故障して切れたシガーソケットのヒューズはどこ?
車載のスマホの充電器や電装品が故障かな?と思ったら、先ず、故障を疑う前に、シガーソケットのヒューズが切れていないかどうか確認することをおすすめします。
ヒューズボックスの中のたくさんあるヒューズの一つが、シガーソケットのヒューズです。ヒューズボックスがどこにあるのかは、車のメーカー、車種によって違うので、先ず、車の取扱説明書で確認が必要です。
普通、車の車検証などといっしょに、助手席前のグローブボックスに取扱説明書を入れておくと思いますが、万一失くした場合、もし日本のカーメーカーの車種ならば、Web上からPDFの取扱説明書をダウンロードできます。
ヒューズボックスに表記された名称
取扱説明書には、車の運転席や助手席の側にヒューズボックスがある場合、または車のフロントのエンジンルームの中にある場合の説明があるかもしれません。
ヒューズボックスを探し当てたら、先ずヒューズボックスのふたの配置図を見てください。たとえば、それぞれのヒューズの使用するアンペアと対応するランプ類、モーター類などの各アイテムの名称の表示があると思います。
電源ソケットと表記されている場合
ヒューズボックスの中の数あるヒューズの中から、交換が必要なシガーソケットのヒューズを探さなくてはいけませんが、車の取扱説明書にヒューズボックスの中の各ヒューズの説明がある場合もあります。
普通、ヒューズボックスのふたの配置図に各ヒューズのアンペア数と使用のアイテムの名称があり、シガーソケットのヒューズが「電源ソケット」と表記されている場合や「シガーソケット」と表記されている場合があるので、そのときはそのどちらかを交換すればよいと思います。
シガーソケットと電源ソケット以外の名称の場合
もし、ヒューズボックスのふたの配置図で、「シガーソケット」や「電源ソケット」という名称がなかったときは、どうしたらよいでしょうか?
見分け方の一つの方法としては、シガーソケット(電源ソケット)が、「ACCオン」あるいは「IGオン」のタイミングで使用可能になるので、「ACC」(アクセサリー電源の略)や「IG」(イグニッション電源の略)といった表示がある場合、そのヒューズの可能性があるので、確認してみましょう。
正常なヒューズと切れたヒューズは目視で分かる
ヒューズボックスの中で、赤や青のプラスチック製の長方形の小さなものが並んでいるかと思いますが、それら一つ一つがヒューズです。
正常なヒューズと切れたヒューズの見分け方は、先ずエンジンを切り、ラジオペンチでヒューズを抜いて見れば目視でわかります。もし、ヒューズの中の線が切れていれば、そのヒューズは切れています。
シガーソケットのヒューズを抜かずに見分ける
前段で述べた方法でも、どのヒューズがシガーソケットのヒューズなのかよくわからないとき、ヒューズを一個一個抜いて確認するのはたいへんかもしれません。そこで、シガーソケットのヒューズを抜かずに見分ける方法があるので説明します。
先ず、ここでは、よくあるパターンの「シガーソケットのヒューズが切れたかもしれない」という前提で考えていきます。
シガーソケットの使用段階を試す
車のシガーソケットは、車種によって違いますが、ACC(アクセサリー)オンあるいはIG(イグニッション)オンのタイミングで電源が入ります。
シガーソケットのヒューズが切れる前に、前もって、自分の車のシガーソケットが、どの段階で使用可能になるか、たとえば、シガーソケットに、身近な電装品のスマホをつないだ充電コードをつなげて、ACCオンのとき通電なのか、IGオンのとき通電なのか確認しておくのもよいかと思います。
スタートボタンを一回押す
このようにして、常時電源ヒューズとACC電源ヒューズが通電しました。もし、シガーソケットがIGオンの段階で使用可能になる車種だったら、IGオンの状態にしてみてください。
ACC電源とは、IGオンにする前に通電できるナビ、オーディオ、ETCなどの比較的小さなアンペアのアクセサリーの電源のことです。シガーソケットも一般的には含まれます。
ちなみに最近多いプッシュスタートボタンは、ブレーキを踏まずに一押しでACC電源オン、ブレーキを踏んでさらに一押しでIGオンになる場合が多いようです。
検電テスターを活用して故障したヒューズを確認
その電源が入った状態で、もし正常なら、シガーソケットのヒューズも通電していなければならない状態にしておきます。そして、安価なものでじゅうぶんですが、検電テスターを準備します。
これではないかと目星をつけたヒューズの両端の2箇所の金属部分に、検電テスターをそれぞれ当ててみて、もし、片側しか検電テスターが反応しなければ、そのヒューズは切れています。
そのときはそのヒューズをラジオペンチで抜いてみてください。交換必要なヒューズは線が切れているのですぐわかります。正常ならば、両方の金属部分で検電テスターは反応します。また、両方の金属部分が反応しなければ、それはまったく通電していないことになります。
シガーソケットのヒューズが切れる理由
シガーソケットのヒューズに限らず、ヒューズが切れるときは、過電流が流れてヒューズが切れる場合と、故障などで、回路のショート(短絡)によって、ヒューズが切れる場合の二つがあります。
過電流の場合は、シガーソケットでの電装品のタコ足使用において、過電流が流れたときが多く、ショートする場合は、シガーソケットに接続した電装品そのものが故障したときなどがあります。
過電流によってヒューズが切れる場合
シガーソケットは使用の電流が決まっており、もし、規定以上の電流が流れると、ヒューズが切れてしまいます。これは安全のためで、過電流が流れると熱が発生して発火したり、電装品が故障するので、ヒューズが切れて、電流をシャットアウトします。
たとえば、シガーソケットにスマホ充電用のUSBプラグ複数以上(2~3口)差し込めるプラグソケットがありますが、急速充電でなければ、10アンペアくらいで、2~3台のスマホの同時充電は大丈夫のようです。
しかし、シガーソケットと同タイプのソケット口を3つに増設できる電装品向けのソケットもあり、それらにそれぞれ電装品を接続し、同時使用の合計のアンペアがヒューズの許容値を超えた過電流が流れたときにヒューズが切れると思われます。
回路のショートによってヒューズが切れる場合
学校で習った電流(アンペア)=電圧(ボルト)÷抵抗(オーム)のオームの法則の式をご存じかと思いますが、ショートすると、瞬時に抵抗値がほとんど0になり、プラスの電気とマイナスの電気が、電装品を通さないで直結されたような状態になります。
そうなると、分母である抵抗がほぼ0になり、分子である電圧は変わらないので、その結果、たいへん大きな電流が流れ、発熱や発火が発生し、その危険な状態から脱するため、ヒューズは切れるようようになっています。
ショートする原因
ショートしてヒューズが切れる原因は、粗悪な電装品そのものの故障や、自作の電装品を取り付けた時の配線の接続が不完全だったり、またはシガーソケットの製品の品質が悪くて故障のときなどです。特に、線をつないだときの接続の圧着が不充分でショートする場合が多いようです。
シガーソケットのヒューズを正しく交換する方法
シガーソケットにつないだ電装品が通電しなくなったときは、最近では、電装品のシガープラグの中にヒューズが入っている場合があり、先ず、シガーソケット(車両側)のヒューズが切れたのか、シガープラグ(電装品側)のヒューズが切れたのか、確認する必要があります。
シガーソケット(車両側)は10アンペアのヒューズが入っている
シガープラグにもヒューズがある場合は、理論上、車両側のヒューズより低いアンペア数であるはずのプラグ側のヒューズが、車両側のヒューズより先に切れた可能性大です。
でも、電装品やシガープラグの故障など、ヒューズが切れる状況もいろいろあり、ヒューズそのものの品質の問題もあるので、プラグ側ではなく、車両側のヒューズが先に切れるケースもあるようです。
シガープラグ(電装品側)にもヒューズが入っている
前段で述べましたとおり、電装品側のシガープラグにも細い管状のガラス管のヒューズ入っています。車両側のヒューズ(純正品)を切らさないために、プラグ側のヒューズのアンペア数の設定を低めにして、プラグのヒューズが先に飛ぶようにしてあります。
他のプラグを試してみる
故障かなと思ったら、プラグのヒューズが切れたかどうか判断する簡単な方法があります。他の電装品のプラグを差しこんでみて、通電するかどうか確認することです。
手ごろな電装品がない場合、身近にあるスマホをつないだ充電器のシガープラグを差し込んで見るのも一つの方法です。
交換方法①ヒューズボックスを開ける
冒頭で述べました通り、ヒューズボックスがどこにあるかは、車種によって違うので、車の取扱説明書を見て、確認が必要です。
車の中にある場合は、助手席側の前方のグローブボックスの裏側や運転席側の足もとやフロント窓枠の根元あたりにある場合が多いようです。
また、フロントのエンジンルームの中にある場合、それは普通、最上部で、しかも真ん中ではなく、はじの方にあり、比較的ヒューズを交換しやすい位置にあります。
ヒューズボックスを見つけたら、たくさんのヒューズが並んでいるのがわかります。これも最初ですでに述べていますが、どれがシガープラグのヒューズであるかは、ヒューズボックスのふたの配置図を見て、先ず確認します。
交換方法②ヒューズをラジオペンチで抜く
ヒューズを引き抜くための専用の小さな工具もあるようですが、普通は、先端の細いラジオペンチでヒューズをつかんで、抜きます。ヒューズは最初に述べた通り、ヒューズボックスの中で並んで配置されている、赤や青の色のプラスチックの長方形の小さなもので、それらは皆、簡単に抜けます。
交換方法③切れたヒューズを探す
ヒューズを抜くと、切れたヒューズは線が切れているので、目で見てすぐわかります。どのヒューズがシガーソケットのものなのか、車の取扱説明書に書かれていない場合は、ヒューズボックスのふたのヒューズの配置図の情報を参考にしながら、可能性がある順に抜いて見るのも一つの方法です。
でも、注意すべきことは、もし、切れていなかったら、すぐに差し込んで戻しておかなければなりません。
増設シガーソケットの電源をヒューズから取るときの注意点
シガーソケットの差し込み口を増やすには、既製品の複数のUSBまたはシガーソケットプラグの差し込み口を持つソケットを使うのが多いですが、更にもう一つの方法として、市販の増設シガーソケットのキットを使って、シガーソケットを自分で増設する方法があります。
これはヒューズの電源から線をつないで電源を取る方法です。この場合、ヒューズボックスにはいろいろな種類の電源があるので、使用するヒューズの電源を選ぶとき、注意が必要です。
常時電源のヒューズから増設シガーソケットの電源を取らない
常に通電している常時電源のヒューズから増設用シガーソケットの電源を取らないほうがよいです。なぜならば、常時電源のヒューズから電源を取り、それに電装品をつなぐと、エンジン停止時も電気が通電しているので、バッテリーが上がってしまうからです。
元からあるシガーソケットのヒューズから電源を取れば問題ありません。こうすれば、エンジンを切れば電気の供給も止まります。
ヒューズ電源が必要
車のヒューズボックスから増設シガーソケットの電源を取り出すためには、市販されているヒューズ電源と呼ばれているキットが必要です。
三種類くらいあるヒューズの形状の違いや取り出す電流のアンペアの違いで、いろいろな種類があるので、元からあるシガーソケットのヒューズの形状及びそのアンペアを調べておかなければなりません。
注意点も踏まえた上でシガーソケットのヒューズを交換しよう!
ここまで、シガーソケットのヒューズの交換方法と増設シガーソケットについて、お話してきましたが、注意点をよく踏まえた上でシガーソケットのヒューズを交換したり、シガーソケットを増設することをおすすめします。
特に最近では、自然災害の多い日本において、シガーソケットの電源は、災害時、車で避難生活の方たちから、命綱の一つであるスマホの充電に欠かせないものだったと聞いております。シガーソケットの増設使用は、今後もその重要性が増してくることと思われます。