「お世話になります」の意味
「お世話になります・おせわになります」という表現は、ビジネスシーンや日常会話でもよく使われ、耳にすることがある言葉です。「お世話になります」という表現を日頃からビジネスシーンのメールや電話などで使っている人は多いですが、正しい敬語と使い方を理解している人は少ないです。まずは「お世話になります」の意味から詳しく解説します。
意味①面倒を見る・尽力する
「お世話になります」という表現の「世話」とは「面倒を見る」や「尽力する・じんりょくする」という意味があります。自分以外の人に気を配って面倒を見たり手助けをする、目標達成のために力を尽くすときなどに使う言葉です。「子供の世話をする」「大きなお世話」「世話がかかる」「世話が焼ける」などの使い方があります。
意味②関係を取り持つ・手間がかかること
「お世話になります」という表現の「世話」には「関係を取り持つ」や「手間がかかることと」という意味もあります。自分以外の人と人との間に入って関係を良好にしたり結びつける、目標達成のために時間と労力がかかるときなどに使う言葉です。「勤務先を世話する」「結婚相手を世話する」などの使い方があります。
ビジネスシーンでは「関係を取り持つ」や「手間がかかることと」という意味での使い方が多く「日頃からビジネス上の関係を取り持っていただき感謝いたします」とお礼の言葉として使うこともあります。
「お世話になります」の敬語の使い方と例文
ビジネスシーンで良く使われる「お世話になります」という表現は、初めて世話になる人やこれから関係をもつ相手に対して使います。「お世話になります」という表現は、ビジネスでのメールや電話、対面と幅広いシーンで使われます。正しい敬語表現の使い方を例文から学びましょう。ここからは「お世話になります」の敬語の使い方と例文を紹介します。
ビジネスメール
ビジネスメールでの「お世話になります」の敬語の使い方と例文を紹介します。「初めまして、○○株式会社の○○と申します。今後お世話になります。」これから関係を持つ相手に、これから「世話になる」という意味でこのように使うことができます。
「平素よりお世話になっております。○○株式会社の○○と申します。」日頃からお世話になっている相手に対して、メールの文頭に挨拶文としてこのように使います。何度もメールのやり取りをする場合は、その都度「お世話になります」と使うのは好ましくありません。
「度々失礼いたします」や「早速の返信ありがとうございます」などと表現を変えると印象が良くなります。「お世話になります」を「お世話になっております」と表現していますが、違いについては後程解説します。
お世話になったことへ感謝する場合の「お世話になります」という表現は「日頃よりお世話になり、ありがとうございます。」「先日は、大変お世話になりました。」などがあります。
電話
ビジネス電話での「お世話になります」の敬語の使い方と例文を紹介します。ビジネス電話では、電話口に出た人に口頭の挨拶として使います。「お世話になります。お忙しい所、失礼いたします。私、〇〇株式会社の○○と申します。」「お世話になります。この度は商品の問い合わせをいただきありがとうございます。担当の○○でございます。」
対面
ビジネス上の対面での「お世話になります」の敬語の使い方と例文を紹介します。入社や部署異動、担当変更などの挨拶のとき「お世話になります」という表現を使います。「本日よりお世話になります。○○と申します。精一杯頑張りますので、ご指導のほどよろしくお願いいたします。」
「このたび○○月○○日付で○○部署へ異動することとなりました。今まで大変お世話になりました。」
「お世話になります」に対する返事
ビジネスシーンのメールや電話、対面で「お世話になります」という表現を受けた場合、正しい返事が出来ていない人も多くいます。「お世話になります」に対する返事は、相手との関係性により適切な表現を選ぶ必要があります。ここからは「お世話になります」に対する返事の仕方をいくつか紹介します。
こちらこそお世話になります
「お世話になります」という表現に対して「こちらこそお世話になります」と「お世話」を使い返事をすることができます。「こちらこそ」は自分も相手と同じであることを伝える場合に使います。「お世話になります」に「こちらこそ」を付け加えることで、お世話になっていることへ感謝の大きさを表現することができます。
いつもありがとうございます
「お世話になります」という表現に対して「いつもありがとうございます」と返事をする表現方法もあります。「いつも」は「日頃から」や「平素から」と言い換えることができ、今までに関係を持ったことのある相手へ返事をするときに使うことができます。お世話になっていることへの感謝の気持ちを込め「ありがとうございます」と表現します。
日頃のご愛顧に感謝申し上げます
「お世話になります」という表現に対して「日頃のご愛顧に感謝申し上げます」と返事をする場合も、今までに関係のある相手へ返事をするときに使うことができる表現です。「ご愛顧・ごあいこ」はひいきにしてもらっている側が感謝の気持ちを込めて使う表現です。企業や法人などの目下の人が、取引先や顧客などの目上の人に対して使うことができます。
いつもお引き立ていただき感謝いたします
「お世話になります」に対して「いつもお引き立ていただき感謝いたします」と返事をする場合も「日頃のご愛顧に感謝申し上げます」と同じく今までに関係のある相手へ返事をするときに使うことができます。企業や法人などの目下の人が、取引先や顧客などの目上の団体と個人どちらにも使うことができます。
「お引き立て」の意味は「ひいきにすること」「ご愛顧」です。「いつもお引き立ていただき感謝いたします」の意味は「いつもひいきにしてくれてありがとうございます」「いつも当店をご利用いただきありがとうございます」となります。
「お引き立て」は「ご愛顧」と同じく取引の回数や期間といった条件はなく使用できる表現です。ビジネスシーンでは、まだ取引したことがない相手や一度しか実績がない相手に対しても「お引き立て」という敬語表現を使うマナーがあります。
「お世話になります」とお世話になっておりますの違い
「お世話になります」の敬語の使い方と例文で紹介したように「お世話になります」は「お世話になっております」と表現することがあります。ビジネスシーンで使い分けができるよう「お世話になります」と「お世話になっております」の違いを理解しましょう。ここからは「お世話になります」と「お世話になっております」の違いについて紹介します。
「お世話になっております」の意味
「お世話になっております」という表現は、謙譲語の接頭語「お」+「世話になる」+「いる」の丁寧語「おる」+丁寧語「ます」ならなる謙譲語表現です。「お世話になっております」は「~している」という現在進行形の表現で、現在に焦点が置かれている状況であることがわかります。
「お世話になります」は、これからお世話になるときに使われる表現で、現在から未来に焦点が置かれています。「お世話になっております」は現在に焦点が置かれている状況で「これからお世話になります」と挨拶するときに使う表現になります。
現在に焦点が置かれている状況
「お世話になっております」は現在に焦点が置かれている状況で使う表現のため、日頃から関係を持っている取引先や顧客に対して感謝を伝える意味で使います。ビジネスシーンのメールや電話、対面で挨拶をするときは「お世話になります」より「お世話になっております」という表現を良く使います。
「お世話になっております」という表現は日頃から関係を持っている取引先や顧客に対して使いますが、自分が直接関係を持っていない場合でも使うことができます。
企業や団体がすでに関係を持っている場合は、個人としての関りが初めてのときでも企業や団体に属している社員として関係があると判断します。そのため「お世話になります」ではなく「お世話になっております」という表現が正しい使い方になります。
「お世話になります」はこれから関係を持つこと
「お世話になります」という表現はビジネスシーンで良く使う言葉です。「お世話になります」という表現は、これから関係を持つ相手に使う言葉です。「お世話になります」と「お世話になっております」の違いを理解し、使い分けることが大切です。ビジネスメールや電話、対面での正しい使い方と例文を参考にし、社会人としてマナーを身に付けましょう。