つけっぱなしの換気扇の電気代が気になる
部屋の換気扇の電気代がもったいないから、こまめに消すようにしているという人もいるでしょう。しかし、においが充満したり、ほこりが溜まったりするので、24時間つけっぱなしにしておきたいと考えることもあるでしょう。そこで、つけっぱなしの場合の電気代を見てみましょう。
換気扇を24時間つけっぱなしにした時の電気代
さっそく換気扇を24時間つけっぱなしにしたら、電気代がいくらになるのかチェックしてみましょう。換気扇自体の電気代は安そうですが、24時間つけっぱなしではかなり高くなるのではと心配する人もいるでしょう。実際の電気代はどうでしょうか。
トイレの換気扇の電気代
トイレの空気の循環のために換気扇を設置している家もあるでしょうが、トイレの換気扇はそれほど大型、強力ではありません。最低限の臭いが排出できればいいような作りになっています。そのため、24時間つけっぱなしにしても,それほど電気代は掛かりません。
では、電気代がいくらくらいになるかですが、トイレの換気扇の消費電力は3W程度です。3Wで24時間つけっぱなしにして30日経つと、2.16kWhとなります。1kWhを27円として換算してみると、電気代は約58円ですから大した金額ではありません。
浴室の換気扇の電気代
浴室の換気扇は、トイレのモノよりも少し強力である場合があります。浴室は湿気が溜まりやすいので、より強い力で追い出す必要があるからです。そのため、24時間つけっぱなしの電気代が少し高くなります。
浴室の換気扇の電気消費量は20Wくらいです。この消費量で24時間つけっぱなしにして、1か月経過すると、14.4kWhとなります。やはり1kWhを27円で計算すると、1か月の換気扇の電気代は約388円です。この電気代だと、ちょっと負担に感じるかもしれません。
ただ、浴室の換気扇でも24時間換気モードとなっているものがあります。このようなタイプは、消費電力が抑えられ、2~3Wくらいになっています。したがって、トイレの換気扇と同じようにつけっぱなしでも、電気代は月58円程度です。
キッチンの換気扇の電気代
キッチンではいろいろな料理をして、臭いが充満しやすいので、換気扇も強力なタイプが多いです。消費電力で言うと、30Wくらいで、浴室の換気扇よりも大きいです。この数字で24時間つけっぱなしにしたとすると、30W×24時間×30日で21.6kWhとなり、電気代はおよそ583円です。
ただ、最近は省エネモードになっているキッチン用の換気扇もあります。そのようなタイプの場合は、消費電力も少なめで3~5Wくらいです。つまり、24時間つけっぱなしの1か月の電気代は97円以内で済みます。
換気扇をつけっぱなしにするメリット
部屋の換気扇の電気代がもったいないから、できれば節約して安い電気代で済ませたという思いにもかられるでしょうが、24時間つけっぱなしにすることにはメリットもあります。電気代が少し掛かっても、つけっぱなしにしたほうがいい場合があるのです。
カビや結露の予防
部屋に湿気が溜まると、カビや結露が発生しやすくなります。春から夏の温かい季節は、カビの発生で悩まされるご家庭もあるでしょう。冬の寒い時期は結露でびしょびしょになることもあります。
このカビや結露対策に換気扇は有効で、湿気を効率的に追い出してくれます。特に24時間つけっぱなしにした時の効果はかなりあり、カビや結露の発生が大きく抑えられます。電気代の心配はあるでしょうが、カビや結露が発生するよりもつけっぱなしの方がいいでしょう。
しかし、それでも電気代が気になるから、つけっぱなしではなく、時々1時間くらい換気扇を消してはどうだろうかという人もいるでしょう。ところが、たった1時間換気扇を消しただけで、部屋の湿気は大いに増え、カビが発生しやすい状況になります。
花粉対策
花粉が出る季節になると、アレルギー症状で苦しむ人が増えます。いろいろな対策を講じて、少しでも症状を抑えようと努力しているでしょうが、換気扇の24時間つけっぱなしも役に立ちます。
花粉は知らないうちに部屋の中にも侵入してくるものなので、換気扇をつけっぱなしにすれば、追い出せます。花粉症の症状はつらいものでしょうから、電気代の心配ばかりせず、換気扇をつけっぱなしにして、しっかりと対策をしましょう。
臭い防止
トイレでもキッチンでも浴室でもお部屋でも、結構臭いが溜まります。その臭いをそのままにしておくと、快適な生活ができません。上手に排出する必要があるのですが、ここでも換気扇の24時間つけっぱなしが効果的です。
一時的に換気扇を回すだけだと、嫌な臭いを除去しようと思ってうまく行かない場合があります。時間が掛かるケースもあります。それよりは24時間つけっぱなしにして、コンスタントに空気の入れ替えをする方がおすすめです。
家の寿命を延ばせる
家、特に木造住宅は湿気に弱いです。気が付かないうちに湿気で傷んでいる場合があります。そうなれば、修繕の必要が生じることもあり、大変な費用が掛かります。そんな事態を防ごうと思ったら、換気扇を24時間つけっぱなしにして、湿気を排出する方がいいです。
湿気が換気扇のつけっぱなしで除去できれば、木材が長持ちするようになり、家の寿命が延びます。これは大変重要なことで、換気扇の電気代のことを考えるよりもよほど深い意味があります。
ほこりも溜まりにくくなる
お部屋などの掃除は定期的にしているでしょうが、それでもほこりは溜まります。そのほこり除去に換気扇の24時間つけっぱなしが活躍します。地面に落ちたほこりは無理ですが、空気中に漂っているモノなら効果的に排出してくれます。
ほこりも花粉と同じように健康被害をもたらすことがあります。喘息持ちというのでなくても、ほこりを毎日吸い込めば、呼吸器に悪影響があるでしょう。そのことを考えたら、換気扇の電気代の心配よりも24時間つけっぱなしにしておきましょう。
化学物質を排出できる
家を建てる時には、いろいろな化学物質が使われます。特にホルムアルデヒドやトルエンなどが使用されていると、体調によくない影響を及ぼすとされています。しかし、いったん建てた家からこれらの物質を完全除去するのは難しいです。
それなら、換気扇を24時間つけっぱなしにして、常時化学物質を追い出すようにするといいです。これで健康被害もある程度抑えられます。電気代よりも健康の方が大事ですから、化学物質が気になるのなら、ぜひやってみてください。
ウィルス対策になる
2020年前半はコロナウィルスが猛威を振るい、世界各地で多くの被害者が出ました。このコロナウィルス対策に換気扇の24時間つけっぱなしが有効です。ウィルスを部屋から取り除き、きれいな空気で満たす効果が期待されています。
コロナウィルスだけでなく、ほかのインフルエンザウィルスの除去にも換気扇のつけっぱなしはいいです。ウィルス対策として、手洗いやうがいもやっているでしょうが、その一環として換気扇のつけっぱなしを取り入れてみてはいかがでしょうか。
換気扇つけっぱなしのデメリットはある?
換気扇のつけっぱなしのメリットをいくつか見てみましたが、つけっぱなしによるデメリットはあるのでしょうか。ないとは言えません。やはりいくつかあるので、取り上げてみましょう。そのうえで、つけっぱなしにするかどうか決めてください。
安いとはいえ電気代が掛かる
換気扇を24時間つけっぱなしにした時の電気代については説明してありますが、安いとはいえ電気代が掛かることは確かです。少しでも電気代を節約しようと思っている人は、つけっぱなしには抵抗があるでしょう。
換気扇に汚れやほこりが付きやすくなる
換気扇を24時間つけっぱなしにすると、汚れやほこりが付きやすくなります。ただでさえ換気扇は汚くなりやすいのですが、24時間つけっぱなしでは余計にそうなります。したがって、定期的な掃除が欠かせません。
換気扇の劣化が早くなる
換気扇をあまり使いすぎると、劣化が早くなります。換気扇は丈夫にできているので、すぐに壊れるということはありませんが、それでも24時間つけっぱなしという使い方では傷みも早くなります。そうなれば修理代が必要となり、電気代と合わせた出費が求められます。
冬は寒い
換気扇を24時間つけっぱなしにすると、汚い空気が追い出され、きれいな空気で部屋が満たされていいのですが、冬は寒いです。いくらストーブやヒーターで部屋を暖めても、換気扇がつけっぱなしでは、冷えてしまいます。
騒音が気になることも
換気扇がつけっぱなしで、騒音が気になるという人もいます。換気扇の種類によっては、大きな音が発生するモノもあり、つけっぱなしでは我慢ができないという場合もあります。また、密集地帯などでは、隣近所への迷惑となるケースもあるでしょう。
換気扇はつけっぱなしでも良い?
換気扇を24時間つけっぱなしにするメリットとデメリットを見てみましたが、実際にはどうすればいいのでしょうか。結論から言ってしまうと、つけっぱなしの方がいいです。なぜなのか、その理由を見てみましょう。
つけっぱなしが基本
換気扇はつけっぱなしが基本とも言えます。なぜかというと、きれいな空気が部屋に満ちて、汚い空気が追い出されるからです。つまり、換気が効率的に行われるということですが、それにより健康に非常にプラスになります。
換気システムがあってもつけっぱなしにした方が良い
24時間換気ステムが設置されている家や部屋があります。シックハウス症候群の対策のためですが、残念ながらこのシステムでは、湿気や臭いを排出することはできません。それができるのは換気扇だけであり、つけっぱなしで効果的に部屋の空気がきれいになり、湿気が除去されます。
特にマンションの場合は、換気システムがあっても、部屋やキッチンに湿気がこもりやすいので、換気扇をつけっぱなしにするのがおすすめです。電気代が掛かっても、快適な生活には代えがたいです。
つけない場合のデメリット
換気扇をつけっぱなしにしないと、いろいろなデメリットが生じます。いくつかそのデメリットを並べてみると、まず部屋の空気が汚くなります。キッチンで料理をした時などは、臭いもこもりやすくなり、新鮮な空気が欲しくなりますが、換気扇がその役割を果たしてくれます。
トイレや浴室も、臭いが溜まりやすいので、換気扇のつけっぱなし効果は絶大です。それから、湿気が放出されにくくなります。部屋に湿気がこもると、カビなどが発生する原因になり、不衛生です。それを防ぐためにも換気扇をつけっぱなしにしましょう。
換気扇を付けないでおくと、花粉やほこりもどんどん増えていきます。花粉症の人、呼吸器が弱い人などは、特にその影響を受けやすいですから、換気扇を上手に使ってみましょう。
換気扇つけっぱなしは安全?
換気扇をつけっぱなしにしたくないという人の中には、電気代ばかりではなく、安全面が気になってという場合があります。つまり、火事になるのではということですが、この心配は無用です。
というのも、換気扇には長時間つけっぱなしによる火災を防ぐために、ヒューズが取り付けられているからです。そのため、危険な電流や温度になると、自然に停止するようになっています。
つけっぱなしの換気扇の電気代を節約する方法
安いとはいえ、電気代がある程度掛かる換気扇のつけっぱなしですが、その電気代を節約する方法はないものでしょうか。あります。効果的に電気代を節約して、安い料金に済ませるやり方を以下に紹介しましょう。
掃除を行う
換気扇の電気代を節約しようと思ったら、定期的に掃除をしましょう。換気扇はその性質上、どうしてもほこりや油汚れが付着しやすいですが、その状態で使い続けると、無理な頑張りを強いることになります。そうなれば、電気代も上がります。
掃除の頻度ですが、月に1回はフィルター掃除、年に1回は取り外し掃除がおすすめです。このくらいの頻度でお手入れをすると、きれいな状態が続き、電気代の節約にもつながります。当然電気代が安いという状態にもなるでしょう。
密閉された部屋で使用する
広いお部屋の場合は無理かもしれませんが、換気扇の電気代節約のために密閉されて場所で使うようにするといいです。たとえば、浴室などは密閉状態で換気扇を使うと、空気の流れが良くなり、換気効率が上がります。
そうなれば、換気扇が無理をしなくても十分な働きができるようになり、それが電気代にも反映されます。これは小さなことですが、電気代を安い状態にして、節約するためにはぜひ実行してみてください。
エアコンとの併用では電気代が節約できない?
少しでも安い電気代に節約しようと誰もが思っているでしょうが、エアコンとの併用には注意が必要です。というのも、エアコンの冷気を換気扇が逃がしてしまうからです。そうなれば、エアコンがさらに部屋を冷やそうとするので、電気代がかさみます。
これでは安い電気代が実現しません。したがって、エアコンと換気扇の両方を使う場合は、換気扇を弱モードにして使ってください。そうすれば、電気代の節約になり、少しは安い料金となるでしょう。
プランや電力会社の見直しで電気代節約
これは必ずしも換気扇の電気代だけを節約する方法ではありませんが、電力プランや電力会社を変更してみるのも一つの手です。今よりも安い電気代になるようなプランや電力会社と契約すれば、電気代は当然減ります。
換気扇をつけっぱなしにしていても電気代は安い!
ここまで、換気扇を24時間つけっぱなしにする電気代やつけっぱなしのメリットなどについてお伝えしました。換気扇を24時間つけっぱなしにしておいても、それほど電気代は掛かりません。したがって、つけっぱなしにしておいて、臭いや湿気などを追い出してください。