バランスボールで得られる効果
バランスボールエクササイズの最大の特徴は、「不安定な体勢をコントロール」し、そこから受ける刺激によってバランス感覚を養うことができます。
人間の平衡感覚を司る前庭神経が身体の傾きを感知すると、「全身の筋肉を使って」姿勢を戻そうとバランスを取ります。バランスボールエクササイズで得られる主な効果は①バランスを整えて姿勢を正す、②肩こり・腰痛の改善、③ダイエット効果の3つが挙げられます。
①バランスを整えて姿勢を正す
バランストレーニングは全身の筋肉を効率的に刺激します。平衡(へいこう)感覚を司る前庭器官、関節の位置や筋肉の引き伸ばされた時に反応する感覚神経がバランスの崩れに対して反射を起こし全身の筋肉を総動員させて姿勢を戻そうとするからです。
例えば電車などでうたた寝をしてしまい、身体が傾いていってもそのまま倒れずとっさに姿勢を立て直すことが出来るのは身体でそういった反射が起こっているからなのです。
バランストレーニングを続けると、姿勢を立て直す反射に関係する神経系の働きがスムーズになりバランス感覚がよくなったり、反射に反応する筋肉が鍛えられ姿勢が改善されるなどの効果が期待できます。
②肩こり・腰痛の改善
正しい姿勢は日常生活で身体にかかる負担を適性に戻します。姿勢の不良からくる肩こりや腰痛は、そういった症状に合わせたエクササイズを行うことで改善することがあります。使い方によっては、筋力強化を行うことで腰痛を予防することも可能です。バランスボールは、エクササイズにおいて汎用性が高いことが特徴です。
③ダイエット効果
運動において、刺激を受ける筋肉が多いほど消費されるエネルギーが多くなります。さらにエクササイズ後の筋肉は活発に働くので、その後の日常生活の動きで消費されるエネルギーも多くなります。使い方次第で刺激の強度も調節できるので運動経験があまりない方にもバランスボールエクササイズはおすすめです。
体に合ったバランスボールのサイズを選ぶ
バランスボールが大きかったり小さかったりすると、エクササイズを正しく安全に行うことが難しくなってしまうので注意しましょう。バランスボールにかかわらず、大事なのは自分の身体の特性にあった用具を選ぶことです。使い方やサイズに合わせた選び方をすることを強くおすすめします。
バランスボールのサイズが大きい場合
バランスボールのサイズが大きい場合に起こってしまうのは、①バランスが取りづらい、②猫背になりやすいなどの2つが挙げられます。使い方にもよりますがボールが大きいと扱いが難しくなります。
扱いが難しい用具はエクササイズの難易度を高くしてしまい、続けるのが億劫になって用具を使用しなくなってしまうこともしばしばあります。間違った選び方をするとこういったことが往々にして起こってしまいます。
①バランスが取りづらい
バランスは重心(姿勢)を低く保つことで安定しやすくなります。大きいバランスボールは、エクササイズするときに姿勢を低く保つことを難しくさせます。
エクササイズの難易度が高くなると、ケガを引き起こしてしまうリスクも高まり、何より続けることが億劫になってしまいます。自分の身体に合った選び方をしたバランスボールは、行うエクササイズの難易度を適正化してくれます。
②猫背になりやすくなる
大きいボールでバランスが取りづらいと、体勢を安定させようと姿勢を低くしようとして猫背になってしまい、姿勢の崩れの原因となってしまいます。悪い姿勢のエクササイズは腰痛などを引き起こしてしまします。姿勢を正そうとバランスボールを使い始めても、選び方が原因で猫背なっていくのを助長してしまう場合があります。
バランスボールのサイズが小さい場合
バランスボールが小さい場合は、エクササイズを行うときの関節の曲がる角度が深くなり使い方によっては身体を痛めてしまうことがあります。小さいバランスボールのエクササイズは動きがデリケートになります。バランスボールの選び方をあやまってしまうとケガにつながることもありますので注意が必要です。
①腰に負担が掛かり痛めてしまう
小さいバランスボールに座るエクササイズをするとき上体の前にかがむ・後ろに反る角度が大きくなります。それにともなって腰にかかる負担もかなり大きくなります。過度な負担は腰痛を誘発させてしまいます。自分の身体に合ったバランスボールはエクササイズの際の姿勢のコントロールがしやすくなります。
バランスボールのサイズ・選び方
正しく安全な使い方ができる選び方をご紹介します。エクササイズに使うバランスボールの選び方のポイントは、「身長からみる選び方」、「耐久性からみる選び方」、「価格からみる選び方」、「デザインからみる選び方」といった4つの選び方がおすすめです。自分の身体に合ったバランスボールを使って安全にエクササイズができるようにしましょう。
①身長で選ぶ「サイズ」
身長に合わせてサイズの選ぶのが最も簡単です。ボールの直径45㎝、55㎝、65㎝、75㎝とサイズがありますが160~175㎝の方は65㎝サイズがおおむね適当です。それよりも小さい方は55㎝のものを選びましょう。各メーカーごとに適応身長が設定されているので確認するといいでしょう。
もっと正確に合ったサイズを見つけたいという方は椅子に姿勢をまっすぐさせて座った際に、まず股関節・膝関節がそれぞれ90°ほどに保たれているか確認しましょう。
次に足の裏が浮かずに全面が床面に接地しているといった2つの条件がそろっているようであればボールサイズはほぼ適性です。その椅子のサイズと合わせたバランスボールを選ぶといいでしょう。
②耐久性で選ぶ「耐荷重」
バランスボールの耐荷重は大きいものと小さいもの、各メーカーによっても差がでるため、バランスボールを購入する際は必ずチェックしておきましょう。
バランスボールの素材は縄跳びの縄にも使われているポリ塩化ビニルという丈夫なもので、どのメーカーも100kg程度の耐荷重を設定しています。それ以上の耐荷重を備えるバランスボールもあるので、気にしてみてみるといいでしょう。
③手軽に始めたい人「価格」
各メーカーの65㎝のバランスボールのほとんどが1.000~1.500円と価格的には購入しやすい額となっています。アクセサリーやブランドによっては4.000円以上のものがあったりと価格に開きがありますが、気軽に始めようと安いものを買って使っても全く問題ないでしょう。
④モチベーションアップ「カラー・デザイン」
毎日のように使うバランスボールは使うときにやる気・モチベーションを引き出してくれるようなもの選ぶといいでしょう。カラーバリエーションもあるのでお気に入りの色のものを使うことをおすすめします。
バランスボールはエクササイズ用具の中で比較的大きいです。デザイン性の高いバランスボールであれば、インテリアとして部屋の中にそのまま置いておくことも可能でしょう。
バランスボール・おすすめ7選!
「バランスボールを使ったエクササイズをはじめたいけど、どんなものを購入すればいいか分からない。」そんな方の為にここではおすすめのバランスボールを7つ紹介します。皆様の購入する際の参考となれば幸いです。自分の身体の特性に合って、お気に入りの用具となるようなバランスボールを見つけて是非バランスボールエクササイズを始めましょう。
7位:VANAPH フィットネスボール65cm
VANAPH(ヴァナフ)は、全国にスポーツショップを展開しているXEBIO(ゼビオ)株式会社が展開する女性向けのヨガウェア、小物などを中心に美と健康をテーマとしたオリジナルブランドです。小さいものから55㎝、65㎝、75㎝と3種類あり65㎝の適応身長は155㎝~175㎝、耐荷重は100kgあり、Amazonで1.392円で購入可能とリーズナブルです。
6位:HUITIEME ジムボール65cm
HUITIEME(ウィッテム)は、知的でファッショナブルなパリジェンヌの住むパリ8区のカルチャーやライフシーンにインスパイアを受けている大人のトータルスポーツブランドです。
小さいものから45㎝、55㎝、65㎝、75㎝と4醜類あり65㎝の適応身長は155㎝~175㎝、耐荷重は200kgと非常に丈夫です。値段はAmazonで2、052円と最初に紹介したものに比べ、丈夫な分高くなっています。
5位:adidas ジムボール65cm
adidasは技術先進国ドイツ発祥で、PUMAの創業者の弟が創業したという秘話もある長年全世界のスポーツシーンを支えてきた言わずと知れたスポーツブランドの超大手。サイズは55㎝、65㎝の2種類でそれぞれ適応身長が150~165㎝、170~185㎝で耐荷重は110kg。滑り止め加工や、破裂した際にゆっくりしぼむアンチバースト機能など高性能です。
4位:Reebok スタビリティジムボール
リーボックは「フィットネスを通じて、自らの可能性を最大限に高める」ことを掲げるグローバルフィットネスライフスタイルブランドです。ツートンカラーのバランスボールです。65㎝の適性身長は165~180㎝、耐荷重110kg、アンチバーストテクノロジー搭載。Amazonで購入すればエクササイズDVDも付いてくるので初心者にはおすすめです。
3位:Trideer バランスボール65cm
エクササイズアイテムを取り扱うブランドTrideer。このバランスボールの最大の特徴はその丈夫さです。なんと耐荷重500kg。ほかのバランスボールと比べてもこの耐久性は圧倒的。1年間のメンテナンス補償もついていて、価格はAmazonで1.880円とコストパフォーマンスにも優れています。丈夫なものにこだわりたい方には非常におすすめです。
2位:THZY バランスボール65cm
体重計、体組成計など健康家電も展開するTHZY。付属のトレーニングチューブを装着すればバランスボールエクササイズと同時にチューブトレーニングもできてしまうという2wayが特徴です。1つで様々な使い方ができ、価格は値段2.590円、耐荷重も350kgと非常に丈夫なのでいろいろな使い方を試したい方にはおすすめです。
1位:Timberbrother ヨガボール65cm
ヨガマット、ゴムチューブ、シュラフなど豊富なアクティビティアイテムを取りそろえるブランド、それがTimberbrotherです。サイズは小さいものから55㎝、65㎝、75㎝の3種類あり耐荷重300kgと非常に丈夫です。65㎝がAmazonで1.350円と比較的安価で、シンプルなデザイン性なのでバランスボールを初めて使う方には非常につかいやすいと思います。
バランスボールの空気の量とは
バランスボールは中に空気を注入して使用します。ボールの張り具合によってエクササイズの難易度やボールの耐久性にも影響があるので意識すると良いでしょう。空気が入りすぎていたり抜けすぎていたりするとバランスボールの破損に繋がることがあります。使い方なども考えて中の空気量を調節することをおすすめします。
エクササイズの難易度に影響
バランスボールは大きい小さいのほかにも、ボール内の空気の量がエクササイズの難易度に影響します。例えばボールの上に乗るような使い方をすると、ボールの張り具合が弱いほど身体を預けたときの安定感が増します。
反対にボールの張り具合が強いと身体を預けた時に安定しづらくなります。使い方によってはこの作用は逆になります。ボールを転がすような使い方をするエクササイズなどは、ボールの張り具合が強いと行いやすくなります。
バランスボール・注意点
バランスボールは身体をボールに預けて行うエクササイズがほとんどなので、不具合のあるボールを使用したりあやまった使い方をしてしまうと非常に危険です。使用前は必ずチェックをすることをおすすめします。
①丈夫なものを使う、②空気量を個人に合わせて調節する、③適切な使い方をする、安全にバランスボールエクササイズを行うために注意しておくと良いでしょう。
①丈夫なものを使う
大前提としてバランスボールは丈夫なものを選んで使いましょう。身体をあずけるバランスボールですが、やはり丈夫なもの使うにこしたことはないでしょう。先に紹介した7つのバランスボールは耐久性も高いのでおすすめです。
実物を見たことがない方は、一度スポーツショップの店舗に出向いて実物に触れてみることもおすすめです。その際もボールの耐荷重は必ず確認しましょう。
②空気量は個人に合わせて調整
空気量は個人に合わせて調節しましょう。使い方によってボールの空気量は調節するのがおすすめです。例えばフロントブリッジなどのキープ系エクササイズで脚にボールを乗せるような使い方をするときはボールの空気量が少ないとエクササイズが簡単になり、反対に多いと難しくなります。必要に応じて順次調節しましょう。
③必ず適切な使い方をする
適切な使い方を心がけましょう。バランスボールは使い方をあやまるとケガをする可能性が非常に高いです。バランスボールは、不安定なボールの上で行うことがほとんどです。ボールの大きい小さいは問わず使い方の基本は「ゆっくり動作を行う」ことです。エクササイズのレベルや目的によって使い方が異なりますが、安全性は損なわないようにしましょう。
バランスボールを使ったエクササイズ例
ここではバランスボールエクササイズの一例を紹介します。バランスボールは非常に汎用性に富んだエクササイズ用具です。バランスボールの特性を理解していればあらゆるエクササイズを行うことができます。皆様のバランスボール活用の助けとなれば幸いです。
もし、今持っているバランスボールのサイズが大きい・小さいという方にもある程度使用していけるメニューも紹介します。ぜひ参考にしてください。
バランスボールは「不安定な状況」作り出す
バランスボールは前述した通り、あえて「不安定な状況」に身体を置きコントロールすることで筋肉を刺激しバランス感覚を養います。バランスを取ろうとして起こる反射の筋肉の収縮はダンベルを使って行うような関節運動の筋収縮よりも素早いので、とっさの動作に対するより実用的な身体の機能を向上させます。
プッシュアップや、フォワードランジといったトレーニングを行うときに腕や脚の置き場をバランスボールに置き換えるだけで簡単にエクササイズの難易度を上げることができます。エクササイズ初心者でも上級者でも満足して使える、これがバランスボールの一番いいところです。つまり一度持ってしまえばずっと使えるエクササイズ用具ということです。
初心者はボールに座るだけでもOK
初心者の方はまずバランスボールにお尻を乗せて座るだけでもOKです。ボールの弾力に身を任せて上下に軽く弾んで見たりお尻で小さく円を描くように動かしたりすることで主に脚、お尻、体幹の筋肉を刺激してくれます。前述したバランスボールの選び方で自分の身体に合ったサイズで行うと最もいいでしょう。
簡単バランスボールエクササイズ
上下に膝の屈伸動作を繰り返すスクワットのエクササイズもバランスボールを使用すればやさしく行うことができます。寄りかかる壁と身体の間にバランスボールを挟むようにセットします。セットしてスクワット動作を行うとバランスボールの転がりとともにスクワットを行うことができます。
ボールに寄りかかることができるため、膝にかかる体重が分散されエクササイズが易しくなります。このエクササイズであれば少し大きいバランスボール、小さいバランスボールでも問題なく行えるでしょう。
シットアップ(腹筋運動)のエクササイズもバランスボールを使って行うことができます。仰向けになる床と身体の間にボールを置き、脚をついてバランスボールの上に寝るようにセットします。両手をももの前におき滑らすようにして膝頭に到達させ、最初の位置に手を戻し、これを繰り返すことで腹筋を鍛えることができます。
このエクササイズはバランスボールの大きい、小さいが運動の安定感に影響するので自分の身体のサイズにあったものを使用しましょう。
バランスボールエクササイズの王道!キープ系エクササイズ
キープ系エクササイズはある姿勢の保持を数十秒続けることでバランス感覚、それを支える為の筋肉を鍛えるトレーニングです。
例えば両側の前腕部分とつま先を床に置き身体を宙でキープするフロントブリッジ、それ横向きにして同側の片腕・片足で行うサイドブリッジ、対側の片腕・片足でキープを行うダイアゴナルブリッジなどのエクササイズの腕の置き場・つま先の置き場をバランスボールに置き換えることでより強い刺激を身体に与えることができます。
上記のブリッジエクササイズであれば、バランスボールは自分の適性のサイズか少し小さいものでも大丈夫でしょう。ボールの空気圧を減らせば体勢をキープしやすくなりやさしくなります。
懸垂や、ディップスの補助としても使える
チンニング・ディップスを行う際、通常は全身が宙に浮きますがバーの高さを低く設定して膝を曲げつま先をバランスボールに預けるようにセットします。そのまま行えば体重が分散されエクササイズの補助として活躍してくれます。この場合大きいバランスボールがよりエクササイズを楽にしてくれます。
バランスを取りながら動きがあるエクササイズ
キープ系エクササイズと同じようにプッシュアップ(腕立て伏せ)のエクササイズを行う際、つま先をバランスボールの上にセットすることで、より強度の高いプッシュアップを行うことができます。
下半身のエクササイズであればフォワードランジのエクササイズで後ろ足をバランスボールの上にセットして行えば、運動強度がぐんと上がります。
工夫次第で使い方は様々
バランスボールを使い方の例を紹介しましたが、工夫次第で様々な使い方が可能です。基本は自分に合ったサイズを使用するべきですが、扱いに慣れれば大きいものでも小さいものでも効率的に使用できます。
ですが、どんなエクササイズでも「安全に、正しく反復して行えるように」が大前提です。自分のレベルにあった使い方を心がけましょう。
バランスボールのサイズは効果や安全性に繋がる
用具の大きい小さいはエクササイズの質を左右します。大きいバランスボールでも小さいバランスボールでも使い方と選び方が合えばエクササイズの効果を最大化してくれます。バランスボール誰でも気軽に始められることができるし掘り下げていけばあらゆるエクササイズが可能です。バランスボールを使ったエクササイズで快適な毎日を手に入れましょう。