懇親会の服装に迷う人は多い
今現在はあまり親しくない人同士が集まり、これから打ち解けるために開かれる懇親会。多くの場合、共通点のある人達が集まって、さらに親睦を深める目的で催される会を意味します。
打ち解けて親睦を深めるためだけに交流するのではなく、異業種交流会のように情報交換を目的とした会も懇親会と呼ばれます。また、PTAの集まりも懇親会に含まれます。そんな懇親会に出席する時の服装は、どのようなものにしたら良いのか迷ってしまう人は多いものです。
今回の記事では、主に会社で開催される懇親会に出席する場合の服装について、「内定者・社会人別」「男女別」などシーンに合わせた服装例を、その注意点も含めて解説していきます。懇親会の服装に迷っている方は、社会人としてマナー違反とならないよう参考にしてみてください。
親睦会のマナー
初めて懇親会に出席する場合、「仲良くなるために、話しながら食べて飲んでいればいいのかな」と、考えている人も多いかもしれませんが、懇親会はただの飲み会とは違います。
まず、懇親会では自己紹介をすることが多いので、予め話す内容を考えておくと良いでしょう。また、お酒を飲む場合は飲み過ぎに要注意です。自分の適量を守って楽しく飲みましょう。そして、相手にフランクに話しかけられても、丁寧に対応することが大切です。
そして、しっかりと交流するためには、自分の話ばかりして一方的な会話にならないようにする事にも注意が必要です。スマホをいじりながら会話するのも、もちろんマナー違反です。会話をする時は、相手の目を見ながら笑顔で会話のキャッチボールをして、しっかりと交流を図りましょう。
親睦会の流れ
懇親会に出席したことのない方は、懇親会の流れがどんなものかも分からないはずです。流れが分かっているかどうかで、懇親会の楽しみ方も違ってくるので、こちらでは、懇親会の基本的な流れをお伝えしていきます。
様々な形の懇親会がありますが、一般的な流れは決まっています。まず、主催者から懇親会の企画意図などについての説明と共に挨拶がされます。次に、乾杯の音頭がとられ懇親会が開始します。
殆どの場合、乾杯のあとはフリー形式で自由に交流する時間となります。挨拶しておくべき人や、気になる人がいる場合、この時間を有効に使って積極的に話しかけていましょう。1~2時間で歓談の時間は終わり、閉会の挨拶をもって懇親会は終了となります。
懇親会の目的
就職活動も終わり無事に内定をもらえたら、「内定者懇親会のお知らせ」というものが届くことがあります。懇親会でマナーにかなった服装をするためには、事前に内定者懇親会の目的も知っておかなければなりません。
懇親会の目的とは、先にもご説明したように交流や親睦を深める・情報を交換するなどの他にも様々な目的があります。目的を知ったうえで、内定者としてマナーに沿った服装・態度で懇親会に出席してみましょう。
こちらでは、内定者懇親会の目的のなかで、「学生に帰属意識を持たせる」「学生との仲を深める」「学生同士の中を深める」という3点に注目し解説していきます。
学生に帰属意識を持たせる
多くの会社が内定者懇親会を開く第一の目的は、懇親会で交流を深める事によって、学生に帰属意識や親近感を持ってもらい、内定者が就職を辞退することを防ぐことにあります。
会社への帰属意識とは、その会社の一員であるという自覚のことで、この帰属意識が高くなると、組織力も強まり、生産性は向上し離職率が低下すると考えられています。
企業側は、内定者を選考するまでに莫大なお費用と膨大な時間を費やしています。もし、内定者が辞退すると、その穴を埋めるためにはまた、費用と時間が掛かるのです。このロスを防ぐためにも、会社側は内定者懇親会を開いて、帰属意識を持たせるのです。
学生との仲を深める
内定者懇親会で行われることといえば、「自己紹介」「会社・事業についての説明」「食事」「先輩・同期との交流」がメインとなります。
内定者・先輩社員それぞれの自己紹介もあり、食事をしながら打ち解けていくことが出来ます。この内定者懇親会で、先輩社員と仲良くなり入社してからも面倒を見てもらえたり、緊張せず仕事に取り組めたという内定者も多く存在します。
学生同士の仲を深める
これから勤める会社の上司にあたる方や、先輩達と親睦を深めるのも内定者懇親会の大切な目的ですが、入社したら同期となる学生同士の仲を深めるという事も重要な目的となります。
企業によっては、学生同士の交流を深めるためにグループワークやゲームなどが開催されることもあります。新しい環境で様々な悩み・不安を抱いた時に、頼りになるのが同期の存在です。内定者懇親会では、同期となる内定者同士より深く知り合うことが出来る良い機会です。
懇親会の服装のポイント
懇親会、特に内定者懇親会に参加する場合は、初めて会う会社の上司・先輩も多いはずなので、失礼のないマナーに沿った服装で、なるべく好印象を与えたいものです。そこで、こちらでは内定者懇親会に参加する際の服装のポイントをお伝えしていきます。
スーツの場合はリクルートでOK
一番悩まなくて済むのは、内定者懇親会の案内に「スーツでお越しください」と指定されている場合です。どのようなスーツが適切かといえば、それは就職活動で着ていたリクルートスーツです。
内定者懇親会では、ただ食べて飲んでいれば良いわけではなく、入社後に会社で円滑に仕事を進められるよう、社会人として良い印象を持ってもらわなければなりません。
リクルートスーツは、就職活動をする学生が爽やかに見えるように作られたスーツなので、内定者懇親会にぴったりです。せっかく就活が終わったので、おしゃれなスーツを着て行きたい気持ちもあるかもしれませんが、周りから浮いてしまう可能性があるのでおすすめできません。
服装自由の場合はオフィスカジュアルを
もし、内定者懇親会の服装が自由と言われた場合は、どのような服装で参加すれば良いのでしょうか。最近では、服装自由という内定者懇親会が増えているので、ポイントを押さえましょう。
私服で構わないと聞いて、大学の通学に着て行っていたようなTシャツにGパンや、友達と遊びに行く時のような華美な服装で参加するのはもちろんNGです。私服など服装自由と言われると迷ってしまうかもしれませんが、そんな時はオフィスカジュアルで参加するのが正解です。
オフィスカジュアルとは、普通のスーツよりはくだけていますが、普段着よりはビジネス仕様になっている服装のことです。オフィスカジュアルにこれといった決まりはありませんが、派手過ぎない色・形で、清潔感のある服装がおすすめです。
懇親会の服装の注意点
内定をもらった後に行われる集まりなら、服装についてあまり注意を払わなくても良いと感じる人もいるかもしれませんが、内定者懇親会には先輩社員だけでなく、人事担当者や会社の役員など上層部の人が参加することも多いものです。
そのため、先輩社員・人事担当者や上層部の人達から見ても、マナーに沿っていると思われる服装を心掛ける必要があるのです。こちらでは、内定者懇親会で悪目立ちしないよう、注意点について詳しくご説明していきます。
私服といわれたらスーツはNG
内定者懇親会の案内に「私服でお越しください」と記されていたら、どのような服装が適しているのでしょうか。私服というと何を着て行ったら良いのか分からず、きちんとしていれば問題ないだろうとスーツを着て行くのは、実は男性でも女性でもマナー違反となるのです。
会社側がわざわざ「私服」を指定してくる場合、堅苦しくない形で親睦を深めて欲しいと考えている場合が多いので、その意向を無視してスーツを着て行くのは、却って失礼にあたるからです。
先にもご説明したとおり、私服と言ってもどのような服装でも良いわけではなく、オフィスカジュアルが無難となります。派手な服装・ダメージがある服装は避け、清潔感を第一に落ち着いた色合いの服装なら、好印象を与えることができるはずです。
私服と言われて男性が気を付ける点
いくら「服装自由・私服・リラックスした服装で」と言われたとしても、本当の意味での自由な服装ということではないところが要注意です。就職する会社や職種によって違いはあるものの、やはりオフィシャルな場なのでマナーに沿った服装であることが重要です。
男性の場合、リラックスできる服装といえば、ジーンズにスニーカーという人も多いかもしれませんが、本当にそのスタイルで内定者懇親会に出席したら、浮いてしまうこと間違いなしですし、評価も下がってしまう可能性もあるので注意が必要です。
私服と言われて女性が気を付ける点
女性が内定者懇親会に出席する場合、気を付けなければいけない点は、露出が高くならないようにするということです。スカートにするなら、ミニスカートは避けミモレ丈がおすすめ。色味もモノトーンなどの、目立たない色がおすすめです。
また、女性の場合、ブラウスやスカートの透け感にも注意が必要です。透け感があると、露出度も高くなり、だらしない印象も与えかねません。
服装指定がないなら会場に合わせる
内定者懇親会の服装で、一番困ってしまうのが「服装指定がない」という場合かもしれません。懇親会会場は、会社によって様々です。会社の中・ホテル・飲食店などがありますが、服装の指定がない場合は、その会場に合わせることが重要です。
会場が会社・ホテルの場合
懇親会が会社の会議室やホテルで行われ服装指定がない場合は、通常スーツを着て行くのが無難です。もし、スーツ以外の服装で出席するならオフィスカジュアルとなりますが、特に会社に行く場合は、「この服装は会社に入って行くのに相応しいかどうか」を考える必要があります。
学生としてではなく、社会人としての自覚を持った服装がマナーとなります。男性はジャケットにパンツ、靴は革靴でなくても良いですがスニーカー・サンダルは避け全体のコーディネートを考えた靴を選びましょう。女性は、ワンピースにジャケットなどが良いでしょう。
会場が飲食店の場合
懇親会は食事が含まれることが殆どなので、会場が飲食店である場合も多々あります。ただ、飲食店といっても高級レストランから居酒屋タイプのお店まで様々です。
懇親会の案内で会場が分かった時点で、インターネットなどでお店の雰囲気を調べておくのがおすすめです。そのお店の雰囲気が分かれば、どのような服装が相応しいか想像できるからです。また、お店がお座敷であった場合は、靴を脱ぐ可能性が高いという事も分かります。
靴を脱ぐ場合は、男女問わずに脱ぎ履きのしやすい靴を履いていく事がマナーとなります。女性はストラップの付け外し、男性は紐結びなどで他の人に迷惑が掛からないよう注意が必要です。また、男女ともに脱いだ時、人に見られても恥ずかしくないような靴を履いていきましょう。
派手な小物・髪色は避ける
内定者懇親会では、これから一緒に働く仲間として、先輩社員・人事担当・役員などから注目されることになります。内定者達が、どのような人柄なのかを知りたいと思うのはもちろん、外見にも注目する人も多いものです。
今回の記事でも特集している服装の他にも、髪型・髪色やアクセサリー・持ち物まで細かく見られる可能性があるという事も覚えておきましょう。
男性は、ベルトや時計に要注意。ベルトのバックルは目につくので、ブランドがロゴになっているものは避けましょう。また、時計も意外に目がいくアイテムなので、学生らしいシンプルな時計がおすすめです。
女性も時計・アクセサリーやバッグに高級ブランドを使用するのは、控えるべきでしょう。また、女性の場合は、懇親会にどのような髪型をしていったら良いのか迷うかもしれません。
一般的には、最終面接の時の髪型をしていくのが最適です。採用者は、その時のあなたの印象で採用を決めているからです。また、男女ともに気を付けなければいけないのが髪色です。
就職活動中だけ、面接用に髪色を黒くしていた人は、内定をもらったあと髪色を様々な色に変えている可能性がありますが、あまりにも明るい茶色や奇抜な髪色は避けましょう。周りの人から浮かない、ビジネスマナーにかなった髪型・髪色で懇親会に参加してください。
懇親会の男性の服装例
ここまで、内定者懇親会の目的・マナーや注意点などについてご説明してきましたが、こちらでは具体的な男性の服装例をご紹介していきます。「学生の内定者の場合」「社会人の場合」「スーツの場合」「私服の場合」の4シーンに分けて服装例を見ていきましょう。
学生の内定者の場合
男子学生の内定者が内定者懇親会に参加する場合で、スーツ以外の服装をしていく場合は、どのような服装が適しているのでしょうか。最適なのは、ビジネスカジュアルというスタイルになります。
ただ、実際に会社で働いているわけではないので、ビジネスカジュアルがどういう服装なのか分からないかもしれません。基本的には、ジャケットにシャツ、ボトムスはチノパン・スラックスに、靴はできれば革靴を合わせます。
シャツは襟付きの白いシャツが無難です。ジャケットは黒・紺・グレー・ベージュなど地味目な色を選びましょう。また、ジャケットとパンツは異なる素材・色のものを選んでOKです。シンプルな色・柄のものであれば、好みのコーディネートで構いません。
社会人の場合
社会人が先輩として、内定者懇親会に参加する場合、男性はどのような服装をしたら良いか悩む方も多いに違いありません。一般的に男性が会社に行く場合はスーツが多いはずですが、スーツ以外でしたら、男性社会人の方もビジネスカジュアルスタイルがおすすめです。
基本的にはスーツと同じパーツで、色や柄に自由度を加えればオシャレなビジネスカジュアルスタイルが完成します。社会人であれば、少し派手な色・柄を選んでも良いでしょう。時計やベルトなども、ブランド物でも構いません。
スーツの場合
男子学生が懇親会に参加する際、「スーツでお越しください」と指定があれば、リクルートスーツを着て行くのが一般的です。
男性のリクルートスーツとは、明確な定義はないものの、色は黒・紺・グレーで、素材はシワになりにくく耐久性の高いポリエステル混のものが殆どです。ストライプ・チェックなど様々な柄があるビジネススーツとは違い、リクルートスーツは柄の無い無地になります。
私服の場合
「私服でお越しください」という内定者懇親会に参加する場合でも、前述したようにラフ過ぎる服装はNGとなります。また、スーツを着て行くのもマナー違反となるので注意が必要です。
ジャケットにチノパンのビジネスカジュアルスタイルもおすすめですが、夏ならジャケットを着なくても、またジャケットのかわりにカーディガンでもOKです。シャツも襟付きであれば、白にこだわらなくても良いでしょう。
スーツやビジネスカジュアルスタイルより、少し崩しても大丈夫ですが、清潔感のない服装はマナー違反となります。シワ・汚れがない服装にし、靴も少しラフなタイプでも良いですが、しっかりと手入れをして傷や汚れがない状態にしておきましょう。
懇親会の女性の服装例
女性は男性に比べ、服装の形態が多様なので、スーツにしてもそれ以外の服装にしても選ぶのが難しいかもしれません。しかし、マナーさえきちんと押さえれば、男性よりもコーディネートの幅は、はるかに広がります。女性の服装例も4つのシーン別にご紹介していきます。
学生の内定者の場合
女子学生が内定者懇親会に参加するのに、適した服装とはどのようなものでしょうか。まず、女性の場合も、スーツ以外の服装例を見ていきましょう。服装指定がない場合に、一番注意しなければならないのは、派手でない露出の少ない服装を選ぶという点です。
一番無難な服装例は、きれいめなワンピースにジャケットをはおり、パンプスを合わせるというコーディネートです。ワンピースは過度な装飾のない、ひざ下丈が良いでしょう。カラーはネイビー・黒やベージュなど清楚な色がおすすめですが、あまり暗くなり過ぎないよう注意しましょう。
パンプスは派手でない色であればOKなので、服装とのバランスを考え、自分好みのコーディネートをしてみてください。ストッキングは、ナチュラルストッキングが◎。
社会人の場合
女性が先輩として内定者懇親会に参加する場合、どのような服装が相応しいのでしょうか。社内やホテルなどが会場なら、スーツ着用が一般的になります。ビジネススーツでも良いですし、パステルカラーやベージュなど柔らかい色・柄のスーツでもOKです。
また、少し改まったトップスに膝下丈のスカート、長目丈のパンツの組み合わせでも良いでしょう。もちろん、ワンピースにジャケットも◎。内定者たちの、お手本となるような素敵で良識のある服装で出席しましょう。
スーツの場合
女子学生の場合も、内定者懇親会の案内に「スーツでお越しください」と記されていれば、就職活動で着ていたリクルートスーツを着て行きましょう。
ボトムスはスカートでもパンツでも構いません。派手なアクセサリー・小物は避けて、シワや汚れがないか確認し、パンプスも含めて清潔な印象を心がけてください。
私服の場合
女性が「私服でお越しください」という懇親会に参加する場合は、頑張っておしゃれをしていきたい気持ちが出るかもしれません。しかし、やはり内定者懇親会には、オフィスカジュアルスタイルがおすすめです。
落ち着いた色・柄のワンピースにカーディガンもおすすめ。また、ブラウス・襟付きブラウス・カットソーなどに、スカート・パンツを合わせるコーディネートも良いでしょう。
トップスは光物の装飾などのないシンプルなもので、スカートは膝下、パンツは九分丈以上の長さが基本となります。色については、客観的に考えて派手でない、落ち着いた色合いを選びましょう。いくら私服といっても、胸元が開いた服装・ミニスカート・ショートパンツ等はNGです。
懇親会の服装はマナーを守って決めよう
懇親会とは、共通点のある人達が集まって、さらに親睦を深める目的で催される会のことです。今回の記事では懇親会の目的・マナーから、懇親会に参加する時の服装について、具体例をあげながらご説明してきました。ぜひ参考にして、マナーに沿った服装で懇親会に参加しましょう。