エネループとエボルタの開発元
充電すれば何度も繰り返し使える充電式電池といえば、エネループと充電式エボルタ(以下、エボルタ)が有名です。現在はどちらもPanasonicが発売している製品になりますが、もともと開発に携わった会社が異なり、それぞれ違った特徴を持っています。
本記事ではこれらエネループとエボルタについて、共通点は何なのか、違いは何なのか、用途に合わせた選び方やそれぞれの充電器の互換性など詳しく解説します。
エネループとエボルタは開発元が違う
充電池の代表格とも言えるエネループは、元々は三洋電気株式会社によって開発された製品です。三洋電気株式会社は太陽光発電に必要なソーラーパネルの主要メーカーでもあります。
もう一つの代表格であるエボルタはPanasonicが開発した製品です。洗濯機やエアコン、ノートパソコンなど、皆さんのご家庭にもPanasonic製の電気製品が一つくらいあるのではないでしょうか。
三洋電気株式会社はその後、Panasonicの連結子会社となったため、現在ではエネループとエボルタはともにPanasonicから発売されている商品になります。
それぞれ3つのモデルがある
エネループとエボルタはそれぞれ2種類のモデルが用意されています。両者に共通しているのが『スタンダードモデル』です。この他に、エネループにはスタンダードモデルよりも高容量という特徴を持つ『ハイエンドモデル』が用意されています。容量が多い分、一回の充電で長く使えます。
他方、エボルタにはスタンダードモデルよりも低容量な代わりに繰り返し充電可能回数が多いという特徴を持つ『お手軽モデル』が用意されています。
エネループの特徴と選び方
エネループのデザインは無地の電池に会社と商品名など、必要最低限の情報のみが記されたシンプルなものになっています。通常容量の『スタンダードモデル』は白色、高容量の『ハイエンドモデル』は黒色のボディが特徴です。
公式に発表されているそれぞれの電池容量は単3形の場合、『スタンダードモデル』が1,900mAh以上、『ハイエンドモデル』は2,500mAh以上となっています。また、繰り返し充電可能な回数は前者が約2,100回、後者が約500回とおよそ5倍の差があります。mAhは電池容量を表す単位です。
高容量の『ハイエンドモデル』はお値段もお高めです。用途に応じたエネループのおすすめモデルは下記で詳しく解説していきます。
エネループのおすすめ用途
エネループの『スタンダードモデル』は、エボルタの同モデルと比較すると繰り返し充電可能な回数が多いため、何度も繰り返し使いたい場合におすすめです。テレビやエアコンのリモコンなど、それほど電池の消費は激しくないけれどよく使うものなどに使用するのが良いでしょう。
高容量の『ハイエンドモデル』は、一度の充電で長く使えることが魅力です。一度の充電で長く使いたい、よりパワーを必要とする用途で用いたいという場合には、エネループの『ハイエンドモデル』をおすすめします。
外出先で使うカメラなどの撮影機器や、電池で動くモバイルバッテリーなどに利用するのがおすすめです。低容量のものでは外出先で電池が切れて使えないというリスクが高くなります。
エボルタの特徴と選び方
エボルタのデザインはエネループとは異なり、会社名を挟むように引かれた二本の線が特徴的です。また、通常容量の『スタンダードモデル』と低容量の『お手軽モデル』の2種類から選ぶことができ、これらは電池に引かれた線の色で見分けることができます。前者は緑、後者はオレンジの線が引かれています。
公式に発表されているそれぞれの電池容量は単3形の場合、『スタンダードモデル』が1,950mAh以上、『お手軽モデル』は1,000mAh以上となっています。また、繰り返し充電可能な回数は前者が約1,800回、後者が約4,000回とおよそ2倍の差があります。
充電池の購入を検討しているが選び方がよくわからない、まずは安いもので試してみたいというような人には、エボルタの『お手軽モデル』をおすすめです。
エボルタのおすすめ用途
エボルタの『スタンダードモデル』はエネループの同モデルと比べて容量がわずかに大きいという特徴を持っています。そのため一度の充電で少しでも長い時間利用したいといった場合にはエボルタをおすすめします。容量が増えた分、繰り返し充電可能な回数はエボルタの方が少ないという特徴があります。
エネループの『スタンダードモデル』と同様に、テレビやエアコンのリモコンなどでの使用がおすすめです。容量が大きい分、エネループよりも電池交換(充電)の頻度は低くなります。
低容量の『お手軽モデル』は、繰り返し充電可能回数が多いことが魅力です。テレビのリモコンなど、電池の消費が少なく、電池交換の頻度が少ないような用途であれば、『お手軽モデル』でも十分に対応できます。価格も少し安く設定されています。
エネループとエボルタの比較
これまでにエネループとエボルタの特徴についてそれぞれ説明しました。しかし、ここまでの説明だけでは2種類の充電池がそれぞれどう違うのかを理解するのは難しいと思います。充電池の選び方をより分かりやすくするために、ここからはエネループとエボルタそれぞれの違いを項目ごとに解説します。
ご自身の用途に応じた充電池がどちらの充電池なのかわからないという方は是非ご一読の上、選び方の参考にしてください。
価格が違う
エネループとエボルタの『スタンダードモデル』の価格はどちらも4本セットで1000円程とほとんど差はありません。一方、エネループの『ハイエンドモデル』は4本セットで2000円程度とやや高価です。また、エボルタの『お手軽モデル』は4本セットで900円程度とやや安価です。
同じ『スタンダードモデル』で比較すると、エネループもエボルタもそれほど差はないため、充電池の選び方を考える上で「価格」という指標はあまり重要ではなさそうです。
サイズが違う
エネループとエボルタはどちらも単3形と単4形が発売されていますが、電池サイズが微妙に異なるようです。さらに同じエネループであっても、スタンダードモデルとハイエンドモデルとではサイズが異なります。
後述のサイズ変換スペーサーを利用したいという場合には、充電池の選び方を考える上で、この「サイズ」が重要となります。詳しくは後述しますが、サイズ変換スペーサーは特定のサイズの充電池にしか使用することができません。
また、一部の充電器はサイズによっては互換性がないものがあります。手持ちの充電器で使える充電池を購入したいという方は、選び方を考える際に「サイズ」に注意が必要です。
電池容量が違う
同じ『スタンダードモデル』で比べると、電池容量が大きいのはエボルタです。容量が最も大きいのはエネループの『ハイエンドモデル』になります。『スタンダードモデル』の購入を検討している方で、一度の充電より長く使える方が良いという方は、エボルタを選ぶことをおすすめします。
充電回数が違う
同じ『スタンダードモデル』で比べると、繰り返し充電可能回数が多いのはエネループです。繰り返し充電可能な回数が最も多いのはエボルタの『お手軽モデル』になります。『スタンダードモデル』の購入を検討している方で、容量は少なくても何回でも充電できる方が良いという方は、エボルタを選ぶことをおすすめします。
充電器が違う
エネループとエボルタの充電器には、それぞれどちらか一方のみに対応した充電器と、両方に対応可能な『両対応充電器』があります。それぞれの電池が元々異なる会社によって開発されたことが、充電器の互換性をわかりにくくしているようです。それぞれに対応している充電器の選び方、見分け方は後述します。
エネループとエボルタの互換性
エネループ用の充電器でエボルタは充電可能なのか、またはエボルタ用の充電器でエネループは充電可能なのかなど、それぞれの互換性についてまとめます。また、充電器以外にも、サイズ変換スペーサーと呼ばれるアタッチメントの互換性について解説しています。充電池や充電器の選び方の参考にしてください。
両対応充電器
現在発売されているエネループ、エボルタの充電器セットには、両方の充電池に互換性のある両対応充電器が付属します。エネループとエボルタ両方の購入を検討している方は、どちらか一方のみ充電器セットを購入すれば、両方の充電池の充電が可能です。
ただし、先ほども述べましたが、充電池のサイズによっては対応していない充電器が存在します。お手元の充電池に対して各充電器の互換性がわからないという方は、後述の互換性を確認する方法を参考にしてください。
対応している充電器の確認方法
それぞれの充電池に対する各充電器の互換性を調べる際には、Panasonicの公式ホームページが便利です。Panasonicの公式ホームページにある「よくあるご質問」から確認することができます。
同ホームページでは、充電器品番から充電可能な充電池を検索することができます。他方、充電池品番から対応している充電器を検索することもできます。お持ちの充電器と充電池が対応しているか不安な方は、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。
また、Panasonic製ではないですが互換性があるとされている製品がいくつか売られています。純正品でなくてもよいという方は、こちらも選択肢の一つです。
サイズ変換スペーサ―
サイズ変換スペーサーとは、単3形のエネループの『スタンダードモデル』に装着することで、一時的に単1形や単2形の電池として使えるようにするアタッチメントのことです。注意すべきは他の充電池には互換性がないということです。
先述のように、エネループの『ハイエンドモデル』とエボルタは、エネループの『スタンダードモデル』とサイズが異なります。そのため、サイズ変換スペーサーには装着することができません。
充電池を単1形などの大きいサイズで利用したいと考えている方は、エネループの『スタンダードモデル』を選びましょう。
エネループとエボルタの寿命
エネループもエボルタも、繰り返し充電可能回数を超過すると寿命を迎え、普通の乾電池と同様、買い替えが必要となります。繰り返し充電可能な回数は公開されていますが、いちいち充電回数を記録して把握することは現実的ではありません。下記では寿命の確認方法についてまとめています。
寿命の確認方法
最新の充電器には充電池の買い替え時期がわかるセンシング充電機能が付いています。現状この充電器を利用することが、最も簡単に充電池の寿命を確認する方法になります。エネループやエボルタの購入を検討している方で、寿命を確認できるようにしておきたいという方は、最新式の充電器をセットで購入することをおすすめします。
しかし、センシング充電機能付きの充電器がなくても、簡単にお家で充電池の寿命を確認できる方法もあります。例えばいつまでたっても充電が完了しない、充電したはずなのに全然使えないといった症状が出始めたら寿命です。
購入したばかりの充電池で上記のような症状が出る場合には故障も考えられます。その場合は一度、メーカーや購入した家電量販店などに確認することをおすすめします。
その他の充電池
これまでPanasonic製のエネループとエボルタについて解説してきましたが、この2つ以外にも充電池は売られています。例えば、おそらくみなさんも利用しているAmazonからも、充電池は発売されています。下記で少し解説していますので、充電池を購入する際の参考にしてください。
Amazonの充電池
Amazonからはエネループと同様、標準容量タイプのものと高容量タイプの2種類が発売されています。それぞれの容量はちょうど、エネループの『スタンダードモデル』と『ハイエンドモデル』と同じようになっています。繰り返し充電可能回数は、高容量タイプではエネループと遜色ありませんが、標準容量のものではエネループの半分程度と劣ります。
しかし、Amazon性の充電池の魅力はやはりその価格の低さでしょう。エネループとエボルタの比較と同様、4本セットで見ると通常容量タイプのもので800円程度、高容量タイプのものでも1000円程度となっており、特に高容量タイプはお買い得と言えます。
エネループとエボルタは用途によって使い分けよう!
最後に少し脱線しましたが、ここまで充電池の代表格であるエネループとエボルタについて解説してきました。それぞれ特徴のある2モデルがラインナップされており、用途や好みに応じて使い分けることができます。エネループとエボルタ、ご自身の用途、好みに最も適した充電池・モデルを選びましょう。
本記事が少しでも、皆さんの充電池選びの参考になれば幸いです。最後までお目通しいただきありがとうございました。