厚生年金の扶養になる条件を解説!もらえる金額・配偶者の年収や手続きは?

厚生年金の扶養になる条件を解説!もらえる金額・配偶者の年収や手続きは?

厚生年金の扶養と言う制度をご存知でしょうか。実はこの制度を利用すると、年金の保険料がお安くなると言うことがあるんです。手続きや加入条件もとても簡単ですぐに利用できます!そんなお得な制度、厚生年金の扶養を説明していきます。

記事の目次

  1. 1.厚生年金の扶養とは
  2. 2.厚生年金の扶養になる条件
  3. 3.子供は別居でも厚生年金の扶養になれる?
  4. 4.厚生年金の扶養に配偶者を加入・外す手続き
  5. 5.厚生年金扶養の受給金額
  6. 6.厚生年金の扶養に入る方が得かの判別ポイント
  7. 7.厚生年金の扶養になって節約をしよう!

厚生年金の扶養とは

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皆さんが老後の生活を行う上で、必ず必要となってくるものが年金でしょう。しかし、年金と聞いても、漠然とイメージが出てくるだけで、その種類や仕組みを詳しく理解していない人もいると思います。今回は、年金の仕組み、取り分け、厚生年金の扶養について紹介していきます。

年金保険料の支払いが免除された状態

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まずは、国民年金と厚生年金の違いについて軽く触れておきましょう。国民年金は、20歳になったら必ず支払う年金です。そして、厚生年金は会社員やサラリーマンが国民年金に加えて支払う年金です。会社勤めになると、支払う必要が出てきますが、専業主婦や自営業の方は支払う必要はありません。

さて、厚生年金の扶養について具体的に説明をしていきましょう。会社勤めの夫と専業主婦の妻を例にしていきます。この場合、夫は国民年金と厚生年金、妻は国民年金を支払う必要があります。

しかし、妻が厚生年金の扶養条件を満たしていれば、年金保険料。すなわち、国民年金を納めることが免除されるのです。よって、こちらの家庭の場合は、夫の国民年金と厚生年金を納めれば良いことになります。

厚生年金の扶養になる条件

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次に、厚生年金の扶養になるための条件を見ていきましょう。いくつかの条件がありますので、扶養の制度を使いたいと言う方は、しっかりと把握するようにしましょう。

主に収入面に関してのお話が多いです。そのため、普段からしっかりと働き方に関して家族で話し合っておく必要があります。

条件①年収が130万円未満

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まず一つ目として、配偶者の年収が130万円以下と言う条件があります。前述の説明では、専業主婦を例に挙げましたが、パートやアルバイトをしている方でも、不要に入ることは可能です。

また、子供がいるご家庭の場合は、その子供が成人しているのであれば国民年金を支払う必要が出てきます。その場合も、扶養に入れることは可能です。

しかしながら、その職場で年収が130万円を超えてしまいますと、ご自身で厚生年金を支払う必要があるので、扶養の制度を使うことができません。

また、年収が130万円以内であっても、労働時間が週20時間以上で月収が8万8000円を超えてしまうと、厚生年金の扶養を受けられなくなります。パートやアルバイトをする際には、お給料の計算を細かくしていく必要があります。

条件②60歳以上や障害厚生年金を受給している場合は180万円未満

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また、厚生年金の扶養条件の一つとして、60歳以上や障害厚生年金を受給している場合は180万円未満と言う条件があります。

特に60歳以上の方は、扶養に入ると損するのか、得をするのか微妙な方もいますので、ご自身の収入はしっかりと確認をしましょう。

条件③同居の場合は被保険者の収入の半分未満であること

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また、ここで注意してほしいのは、収入はその年の1月か12月の収入、または保険に加入してからの収入です。つまり、被保険者になったのが、6月であるならば、6月から12月までの収入が、該当となります。また、収入は預金口座に入った時点で確定ですので、お給料で考えるならば、前年12月からその年の11月の給料が、当てはまることになります。

また、同居をしている夫婦や子供などを含めた家族の場合では、被保険者の年収が、厚生年金を支払う人の半分以下と言う条件があります。ここで言う半分以下、それぞれの収入の合計で半分と言うわけではなく、1人1人ずつで考えます。

つまり、年収240万円のAさんと、配偶者Bさんと、子供のC君の家族がいるとします。それぞれ70万円、60万円の収入だとすれば、240万円の半分以下ですので、厚生年金の扶養に入ることができます。

子供は別居でも厚生年金の扶養になれる?

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さて、これまでは被保険者が同居をしている前提でお話を進めてきました。しかしながら、子供が大学進学などの事情や、夫の単身赴任などで家族が別居になると言う場合も無くはありません。

そこでこちらの項では、家族が別居でも厚生年金の扶養を受けることができるのかを解説していきます。

「3親等内の親族」は別居でも不要になれる

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結論から簡潔に述べると、別居している状態でも、「3親等以内の親族」であれば被扶養者になることが可能です。

ここで気になってくる言葉が「親等」です。これは、自身から見ての親族関係の遠近を表す単位です。例えば、自分から見ての息子や親は、1親等。その子や親は、2親等と数えていきます。

詳細な説明をすると、難しいので簡単に言えば、親や子を基準にそこから1を足していけば、親等を出すことができます。また、自身の配偶者の両親も1親等になり、そこから1を足して数えていきます。

「配偶者・子供・孫・親・祖父母・兄弟姉妹」が含まれる

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3親等以内の親族であれば誰でも良いかと言えば、そうではありません。まず、配偶者側の親族は別居であれば対象外です。つまり、配偶者の両親は1親等ですが、被保険者になることはできません。

条件を簡単に覚えるのであれば、「自身の両親、祖父母、曾祖父母。そして、妻や夫、子供と孫」と考えるのが、一番です。叔父や叔母は、3親等ですが、上の条件に当てはまらないので、対象外となるのでお気をつけください。

厚生年金の扶養に配偶者を加入・外す手続き

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それでは、実際に家族を厚生年金の扶養に入れるためには、どのような手続きが必要なのでしょうか。

と言っても方法はそこまで難しくありません。必要な書類と加入の要件さえ満たしていれば誰でも簡単に手続きができます。

【加入方法】勤務先に「被扶養者(異動)届」を提出するだけ

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厚生年金の扶養の加入方法は、とても簡単です。被保険者の会社を経由して日本年金機構に「被扶養者(異動)届」を提出するだけです。手続きは、会社がしてくれます。

また、「健康保険被扶養者(異動)届」の他にも、以下の書類が必要です。まず、続柄確認のための書類である、「被保険者の戸籍謄(抄)本」や「被保険者の住民票」。また、収入要件確認のための書類となります。これらは、申請する人全員が必要です。

さらに、該当をする場合は、以下の書類も必要となります。1つが、仕送りの事実と仕送り額が確認できる書類。さらにもう1つが、内縁関係を確認するための書類です。厚生年金の扶養に家族を入れる場合は、必要な書類をしっかりと揃えるようにしましょう。

【外す方法】会社に連絡すれば扶養から外してくれる

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次に、厚生年金の扶養から家族を外す場合にはどうすればいいのか、説明をします。こちらも、加入時同様、会社経由での手続きとなります。

こちらも難しい手続きなどは、全て会社などが行ってくれますので、まずは職場などに相談をしてみてください。

このように、厚生年金の扶養の加入や外れる手続きは非常に簡単ですので、検討をしている方はすぐに行動を起こしてはいかがでしょうか。

厚生年金扶養の受給金額

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次に、厚生年金の扶養に入った場合どれくらいの金額のお金がもらえるのかを説明していきます。

厚生年金と名がついているので、少しややこしい部分がありますが、この説明で完全に理解をしていきましょう。

国民年金支給額がもらえる

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冒頭でも触れた通り、厚生年金の扶養は「厚生年金」と名前が付いていますが、貰える支給金額は、「国民年金」と一緒です。

ここで注意してほしいのは、この制度は国民年金の保険料が免除されるのであって、妻が厚生年金を支払っている扱いにはならないと言うことです。したがって、妻が老後にもらえる年金の金額は、国民年金のみと言うことになります。

20歳〜60歳まで全期間加入の場合

冒頭でもお伝えしましたが、国民年金は20歳~60歳までの国民が必ず納める必要があります。厚生年金の扶養に入った場合も、この期間に国民年金を支払った扱いになります。

この期間に滞納や遅延なく、年金を支払い続けると、国民年金の満額支給額をもらうことができます。こ満額支給額とは、その年にもらえる国民年金の金額のことを言います。

月額「約64,941円」を受給

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前項で触れた満額支給額ですが、年によってもらえる金額は違ってきます。昨年、平成30年の場合は、「77万円9300円」となっています。

そして、月々にもらえる金額は「約64,941円」となります。この金額は厚生年金のもらえる金額「147,000円」よりもかなり低いので、扶養に入るか入らないかの判別の大きなポイントとなります。

厚生年金の扶養に入る方が得かの判別ポイント

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最後に、厚生年金の扶養に入って得をする家庭は、どのような家庭なのかということを説明していきます。

共働きの場合は、両者が厚生年金を支払いますが、パートタイマーの判断に迷うと思いますので、是非参考にしてください。

夫の職業によって変わってくる

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妻がパートタイマーの場合は、厚生年金の扶養に入るか入らないかは、夫の職業によって変わってきます。もし、自営業である場合は、自らが厚生年金を支払う方が得です。

夫がサラリーマンやお給料をもらって働いている人の場合は、厚生年金の扶養に入った場合の方が、特になる場合もあります。

この場合、パートで働いている妻の収入にも関わってきます。一般的に、年収が150万円を超える見込みがある場合には、厚生年金を支払う方がお得と言われています。それ以下の場合は、税金や保険料で結局手取りが、低くなってしまうので損をしてしまいます。

厚生年金の扶養になって節約をしよう!

Photo bystevepb

さて、厚生年金の扶養について説明をしてきました。難しいイメージを持たれる年金関係の手続きや制度ですが、基本さえ覚えてしまえば、意外と簡単に理解することができます。厚生年金の扶養を上手に使うことは、節約にもつながりますので、是非積極的に使っていきましょう。

ario
ライター

ario

arioです。検索でやってきた皆様が見やすく、そして分かりやすい記事を心掛けたいと思います。是非よろしくお願いいたします。

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