国民年金とは?
老後のことを考えると気になるのが年金です。最近では老後の生活資金について不安になるニュースが多いですが、実際年金とはなんでしょうか。毎月の所得から引かれている年金について、きちんとした知識を持っていることは大切です。この記事では満額金額、年収でのシミュレーションなど年金について説明します。
65歳以上で年金が給付される制度
現在の国民年金制度では65歳から年金を支給されることになっております。若いうちに月々納付していたものを積み立て、老後の生活資金として給付する国の制度です。年をとり、働けなくなった後も生活に困ることがないようにとの考えで作られた制度で、年金制度があるからこそ、不安なく老後の生活を送ることができます。
国民年金以外もある
年金制度は国民年金の他にもいろいろあります。会社員や公務員には厚生年金が支給されます。厚生年金には国民年金が含まれており、それにプラスして支払うことで老後に貰える金額が多くなります。年収によって金額も変わってくるのが特徴です。
そのほかに親や配偶者が亡くなったときにもらえる遺族年金やケガ、疾病により働けなくなった場合にもらえる障害年金などもあります。老後、家族が亡くなったとき、障害を負ったときなど人生で躓いたときの保障がしっかりと準備されているのが日本の制度のよいところです。
国民年金の満額はいくら?
毎月支払っている年金ですが、老後にいくら支給されるのか気になるところです。最近では年金に関するニュースが世間を騒がせていますので、自分の年金がどのくらいになるのか心配されてる方も多いでしょう。ここでは国民年金の満額での支給額、満額支給の決まり方、年金の計算方法について説明します。
国民年金の満額は20歳~60歳で決定
国民年金は20歳から60歳の日本に住む人が納付する制度です。その20歳から60歳の間にどれだけ年金を収めたかによって老後の支給額に差がでてきます。仮に20歳から60歳までの間の時期にすべて納付した場合、老後に支給される満額は78万100円になります。月にすると満額で6万5000円を支給されることになります。
ただ、20歳から60歳の間で年金を支払っていない時期が人もいるもので、支給される金額も人によって違っているのが現実です。
平均支給額はいくら?
それでは年金の平均支給額はどのくらいでしょうか。満額では月額6万5000円もらえる年金ですが、納付した期間や支給開始時期によって支給額にばらつきがありますので、その平均値をとると5万5000円の支給額になります。満額の場合と比べると10,000円の差があります。
国民年金の計算例
ここでは国民年金支給額の計算例について説明します。18歳で大学に入学し、22歳で卒業して就職し、60歳まで務めた人を例に国民年金の支給額を計算してみましょう。20歳から22歳の2年間(24ヶ月)は年金保険料を滞納したこととします。計算は以下のようになります。
満額:78万100円×456ヶ月/480ヶ月=741,095円になります。一月にすると約61,000円を支給されることになります。満額と比べると40,000円ほど低くなります。
国民年金支給額はいくら?年収を基にシミュレーション
年金の支給額は納付した期間によって変わってきます。また、国民年金のみ納付しているのか、厚生年金も納付しているのかで支給額に差が出ます。ここではある年収の人が国民年金と厚生年金を40年間納付した場合と30年間納付した場合を例に支給額をシミュレーションいたします。年収による違いもありますので、ご自身の場合と比較してみてください。
支給額①国民年金と厚生年金に20~60歳まで加入した
国民年金の支給額は毎月決まっていますが、厚生年金は年収によって変わってきます。企業の中で20歳から60歳まで毎月30万円の給与で働き、厚生年金を支払っていた人の年金支給額は以下になります。国民年金65,000円/月(満額)、厚生年金90,000円/月。合計で155,000円/月を支給されることになります。
支給額②国民年金と厚生年金に30年間加入した
続いて国民年金と厚生年金に30年間加入した場合のシミュレーションです。40年の場合と同じく30万円の給与を得ていたとすると国民年金は48,000円/月、厚生年金は67,000円/月の支給になり、合計では116,000円/月をもらうことになります。10年間で約40,000円ほどの差がでてきます。国民年金は満額と比べると20,000円近く変わってきます。
国民年金が満額にならない理由・満額に近づく方法
老後の生活を支える年金。毎月支払っているからには満額を受給したいものです。ここでは国民年金が満額にならない理由、満額に近づける方法を説明します。様々なことが理由で年金を滞納していた人がいると思いますが、これから説明することを行えば老後に満額を受け取ることができます。ぜひ参考にしてください。
老齢年金額を満額に近づける方法
老後の生活に不安を感じている人は多く存在しています。年金の他にも自分でお金を用意しておかなければいけないとの報道があったり、周りの人の話を聞いているうちに不安になってくるのももちろんです。老後の年金を満額受給できればその不安も少しは和らぐでしょう。これから紹介する方法を行えば老齢年金を満額受給することができます。
60歳~65歳の間に国民年金に任意加入
様々な理由で年金を滞納していた時期がある人が多くいます。そのような人は60歳から65歳の間、国民年金に任意加入するとよいでしょう。65歳から年金を支給することになりますが、60歳までに満額へ達していない人は任意で国民年金に継続加入することができます。余裕のある人は65歳まで保険料を支払い続けることで満額支給を受けることができます。
滞納した国民年金保険料を払う
今まで年金を滞納したことはありませんか。年金が滞納されるとその分、受給する際に少ない金額を受け取ることになります。満額を受給したい場合は滞納した分を追納するとよいでしょう。ただ、追納には期間が定まっており、保険料の納付期限より2年間であれば保険料を追納することが可能で、満額受給もできるようになります。
免除・猶予された国民年金保険料を追納
学生時代に年金保険料を猶予してもらった場合や、失業して年金が払えず猶予してもらった場合は、その分、支給される際に差し引かれます。老後に年金を満額支給してもらうためには猶予された分を追納しなければなりません。過去10年のことであれば国民年金を追納することできますので、払える人は満額受給のため追納するとよいでしょう。
年金額が満額を超える場合
20年以上、厚生年金に加入している配偶者がいる場合、振替加算という制度によって満額以上を受け取ることができることもあります。これは国民年金に加入するルールがなかった時代の専業主婦の人たちなどを保護する目的で作られた制度です。年金が多いに越したことはないので、主婦の人にはうれしい制度です。
国民年金の支給額がいくらか確認方法
ここまで国民年金がいくらになるのか、満額金額、厚生年金の年収との関係などについて説明してきました。自分の年金がいくら支給されるのか気になる方は多くいます。ここでは自分の年金がいくら支給されるのか、満額貰えそうか、その確認方法について説明します。この確認方法を知っておくと、今後の人生設計に役立つでしょう。
ねんきんネットでいくらなのか確認
自分の年金の確認方法としてねんきんネットを調べる方法があります。日本年金機構ではねんきんネットというサービスを行っており、そこに登録することでいつでも自分の年金がいくらになるのか確認することができます。自分が年金をいくら納めているのか、満額貰える見込みがあるのかを知るうえでとても役立つ確認方法でしょう。
国民年金を納めないとどうなる?
国民年金は強制的に徴収される保険料です。しかし、保険料を滞納して未納のままでいる人が日本中で166万人います。月々引かれていく保険料は生活するうえで大きな負担ではありますが、保険料を滞納することで、将来的な生活苦に陥ることにもなりかねません。未来に投資するため、満額受給を目指して保険料はしっかりと払いましょう。
障害年金がもらえなくなる
障害年金は怪我や病気をして働けなくなった際に支給される年金です。しかし、年金が未納であると障害年金を受給できない場合があります。老後のためだけではなく、怪我や病気といった予測できない突然襲ってくるアクシデントに備える意味でも年金を払っておくことは大切でしょう。
財産の差し押さえ
年金未納問題は大きな社会問題となっております。年金制度はみんなで高齢者を支える制度ですので、未納者が増えると社会保障制度が崩壊してしまいます。そのため日本年金機構は強制徴収を行っております。年金の未納が続くと督促状が届き、最悪の場合、財産を差し押さえされてしまいます。社会のため、自分のため、年金はしっかりと納めましょう。
国民年金における満額を把握して確認方法を活かそう!
本記事では国民年金の満額金額はいくらか、年収でのシミュレーション、満額にするための追納について、支給金額見込みの確認方法について説明してきました。老後の生活を支える国民年金は私たちにとって大切なものです。年金に関するネガティブな報道が続いている今だからこそ、満額受給を目指して、今一度自分が年金をどのくらい納めているか確認するといいでしょう。