の3種類のテストがあります。リスニングは10点から990点、スピーキングとコミュニケーションは0点から200点で評価されます。
「TOEIC」は、点数に応じて奨励金として支給されます。600点代では1万円が相場ですが、3万円支給する企業もあります。700点代では少なくても2万円が相場で5万円を支給する企業も。また800点から900点になると5万円が相場ですが、10万円から20万円を支給する企業もあります。
秘書検定
「秘書検定」とは、企業の役員や経営者の秘書として活躍できる資格です。「秘書検定」には、3級にはじまり、2級、準1級、1級の4種類があります。「秘書検定」は級によって2種類の試験に分かれます。
3級、2級は筆記試験のみ、準1級、1級は筆記試験に面接試験が加わります。3級、2級では秘書の配慮しなければいけない基本的なことや役員などが業務しやすい環境作りが問われます。
準1級は、秘書としての判断する能力、対応する能力が問われ、1級では、役員の業務をサポートできる能力が問われます。「秘書検定」の資格手当は給料に加算されるかたちで支給され、2級の場合で月に5千円が相場です。1級になると、2万円支給する企業もあります。
日商簿記(2級以上)
「日商簿記」には、1級から初級まど4種類あります。「日商簿記」1級は、国家資格である公認会計士、税理士などに匹敵する高いレベルが必要です。「日商簿記」2級は、企業の貸借対照表や損益計算票などの帳簿記録が作れるレベルが要求されます。
資格手当の対象となるのが「日商簿記」2級以上です。「日商簿記」2級は商業簿記・工業簿記の2種類の知識が問われます。「日商簿記」2級の合格率は23%ほどで比較的難易度が低い資格と言えます。
「日商簿記」2級の資格手当が3千円が相場です。「日商簿記」1級になると1万円支給する企業もあります。
資格手当を受けるメリット
資格手当を受けることにはどんなメリットがあるのでしょうか。資格手当を受けるメリットについて詳しくみていきましょう。資格手当を受けるメリットは、資格手当つまりお金がもらえることになり、当然のことながら、給料が増えることです。
また、、給料が増えることから仕事への意識が変わるのも資格手当を受けるメリットです。さらに、資格手当は毎月給料に加算されて支給されます。奨励金のように一時的な支給ではないため資格の有効期間の間ずっともらえるのもメリットです。
スキルアップができる
資格手当を受けることで、企業に尽くそうといった気持ちが生まれ、企業のためにスキルアップを目指します。また、資格手当を受けることは、企業で活用できる資格を持っていることになります。
つまり、資格手当を受けるメリットは、企業で活用できる知識やスキルがアップできるということです。企業で活用できる知識やスキルがアップすることで、楽しく働くことができるのもメリットではないでしょうか。
給料が多くなる
資格手当を受けることは、給料が多くなるメリットがあります。資格手当は、有効期間があります。有効期間内であれば、毎月の給料に加算されるかたちで支給されます。有効期間内であれば、基本給にプラスして資格手当が支給されます。
つまり、有効期間内であれ毎月給料が多いということです。また、資格の有効期間が過ぎても更新さえすれば、資格手当の対象になるので支給されないことはありません。
資格取得期間にかかった金額全て貰えることも
企業にもよりますが、資格取得期間にかかった金額全て貰えることもあります。資格取得期間にかかった金額には、資格を取得するために購入したテキスト代、試験の受験料、試験会場までの交通費といった費用があり、この費用の一部あるいは全額を支給してくる企業もあります。
資格手当を支給する企業のメリット
資格手当を支給する企業にもメリットがあります。資格手当を支給することで従業員のモチベーションが向上することです。また、資格手当を支給していることは、従業員が資格を持っていることになります。
従業員が資格を持っていることは、知識や能力が向上につながります。また、資格手当を支給するの企業をアピールするメリットがあります。資格手当を支給する企業のメリットを詳しくみていきましょう。
従業員のモチベーションの向上
企業が資格手当を支給することは、資格をとれば手当が支給されるこを従業員が知ることになります。手当が支給されることは、給料が増えることです、給料が増えることを知れば、資格を取得したといった気持ちが従業員に見栄えます。
資格を取得したといった気持ちが従業員に見栄えることが企業のメリットです。つまり、企業が資格手当を支給することは、従業員のモチベーションの向上につながるメリットがあるのです。
従業員個々の知識や能力が向上
従業員個々の知識や能力が向上することも企業が資格手当を支給するメリットです。資格には専門知識を知るために勉強をする必要があります。資格取得に向けて勉強することは、資格試験に合格しなくても知識を得ることになります。
変な言い方をすれば、資格手当が餌つまり、目標になり、餌をとるために従業員個々が努力することが企業にとって最大のメリットです。
企業のイメージアップにも
資格手当を支給することは企業のイメージアップがきます。企業が資格手当を支給することは、就職・転職を考えている人たちへのアピールになります。アピールになることは良い人材を集まる可能性が高くなることです。
良い人材を集まることは、良い企業として評価が高くなります。つまり、資格手当を支給することは、トータル的に考えるならば、企業の発展につながると言っても過言ではないのです。
資格手当についての注意点
企業が支給する資格手当をもらう時に知っておきたいことや注意する点についてみていきましょう。企業の資格手当でもっと大事なのが、自分が取得した資格が手当の対象になるかということです。
また、資格を取るタイミングを考えることも大事になります。苦労して取得する資格に見合う額の手当が支給されるのかも知っておく必要があります。
取得したい資格が対象であるか確認
国家資格を取得しても資格手当を支給しない企業があることを知っておきましょう。資格手当は企業で活用できる資格を取得することで支給するのが一般的な考え方です。
資格を取得する祭には、企業で活用でき、評価してもらえる資格を取得することが大事になります。どんな難易度が高い、資格を取得しても企業から手当が支給されなければ意味がないとも言えます。
資格を取るタイミングを考える
企業が、長い期間資格手当を支給しているからといってもいつまでも支給されるとは限りません。企業の経営状況などによって支給されなくなる可能性もあります。資格を取得する時には、資格手当の支給がされているかを確認することを忘れないようにしましょう。
手当が労力に見合うかも確認
簡単な勉強だけで合格する資格もありますが、ある一定期間必死で勉強しなければ合格できない資格もあります。ある一定期間必死で勉強し、資格試験に合格しても、支給される資格手当が少なければ、苦労が報われないこともあります。
自分が取得しようとしている資格に、企業からどの程度の手当が支給されるのかを知っておくことが大事になります。ある一定期間必死で勉強した苦労が報われることを確認して資格の取得を目指しましょう。
資格を取得する際はよく考えてからにしよう!
企業は、資格を取得している人たちに資格手当を支給しています。企業が資格手当を支給するのは、その資格が業務に活用できると判断するからです。つまり、企業にメリットがあるから支給するのです。
逆に言えば企業にメリットがない資格には資格手当は支給しないということです。どんな資格でも資格手当を支給する企業は少ないのが現状です。企業に活用できる資格の取得を目指すことが大事になります。