人事考課表ってどう書けばいいの?
人事考課と人事考課表には、違いがあることを初めに理解しておくことが大切です。人事考課は、管理職などが社員の資質や業務内容を査定することです。
人事考課表になると、査定する側もされる側も等しく自己評価などを含めた業務姿勢などを書くものです。つまり、この人事考課表が人事考課のための基礎資料になるのです。
この様に、同じ人事考課でも表とつくだけで違うものになります。では、この人事考課表はどのように書いたら良いのかということです。入社間もない社員には、初めての経験で尚更です。人事考課表の書き方紹介します。
人事考課表とは
人事考課と人事考課表には、違いがあると紹介しました。しかし、人事考課には人事考課表がないと査定に困窮するという現実があります。主観的評価と客観的評価の基礎資料になる重要な資料なのです。
人事考課表には、自己評価やモチベーションなど主観を書き込む内容や項目があります。これらの意見と自らを5段階や10段階評価して書き込もことまあります。企業には、重要な査定資料になります。
この様に人事考課表は、人事考課をされる側が人事評価のための基礎資料を提供するものです。これは、企業にとっても社員にとっても大切なことなのです。企業や社員の将来を見極める重要な資料になります。
従業員の査定に使う表
人事考課表は、従業員の査定に使う表のことです。査定とは、物事を調べて、その等級・金額・合否などを決めることと説明されています。その様に、従業員の給料や賞与或いは昇進などのことを決める重要な資料です。
人事考課表は、本人の業務に対する姿勢や資質などを自己評価して書き込み、その達成度合いを確認するということも含まれるなど、その人の将来に重要な意味を持っています。
そんな人事考課表は、企業にもよりますが年に1・2回配布され、内容記載して提出するというパターンが一般的の様です。そして企業は、その人事考課表を基に社員の査定に使う表として活用します。
目的は評価の参考にすること
人事考課表は、従業員の査定を行うための重要な資料という紹介をしました。しかし企業側の受け止めは、重要性という意味では同じ扱いですが、あくまでも目的は評価の参考にするというスタンスがあります。
人事考課表には、自己評価や個人意見など守秘要素が多分に含まれていることから、大切に扱なければならない資料であることは言うまでもありません。
しかし、それが全てという言うものではなく、複数ある客観的評価の中の一つの手段であり、評価の参考資料にするという目的のあるものです。人事評価表には、重要な位置づけがされていることは確かです。
人事考課表の項目
そんな従業員の将来にも影響する人事考課表ですが、果たしてどんな項目で評価基準が決められているのかということです。一般的には、成果・能力と意欲という様に項目分けされています。
そして、その項目に沿った設問がされていて設問ごとに自己評価を記入していくという形式が多くあります。その内容は、それぞれ主観が求められる様にもなっています。
しかし記入時には、冷静に客観的に自己分析して自己評価をして行くことが大切です。第三者的評価を基準に自己評価することが、過大評価にならないポイントでもあります。以下、項目ごとに紹介します。
成果評価に関する項目
人事考課表の成果評価に関する項目には、業務の達成度合いを査定するという目的があります。会社には、当然達成すべき目標があります。その目標に対して、どの程度の貢献度があったのか、或いは達成したのかということです。
それは、結果を求められているような内容ですが、大切なのは目標設定から結果につながるプロセスが、どのように展開されてきたのかということが重要視されます。
成果評価は、結果ありきではなく、そこに至る経過が大切なポイントになります。実績に対する客観的自己分析が求められる成果評価に関する項目は、結果だけではないということを理解しておくことが大切です。
能力評価に関する項目
人事考課表の能力評価に関する項目は、ある意味シビアな要求がある評価目的と誤解されがちです。しかし、成果評価ではないのですが、結果や過程には相応の能力を求められることは否めないのが現実です。
企業への貢献度しいては業務遂行に関する貢献度など、その過程の中で職務にそうした能力が発揮されたのかということが評価目的になっています。
提案・企画力・実行力や改善力など、企業が求める内容はそれらに対する職務遂行能力を問います。必ずしも背伸びすることなく、客観的に職務分析して自分の立ち位置を確認して能力評価にこたえることが大切です。
意欲評価に関する項目
人事考課表の意欲評価に関する項目は、職務と向かい合う姿勢や職場の人間関係などを通して、人柄などを判断する評価目的があります。モチベーションや順応性と言った内容を見極めるには、重要視される項目です。
確かに、業務成績はそれなりに高評価があり、能力的にも抜けた資質を持ち合わせているという人でも、人間性に欠けたりコミュニケーション力が欠落しているということでは、社会人としては疑問視されてしまいます。
そんな事柄の評価対象は、責任感・誠実さ・積極性や協調性といった角度からの評価目的があります。そして、問題意識などのことも意欲評価には大切です。そこでは、モチベーションを高めた意識確認が求められます。
人事考課表を書くポイント
人事考課表は、人事考課のための参考資料であり、その位置づけは、その人の将来を左右するといっても言い過ぎではないほどの重要な資料ということは、これまで紹介してきました。
それでは人事考課表は、どのように書くことが良いのか人事考課表の書き方のポイントを整理してみます。大切なことは、主観にとらわれず、客観的に自己分析をすることです。
やたら長文になることはNGです。ポイントがぼけてしまいます。人事考課表の字句は、書きすぎず簡潔明瞭で説得力のある内容に心がけることです。そして会社に納得してもらえるという具体性を持たせます。
更に、実態に即した内容でまとめることです。抽象的な言い回しは説得力に欠けます。人事考課表の設問が何を求めているのか知ることです。人事考課表の書き方のポイントは、客観的に見定めることが大切です。
納得してもらえるような書き方をする
人事考課表の書き方のポイントは、納得してもらえるような書き方をするということです。目標設定や目的などに関しても、抽象的で回りくどく書く書き方は、好ましくありません。
書いた本人も焦点が分からなくなり迷走した伝えにくい文書になってしまいます。人事考課表の書き方のポイントは、具体的で簡潔明瞭な文書が好まれます。
シンプルで分かりやすい書き方の文書は、説得力もあり何よりも納得してもらえる文書になるということです。同様に客観的分析を交えた人事考課表の書き方は、会社への理解度が効果的に作用します。
実態に即した評価をする
人事考課表の書き方のポイントで、実態に即した評価をするということが大切です。とは言え、そこには主観を含めないことが評価のテクニックになります。客観的にとらえてこそ実態が見えてくるのです。
あまりにも飛躍しすぎた物言いは、実態にそぐわないという理解不能な人事考課表の書き方になってしまします。ポイントを外れた文書を書き始めると、どうしてもなりがちな長文で実態から遠ざかるという傾向になります。
その様なことを避けるため、書きたい内容と実態を客観的に分析して、自分の意見としてまとめるとこが大切です。その様にして実態に即した評価をすることが、人事考課表の書き方のポイントになります。
前向きな書き方をする
人事考課表の書き方のポイントで大切なことは、前向きな書き方をするということです。人事考課表は、その人のやる気や積極性などを判断する資料としても使われます。人事評価表には、ネガティブな姿勢は不要です。
どうしても自己評価は、自分を一歩引いた感覚で判断してまうという傾向があります。その様な感覚で書く人事考課表は、どうしてもポジティブな内容からは遠ざかってしまいます。
もっと客観的に自分を見据えて、会社への貢献の姿勢は積極的で、ポジティブな姿勢を崩さないという自信を持つことが、自己評価の客観的判断材料にもなります。その様に、前向きな書き方が大切です。
人事考課表の自己評価の書き方
人事考課表の主目的には、自己評価があります。自分のことをどれほど理解して、会社貢献ができるのかという自身の持つ資質や性格を的確に表現できるのかということです。自分のことは、一歩引いてしまうではいけないのです。
職種にかかわらず、目標を掲げた取り組みは目標達成という目的に向かって、積極的に立ち向かうという姿勢が必要です。この姿勢・気持ちが自己評価に効果的に作用します。
そんなことを、素直に人事考課表に書いていきます。自己評価は、過大評価にならない限りにおいて、最大限の評価を書くことが大切な書き方です。人事評価表の自己評価の書き方のポイントを紹介します。
職種別のポイント
人事考課表の書き方は、職種で異なります。事務職の様なデスクワークの職種・営業職の様に目標や目的達成が主目的の職種や製造職の様に、物を構築したり製造したりすることが主体の職種などでも書き方は違ってきます。
この様に、会社での立場の違いもそうですが、職種が異なる場合には、その職種に応じた書き方のポイントがあります。人事考課表の基本的な、成果・能力そして意欲という項目は共通しても、書く内容に異なりがあります。
事務的職種では与えられた職務への改善や提案などのこと、営業の職種ではノルマや目標達成・改善提案などことや製造の職種では技術的なことや生産コストのことなどが、書き方のポイントになってきます。
目標設定を書くコツ
人事考課表の書き方で、目標の設定と目標達成までのプロセスなどのことを書くことがあります。簡単に目標設定と言いますが、これほど難しい基準の判断はありません。大きすぎても未達成・小さすぎても消極的な評価になります。
目標達成のための努力は、どのように取り組むのかその姿勢で変わってきます。人事考課では、重要なポイントです。しかし、初めから無理とわかる過重な目標設定は、しないことです。事務職であれば、資格取得などのキャリアアップを目標にしたりします。
営業職であれば、販売ノルマを超える販売実績への努力目標を過重にならない範囲での達成目標があります。また製造関係の職種では、ライセンス取得や製造工程の効率化目標の設定などがあります。
この様に人事考課表には、自己評価が重要ポイントにもなります。自信を持った一歩踏み出した自己評価を、客観的視点から記入するというポイントがあります。この3つの職種の人事考課表の例文を紹介します。
例文
人事考課表の書き方のポイントなどに触れてきました。では、実際に自己評価をするポイントがどこにあるのか。また書き方はどのようにすると伝わりやすくなるのか例文で紹介します。
ここで紹介する例文は、職種別に事務職・営業職と製造職別に自己評価の書き方です。但し、書き方はそれぞれ個人差がありますから、あくまでも参考の例文として読むことをおすすめします。
例文①事務職
私に与えられた職務は、いかに効率よくかつ正確な事務を執るかということです。その方法は、キャリアアップであり精度の高い事務を行う上で、資格取得など専門知識の醸成を目標に会社貢献をして行きます。
事務職という目標設定のしにくいポジションで、事務の精度を高めることを狙い、自らのキャリアアップするという例文です。この他にもコスト管理や業務改善などの例文もあります。
例文②営業職
自ら課した営業ノルマは、前年比何パーセント増を目標にしています。そのためには、クライアントへの訪問回数を増やし新規取引先の開拓に積極的に取り組みます。目標達成に努力します。
この例文には、自らノルマを課すなど並々ならぬ決意が感じ取れます。人事考課表に記入した責任達成に対する、自意識の高まりを主張する内容の例文です。
例文③製造職
作業工程の効率化は、自らに課せられた責務と理解しています。そのためには、新たな作業マニュアルの作成と過去資料の検討が必要になります。効果的な作業効率化の実現を目指して、目標達成に努力します。
この例文は、作業の効率化によるコスト削減や製造能力の高度化を実現することに取り組む姿勢が顕著に表現されています。自らの責務を客観的に評価して、効率化に臨むという例文です。
人事考課表の書き方を押さえておこう!
人事考課表は、人事考課に関する重要な資料になります。企業側としては、企業貢献や従業員の資質を客観的評価する特別な資料であり、評価の結果が従業員の将来を左右するという企業責任も含まれているものです。
それ程に重要な意味を持つ人事考課表です。従業員は、そんな人事考課表の重要性を理解して、記入することが大切です。書き方で、何かが変わるということです。人事考課表の書き方を押さえておきましょう。