「貴法人」の意味と使い方を例文付きで解説!「貴社」との違いや正しい呼び方は?

「貴法人」の意味と使い方を例文付きで解説!「貴社」との違いや正しい呼び方は?

仕事の書面や文書で、相手の人に送る場合「貴」や「御」という言葉をつけます。貴社、貴殿という言葉と同じ様に、貴法人という言葉もあります。それでは、貴法人とは、どんな時に使うのでしょうか。また、貴社とどう違うのでしょうか。使い方について紹介をしましょう。

記事の目次

  1. 1.貴法人の意味とは?
  2. 2.貴法人の対義語・類義語
  3. 3.貴法人の使い方・例文
  4. 4.貴法人と貴社の違い
  5. 5.貴法人を使う際の注意点
  6. 6.貴法人の由来・歴史
  7. 7.貴法人の英語表記
  8. 8.貴法人の漢字
  9. 9.貴法人は「貴方の法人」という意味

貴法人の意味とは?

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貴社という言葉は「あなたの会社」という時に使います。類語として「貴法人」がありますがこれは、「あなたの法人」という意味になります。「あなたの会社」という意味で「貴社」を使いますが、会社と法人は似ているようで異なる組織です。法人の場合は「貴社」ではなく「貴法人」になります。

貴法人は手紙や文書を送る相手が法人の時に使うことが正しくなります。それでは、会社と法人はどう違うのでしょうか。法人とは「一定の社会的活動を営む組織体で、法律により特に権利能力を認められたもの」とあります。しかし、この組織には会社も含まれます。そこでもう一つに違いが利益です。

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法人は営利目的ではなく、公益を求めたものです。「学校法人・医療法人・宗教法人・監査法人・公益財団法人・NPO法人・社団法人」です。こういった法人に手紙や電話をかける時「貴法人」「御法人」を使います。会社は営利目的になるため法人ではなく、「貴法人」を使うこともありません。

貴法人の対義語・類義語

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貴法人は、相手に対して敬語をつけて手紙を出す時「あなたの法人」という意味で使いますが、相手の団体によって違う使い方もできます。類語としては、学校なら「貴校」「貴学院」、病院は「貴院」、協会の場合は「貴協会」という類語の呼び方もします。「あなたの協会」という意味です。

財団なら類語は「貴財団」監査法人は「貴団体」でも良いようです。公益財団法人や社団法人は、いずれも相手を選ばずに類語として「貴団体」で良いということです。そして、どんな団体でも法人であれば「貴法人」を使うとことはできますが、相手の団体名がわかればそれに合わせましょう。

自分が法人で働いている場合は反対になります。反対語で自分の学校なら「自校」、お寺では「自坊」という呼び方もあります。機構の場合は「当機構」、銀行は「当行」法人は「当法人」というようです。会社も「自社」と「当社」の両方を使いますが、使う時は団体名にあわせるのが一番です。

貴法人の使い方・例文

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就職活動をする時、面接をする相手が会社なら「貴社」になります。しかし、これが法人なら「貴法人」です。例えば履歴書や志願書に書く時、初めは「財団法人〇〇様」正式な呼び方を書いた後、それに続く文章に「貴法人」と書くことになります。

法人は会社ではないので、意味がことなるため「貴社」とは書きません。この他にも数は少なくなりますが、機構を受ける時は「法人」という言葉が付いていません。この時類語の貴法人と書いても良いですが「貴機構」と書きましょう。貴社ではない場合全般に使えるのが「貴法人」です。

しかし、法人にも色々な種類があるので、貴法人だけでなく、団体に合わせた使い方や呼び方をするのが一番です。貴法人はビジネスで使われる言葉ですが、実際に貴法人という言葉を使う時は、一体どんな場面が適切でしょうか。基本人の使い方と例文についてご紹介しましょう。

例文①

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一番初めに「貴法人」を使う可能性があるのは、就職活動中の学生や転職中の人です。特に看護師や介護士、教員免許などの資格を取得し、病院や介護施設、学校に履歴書を送る時の使い方や呼び方です。他にも財団法人や社団法人も「法人」のため「貴法人」です。

履歴書の志望動機や志願書を書く時「貴法人」を使って志望した理由などを書きます。就職活動のための例文集で、法人を受ける時は「私が貴法人に就職を希望する理由としては」といった書き出しの例文があります。訪問の約束をする時の例文では「〇月×日に貴法人へ伺います。」と書きます。

法人の場合は「貴法人」や類語になる団体の名前に合わせた呼び方で、履歴書や志願書などを書くようにすることがおすすめです。しかし、こういったことは就活中の学生は知らないことが多くあります。全て貴社と書くことがありますが、意味が違うため例文を参考に使い方に注意しましょう。

例文②

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履歴書や志願書と同様に、就職活動中の学生の中には説明会や面談、先輩訪問の後、お礼状の手紙やメールを書くこともあります。この時も「貴法人」という呼び方を使います。文書の頭に正式名称の財団法人〇〇様、と書いた後に文書の冒頭で「貴法人に置かれましては」と続きます。

気をつける使い方の例文としては、機構や協会に訪問する場合です。研究所などは財団法人となっていることがあり、一般的に多くはありません。有名なところでは「年金機構」「日本放送協会」です。この場合は会社ではなく法人の一つになります。例文にならい「法人」を「協会」と変えます。

機構や協会の場合も、「貴法人」でも間違いではありませんが、類語になる「貴団体」「貴協会」という呼び方が適切です。そこで、履歴書や志願書、お礼状の例文では「貴団体ますますご清栄のこと、お慶び申し上げます。」という出だしになります。財団法人の場合は、ここに貴法人と入れましょう。

例文③

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学生が終わり、就職をしてからも「貴法人」を使うことがあります。企業に入っても法人相手の仕事はたくさんあります。その時は、学生の時と同じ様に、正式文書を送る時ははじめに相手の正式名称を入れ、「貴法人におかれましては、ますますご清栄のことお慶び申し上げます。」と続けます。

正式文書は、いきなり本題に触れず、先に挨拶文を入れます。この時に「あなたの法人の健康や繁栄を喜んでいます。」という言葉を添えてから、時節の挨拶を入れ、本題に入ります。この時にもう一つ大切なことが、時節の挨拶の「季語」を間違えないことです。

他にも「拝啓や敬具」を入れるのか、手紙を書いた日付を入れるのか、といったことも気をつけます。正式文書には、このように色々な決まりがありますが、類語も多くそれはどちらでも良い場合と、使ってはいけない場合があるため、気をつけましょう。

例文④

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貴法人を使っておかしいのは、話し言葉の時と、自身の法人を指し示す場合です。話し言葉の時は会社でも「貴社」ではなく、「御社」と言います。気軽なメモ程度の文書では貴社や貴法人は使いません。普通に相手の名前を入れる程度にしましょう。また、個人あての時も貴法人は使いません。

「貴法人」という言葉は、話言葉ではなく文書で使うこと、気軽な文書ではなく正式文書で使うこと、最初は正式名称を入れることを守って使いましょう。文書の初めに使ったことと同じ様に、最後の締めくくりにも使うことができます。類語の貴団体を使った場合は、最後も同じ貴団体にします。

例えば、「貴法人のますますのご発展をお祈りします。」という「ご祈念いたします。」という言葉を使って締めくくります。長い文書の場合は、途中で相手を指し示すことは少ないため、最初と最後に「貴法人」という言葉を使うと、良いかもしれません。

貴法人と貴社の違い

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貴社は会社に対して使います。貴法人は相手が法人の時に使います。会社は利益を追求し、そのためにイメージを良くしたり、採算を考えて新しい事業や取り組みを展開をします。法人は公的要素が高い団体が使います。私立学校や病院、宗教などは法人となっています。

研究組織も多く法人を使っていますので「貴法人」や団体の名称を使いましょう。対して、株式会社、有限会社は「貴社」となります。会社は株式会社だけでなく、合同会社・合資会社・合名会社・有限会社があります。会社の場合は意味が同じ「貴社」を使います。

2000年現在、有限会社を設立することはありませんが、既存の有限会社はあります。株式の公開ができない、資本金の指定がない場合に合同会社や合資会社、合名会社があります。こういった会社組織の場合に、基法人と同じ様に正式文書で「貴社」と使います。

貴社はあなたの会社という意味

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貴社は「あなたの会社」と、取引相手などの会社に対して敬称を用いる時に使います。貴法人と同様に、正式な文書で使います。まずは、会社名を入れその後手紙の挨拶文や締めくくりの文章の時に「貴社」という言葉を用います。しかし、同じ会社でも貴社を使わない場合もあります。

会社内の個人宛ての場合は、個人名を入れて作成します。その後も貴社ではなく貴殿となります。その後挨拶文で会社や法人なら「繁栄」を喜ぶ、祈るといった言葉を冒頭や締めくくりに使いますが、個人の場合は健康や清栄を喜んだり祈る言葉を入れます。

また、話し言葉の場合も意味は同じですが「貴社」ではなく「御社」になります。貴社は会社相手ですので、法人や団体はもちろん、個人事業主や個人宛ての文書では使わないことも知っておくと便利です。貴社も貴法人と同じ様な使い方になるため、貴法人でも貴社と同じ例文を参考にできます。

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貴法人を使う際の注意点

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それでは、法人相手でも貴法人を使わない時はどんな時でしょう。例えば、就職活動や正式文書の例文では「貴法人」を使いますが、話し言葉では「御法人」、協会なら「御協会」となります。また、法人の場合も会社と同様に個人宛ての文書は貴法人は使いません。

法人の時も会社と同じ様に個人なら同じ使い方をします。この場合は「貴殿」を使います。就職活動でも先輩訪問などで、個人宛てに約束をする場合は「貴法人におかれましては」ではなく「貴殿に置かれましては」と変えて書くようにしましょう。

同じ意味に貴女もありますが、会社の場合は女性でも貴殿の方が好まれます。こういった細かい例文集もありますので、参考にしましょう。また、貴法人様、貴殿様という言葉は間違った使い方になります。「貴」で敬語を使い「様」をつけてしまうと二重敬語になってしまいます。

面接では使えない

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貴法人という言葉は、文書で相手に向かって使う呼び方です。面接の時は会社でも「貴社」とは言わず「御社」と言います。同様に法人の時も、「貴法人」ではなく「御法人」という呼び方になります。もちろん「貴」の代わりに「御」を使うといっても、なかなか使いにくい場合もあります。

例えば、医療法人の病院の面接を受ける場合、本当に「御病院」、学校法人の場合は「御学園」や「御校」というのでしょうか。確かに敬語をきちんと使っているかもしれませんが、あまり耳慣れない言葉になります。

この場合は「御法人」でまとめてしまうこともできますが、面接の場合「貴法人」という言葉は使いません。中には、「こちらの病院では」「こちらの学校では」といった言葉でも、あまり失礼に当たらないこともあります。面接の雰囲気に合わせて言葉を使い分けることも必要かもしれません。

貴法人の由来・歴史

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貴法人は、法人に対して敬称を込めて使う言葉です。それでは「法人」という言葉は一体どういう意味でしょうか。まずは、法人という言葉の意味から由来を調べてみましょう。そして、いつから法人という言葉が使われるようになったのでしょうか。

元々会社という言葉が昔からあったわけではありません。会社そのものが近代になってから作られた言葉です。そして、会社とは別に同じような団体でありながら、利益を求めないものを法人と言います。会社に敬称を込めて使うのが貴社、法人の場合が貴法人です。

貴社は会社に対して敬意をこめて使うなら、法人に対して敬意をこめるのが、貴法人というわけです。そもそも、法人という言葉は一体いつから使うようになったのか、という言葉とその言葉の使い方から調べてみましょう。

由来

法人とは生物的な自然な「人」と異なり、法律的に人とされているものを、法人と言います。法人には、一定の同じ目的をもった人が集まって作る集団「社団法人」と、一定の目的のために拠出された財産を元に作られた「財団法人」があります。

法人制度そのものは、古代ローマの公共機関や政治団体、自治組織が、現代の法人とおなじ役割を果たしていました。日本の現代の法人は、1996年「公益法人の設立許可及び指導監督基準」の制定、2006年の一般社団法人及び一般財団法人に関する法律によって、法人の定義が決められています。

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法人の種類は200種以上ありますが、2006年の法律で多くの法人が廃止されています。こうして、残った法人には組合や協会、機構が含まれています。この法律で示されている法人に対しての敬意をこめて呼ぶときに貴法人と言います。

歴史

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1989年に民法が施行され「公益法人」など民間の「非営利部門」での公益的活動を担う法主体が規律され、作られたのが「法人」です。しかし、当時の民法で採用されていた法人設立の許可は簡単ではなかった上に、公益性の判断基準も不明確でした。

そこで、1996年に作られた公益法人の設立に関する法律、2006年の一般社団法人と一般財団法人に関する法律によって、現代の法人が設立されます。1990年代、会社に対して文書で「貴社」話し言葉で「御社」というようになりました。同様に法人に対して貴法人、御法人と使われたと考えられます。

しかし、実際に貴社や御社という言葉が生まれたのは戦後間もない頃、1923年には会社に敬意を表す呼び方として使われていたということです。そこで、法人というものが明確に制定された、1990年代に、貴法人も広く使われるようになったのではないでしょうか。

貴法人の英語表記

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貴法人は「貴方の法人」という意味です。法人に対して敬意をこめて「貴」をつけたということになります。そこで、英語でも「あなたの法人」という意味の「your legal entity」があてられています。しかし法人を英語にすると「corpoeation」類語に「legal corpoeation」「legal body」があります。

日本では法人そのものが、社団法人や財団法人の他に、機構や研究所、学校法人、医療法人など様々な法人を意味しています。そのため、法人を英語にするとたくさんの言葉が出てきます。上の3つの他にも研究所の法人の英語は「juridical person」となります。

医療法人は「the corporation regulated by medical law」で「医療法に規定された法人」と長いものになります。そこで、貴法人の場合は「あなたの法律上の会社」という意味の英語をあてています。法律上の会社ということで貴法人の時は法人、という英語にまとめています。

貴法人の漢字

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貴法人の「貴」は、身分、位、家柄が高いことを意味しています。そのため、目上に敬意をこめて呼ぶときにつける感じです。人に対しても「貴兄」「貴方」という言葉を使います。貴法人と貴の言葉をつけることで、相手に敬意をこめた言葉になります。

法人は「法律によって成立した権利主義を主体とするもの」を意味します。一定の決められた目的のために作られた団体、財産について法人格「権利主義」が認められて作られます。医療法人なら医療を目的としていますし、学校法人は教育を目的としているということです。

そして、貴法人はこういった目的などで作られた法人に対して、敬意を表して呼ぶときに使う言葉になります。類語になりますが、話言葉では「御法人」が使われています。貴そのものが敬語となるため、貴法人様は、二重敬語になるため使いません。他にも団体によって類語を使うこともあります。

貴法人は「貴方の法人」という意味

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貴法人は「貴方の法人」という意味です。法人に対する敬意を表す、正式な文書を送る時に用います。類語に貴協会や貴機構、貴院がありますが、これは法人の正式名称に使う時の呼び方です。わからない場合や財団法人、社団法人となっていた場合は貴法人にします。

法人は会社と異なり、利益だけを求めるものではありません。そのため、公的な組織や研究組織、組合などの組織が法人の中に含まれています。就職活動でも、取引相手への手紙でも、意外と知られていないのが貴法人という呼び方です。

知らず知らずのうちに法人にも貴社、御社と使っていたという人は、貴法人と貴社の違いが分かっていただけたのではないでしょうか。そして、法人の中でも病院や学校、機構なら貴法人以外の使い方もあります。これから法人に文書を書く時は、貴法人をぜひ使ってみて下さい。

こなみん
ライター

こなみん

こなみんです。趣味は推理小説を読むこと、アニソンを歌うことと、ビルの谷間を散歩すること、アメリカドラマを見ることです。生活や手芸、街紹介、税金・年金の記事の他に、アニメ・アニメ映画や漫画のネタバレ、アニソン記事を書いています。 ライター歴は3年目でまだまだ不慣れですが、よろしくお願いします。

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