パイロットになるにはどんな資格が必要なの?
パイロットになるには、車の運転免許と同じように飛行機を操縦するための免許が必要であり、自家用操縦士資格、事業用操縦士資格、定期運送用操縦士資格の3つを訓練及び試験で取得する必要があり、これらは国で認められている国家資格です。
かっこよくて、憧れのパイロットになるために進路の過程で取る資格の詳しい内容などを解説していきます。
パイロットになるには3つのルートがある
パイロットになるにはいくつかの選択肢が存在し、一つ目に
航空会社に就職しパイロット養成訓練を受ける、二つ目に
航空大学校でライセンスを取得し就職する、三つ目に私立大学でライセンスを取得し就職するという主に3つの選択肢が存在しています。
どのルートを取るにしろ、パイロットになるには目的にあったベストな選択肢の進路を選ぶことはもっとも重要な項目の一つになりますのでご紹介していきます。
航空会社に就職しパイロット養成訓練を受ける
一つ目に、大学または大学院を卒業後に航空会社の採用試験で運航業務職と呼ばれる自社養成パイロット養成枠で採用され、航空会社で働きながら研修や試験、訓練などを行いパイロットを目指すという方法です。
大手航空会社では毎年自社でパイロットを育成しており、年度により募集人数は異なりますが80人~120名程度で主に国内の航空会社で募集しているのはJAL・ANA・スカイマークエアラインです。
航空大学校でライセンスを取得し就職する
パイロットを養成する学科は私立の学校が多い中で、特に航空大学校は独立行政法人であり、国土交通大臣が指定した公立のパイロット養成学校で創立から50年以上と数多くのパイロットを輩出してきた歴史のある学校です。
航空大学校は帯広空港、仙台空港、宮崎空港に隣接し、訓練や試験などの内容や研修過程によって各地で飛行訓練などを行います。
なお、航空大学校の受験資格は大学の3年次編入と同じ条件の為、高等専門学校卒業又は4年生大学に2年以上在籍する必要があります。
私立大学でライセンスを取得し就職する
3つ目に自社養成・航空大学校以外でパイロットになるには、パイロット養成学科のある私立大学に進学し、試験や訓練を重ねライセンスを取得後に航空会社への就職を目指す方法で、現在日本国内には7つの私立大学にパイロット養成コースがあります。
各私立大学でパイロットに必要な資格を収得することで、航空会社に採用された時点でパイロットとして社会人経験を積み始めることが出来ます。
パイロットになるには3つの資格試験に合格する
パイロットになるには、飛行機を操縦するための資格を持っておかなければならず、この資格は3種類に分かれており、自家用操縦士、事業用操縦士、定期運送用操縦士で使用目的などによって必要な資格が変わってきます。
これらの資格を基礎知識の学習や実際のパイロットのように飛行訓練を重ねて、大学や航空大学校在学中もしくは養成研修中に順次取得していきます。
自家用操縦士
一つ目に、自家用操縦士資格ですがこちらの資格は1500kg以下のプロペラ機やプライベートジェットなどのパイロットとして操縦することができ、大まかに使用できるのが観光や個人で楽しむ趣味においての飛行機の操縦になります。
自家用操縦士資格は規定で「無償の運行」と定められており、物や人を運んでも対価となる報酬をもらうことはできない決まりになっているのでパイロットとして働くには適しません。
事業用操縦士
二つ目に事業用操縦士資格になりますが、こちらの資格では報酬を目的とした運航が可能な資格であり、この資格を持つことでお金をもらって飛行機を操縦することが出来るようになることから、世界中の航空会社で働く上でもパイロットになるには必須となる資格といえるでしょう。
定期運送用操縦士
定期運送用操縦士資格は、航空会社等に勤務し国内線や国際線の定期運航に従事する際に、機長として飛行機を操縦することができる航空従事者国家資格の中で最高位の資格となっており、定期的に飛行機を運航するエアラインパイロットにとって必須の資格となります。
通常、自家用操縦士資格を取り、その後事業用操縦士資格を取得、その後経験を積んで得られる飛行時間など受験資格を満たしていき最終的に定期運送用操縦士資格を取るという流れになります。
定期運送用操縦士の受験資格
定期運送用操縦士資格には受験資格が定められており、6つの条件を満たさなければ資格試験を受験することができません。
まず、年齢が21歳以上であること、そして飛行時間に関する条件として総じた飛行時間が1500時間以上必要とされています。
加えて、200時間以上の野外飛行、100時間以上の夜間飛行、75時間以上の計器飛行、250時間以上の機長としての飛行(100時間以上の野外飛行を含む)と飛行時間の中にも細かく条件が指定されており、これらを満たして初めて受験資格を得ることが出来ます。
資格取得のための勉強時間は?
パイロット資格試験には学科試験と呼ばれる筆記試験と実際の飛行試験の実地試験があり、定期的に行われている学科試験に先に合格しなければならず、また学科試験に合格しなければ、実地試験に進めない仕組みになっているので、対策としては先に学科試験科目の対策準備が必要です。
パイロットに関する学科試験は科目合格制度を採用しているので、1回で受からなくても年6回の学科試験で全科目合格すれば問題ありません。
合格率はどのくらい?
パイロット試験の合格率ですが、資格試験と航空会社の自社養成パイロット合格率は非公開となっており、それ以外の各試験の倍率で考えると航空大学校の倍率平均が10倍近く、自社養成パイロットに関しては大手航空会社のみが実施していることもあり倍率は100倍を超えてくるのが通常といえます。
パイロットは長年にわたって人気の職種であるため、応募する人数も多く相当な狭き門であることがわかります。
パイロットになるには条件がある?
パイロットになるには、航空身体検査と呼ばれる健康状態に関しての条件を満たす必要があり、年齢・身長・視力といった項目の健康基準をクリアしなければならず、理由としては飛行機の操縦や運航に支障が出ないよう安全に飛行機を操縦するためです。
年齢の条件
航空業界には健康上の理由からも年齢に関する条件が設けられており、航空大学校の入学資格は25歳未満、航空会社に新卒の状態で就職するには、大学を卒業してから3年以内に就職するなどの他の職種に比べて厳しい条件を求められます。
パイロット資格に関しては、自家用操縦士資格は17歳、事業用操縦士資格は18歳、定期運送用操縦士資格が21歳以上と決められています。
身長の条件
パイロットになるには身長に関しても基準が決まっていて、今現在では158cm以上とされており過去163cmだった身長規定よりも5cm低くなったことから女性がパイロットを志望しやすくなったと言われていますが、身長規定に対する明確な理由は公開されていません。
視力の条件
パイロットになるには視力においても条件が必要であり、全日空の募集要項では裸眼視力についての条件はなく、メガネやコンタクトレンズでの矯正視力が0.7以上、日本航空の募集要項においても矯正視力が1.0以上あれば応募可能で裸眼である必要はありません。
パイロットは女性でもなれる?
今まではパイロットはほぼ男性のみの職業というイメージがありましたが、近年では私立大学でのパイロット養成コースの普及などもあり、女性パイロットも徐々に登場してきているのが現状で実際に大手航空会社では女性機長も登場しているため、女性に対して門戸は広く開かれています。
自衛隊でも男性のみしかなれなかった戦闘機パイロットの職務が解放され、現在では女性パイロットも少しづつ増えています。
パイロットになるにはまず学科試験の勉強をしっかりしよう!
パイロットになるには、まずは学科試験の準備を優先すべきで、科目も使用する英語から航空に関する知識まで内容は幅広く、学習内容も深く掘り下げる科目が多いので要領よくこなしていくスキルが求められます。
パイロット資格の学科試験は受講する科目すべての試験に合格する必要があるため、早めに準備をして試験対策を取っていきましょう。