かわいい苔玉の作り方&育て方を紹介!
ころんとかわいい苔の玉に小さな植物を植えて育てる「苔玉」。その愛らしい姿と独特の存在感でインテリアとして人気を集める「苔玉」ですが、手作りもできることをご存じでしょうか?
土やグリーンに触れながら行う「苔玉」作り。それ自体に癒しのパワーがあると、はまってしまう人が続出。100均にもインテリア用の苔が置いてあるので、とても手軽に始められるのもブームの理由のひとつです。
小さいころに泥団子づくりが大好きだった方は少なくないでしょう。大人になってから泥遊びをすることはなかなかありませんが、「苔玉」作りはそんな子供の頃のわくわくを思い出させてくれます。
「苔玉」は盆栽のような雰囲気があるので、作り方はちょっと難しそうに思えるかもしれません。でも「苔玉」作りは意外とシンプルで簡単です。材料も多くないので、ぜひ挑戦してみてください。
この記事では、「苔玉」の作り方や育て方についてまとめました。作るのに必要な材料や手順、完成後の水やりの仕方や、育ってきたときの植え替え手順までを一通りご説明しています。さあ、癒しの「苔玉」の世界へ、足を踏み入れてみましょう!
苔玉とは
何とも言えないフォルムがかわいい「苔玉」。様々な形と植物で、その姿は多種多様です。ところで、「苔玉」とはどのようなものを指すのでしょうか?「苔玉」づくりにとりかかる前に、「苔玉」とは具体的にどういうものなのか、知識として知っておくことにしましょう。
土で包んだ植物の根に苔を貼り付けたもの
「苔玉」とは、植物の根を土でくるみ、外側に苔を貼り付けたもののことです。美しく整えられたものは洗練された和の雰囲気を醸し出し、日本だけでなく海外のインテリアファンにも人気。「Kokedama」または「Mosball」という名称で親しまれています。
SNSで「kokedama」とローマ字で検索すると、海外の方が作ったユニークなセンスの「苔玉」画像が。日本人の私たちの目から見るとかなり新鮮な感性で作られたものも多数あり、飾り方も様々です。SNSで検索すれば「苔玉」の世界の広さを実感できるでしょう。
盆栽のようですがアレンジ自由で、よりカジュアルで取り入れやすい姿が魅力。育て方や水やり、植え替えなどのお世話も、盆栽に比べればとても分かりやすく簡単なのが人気の理由のひとつです。
おしゃれに自由にアレンジができ人気
土・苔・植物でつくる「苔玉」は、それ自体はとてもシンプルな姿。しかしそれだけにアレンジが自由自在で、アイデア次第で様々な雰囲気のものが作れるのが「苔玉」の魅力です。
ぽってりとしたかわいい姿のイメージがありますが、作り手によってはかっこいい和モダンな雰囲気や、洗練されたおしゃれな雰囲気に整えられたものも。同じ植物を植えても、育て方や剪定の仕方で雰囲気が変わってくるのも奥深いところです。
また器選びによってその表情が大きく変わるため、インテリアやグリーン好きのみならず、器好きな方にもファンが多くいるのが特徴。植物・土・苔と器が一体になってひとつの世界を作る、アート作品としても注目が集まっています。
苔玉作りに必要な材料
「苔玉」は、材料も作り方もシンプル。苔も器も身の回りのものを使えるので、世界にひとつだけのかわいい「苔玉」をとても手軽に作ることができます。
ここでは、「苔玉」作りに必要な材料をまとめました。植え替えの際にも同じ材料を使うことになるので、覚えておきましょう。「自分ならどんなものを使うかな?」と、想像しながら読んでみてください!
苔
「苔玉」作りに必要なもの、それは苔です!これが無ければ始まりません。100均のインテリア用モスを購入しても良いですし、家の近くに自生しているものを採ってきてもOKです。同じ種類が集まらなかったら、数種類の苔を使ってみても面白い「苔玉」になるでしょう。
「苔玉」によく使われる苔の種類としては、「ハイゴケ」や「ミズゴケ」があげられます。ハイゴケは背が低く、扱いやすいのが魅力。密度の高い小さな芝生のような姿で、長い茎を這うように伸ばして成長します。まん丸のかわいい「苔玉」が作りたい方や、初心者さんにおすすめです。
「ミズゴケ」はふわふわしたスポンジのような性質で、保水性の高さが魅力。多肉植物によく似合うと言われ、一緒に組み合わせられることも多い苔です。ほかにも丈夫で育てやすい特徴の「スナゴケ」などが「苔玉」作りでよく使わる苔です。好みのものを選びましょう。
植えたい植物
「苔玉」作りの材料として、苔の次に用意するのは植えたい植物。特に決まりは無いので好きな植物を自由に選びましょう。あまり大きく育ちすぎないものなら何でも構いません。
和風の「苔玉」にしたいなら紅葉や梅、桜など。洋風の観葉植物を選べば、和モダンな雰囲気がすてきな「苔玉」になります。また、多肉植物やサボテンを選んでもユーモラスな魅力のかわいい「苔玉」に。
植物を育てるのに慣れていない人は、育てやすさの観点から選ぶのもおすすめです。丈夫で生命力の強い植物、湿気に強い植物は育て方が簡単。
丈夫な種類は植え替えなど環境の変化にもよく耐えてくれます。肥料のいらない種類、水やりが少なくて済む植物も手がかからないので初心者さん向けと言えるでしょう。
また、飾り方は置くのか、吊るすのか、飾る場所はよく日が当たるのか、そういった環境から植物を選ぶとより育て方は簡単になります。飾るのにおすすめの場所も後述するのでお楽しみに。どこへ飾るのか考えつつ、好きな植物を選んでみましょう。
苔玉用土
「苔玉」を作るなら、材料として土は欠かせません。「苔玉」作りに適した土は、「ケト土」と「赤玉土」です。あまり耳慣れませんが、ケト土とは粘り気のある保水力の高い土。これと赤玉土を7:3の割合で配合します。ホームセンターなどで手に入るので探してみましょう。
糸
そして、「苔玉」作りに忘れてはならないのが、糸。「苔玉」ははじめ、ぽろぽろと取れてしまう苔を糸でぐるぐる巻きにして固定することで完成するのです。糸はできれば木綿糸、なければテグスを使用しましょう。
「苔玉」作りに木綿糸が良い理由は、苔が成長して根づく頃には自然に腐ってなくなってしまうから。あとで外す手間がないのは嬉しいポイントです。また、テグスのように光を反射してしまうことが無いので見た目にも自然に仕上がります。黒や茶色っぽい色を選ぶとよく馴染むでしょう。
飾るためのお皿・容器
最後に、完成した「苔玉」を飾るための器を用意して、材料は一揃いです。ここはセンスの見せ所。小さな小鉢、お椀、楕円形の平皿、ガラス瓶など、完成イメージに合わせて自由に選んでみましょう。
自宅に気に入って購入したけど使っていない器はありませんか?また、お気に入りだったけど少し欠けてしまった器なども、「苔玉」作りは活躍させられるよい機会になります。
アイデアが欲しいときはSNSをのぞいてみるのがおすすめ。それぞれのセンスが光る、個性あふれる器を使用した「苔玉」に出会えるでしょう。
苔玉の作り方
それではいよいよ、「苔玉」の作り方について見ていきましょう。「苔玉」は、作り方もシンプルです。後々、植え替えの際に同じ手順を踏むことになるので、「苔玉」と暮らすならこの作り方を覚えておくのがおすすめです。
下準備として、乾燥ゴケを買ってきた人は水で戻しておくことを忘れずに。用意した植物もポットから取り出して、割り箸などで少し値をほぐしておきます。
終わったらそろえた材料を並べ、汚れても良い格好にエプロンをしてスタンバイ。庭仕事用のゴムグローブがあると手を汚さずに済みます。準備ができたら始めましょう。
作り方①ケト土と赤玉土を混ぜる
いよいよ「苔玉」作りです。まずはケト土と赤玉土を混ぜましょう。ケト土には、細かなごみが入っていることがあります。手で土を混ぜつつ、小さな枝やごみなどを見つけたら、都度取り除きましょう。様子を見ながら水を少しずつ足して、耳たぶくらいの固さになるまでよくこねていきます。
作り方②植物を植え込む
こねあがった土を、植物の根の周りに貼り付けていきましょう。隙間なくみっちり覆えるように気を付けます。このとき根が長すぎるようなら、少しカットします。また、傷んだ葉や、密集しすぎている部分も間引いて整えておくと仕上がりがきれいになります。
ある程度根を覆ったら、あとは自由に土を成形します。楕円形、まん丸、しずく型など、作り方はお好みで。立方体なんて形も面白いかもしれません。
「苔玉」の作り方には、はじめに成形しておき、そこへくぼみを作って植物を埋め込むというやり方もあります。どちらでも良いのですが、より根に土を密着させやすい作り方を選ぶならご紹介した方法がおすすめ。2つ以上作る予定があるなら、両方の作り方を試してみるのも良いでしょう。
作り方③土に苔を貼り付ける
「苔玉」の土の成形が終わったら、ここで苔を貼り付けていきます。水で戻してあった苔は軽く絞って使います。絞りすぎないように注意しましょう。
苔に付いている土が分厚い場合は、土の部分を少しカットして使います。ぎゅっと抑えるようにして、はがれないように気を付けながら苔を押し付けていきましょう。
作り方④苔が崩れないように糸で固定
貼り付けただけの苔はとてもはがれやすく、付けた端からぼろぼろと取れてしまいます。苔を貼り終わったら、すかさず糸を巻き付けて固定していきましょう。15回から20回程度を目安に、苔がずれたり落ちなくなるまでぐるぐると巻き付けていきます。
巻き方は、X字を描くように巻いていくのがおすすめ。まんべんなく覆えるよう、少しずつ位置を調整しながら巻きましょう。
作り方⑤水を張った容器に苔玉を沈める
苔がはがれ落ちなくなったら、最後の仕上げに「苔玉」を水に沈めて吸水させます。作ったばかりなので、崩れないよう丁寧にゆっくりと。苔からぷくぷくと小さな泡が出るので、気泡がなくなるまで漬けて水やりしてあげましょう。
10分程度漬けて、吸水が終わったらこれで「苔玉」は完成。用意した器に入れ、1週間ほど風通しの良い日陰で休ませてあげます。その後は飾りたい場所に移動させてOK。ときどき様子を見ながら、かわいい「苔玉」との生活を楽しんでください!
苔玉の育て方
さて、無事完成した「苔玉」ですが、育て方についてはご存じでしょうか?「苔玉」は、苔も植えた植物も呼吸をして生きています。きちんと水やりして、長く大切に育ててあげたいところ。育て方を心得て手をかけてあげれば、植物は日がたつごとに成長し、少しずつ違う顔を見せてくれるでしょう。
ここでは、「苔玉」の基本的な育て方についてまとめました。水やりの仕方、肥料の与え方、植え替えの仕方はどれも知っておいて損はありません。かわいい手作り「苔玉」と長く暮らすため、枯らしてしまって悲しい思いをしないために、性質と育て方を知って理解を深めておきましょう。
苔玉を置く場所
「苔玉」の育て方で、まず大切なのは置き場所です。実は、「苔玉」を置くのに適した場所は、屋外。風通しの良い場所が最適です。風を当てるため、地面にそのまま置かず、棚などの上に置きましょう。こうすることで地面の熱の影響を受けにくいというメリットもあります。
「ええ~っ、室内に置きたかった!」という方もいらっしゃるでしょうか。数日程度なら、「苔玉」を室内で数日程度管理しても問題ありません。室内で管理する育て方を選ぶ場合は日当たりよりも、やはり風通しのよさを重視しましょう。
なぜ室内で育てるのが難しいかと言うと、「苔玉」は意外なことに湿気が大敵だからです。「苔玉」の育て方で失敗の原因になりやすいのが、高温で風通しが悪く、湿度の高い場所で管理してしまうこと。
この条件下で「苔玉」が蒸れてしまうと、カビが生えたり、ひどい場合は根腐れを起こしてしまうことも。根腐れを起こしてしまうと、「苔玉」を1度解体して傷んだ根を切り落とし、再度作り直して植え替えるという大手術が必要になってしまいます。
また、カビも人間にアレルギーを引き起こすなど悪い影響を及ぼす場合があります。人間が快適に暮らすマンションなども、「苔玉」にとっては高温多湿で生きにくい環境になってしまうのです。長く一緒に過ごすため、適切な育て方にのっとって育ててあげましょう。
水やりの頻度
「苔玉」の水やりの頻度は、植物の種類や季節、生育環境によって変わってきます。大まかな目安としては、春と秋は週2~3回、夏は毎日、冬は週に1回程度水やりをすると良いと言われています。
水やりのタイミングは、「苔玉」を触って乾燥していること、持ち上げてみて軽くなっていることです。重さはあるけど表面が乾いているようなら、霧吹きで水やりをすると良いでしょう。
持ち上げて軽くなっていたら、初めに作ったときのように、バケツなど容器に水を入れて「苔玉」を漬けて水やりをします。お花の咲いている植物を植えている場合は、水やりの際に花に水が付かないように気を付けて。ぷくぷくと出てくる気泡がなくなるまで漬けて引き揚げ、水やりは完了です。
肥料の与え方
苔は肥料を必要としません。「苔玉」に植えた植物に肥料を与えたい場合は、ごく薄く薄めた栄養剤を2週間に1回程度、水やりの際に少量与えるようにしましょう。タイミングは成長期がおすすめ。根腐れの原因になるので与えすぎに注意です。
植え替え方法
「苔玉」の植え替えは、1年から2年に1回程度、行うのがおすすめです。植え替え方は次の通り。まず「苔玉」の苔をはがします。次に植物の根を割り箸などでほぐしながら土を取り除きましょう。
植え替えの際には、伸びすぎた根や絡まった部分、細い根ははさみでカットします。根腐れを起こしていないか、よくチェックしましょう。根の整理が終わったら、初めに作った時と同じ手順で「苔玉」を作って植え替え完了です。
植え替えは植物の根詰まりを防ぐために大切な作業。生育旺盛な春に行うのが良いとされています。少し手間に感じますが、植物が育って窮屈そうにしていたら植え替えしてあげましょう。植え替えついでに「苔玉」の形を変えて気分転換するのもおすすめです。
カビや虫に注意
「苔玉」は高温多湿に弱く、通気性の悪い場所に置いているとカビが発生しがちです。また、根腐れを起こすとコバエがわいてしまうことも。なるべく普段から通気性の良い場所で管理し、カビや根腐れを起こさないよう気を付けてあげましょう。
ついてしまったカビに対しては、木酢液を希釈して散布します。より日当たりと風通しの良い場所に移動させてしばらく様子を見ましょう。コバエがわいてしまった場合は根腐れを治す必要があります。植え替えの手順通り、傷んだ根を取り除いて土を替えてあげましょう。
よく分からない虫がついてしまった場合は、植物用の殺虫剤を散布して様子見を。散布する頻度やタイミングは殺虫剤の指定を守って行いましょう。
苔玉の飾り方
完成した「苔玉」の魅力は、飾ってこそのものです。普通に置いておくだけでも雰囲気の出る「苔玉」ですが、飾り方を工夫すればもっと素敵なインテリアになるでしょう。
ここでは、「苔玉」におすすめの、かわいい飾り方をまとめました。飾り方に気を配り、かわいい「苔玉」の姿をより引き立たせてあげましょう!
吊るして飾る
「苔玉」の飾り方でまずおすすめなのは、上から吊るす飾り方です。この飾り方なら、「苔玉」に必要な通気性、風通しのよさを十分に確保することが可能。生育に良い影響を与えるでしょう。
視覚的な効果も抜群です。独特の存在感のある「苔玉」がゆらゆらと吊り下げられ、葉っぱを風に揺らす姿は見ているだけで癒しの効果があります。窓の近くに吊るせば、室内により良い空気を運んでくれるでしょう。
この飾り方のデメリットは、水やりが少々手間なこと。その都度外してバケツに漬けるか、たっぷり入るじょうろを使って、滴るまで水やりする方法のどちらかになるでしょう。
吊り下げている高さにもよりますが、じょうろを使うのは腕の負担が大いかもしれません。外しやすいフックを使って飾っておき、水やりは取り外して行う方法がおすすめです。
並べて飾る
「苔玉」の飾り方には、いくつか並べて飾るというアイデアも。大きさの違う「苔玉」を、バランスよく配置する飾り方はとてもおしゃれです。適宜、台などを使って高さを変えても動きが出て素敵。
また、同じ大きさのものを等間隔に並べてリズムを出す飾り方もおすすめです。ぽんぽんと配置された「苔玉」は、何とも言えずかわいい雰囲気に。
容器にこだわって飾る
そのままでも味わいあるフォルムがかわいい「苔玉」ですが、器との組み合わせにこだわれば、より一層その魅力を引き立てたり、新しい魅力を引き出すことができます。
「苔玉」の器には、味わいある焼き物のお皿や陶器が人気。ちょっと変わったところでは、ガラスの器に入れるのも、透明感あふれるすてきな飾り方です。器の中に白い石やビー玉をいれると清涼感が加わります。
他にも丸太を横にスライスした板を土台として使った飾り方や、シンプルさが魅力の白い器、「苔玉」がすぽっと収まる丸みのある鉢を使った飾り方も、ぽってりとしたかわいい「苔玉」の魅力を引き出すのでおすすめ。ぜひお気に入りの器で、「苔玉」の色々な飾り方を試してみてください。
風情がありかわいい苔玉を作ってみよう!
日本だけでなく海外でも人気のある「苔玉」。そのぽってりとした愛らしい姿で多くのファンを魅了しています。自由なアイデアでアレンジでき、作り方や育て方も簡単なのが、人気の理由のひとつ。
この記事では、簡単に作れてかわいい「苔玉」の、作り方や育て方、飾り方についてご紹介しました。好みの材料を集めて作った「苔玉」は、世界にひとつの自分だけのオリジナル作品です。愛着を持って大切に、育ててみてください!