車で家庭用コンセントを使いたい!
家庭で家電を使う場合は、プラグをコンセントに挿すだけでOKです。ところが、車で家電を使いたいと思っても、そういうわけにはいきません。普通車にはコンセントは搭載されていないので、家電は使えません。しかし、パソコンやスマホの充電、掃除機や扇風機などの各種家電を車で使いたいという人も多いでしょうから、その方法を詳しく解説します。
車でコンセントに変換するインバーターとは
車で家電を使う場合は、コンセントを新たに設けなければいけませんが、その時に活躍するのがインバーターという変換機器です。これをシガーソケットに挿すことによって、コンセントが使えるようになります。そういう意味では、車でコンセントを取り付けるのはそれほど難しくはないということです。
低い電圧からコンセント対応電圧に変換
変換装置であるインバーターがどのような原理で働くのか説明しましょう。まず、車のバッテリは12Vという低い電圧の直流電源で動いています。このままの電圧では、コンセントに用いることはできません。そこで、インバーターをシガーソケットにつないで、100Vの交流電源に変換して、コンセントとしての役割を果たさせるのです。
インバーターの値段はいろいろありますが、出力ワット数によって差が生じます。一般的な家電を使いたいのなら、300Wか400Wくらいの出力のものがちょうどよいでしょう。なお、このくらいの出力になると、シガーソケットではなくバッテリーに直接つなぎます。
車中泊、アウトドア、釣り、キャンプなどをする人にはインバーターは欠かせないグッズです。それぞれの用途に応じたものを手ごろな値段で買い求め、カーライフを思いっきり満喫しましょう。
車へのインバーターの取り付け方法
変換装置であるインバーターの原理がわかったところで、実際にどう取り付けたらいいのか教えてほしいという人も多いでしょう。取り付け方がわからなければ使えませんから、当然です。と言っても、取り付け方法は難しくはありません。誰もが簡単にインバーターを取り付けて使えます。
シガーソケットにコネクタを挿す
車にインバーターを取り付ける方法は簡単です。インバーターのコネクターをシガーソケットに挿すだけです。これ以外に特別な作業はなく、老若男女を問わずできます。これだけで、直流12Vが交流100Vに変換され、コンセントとしての用を足すようになります。後は、家電のプラグをインバーターに挿し込むだけで、使えるようになります。
車のシガーソケットとは?
シガーソケットは、本来タバコに火をつけるためのソケットでした。英語では、「cigarette lighter socket(port)」と呼ばれます。しかし、現在では、タバコとはあまり関係がなくなり、電源供給用のソケットとなりました。そのために、名称がシガーソケットからアクセサリーソケットになる場合もあります。
直流24Vのシガーソケットもある
通常のシガーソケットの電圧は、直流12Vですが、大型車などでは直流24Vとなっている場合があります。この電圧の違いは、インバーターを購入する場合も重要になってきます。直流12V用のインバーターを購入したら、直流24Vのシガーソケットにつないではいけません。故障の原因になります。
シガーソケット対応の電気製品もある
車で家電を使う場合は、変換装置であるインバーターをシガーソケットにつないでからプラグを挿します。ところが、カー用品店などでは、シガーソケットに直接つなげる電気製品も販売しています。たとえば、カーナビやドライブレコーダーなどです。これらの機器を使う場合は、変換装置のインバーターをつなげる必要はありません。
シガーソケットの数が足りない時
シガーソケットから電気を取る場合に、車に搭載されているソケットの数では足りない場合があります。そのような場合は、拡張ソケットというものが役に立ちます。一つしかないシガーソケットを複数に分配してくれる装置です。また、シガーソケットだけでなく、USBポートもいくつか付いた製品も販売されています。
車用のおすすめのコンセント変換機器5選
ここからは、おすすめのコンセント変換装置であるインバーターをいくつか紹介していきます。車で家電を使う場合に欠かせないインバーターですが、どれを選べばいいかわからないという人も多いでしょう。そこで、5種類これはよさそうだというものを取り上げてみます。必ずこの中から選ぶべきというわけではありませんが、参考にはなるでしょう。
①BESTEK・カーインバーター 300W MRI3010BU-E04
数ある車のインバータの中でも、BESTEKの製品は、世界の主な大手通販サイトでベストセラー商品となっていますが、そのBESTEK製品の中からカーインバーター 300W MRI3010BU-E04を紹介しましょう。この製品は、直流12V用で、家庭用コンセント交流100Vに変換します。
MRI3010BU-E04からは、コンセントが2口、USBポート2口への給電ができるようになっています。出力は300Wです。これくらいの出力なら、スマホ、タブレット、パソコンなどの同時充電が可能です。したがって、車に乗っている時でも、電池切れはありません。
優れたファン機能
MRI3010BU-E04のファンには、BESTEK独自の機能が搭載されています。まず、出力が小さい時には、ファンの回転が抑えられ、音が静かになるようになっています。これで快適な車内空間が演出できます。一方、出力が大きい時は、ファンが速く回転し、冷却機能をアップさせるので、安全です。
充実した保護機能
MRI3010BU-E04には、充実した保護機能が搭載されています。その内容は、出力オーバー保護、異常温度保護、入力過電圧保護など6種類です。安全設計という点では非常に信頼ができるので、使っていて心配なことはあまりありません。また、本体にはアルミ素材が用いられていて、丈夫です。
➁BESTEK・無音式カーインバーター150W MRI1510EU
同じBESTEKから販売されている製品ですが、今度は無音式カーインバーター150W MRI1510EUを取り上げましょう。こちらの製品は、名称を見ればわかるように音がしません。ファンがないのです。そのため、いくら使っても快適な車内環境を維持できます。ファンがなくて大丈夫なのかという声もあるでしょうが、その分出力が抑えられています。
MRI1510EUからは、コンセント2口、USBポート2口が利用できます。出力は150Wです。MRI3010BU-E04よりは出力が低いですが、これでも複数機器の同時充電はできます。それから、6つの保護機能が付いている点は、MRI3010BU-E04と同じです。
MRI1510EUには、LEDライトが搭載され、使用状況がわかるようになっています。LEDライトの色により、使用中、使用不可などの表示が示されます。したがって、安心して車の中で使えます。
③AUKEY・カーインバーター 150W PA-V11
続いて、AUKEY・カーインバーター 150W PA-V11を紹介しましょう。こちらのインバーターは、2年保証となっていて、保証期間が長いことも魅力です。製品そのものの特徴は、直流12V電力から交流110V±10%へと変換します。コンセントとUSBポートが搭載されていて、iPhoneやスマホの充電には最適です。
PA-V11は、コンパクト設計となっていて、持ち運びがしやすいです。形も円筒状でつかみやすいです。その分、コンセントとUSBポートは1つずつしかありませんが、車内での使用感のよさで選ぶならおすすめの一品です。
PA-V11にも保護機能が付いていますが、やはり6つの保護機能です。内容は、出力オーバー保護、出力ショート保護、異常温度保護などです、これらの保護機能があるので、心配なく利用ができます。
PA-V11の使用方法
PA-V11の取り付け方法、使用方法も他のインバーターと変わりません。シガーソケットに挿し込んで使うのですが、電源スイッチが付いています。これをONにすると、給電が始まります。それから、内臓ヒューズもあるので、安全です。さらに、使用状況や冷却ファンの状態を示すLEDライトも取り付けられているので、車内でも使いやすいです。
④suaoki・カーインバーター 300W DM300SA1
今度は、コンセントが3口あるsuaoki・カーインバーター 300W DM300SA1を取り上げましょう。この製品は、コンセントが多いだけに、パソコン、小型冷蔵庫、照明器具、扇風機など同時に使用ができて、便利です。USBポートは2口あります。スマホやタブレットの充電では大活躍します。
DM300SA1の入力方式は2つあります。12Vの車のシガーソケットからの入力と車のバッテリーからの入力です。コンセントなどから電力消費の少ない機器へ出力する時はシガーソケット入力を使い、電力の大きいものにはバッテリー入力を使えばいいでしょう。
DM300SA1の保護機能も6種類ですが、その名称と内容は他社とは違う部分もあります。いくつか挙げると、入力低電圧保護、入力過電圧保護、逆接続保護、過熱保護などです。ただ、違うと言っても、安全に利用できる点は同じです。
静かな冷却ファン付き
DM300SA1にも冷却ファンが付いていますが、静かに回る設計になっているので、車内環境を乱しません。出力が大きくなると、ファンのスピードは増しますが、それでもうるさいということはありませんから、安心です。それから使用状況を示すLEDライトも搭載されていて、使いやすくなっています。
⑤CELLSTAR・パワーインバーターミニ HG-150
人気のメーカー、CELLSTARからは、パワーインバーターミニ HG-150が発売されています。このインバータもファンレスで、音が静かです。耳を近づけると、かすかに音はしますが、車のエンジン音にかき消されるので、気にはなりません。コンセントは一つだけで、USBポートはありません。したがって、車内で単一機器を使用するのに向いています。
パワーインバーターミニ HG-150は、コンセントが一つだけなので、出力も抑えられています。定格出力は120Wです。コンセントが複数あると、この出力では物足りませんが、一つだけなら十分用を足します。スマホ充電、パソコン、液晶テレビなどに利用ができます。
HG-150の取り付け方法、使用方法も他と変わりません。本体に付いたシガーグラフを車のシガーソケットに挿入し、車をアイドリング状態にし、電源を入れ、電気製品のプラグをコンセントに挿し込みます。
車用インバーターの注意点
便利な車用インバーターですが、使用にあたってはいくつかの注意点があります。その注意点を守らないと、危険でもあり、使用に差し障りが生じることもあります。車用インバーターの使用では特に専門的な知識は必要ありませんが、注意点だけはしっかり頭に入れておかなければいけません。
バッテリー上がりに注意
車の電力供給方法は2種類あります。車が走行中の場合は、オルタネーター(発電機)からバッテリーに電力が供給(充電に回る)されます。車のエンジンが停止中はバッテリーから電力が出る仕組みになっています。車用インバーターは、車の走行中は何の支障もなく使えますが、停止中にバッテリー上がりになると、利用不可となります。
エンジン停止時はコンセントは使わない
車の走行中にオルタネーターから電力が供給されますが、その供給量が使用量を下回ると、バッテリー上がりになります。車のエンジン停止中は、オルタネーターからの電力供給はなくなるので、あまり電力を使用すると、バッテリー上がりの恐れが高まります。したがって、車のエンジン停止中は、インバーターのコンセントは使わないほうがいいでしょう。
正弦波と短形波
車用インバーターには、正弦波インバーターと短形波インバーターがあります。なめらかな波形が描かれる正弦波インバーターの場合は、あらゆる電気製品で利用可能です。一方、短形波インバーターの場合は、蛍光灯や電気毛布、液晶テレビなどの製品が使えない場合があります。したがって、購入するなら、正弦波インバーターにしたほうがいいでしょう。
消費電力に注意
車用インバーターには、どれくらいの電力が供給できるのかが示されています。その多くは、この記事でも紹介した製品のように150~300W程度の供給量となっています。車用インバーターを使う場合は、この消費電力を超えないようにしなければいけません。無理に電力を使い過ぎると、ヒューズが飛んで、使えなくなります。
1000Wインバーターもある
この記事で紹介した車用インバーターは、出力が150~300Wくらいでしたが、それでは不十分であるという人がいるかもしれません。そんな人が利用できるのが1000Wインバーターです。1000Wあれば、アイロン、大型掃除機、電子レンジなどが使えます。そうなれば、応用範囲も広くなり、アウトドアライフをさらに満喫できます。
車で家庭用コンセントを活用しよう!
ここまで、車でコンセントに変換するインバーター、インバーターの取り付け方法、車用のおすすめコンセント変換機器などについて解説しました。車で家庭用コンセントを使いたいと思っている人も多いでしょうが、その方法は、インバーターを購入して、取り付ければいいのです。これは簡単な方法ですから、さっそく実行してみてください。