公務員試験の難易度を徹底調査!
公務員と言っても、初級公務員から上級公務員・地方公務員・国家公務員などたくさんの採用方法があります。他にも、専門職と呼ばれる公務員になると税務署から警察官や教員も含まれます。
公務員は、その地方や国で生活するすべての人の税金を元に仕事をし、そこから給与を受け取ります。国や地方の仕事のため、倒産をして仕事を失うという心配もほとんどありません。そのため、国家公務員をはじめとする公務員は、多くの学生の中でも人気の職種になります。
しかし、公務員になるためには公務員試験に合格する必要があります。人気の職種とあり、公務員試験は難易度も高く誰もが合格できるものではありません。そこで、公務員試験を目指す人のために、公務員試験の難易度を色々な職種を含めて、徹底調査してみました。
公務員試験の難易度とは?
公務員試験には、初級から上級、地方から国家試験までありますが、その難易度はまちまちです。同じ地方公務員試験でも、難易度が高いものから比較的合格しやすい難易度まであります。
中には、公務員試験に合格したのに、採用がないという自治体もあり、公務員試験に合格したと言って安心できないこともあります。逆に、年度末まで公務員試験を行っている自治体もあります。どうしても公務員になりたい人には、こういった比較的倍率が低い地方や職種を選択する人もいます。
それでは、自分が合格したい公務員試験のために、どのように準備すればよいのでしょうか。書店にある参考書だけでも公務員試験に合格することはできるのでしょうか。予備校に通う必要はあるのでしょうか。それでは、どんな勉強をしたら合格できるのか、公務員試験別に調査してみましょう。
国家公務員の難易度はかなり高い
国家公務員試験には「一般職」「総合職」「専門職」があります。中でも難しいのは総合職の公務員試験で、こちらは大卒試験と院卒試験があり、特に院卒の筆記試験の難易度は高くなります。
総合職とは国家公務員の中でも、キャリアと呼ばれ、いずれは国の政策の企画・立案をするなど難易度の高い仕事をする公務員です。毎年合格者が100名を超える大学は、東大と京大だけです。院卒もほぼこの2大学で、他は早慶、旧帝大ということからも、公務員試験の難易度の高さが解ります。
その中で、一般学生が公務員試験の合格を勝ち取るのはかなり難しくなります。また、院卒と大卒は試験内容が違い、院卒は合格率が平均2.5~3倍、大卒は13~14倍です。院卒の方が楽に見えますが、院卒はより上位大学者が受験する試験内容になり、筆記試験そのものが高難易度になります。
公務員の種類によって難易度が変わる
国家公務員試験は高卒でも受験することができます。高卒の場合は、「一般職」「専門職」の二種類があります。一般職は大卒と高卒は、試験レベルは違うものの職種はほぼ同じです。
しかし、専門職には大きな違いがあり、大卒のみ「法務省専門職・食品衛生監視員・財務政務官」等、公務員試験の筆記試験では大学の法学部や農学部、経済学部など専門的な勉強内容を求める職種があります。逆に、高卒は「大学校」の採用試験が含まれ、人気の大学校は難易度も高くなります。
気象大学校、海上保安大学校、航空保安大学校は高卒で受験できる、国家公務員試験になります。このように同じ国家公務員でも、学歴によって試験内容や採用内容が違い、難易度も違います。これは、地方公務員も同じで、公立病院や研究施設など専門職は資格や大学での内容が出題されます。
公務員試験の基本的な形式とは?
公務員試験の基本的な形式は、一次試験で筆記、二次試験で面接になります。しかし、これはあくまで基本的なもので、あらかじめ勉強会に参加するなどそれ以外の準備も必要になります。
例えば、公務員試験の前には企業と同じような、説明会を開催している省庁や自治体が多くあります。まずは、願書の提出をする前に、説明会に行き先輩の話を聞いたり、担当者による説明を聞きましょう。それによって倍率や難易度などの動向も知ることができます。
これは、専門職だけでなく一般職でも行われています。また、地方公務員を希望する学生や、地方から中央の公務員を希望する学生のために、就活サイトでも合同説明会を行っている場合があります。また、公務員試験でも、キャリアを持っている人のみが受けられる中途採用などもあります。
一次試験で筆記・二次試験で面接
公務員試験は一次試験で筆記、二次試験で面接の公務員試験は、一次試験に合格をしなければ面接に挑むことができません。そのためには、まず大学入試レベルの筆記試験に合格する必要があります。
一般職、総合職の一次の筆記試験の内容は一般知能として一つ目は「数的推理・判断推理・空間把握・資料解釈」で一般教養の4割になります。一般知能の二つ目は「国語・英語の文章理解」です。一般知識は「人文科学・自然科学・社会科学・時事問題」になります。ニュースは要チェックです。
二次試験は、一次試験合格発表後です。二次試験の頃には企業内定をもらっている学生もいて、公務員試験を辞退する人もいます。そのため、二次試験の面接は受験者数が減少し合格しやすい自治体もあります。しかし、既卒の学生は公務員試験の面接は不利になります。しっかり準備をしましょう。
公務員試験の受験資格
公務員試験の受験資格は、高卒レベル以上、大卒レベル以上、院卒レベル以上の三段回があります。さらに、既卒でも受験はできますが、職種によって受験資格が違います。
高卒レベルとある場合は、高卒程度の学力を有することが条件になるため、大学進学後、事情により中退し就職することになった場合、高卒レベルの公務員試験を受験することができます。ただし、高卒レベルは大卒レベルよりも上限が低く、ほとんどの自治体で20歳~23歳程度です。
専門職レベルになると「建築」「電気・電子・情報」「農業」などの専門知識が試験内容に含まれます。そのため、資格がなくても専門の勉強が必要となり倍率は低めでも難易度は高めです。また、栄養士や看護師、薬剤師、図書館司書の場合は同じ専門職でも受験資格が必要です。
年齢上限
公務員試験は、何歳でも受験できるわけではありません。受験方法によっても高卒レベル、大卒・院卒レベルでは受験の上限年齢も異なります。中には、制限がない職種もありますがわずかです。
国家公務員の総合職は、一部を除き大卒も院卒も採用年度の4月現在で30歳までになります。参議院総合職は27歳、国立国会図書館は29歳です。地方公務員は大阪府の25歳が最年少で、山形県は39歳まで受験可能です。比較的、地方の方が受験年齢の上限は高くなるようです。
地方公務員は基本、高卒レベルと大卒レベルになるため、院卒が受験することを想定していません。そのため、大阪府のように25歳、京都府のように26歳と院卒は新卒以外の採用はない自治体もあります。また、同じ公務員試験でも60歳まで受験可能な専門職もあります。
公務員採用までの具体的な試験内容
まずは希望する公務員を決めます。一つの試験に集中する人もいますが、「国家公務員・市役所A・市役所B日程」「国家公務員・県庁・市役所B日程」など、2、3種類併願をする人がいます。
受験する職種などを決めたら、3月に開催される説明会や見学会に出席しましょう。自治体によっては出席した人に資料を配布しています。先輩の職場訪問によって大学の先輩からの合格体験談などを聞くことができます。受験生の様子が見られれば、倍率の動向も解るかもしれません。
受験の出願をします。早いところでは年度内の2、3月から始まっていますが、ほとんどの自治体は4月に出願、5~6月が一次試験です。国家公務員試験も、4月~6月に集中しますので、他の試験と被らないようにしましょう。そして一次試験に合格すると夏の終わりころから二次試験になります。
一次試験(筆記試験)
一次試験の筆記試験は、「教養科目」と「専門科目」に分かれます。教養試験は知能分野と知識分野の筆記試験の他、論文やプレゼンテーションシートを書く自治体もあります。
教養の筆記試験では「英文・現代文の文章理解、数的推理、判断推理、資料解釈、空間概念」です。知能分野では一般科学、社会科学、自然科学、時事問題です。土木・建築の知識は工学基礎や社会事情などの筆記試験もあります。行政、法務の筆記試験は法学部が優利な試験になります。
一般事務の他に、専門職の採用では土木造園、衛生監視、建築、農業、化学などの筆記試験もあります。専門職の筆記試験は、理学部や農学部、工学部などの専門知識を有する場合もあります。そのため、事務と比較し採用数が少なく希望者の数で採用年により、倍率が大きく変動しています。
二次試験(人物試験)
一般的な公務員試験の二次試験は面接です。公務員試験は、上限年齢まで何度も受験する機会はありますが、既卒の学生にとって、なぜ現役で就職しなかった、など面接は不利になることがあります。
そこで、なぜ既卒で公務員試験を受けることになったのか、前もって答えを用意しておきましょう。役所は住民の個人情報を管理する場でもあります。職員を採用するためには、性格、誠実さなど「人物像」が大切です。現役時に就職が決まらないということは、色々な面で不利になります。
特に「人物像」を重要とする教員採用試験や看護師などの試験は既卒も多く、一次試験で「実技試験・模擬授業・面接」を行い、実技に通った学生に筆記試験を実施している自治体もあります。以前は、法規や心理など筆記試験に合格することが重要でしたが、面接を重視するようになっています。
公務員試験の倍率
公務員の試験は、国家公務員試験、地方公務員試験、専門職など自治体や職種によって様々です。そのため、国家試験の倍率にも高倍率のものもあれば、比較的合格しやすいものもあります。
倍率は5~6倍と言われていますが、就職者の内定状況で、4倍に下がることもあります。最も高い国家公務員の総合職は合格率がおよそ7%、競争率は15~18倍、難易度の高さはダントツです。中でも政治国際の公務員試験は、1000人中最終合格18人、58.6倍となっています。
倍率の中でも1人しか採用がないさいたま市の栄養士といった専門職では、100人が受験し倍率100倍になった自治体もあります。比較的低いのは1~2倍の土木、工学、機械、建築など理系大学卒の公務員で、中でも農学や畜産は隔年という自治体もあり、受験したくてもできないことがあります。
平均して5~6倍
国家公務員の一般職、地方公務員の一般職は平均すると、合格率は20%前後になります。公務員試験の倍率はおよそ5倍と考えると良いでしょう。
もちろん、就職戦線が厳しい年は6倍を超えたこともあります。逆に企業の就職内定者数が増えた2019年は合格率25%、公務員試験の倍率は4倍にまで下がっています。もちろん、国家公務員の総合職は難易度は高く、例年通り15倍を超えています。
また、採用人数が0名の時は、受験したくてもできない分野や、合格者1名と国家公務員の総合職より難易度が高い採用試験もあります。逆に農業や畜産のように1名しか採用しないが、受験者数が数名という分野もあり、受験者だけでなく採用担当者も募集をかけるかどうか、難しいようです。
記念受験と考えている学生も?
大学生の中には、企業と公務員の両方を掛け持ちで考えている人もいます。運よく国家公務員の総合職に合格できれば公務員になるが、不合格なら企業に行くという人です。
一般的な大学生は、公務員試験の勉強をする時間があれば、一社でも企業の説明会や面接に行く、と考えています。しかし、余裕がある学生の中には企業の内定を持っていながらも、公務員との天秤にかけている人もいます。筆記試験の前後に就職活動も並行して行っているようです。
企業の採用内容と、公務員の採用内容とを照らし合わせて、結果的に10月の内定式までにどちらかを断ればよい、記念受験と考えているようです。公務員になりたい、公務員一本で頑張る学生にとって、あまり歓迎できることではありませんが、実際にこういう人も皆さんと一緒に受験します。
筆記試験を通過すると倍率は下がる
公務員試験は一次の筆記試験合格者で半数以下の人数に絞ります。そのため、二次試験の面接は合格しやい確率になっています。さらに合格者全員が二次試験の面接を受けないこともあります。
そのため、自治体や職種によって、倍率が1~3倍くらいまで下がることもあります。筆記試験の合格者が10名いたはずなのに、面接に現れた人は3名になっていた、という自治体もあります。公務員試験の一次試験と二次試験の間になる6月、7月は、企業が内定を出しています。
そのため、希望の企業から内定が来ると、筆記試験で合格をもらっていても、安全を考えて企業の内定を受ける生がいるからです。そのため、内定後に発表される一次試験の結果や二次試験の面接に挑むことなく、就職活動を終了する人もいます。そのため、二次試験は合格しやすくなります。
専門職公務員は倍率が低い?
専門職の中には、警察・消防・教職員・管理栄養士・看護師等があります。いずれも、あまり人気が高くない職になるため一般の採用試験後にも、採用試験を行っている自治体もあります。
また、教員採用試験は教職の免許が必要となるため、誰もが受験することができるわけではありません。合格しても空席がないと採用がないため、3月の採用までの間に条件の良い私学に決めてしまう学生もいます。建築や機械、栄養士も同じで、企業に決まると辞退ということもあるようです。
そのため、合格者では採用が不足し、不合格者の中から臨時採用を行う都市もあります。他にも教員試験というと県職だけの採用のように見えますが、政令指定都市では県とは別に採用試験があり、採用先が市内の小中学校で採用人数が少ないことから、受験倍率はも低くなります。
公務員試験に合格する為の準備や勉強対策
それでは、公務員試験に合格するためにはどんな準備が必要なのでしょうか。公務員試験に実際に合格した人は、どんな勉強をしていたのでしょうか。
まず、筆記試験に合格するために、公務員試験の本を購入し、独学で勉強をしたという人が多くいます。しかし、国家公務員の総合職となると、ほとんどの人は大学で法学部に在籍していた、という人が多いようです。人気の総合職は筆記試験に法律が多く出題されます。
そのため、法学部に入学する目的に公務員試験の合格を上げる学生もいます。また、公務員試験の対策を学ぶことができる専門学校や予備校もあります。こういった場所に行って、専門的に勉強をするという人もいます。
筆記試験の準備
筆記試験の合格に必要な対策では、センター試験レベルの「物理、生物、化学、歴史、地理、数学」などの勉強が必要と言います。もちろん英語と現代文も必要です。
ほかに、経済学、行政、民法も筆記試験に出ますので、誰でも簡単に合格できるわけではありません。試験の準備は大学3年の秋ごろから年明けまでには開始しましょう。しっかりと半年から10カ月くらいコシを据えて取り組みます。時間の有無からも、理系大学生には不向きな試験になります。
地歴、数学、英語、現代文は国家公務員だけでなく、大卒レベルの地方公務員の上級試験でも出題されます。大学入試が終わっても気を抜かずに勉強をしておきましょう。このほかに民法や経済学が出題されるため、法学部、経済学部以外の学生は受験準備が必要になります。
面接試験の準備
面接準備のためには、まず受験前の説明会に参加し、どんなことを目的に公務員を目指すのか、具体的なビジョンを描けるようにします。
面接は、一般企業と同じように一般的な時事問題や常識、問題意識を持つ態度などが問われます。一次の筆記試験の時に論文やプレゼンテーションシートを書くことがあります。面接ではこういった内容についても問われます。何を書いてどんな考えを持っているかを明確にしましょう。
教員採用試験の場合は、教育委員会や学校長の他、PTA連合会の会長も面接官として立ち会う自治体があります。どんなところで、受験者の様子が見られているかわかりません。普段の生活態度も重要であることを認識しておきましょう。
公務員試験対策の重要ポイント
公務員は安定しているだけでなく、国家公務員となると憧れの職業にもなります。周囲への信頼度も高いため、色々な場で優遇されることもあります。
しかし、その分周囲への信頼や協力、社会性の高さなども求められる仕事です。公務員試験対策のポイントは、筆記試験で能力の高さが求められると同時に、人間性や社会性の高さも求められています。そのためにも、勉強はもちろん様々な順応性や、危機管理能力なども高めておきましょう。
大学生の生活に危機感がないことから、大学の多くでギャップイヤーの取り組みを始めています。公務員はこういったグローバルな考えや、自己解決能力の高さも求められます。試験対策としてセンター入試の復習をしながら、こういった能力も身につけていきましょう。
高難易度の公務員試験を突破できるように勉強をしよう!
高難易度の国家公務員試験、特に総合職は「キャリア官僚」と言われ、学生の憧れの職業です。その分倍率が高く、難易度が高くなります。どれほど就職が良い年でも合格率はわずかです。
大学に入ったからと安心して、英語や苦手教科の勉強をさぼっていると、筆記試験で苦労をすることになります。また、応用的な判断推理の問題も多く出題されるため、自己解決する力を身につけ、様々な経験を積み、多角的なものの見方を習得することも必要です。
そのためにも、公務員になることを決めたら、できるだけ早い時期から対策をし、しっかりと勉強をするようにしましょう。大学受験が終わって間もない頃からスタートすれば、勉強も忘れていません。一般教養の分野だけでも、安心して受験できるかもしれません。