結婚式を挙げないメリット
ひと昔前は「結婚式は必ず挙げる」という風習がありましたが、時代と共に従来の結婚の形にとらわれず選択の幅が広がっています。
結婚式を挙げないのは「あり」か「なし」かを判断するためには、まず「ナシ婚」を選ぶことでどのようなメリット・デメリットがあるのかを知ることも大切です。ここからは、結婚式を挙げない主なメリットについていくつか紹介します。
お金が節約できる
1つめに紹介する結婚式を挙げないメリットは、「お金が節約できる」ことです。結婚式・披露宴はお金がかかるということは挙げたことがない人でも知っていることでしょう。
リクルートブライダル総研が公開している「ゼクシィ 結婚トレンド調査2019調べ」によると、挙式・結婚式・披露宴を合わせると、合計平均354.9万円ほどのお金がかかったという結果が出ています。
結婚式の内容によりお金の額に差はありますが、結婚式を挙げないことでそれらにかかるお金をすべて節約できることになります。結婚式を挙げず節約したお金は、新婚旅行や新築費用、将来の子供のためなどに充てることができるというメリットがあるということです。
新婚の時間をゆっくりと過ごせる
2つめに紹介する結婚式を挙げないメリットは、「新婚の時間をゆっくりと過ごせる」ことです。結婚式を挙げるためには、お金だけでなく時間や労力も必要になります。
結婚式場や衣装だけでなく、料理や引き出物など決めなければいけないことがたくさんあります。普段の生活にプラスしてこれらの準備を進めなければいけないため、慌ただしい時間を過ごすことになります。
また、結婚式の準備を進める中でお互い慣れないことが重なり、精神的にナーバスになり喧嘩が増えるケースもよくあります。結婚式を挙げないことで、新婚の時間をゆっくりと過ごせるというメリットがあるということです。
招待客の人間関係に悩まずに済む
3つめに紹介する結婚式を挙げないメリットは、「招待客の人間関係に悩まずに済む」ことです。
結婚式を挙げるためには決めなければいけないことがたくさんありますが、中でも招待客に悩むケースも少なくありません。
結婚式を挙げないことで、親戚や会社関係、友人など誰を呼ぶかだけでなく、席をどのように割り振るかなど招待客の人間関係に悩まずに済むメリットがあるということです。
友人に負担がかからない
4つめに紹介する結婚式を挙げないメリットは、「友人に負担がかからない」ことです。友人には、結婚式当日に受付係やスピーチ、余興などお願いすることになるだけでなく、ご祝儀を頂いたりと負担をかけてしまいます。
遠方に住んでいる友人であれば、尚更負担をかけてしまうことになります。結婚式を挙げないことで、友人に負担をかけずに済むメリットがあるということです。
以上が結婚式を挙げない主なメリットになります。お金や時間、労力を使いたくない、周囲に負担をかけたくないなどのほかに、友人が少ないからバランスが取れない、片親だからと悩むカップルなどには、結婚式を挙げないことがメリットとなるようです。
結婚式を挙げないデメリット
ここまで紹介したように、結婚式を挙げないことはたくさんのメリットがあるため「あり」だと感じる人も多いかもしれません。しかし、残念ながらデメリットも同じくらいあります。ここからは、結婚式を挙げない主なデメリットについていくつか紹介します。
結婚の報告を個別に行う必要がある
1つめに紹介する結婚式を挙げないデメリットは、「結婚の報告を個別に行う必要がある」ということです。結婚式は、周囲に結婚したことを知らせる目的があります。
そのため、結婚式を挙げない場合は周囲に結婚の報告を個別に行う必要があります。親しい友人であればメールやLINEなどで結婚の報告をすることも可能でしょう。
しかし、お世話になっている会社の上司や目上の方、親戚など人間関係によっては直接結婚の報告をすることが好ましい場合もあります。結婚式を挙げない場合でも、結婚報告を個別に行うという時間と労力がかかるデメリットがあるということです。
新生活の区切りが曖昧
2つめに紹介する結婚式を挙げないデメリットは、「新生活の区切りが曖昧」になるということです。
結婚式を挙げることは、周囲に結婚の報告とお披露目をすることだけでなく、自分の気持ちに区切りをつけ新たなスタートを切るきっかけとなります。
結婚式を挙げない場合は、結婚したという実感が沸かないまま新生活をスタートさせることになります。特に、結婚前に同居していたカップルは新生活の区切りが曖昧になりがちというデメリットがあるということです。
両親・周囲に感謝を伝える場がなくなる
3つめに紹介する結婚式を挙げないデメリットは、「両親・周囲に感謝を伝える場がなくなる」ということです。
結婚式を挙げることは、周囲に結婚の報告とお披露目をするだけでなく、日頃の感謝を伝える場であり晴れの姿を見せる意味もあります。手塩に育てた子供の晴れの姿を楽しみにしている親は少なくありません。
結婚式で子供の姿を見て、立派に成長したことを実感すると共にようやく肩の荷が下りたと感じる親もいます。親と相談した上で結婚式を挙げないという選択をしたが、数年後に実は花嫁姿を見たかったという親の気持ちを知り後悔したという経験談も見受けられます。
結婚式を挙げないという子供の想いを尊重し、本音を言わない親もいるということです。感謝の気持ちを伝えることはいつでもできますが、結婚式を挙げないことは両親・周囲に感謝を伝える特別な場がなくなるというデメリットがあるということです。
思い出が形に残らない
4つめに紹介する結婚式を挙げないデメリットは、「思い出が形に残らない」ということです。結婚式は一生の思い出に残るイベントのひとつです。
結婚式を挙げるまでにはたくさんの時間と労力がかかりますが、その分ふたりには写真やDVDなど思い出が形となって一生残ります。結婚式を挙げないことでたくさんのメリットがある一方、挙げないことで思い出が形に残らないというデメリットがあるということです。
以上が結婚式を挙げないデメリットになります。結婚式を挙げなくても個別に報告するために時間と労力かかかるだけでなく、気持ちの区切りが曖昧になり思い出が形に残らないなど、たくさんのデメリットもあるということです。
結婚式を挙げない「ナシ婚」の割合と理由
結婚式を挙げない「ナシ婚」を選択したカップルは、どのくらいの割合でどのような理由があるのでしょうか。
実際に結婚式を挙げなかった男女を対象に行った調査結果を基に、気になる割合と理由を見ていきましょう。ここからは、気になる結婚式を挙げない「ナシ婚」の割合と理由について紹介します。
結婚した人の約28%が結婚式をしていない
アニヴェルセル総研が2016年に公開した「結婚式を挙げましたか?」というアンケート調査では、結婚式を挙げていない「何もしていない」の割合は28.7%となっています。年代別にみると、20代は40.9%、30代は26.0%と若い世代ほど割合が高いことがわかります。
アンケートの対象者は、全国の20~30代の既婚男性女性それぞれ300名と婚姻暦がある独身男性男女計142名の合計742名です。
ナシ婚を選んだ理由
では、結婚式を挙げない「ナシ婚」を選んだカップルにはどのような理由があったのでしょうか。
みんなのウェディング「ナシ婚」に関する調査2019によると、結婚式を挙げない「ナシ婚」の1つめの理由は「経済的理由」、2つめの理由は「セレモニー的な行為が嫌い」、3つめの理由は「おめでただった」という結果となっています。
結婚式を挙げない「ナシ婚」の3大理由は、いずれも2018年と同様の結果となっています。ここからは、結婚式を挙げない「ナシ婚」を選んだ理由について割合なども紹介します。
経済的理由
1つめに紹介する結婚式を挙げない「ナシ婚」を選んだ理由は、「経済的理由」からです。みんなのウェディング「ナシ婚」に関する調査2019によると、経済的理由から結婚式を挙げなかったカップルの割合は21.8%と1番多い理由に挙げられます。
経済的理由とひとことにまとめましたが、単純にお金に余裕がないという理由だけでなく、結婚式にお金を使うのはもったいないという考え方もあるようです。
セレモニー的な行為が嫌い
2つめに紹介する結婚式を挙げない「ナシ婚」を選んだ理由は、「セレモニー的な行為が嫌い」だからです。
みんなのウェディング「ナシ婚」に関する調査2019によると、セレモニー的な行為が嫌いという理由から結婚式を挙げなかったカップルの割合は18.0%と2番目に多い理由に挙げられます。
結婚式の主役は新郎新婦になります。周囲から注目されることが嫌い、目立つことが苦手といったことがあるようです。
おめでただった
3つめに紹介する結婚式を挙げない「ナシ婚」を選んだ理由は、「おめでただった」からです。
みんなのウェディング「ナシ婚」に関する調査2019によると、おめでただったという理由から結婚式を挙げなかったカップルの割合は16.5%と3番目に多い理由に挙げられます。
本当は結婚式を挙げたかったが、おめでただったことでお金や時間、体調的にも余裕がなく諦めたという理由以外にも、産まれてから挙げる予定だったが面倒になってそのまま挙げていないなどの理由があるようです。
以上がナシ婚を選んだ3大理由となります。紹介した理由以外には、再婚や結婚式に興味がない、結婚式以外にお金を使いたいなどの理由が挙げられます。
結婚式を挙げないと離婚しやすいは本当?
みんなのウエディング既婚離婚男女「結婚と結婚観に関する調査」によると、結婚式・披露宴を挙げたカップルと比べ入籍のみのカップルは離婚の割合が3倍高いという結果になっています。
結婚式を挙げないことと離婚率は何か関係があるのでしょうか。ここからは、結婚式を挙げないと離婚しやすいは本当?について紹介します。
ナシ婚の離婚率は高いが因果関係はない
結婚式を挙げないカップルの方が挙げたカップルより離婚率が高いという事実は数字が証明しています。しかし、結婚式を挙げないカップルが離婚した原因が結婚式を挙げなかったという結果と何か関係があると考えるのはおかしいと言えます。
原因と結果が関係がないということは、結婚式を挙げないカップルと離婚率には因果関係はないということがわかります。
結婚式を挙げないから離婚率が高いと考えるのは、結婚式を挙げることが常識であると認識している人の言葉の暴力ではないでしょうか。
結婚式の写真・思い出で離婚しにくいという人はいる
マンネリ気味になると、相手の嫌な部分ばかり目につくことがあるかもしれません。結婚式の写真や思い出の品を部屋に飾っておくことで、喧嘩したときの仲直りのきっかけになるという意見もあります。新婚の気持ちを思い出すきっかけとなるでしょう。
結婚式を挙げない代わりにイベントをするのもおすすめ
結婚式を挙げない代わりに、さまざまなイベントをするカップルも増えています。主なイベントは「フォトウェディング」と「食事会・1.5次会」になります。ここからは、結婚式を挙げない代わりにイベントをするのもおすすめについて紹介します。
フォトウェディング
1つめに紹介する結婚式を挙げない「ナシ婚」におすすめのイベントは、「フォトウェディング」です。結婚式は挙げないけど写真で思い出を残したい人におすすめです。
結婚式を挙げるけど、当日は時間がなく満足できる写真が撮れないことから「前撮り」をするカップルがいます。結婚式で実際に着用するのと同じようにウエディングドレスや着物などを着てチャペルなどで写真を撮ります。
フォトウェディングとは、結婚式を挙げず前撮りと言われる写真だけを撮る「フォト婚」というスタイルのことです。お金を節約できるだけでなく、好きな季節に行うことができます。時間的にも余裕があるため、こだわりの写真を思い出に残すことができます。
食事会・1.5次会
2つめに紹介する結婚式を挙げない「ナシ婚」におすすめのイベントは、「食事会・1.5次会」です。結婚式のようにかしこまった感じではなく、二次会よりは人数も多く呼び豪華にしたいカップルにおすすめです。
海外で挙式を挙げたカップルが、国内で周囲に結婚報告をするために食事会・1.5次会を開催するパターンもあります。
披露宴よりもお金が節約できるだけでなく、招待客も比較的ラフに参加することができます。二次会のように会費制にすることで、ご祝儀をもらうことに抵抗があるカップルの悩みも解決することができます。会場により食事のコースを選るなどのメリットもあります。
結婚式を挙げないメリット・デメリットはどちらも同じくらい
結婚式を挙げないメリット・デメリットは、どちらも同じくらいあることがわかりました。結婚式を挙げないという選択をしたからと言って、離婚率が高くなるという因果関係はありません。
結婚式を挙げない選択をするかはメリット・デメリットを踏まえ、カップルふたりだけの意見だけでなく両親ともしっかり話し合い後悔のないよう決めましょう。