自己PRと長所は同じだと思っていませんか?
今回は、自己PRと長所について解説をしていきます。就職採用試験の中での面接の場面を想定しながら、自己PRと長所について考えていきます。採用試験の中の面接において、自己PRというのは欠かせない事項で、長所を織り交ぜながらアピールする必要があります。
ただ、面接の場面で自分の長所ばかりを強調してアピールするのは、自己PRとは異なります。企業によって求める人材や会社に適した性質というのは異なります。長所だけでなく短所も人間だれしも持っていることで、これを含めた自己PRが大事になります。
自己PRと長所との違いを解説するとともに、面接の際に伝える例文や短所も交えたアピールの仕方を紹介していきます。これから就職試験で面接に臨む方に特に参考にしてください。
自己PRと長所の違いって何?
まず、長所と自己PRの違いについて解説をしていきます。企業の就職試験において、自分の長所をアピールしてそこに魅力を感じてもらって採用してもらいたいと考える方も多いですが、採用する側としては、長所だけをチェックしているわけではありません。
同じ企業で仕事をしていく中でどんな人材を企業側が求めているのかを考えて、自己PRの文章を考えることが重要になります。ただ単に長所だけを前面に出してアピールするような話の内容では採用側も慎重になってしまいます。
長所と自己PRの違いを十分に理解して、面接試験で適切な自己PRができるようになりましょう。企業側に自分の印象を決めてもらう重要な要素といえます。
長所とは
まず、長所について解説をします。長所とは、自分の良いところ、魅力という意味になりますが、より突き詰めた認識としては、「自分が思う自分のいいところ」という意味になります。客観性に乏しい味方になってしまうケースがあります。
企業の採用試験において、長所を聞かれたときに素直に自分が考える長所を並べ立てるのは、得策ではありません。独りよがりな見解であると捉えられかねません。
自分の長所をただ単にアピールするのではなく、採用側が人材を募集するにあたりどんな点を見ているのか、どんな人材を募集しているのか、といった相手方の気持ちになって自分の長所を考えることが重要になります。
自己PRとは
長所が、自分が考える自分の魅力というニュアンスを含んでいるのに対し、自己PRとは、企業側が希望している人材への性質に即した部分を考えてアピールするニュアンスを含む点に違いがあります。企業側が期待する魅力を持っていることをアピールする視点があります。
採用試験における面接での自己PRでは、自分の長所を交えながら、自分が企業で働くことになった時に、企業側においてどんなメリットがあるのか、どれだけ有益な人材であるのかをアピールすることがとても重要になります。
長所と自己PRとの大きな違いは、自分だけの見解や判断で魅力を伝えるのが長所であるのに対し、採用企業側が考える自分の魅力をアピールすることが自己PRというニュアンスを含んでいる点があげられます。
自己PRを通して長所をアピールする方法
自己PRと長所との違いを踏まえたうえで、自己PRを通じて自分の長所をアピールする方法を紹介します。自己PRでは、やみくもに自分の長所を並べ立てても効果が半減します。会社側がどんな長所がある人材を求めているのか、考えながら自己PRの例文を考えることが重要です。
自分の長所を考える際に、自分だけで考えると独りよがりな考え方にとらわれてしまうケースが多くなります。行き詰ったら、周囲の人に質問してみることも良い手段です。
自己PRを考えることは、自分を見つめなおすいい機会ともとらえられます。客観的な視点で自分を見つめなおし、自分にどんな長所があるのか振り返ってみましょう。
まずは長所を理解する
自己PRにおいて、自分の長所を生かしたアピールをするための準備手順として、第一にまずは自分の長所を理解することから始めましょう。一度改めて自分の長所を洗い出してみましょう。まずは長所と考えられるすべての項目をまとめてみるべきです。
紙などに文章にして書き出してみるとイメージしやすくなるのでおすすめです。また、自分が考える長所をまとめたあと、家族や友人、知人などに自分の長所は何か聞いてみることも有効です。自分が思っていることと違う側面が見えてくるかもしれません。
自己PR用の長所をまとめるときには、具体的なエピソードなども同時にまとめておくと効果的です。面接の自己PRの場面で、具体例を交えながら話ができると相手方に伝わりやすくなります。
長所が仕事にどう生かせるか考える
自己PRにおいて、自分の長所を生かしたアピールをするための準備手順として、第二に長所が仕事にどのように生かせるのかを考えることです。まとめて洗い出した長所すべてが、これから勤務するであろう会社にとって良いことかどうか考える必要があります。
例えば、ベンチャー企業のような新しいことに取り組むことが多い会社の場合は、積極性やアイデアを生むようなイメージにつながる長所を自己PRでアピールすると効果があります。
逆に、会社の伝統を重んじ、社風を維持していくことに重きを置いている会社の場合は、協調性や同調性などに連想される長所をアピールする方がよいと考えられます。
短所も盛り込んでPRする
自己PRにおいて、自分の長所を生かしたアピールをするための準備手順として、第三に短所も盛り込んで自己PRを考えることです。人には、必ず長所があれば短所もあります。長所だけを一生懸命アピールするより、一部短所を盛り込んだ方が現実味があります。
自己PRにおいては、短所をうまく長所として結論付けるような例文を考えてみるとよいPRとなるケースが多いです。長所と短所は表裏一体といわれるように、味方によっては短所も長所としてみることができます。
優柔不断な短所を持つ人は、視点を変えれば慎重で思慮深いと言い換えることができるかもしれません。短所を否定的にとらえるのではなく、短所を見方を変えて考えることでアピールにつなげられることが多いです。
客観的な視点も交える
自己PRにおいて、自分の長所を生かしたアピールをするための準備手順として、第四に客観的な視点を交えることです。長所や短所を考える際に、自分だけの考え方だけだと独りよがりな自己PRになってしまう恐れがあります。長所や短所を家族や友人に聞いてみましょう。
また、自己PRの例文が出来上がったら、一度模擬形式で家族や友人に自己PRを発表してみて感想を聞くこともとても良いことです。口に出して他人に聞いてもらうことで、客観性のある意見がもらえるかもしれません。
面接は、自分と面接官との掛け合いがあります。自分一人で考えるより、他の人の意見も取り入れた方がよい自己PR例文が出来上がりやすいといえます。
長所を生かした自己PRの例文
続いて、長所をアピールする自己PRの例文を紹介していきます。アピールしたい調書の内容ごとに例文を紹介するので、これから面接に臨む方は自分がアピールする内容を考えて参考にしてみてください。
自己PRの例文を考える場合は、長所を盛り込むことはもちろんですが、抽象的にならず具体的なエピソードを添えると効果があります。また、短所をうまく盛り込みながら自己PRの例文を作るとより現実味が帯びてきます。
一度作った例文は、家族や友人など他人に聞いてもらうことをおすすめします。面接の練習になりますし、客観的な意見を取り入れられます。
協調性を生かす
長所をアピールする自己PRの例文の一つ目は、協調性を生かす内容の例文です。協調性は、会社でほかの社員と一緒に働いていくうえで欠かせない能力です。自分の長所としてアピールされる最も多い事項の一つです。
「私は大学時代、学業の傍ら部活動をしていました。いろんな部員がいる中で、全員でうまくなっていくため部員全員の和を大事にしながら過ごしてきました。協調性の重要性を身に染みて実感することができました。」
「仕事においても、社員全員で一つの目標に向かっていくことを大事にしていきたいと思っています。」大学時代の経験を具体的に盛り込んだ例文になります。
積極性を生かす
長所をアピールする自己PRの例文の二つ目は、積極性をアピールする例文です。積極性は、特に新しい事業に取り組んでいるようなベンチャー企業などで重んじられる長所です。自己PRの面でも必ず盛り込んでおきたい事項といえます。
「大学時代のアルバイトを通じて、積極的に行動することを学んできました。アルバイトの立場ではありましたが、店舗の売り上げを伸ばすために商品の陳列を工夫することを提案したり、店内のインテリアを変えてみたりしました。」
「自分の意見を積極的に提案していくことで、会社の活性化につながると考えています。新規事業を推し進めていく社風と自分の考え方があっていると感じました。」
柔軟性を生かす
長所をアピールする自己PRの例文の三つ目は、柔軟性をアピールする例文になります。柔軟性は、会社の中で社員全員が同じ方向に向かって事業を展開するうえで重要になることが多いです。自分一人の意見を貫きすぎず、周りと同調することも必要です。
「私の長所は、何事にも柔軟に対応できることだと考えています。前職では、接客をする仕事をこなしていましたが、お客様からの無理な要望に対して、無理と一言回答するのではなく、他の対応を提案する姿勢を持って臨みました。」
「お客様からは、丁寧に対応してくれて助かったとお礼の言葉をいただくことも少なからずありました。同様の柔軟性をいつどんな場面でも発揮していきたいです。」
専門性を生かす
長所をアピールする自己PRの例文の四つ目は、専門性をアピールする場合の例文になります。システムエンジニアや研究職など、専門的な知識や技能を求められる職場に適したアピール内容になります。
「私は大学時代に発表した卒業論文において、非常に高い評価をもらうことができました。昔から気になったことに対しては吉と理解するまで突き詰めて考える性格で、取り組んだ研究内容についても、大量に関連資料を読み解き、論文作成に取り組みました。
研究対象にこだわりを持って接し、とことんまで調べ抜くことは私の喜びでもあります。高い専門性を持って仕事に取り組んでいきたいです。」
自己PRで長所を伝えるときの注意点
最後に、自己PRにおいて自分の長所をアピールする際に注意するべき点について解説します。自己PRで、積極的に自分の長所を発現することは良いことですが、注意するべきポイントはいくつかあります。
効果的な自己PRにするためにも、状況をよく考えて印象の良い自己PRの例文を考えることが重要です。一般的に注意するべきポイントを紹介するので、自己PRの例文を考える際の参考にしてみてください。
自己PRは会社ごとに考える
自己PRを調書に盛り込む際に注意するべきポイントは、面接を受ける先の企業ごとに自己PRの内容を考えることが挙げられます。新卒の就職活動においては、たくさんの企業の採用試験を受けることになるため、自己PRをすべての企業で同じ内容で話す人が多いです。
企業ごとに求めている人材は違いがあるので、試験を受ける会社の職種や性質をよく考えて、適切な自己PRの内容に作りかえないと、ワンパターンな印象を面接官に与えてしまいます。たくさんの企業の試験を受けるのは負担が大きいですが、よく考えて準備しましょう。
企業の視点をしっかりと盛り込む
自己PRの内容を考える場合は、企業の視点をしっかりと盛り込むことも重要です。企業の採用担当者が、どんな人材を募集しているのかをきちんとつかむことが必要になります。企業側がどんな人材を募集しているのか、明記されていることは多くありません。
募集要領や企業理念から推測して判断していくしかない場合も多く、難しい面もありますが、自分なりの感じ方で読み取った企業側の視点と、企業側が持っている基準が合致した場合は、相性の良い企業に勤務できるということにつながるのかもしれません。
長所は個数を絞る
自己PRの内容に長所を盛り込むことは必要ですが、過剰に盛り込みすぎることはよくありません。アピールを聞く側からすると、煩雑であまり印象に残らなくなってしまう恐れがあります。特にインパクトのある長所に絞り込んでいくことが重要になります。
具体的な事例を交える
自己PRに長所を盛り込みながら、その長所にまつわるエピソードを交えるなど、内容を具体的にしていくことも重要です。抽象的に長所だけを伝えても実感として印象に残りにくくなります。学生時代の経験など、実際の経験談などを交えるようにしましょう。
自己PRと長所の違いを理解して面接に挑もう!
以上、自己PRと長所との関連について紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。長所と自己PRの違い、効果的な長所の盛り込み方を例文を通して紹介してきました。
面接実施側の意図をよく考え、相手が望んでいる人材がどんなものなのかをよくつかむことが、面接に臨む際のポイントとなります。よく準備をして面接試験に臨みましょう。