昇進・昇格試験に向けた論文対策を進めよう!
昇進・昇格試験に合格するには論文対策が必須です。ビジネスマンにとって昇進・昇格試験は人生を大きく左右する問題だといえるでしょう。もちろん企業にとっても経営基盤を確立するためには優秀な人材を登用したいと考えています。
そのため主任や係長までは、これまでの業績や上司からの推薦で昇進・昇格をさせる企業が大半です。しかしそれ以上の役職や管理者は昇任・昇格試験を課しています。
昇任・昇格試験は概ね「論文」「面接」「適性試験」の3項目です。その中でも「論文」を重要視する企業は多く、しっかりとした対策が必須だといえるでしょう。そこで昇任・昇格試験の「論文」の書き方や構成、例文などを紹介します。
昇進・昇格試験に向けた論文対策の前準備
昇進・昇格試験に向けた論文対策を行うには前準備が必要です。しかし、闇雲に前準備を行おうとしても空回りするばかりで先に進めません。まずは昇進・昇格試験の目的を理解しましょう。
昇進・昇格試験はマネジメント能力に長けた人材の発掘・見極めを目的に行います。したがって、論文試験では受験者の問題把握能力や理論的思考力が試されるといえます。
つまり、昇進・昇格試験に向けた論文対策の前準備は、問題把握能力や理論的思考力の向上対策や情報収集を中心に行います。
準備すべきことは大きく3つ
昇任・昇格試験における論文試験は「問題把握能力」「理論的思考力」を試すことを目的に行われます。したがって、準備すべきはこの2項目にかかるスキルを徹底的に研ぎ澄ますことです。また、論文試験にかかる情報収集も忘れてはなりません。
ただし、あれこれと手を出すと的が絞れなくなり、返って空回りしてしまいます。論文の前準備といえば兎角難しくて考えがちです。しかし、本来は次項で紹介する3点に取り組めば前準備としては十分だといえます。
①論理的思考力を身に付ける
「論理的思考力」を身につけることは、論文試験に限らず面接試験でも求められるスキルです。ちなみに論理的思考力とは、物事を論理に基づいて考える力のことを指します。
兎角日常生活においては、感覚やこれまでの習慣にのみ基づいて判断しがちです。しかし、ビジネスでは少しの判断ミスが大きな失敗につながる恐れもあることから、「論理的思考力」は必須のスキルだといえるでしょう。
「論理的思考力」を身につける対策としては、何かを判断する際には必ず「なぜ?」を繰り返し考えることです。自問自答を繰り返すことで、自ずと理論的に物事を考える力が身につき、論文試験対策にもなるでしょう。
②試験についての情報を集める
昇進・昇格試験の論文試験を受験するにあたって「情報を集める」ことはとても大切です。一口に「論文試験」といっても、各企業で求める人材は異なることから切り口は様々です。
また、役職によっても出題傾向や難易度は大きく異なることはよくあります。にもかかわらず、何の情報収集もしないで試験に挑むのは無謀以外の何物でもありません。
効率的に「情報を集める」には、同じ論文試験を受験した先輩に聞くのが最適な対策方法です。出題されたテーマやどういった論文を書いたかなどを詳細に聞いてみましょう。きっとヒントが見つかります。
③自分の考えを持つ
昇進・昇格試験の論文試験では受験者の理論的思考力に加えて、問題把握能力が試されます。つまり、職場の課題に対して「自分の考えを持つ」ことが重要になります。
言い換えれば、職場で語りつくされていることを単に論文に起こしても評価されることはありません。いかに、自分の考え方を論文に盛り込むかがポイントです。
そのためには、日頃から職場においては問題意識をもつことを実践しましょう。さらに職場の課題に対して「自分であればこう改善する」といった考えを持つことが論文対策にもつながります。
本などで勉強するのがおすすめ!
昇進・昇格試験の論文試験対策において、「理論的思考力」や「問題把握能力」を身に付けるには、本などで勉強するのがおすすめです。
書店やネットショップには、昇進・昇格試験における論文の書き方などの対策本が数多く並んでいます。これらの中で1冊を読破するだけでも、正しい書き方をマスターすることは可能です。
また、論文の書き方に関する書籍に限らず、多くの本を読むことでも「文章の書き方」を学ぶことはできます。いずれにしても多くの文章に触れることこそ、論文を書く力を飛躍的に向上させる最適な対策です。
昇進・昇格試験の論文の出題形式
昇進・昇格試験の論文試験は、それぞれの企業によって出題形式が異なります。また同じ企業であっても、受験する役職によって異なる場合がありますから注意が必要です。
出題形式は提出期限があらかじめ設けられているもの、試験日に書くものの2パターンに分けられます。
さらに、試験日に書くものについては、あらかじめテーマが決められているものと、当日発表されるものがあります。そこで、出題形式の違いによる事前準備の方法・対策を紹介します。
それぞれに適した準備をしよう
論文試験は、出題形式によって対策や書き方も異なります。したがって、それぞれに適した準備・対策を行うことが大切です。的外れな事前準備や対策は無駄にしかなりません。
例えば、あらかじめ課題が決められているにも関わらず、何も対策せずに論文試験に挑むのは無謀そのものです。反対に課題は当日に発表されるにも関わらず、ヤマを張って特定の課題についてのみ対策を行うのも得策ではありません。
提出期限が決まっている場合
課題が事前に与えられ提出期限が決まっている場合、時間をかけて納得のいく論文を提出することが可能です。そのため全体的なレベルは上がりますが、似通った論文になりやすい傾向にあるといえます。
したがって採点者の心を動かすには、正しい論文の書き方・構成を踏襲することが不可欠です。その上でオリジナリティのある論文に仕上げなければなりません。
そこで重要なのが情報収集能力と論理的思考力です。莫大な情報を収集しても、それを羅列しただけでは質の高い論文とはいえません。莫大な情報を論理的思考力をもって組み立てて、論文として構成することを意識しましょう。
事前に課題が与えられていて試験日に論述する場合
事前に課題が与えられ試験日に論述する出題形式の場合、課題に関する情報収集を徹底的に行うことができます。また、事前にいくつかのパターン・構成で論文を書く練習も可能です。
この場合、課題に沿った内容とすることは当然として、論文独自の書き方・構成を踏襲し、試験時間内に書けるかを試しておくと良いでしょう。
なお事前に練習できることで論文のレベルは上がります。そこで他の受験者との差をつけるには「自分の考え方」をしっかりと盛り込むことを忘れてはなりません。
事前に課題が決められておらず試験日に論述する場合
事前に課題が決められておらず試験日に論述する出題形式の場合、ある程度事前に課題を想定しておきましょう。そのためには、過去に出題された課題を把握しておくことが重要です。
過去に出題された課題を把握するには、同じ試験を受けた先輩や上司などに聞いてみると良いでしょう。
なお、一般的に論文の課題は「将来ビジョン」「時事ネタ」「職場の課題・改善点」に大別されます。いずれにしても、日頃からの問題意識もって仕事に取り組むとともに、新聞など時事ネタは押さえておきましょう。
昇進・昇格試験に向けて論文の構造を理解しよう
論文は誰でも書くことはできますが、誰にでも伝わる論文を書くのは至難の業です。とりわけ、昇進・昇格試験にかかる論文試験では気持ちだけが前面に出てしまい、独りよがりな文章になりかねません。
誰にでも伝わる論文を書くには、読む者の気持ちになって文章を書くことが大切です。そのためには、論文の構成を理解しておくことが重要になります。
論文の構成には型がある!
昇進・昇格試験の論文の書き方をマスターするにあたって大切なことは、課題の意図を理解することです。言い換えれば、課題の意味が理解できなければ出題者の意図する論文を書くことはできません。
そこで、知っておきたいのが論文の構成にはいくつかのパターンがあることです。このパターンに当てはめて論文の構成を考えていけば、スムーズに論文を書き出すことができます。
いくつかのパターンを知っておこう
論文の構成を大まかに区別すると3パターンになります。一つ目に課題を「A」とすると「Aとについて自身の考えを示す」といったパターンです。これは「A」について、客観的な立場からその必要性を論ずる構成となります。
二つ目に「Aについて賛否を示す」といったパターンです。まずは「A」について、自身が賛成なのか反対なのかを明らかにします。その上で結論に至ったプロセスを論ずる構成であり、より論理的思考が求められるパターンです。
三つ目に「AとBについて自身の考えを示す」といったパターンです。課題A、Bの関係性を論理的に組み立て、自身の考え方に基づいた結論を論ずる構成になります。課題の数が増える分、自身の考え方をよく整理して論ずることが大切です。
論文の基本構造「序論・本論・結論」
論文の基本構造は「序論」「本編」「結論」で構成されます。「序論」は課題「A」の背景や現状を説明し、課題を浮き彫りにするのが目的です。
「本論」では「序論」で浮き彫りにした課題をさらに深掘りし、結論に結び付けるための考え方や解決策を順序立てて論じます。言うまでもなく論文の「核」であり、「結論」に対する納得性が保たれるか否かが決まる重要なパートです。
「結論」では「本編」で論じた考え方や解決策から導かれた「結論」をわかりやすく論じます。また「結論」が及ぼす影響や効果などを付加すると、より説得力のある論文に仕上げることができるでしょう。
論文にも使える?「起承転結」
一般的に「起承転結」が明確な文章は読みやすく、読み手に真意が伝わりやすいとされています。それでは「論文」にも「起承転結」は必要なのでしょうか。
結論からすると論文にも「起承転結」は必要です。兎角、昇任・昇格試験における論文では情報量を詰め込むことに集中しがちになります。しかし、情報量が多すぎると論点がズレてしまうことも少なくありません。
「起承転結」を意識することで、論点が明確になるだけでなく、論文にストーリー性を持たせることができます。そうすれば採点者にも、内容が伝わりやすくなることはいうまでもありません。
昇進・昇格試験の論文を書く上で意識すべきこと
昇進・昇格試験の論文は説明文でも小説でもありません。あくまでも課題に対する自分自身の考え方を明確にし、結論に結び付けるのが論文です。
論文の書き方にはいくつかの注意点や意識すべき点があります。言い換えれば、注意点や意識すべき点を理解しておかないと、単なる文章の集合体になってしまうでしょう。
したがって正しい論文の書き方・構成をマスターするには、論文を書く上での注意点や意識すべき点をしっかりと理解しておくことが大切です。
テーマから逸れないようにする
昇任・昇格試験における論文試験では必ずテーマが出題されます。つまり回答者は序論~本編~結論に至るまで、テーマに沿った文章で構成しなければなりません。しかし長文になればなるほど、テーマから逸れてしまいがちです。
テーマから逸れないようにするには、いきなり文章を書き始めるのではなく、まずは「結論」を定めておくとよいでしょう。
「結論」が先に決まっていれば結論に向けて考え方が統一されますから、テーマからブレることはありません。また序論~本編~結論の別に、盛り込みたい内容を箇条書きにして整理しておくのも有効です。
確かな情報を用いる
昇任・昇格試験の論文を書く上で、情報の正確性は非常に重要な要素の一つです。不確かな情報を一つでも用いると、論文全体の信ぴょう性が疑われかねません。
しかし、どうしても正確な情報が得られない場合に遭遇することもあります。その際には「~予測されます」「~推測されます」といった言葉を使い断言することは避けましょう。
結論に少し幅を持たせることで、やや曖昧な表現とはなるものの信ぴょう性は保たれます。ただし、乱発し過ぎると採点者の心証に影響しますので注意しましょう。
論理構造が破綻しないようにする
昇格・昇進試験の論文の書き方において注意したいのが、構成に気を配り論文構造を破綻させないことです。特に長文になると、先に述べた内容とは矛盾する文章を書いてしまうことがあります。
採点者は数多くの論文を採点していますから、こういった矛盾を見逃しません。同じ論文の中で矛盾が生じると論理的思考力が不足していると判断されますから致命的です。
こういったミスを犯さないためにも、最初に結論と論文の構成を決めておくことが大切です。つまり、逆説的な発想で全体像を構成すれば、論理構造の破綻を防ぐことができます。
昇進・昇格試験の論文で使える書き方
昇進・昇格試験の論文には、独特の書き方や言い回しが数多くあります。したがってスムーズに書き上げるには、論文で使える書き方や言い回しを用いた例文に数多く触れておくことが大切です。
準備段階で様々な例文に触れておくことで、自身の「引き出し」が増えることになります。そうすれば、途中で書き方に詰まっても持ち直すことが簡単にできるでしょう。
使いやすい言い回しを用意しておこう
昇進・昇格試験にかかる論文試験に挑む際は、使いやすい言い回しを用意しておきましょう。なお、論文試験に使いやすい言い回しは「序章」「本編」「結論」の構成ごとにあります。
したがって、論文試験に使いやすい言い回しを構成ごとに整理しておくと、いざという時に慌てることがありません。また、単に言い回しを覚えるのではなく、例文とともに覚えておくことで使い方の幅が広がります。
序論で使いやすい言い回し
序論では「論文の目的」を書きます。使いやすい言い回しで例文にすると「この論文の目的は○○とする。」「この論文で明らかにしたいのは〇〇である。」といったパターン・使い方になります。
また、論文では取り扱わない事項を明言することも少なくありません。使いやすい言い回しで例文にすると「本論において〇〇は取り扱わない。」「〇〇を論じるのは別の機会に譲ることとする」といったパターン・使い方になります。
その分野の研究結果などがすでに発表されている場合には、先行研究として論じておくとよいでしょう。使いやすい言い回しで例文にすると「多くの研究結果が発表されており、本論では取り扱わない。」といったパターン・使い方になります。
本論導入で使いやすい言い回し
本編導入部分では論点を明確にすることが目的です。使いやすい言い回しで例文にすると「問題は〇〇である。」「○○といった問題について明らかにしなければならない」といったパターン・使い方になります。
自分の立場を明確にする言い回しもよく使われるパターンです。例文にすると「○○といった観点で考察する。」「○○を論ずるにあたって△△の観点から考察する」といったパターン・使い方になります。
本編冒頭で定義付けを示すことで、論点を印象付けることができるでしょう。使いやすい言い回しを例文にすると「○○を△△と定義する。」「○○には△△といった考え方を含むことを前提に論ずる。」といったパターン・使い方になります。
本論中の疑問や否定で使いやすい言い回し
本論中ではたびたび疑問や否定的な意見を呈する場面があります。疑問を呈する場合に使いやすい言い回しで例文にすると「○○については疑問点が残る。」「必ずしも○○とはいえない。」といったパターン・使い方がオーソドックスです。
否定的な意見を述べる場合だと、使いやすい言い回しを例文は「○○は全くの誤認である。」「○○と断定することはできない。」といったパターン・使い方となります。
本論中の肯定的な文で使いやすい言い回し
疑問や否定ばかりだと論文が成り立ちません。肯定的な意見を述べる場合、使いやすい言い回しで例文にすると「○○であるといえるでしょう」「○○と考えることが可能である」といったパターン・使い方になります。
特に妥当性を主張する場合、使いやすい言い回しで例文にすると「〇〇という主張は妥当である。」「○○は△△であることを裏付けている。」といったパターン・使い方になります。
例をあげて肯定する場合、使いやすい言い回しで例文にすると「例えば〇〇である。」「簡単な例をあげるならば○○となる。」といったパターン・使い方になります。
結論で使いやすい言い回し
結論は論文を総括する部分ですから、曖昧な表現だと締まりがなくなります。論文全体を要約する場合、使いやすい言い回しで例文にすると「手短にいえば○○である。」「以上が○○に関する要点である。」といったパターン・使い方になります。
結論を明確に示す場合、使いやすい言い回しで例文にすると「○○という結論に達した。」「結論として言えるの○○である。」といったパターン・使い方になります。
例文で学ぶ昇進・昇格試験の論文の書き方
昇進・昇格試験の論文をよりスムーズに書き上げるコツは数多くの例文に触れることです。数多くの例文に触れることで、論文独特の言葉や言い回し、構成をマスターすることができます。
また、例文に慣れることで「気遅れ」がなくなるのも大きなメリットです。「論文」と聞けば構成の凝った難しい長文を思い浮かべる人も少なくありません。
しかし、数多くの例文に触れることで、論文で用いる文章は難しいものではないことが容易に理解できるでしょう。そこで、例文で学ぶ昇進・昇格試験の論文の書き方を紹介します。
例文は小論文が多い
書店やネット上には様々な論文がアップされています。もちろん、昇進・昇格試験に関するものも数多く出回っていますから、これらの例文を参考とすることは有益です。
このとき例文には小論文が多いことに気付かされます。また昇進・昇格試験の論文試験においても小論文が出題されるケースが大半です。
したがって、例文から論文の書き方を学ぶ際には小論文を参考とするのが鉄則だといえます。その際、実際に昇進・昇格試験と同じ文字数の例文を選ぶと全体の構成を学ぶこともできるでしょう。
長くなっても仕組みは同じ!
企業によっては昇進・昇格試験の論文について、長文を求めることがあります。この場合、大半は課題と提出期限が事前に発表されているものです。
つまり、じっくりと時間をかけて論文の書き方を熟考・構成することが可能です。しかし、長文であっても論文の書き方や構成といった仕組みは短文と変わりありません。
違いといえば情報量の差です。したがって、昇進・昇格試験の論文で長文が求められている場合には、事前準備における情報収集を丁寧に行なっておきましょう。
昇進・昇格試験の論文対策におすすめの書籍
昇進・昇格試験の論文対策に、論文に特化した書籍を用いる人も少なくありません。論文に特化した書籍は、様々な論文をあらゆる角度から分析しているため、あらゆる課題に対応できるのがメリットです。
また論文に使える言い回しや基本的な書き方、構成について丁寧に解説されており、基礎から学べる点も論文対策に適しているといえるでしょう。そこで、昇進・昇格試験の論文対策におすすめの書籍を紹介します。
昇格する!論文を書く
「昇格する!論文を書く」(宮川俊彦著)は昇進・昇格試験における論文対策本としては、バイブルと呼べるほど有名な書籍です。
著者である宮川俊彦氏は、財団法人国語作文教育研究所の所長を務めています。これまで100万を超える昇進・昇格試験の論文を分析しており、まさにスペシャリストといえる存在です。
それだけに、ありとあらゆる業種・役職に対応できる詳細な解説がなされています。昇進・昇格試験における論文対策を始めるなら、まず最初に読破したい対策本だといえます。
ロジカル・シンキング 論理的な思考と構成のスキル
「ロジカル・シンキング理論的な思考と構成のスキル」(照屋華子、岡田恵子著)は論文に特化した対策本ではありません。しかし、質の高い論文に欠かせない「論理的思考」について特化した書籍です。
著者はコンサルティング会社・マッキンゼーの現役エディターであり、まさに実態に即した内容が記述されています。また、本書の目的は論理的思考力をアップさせることで、コミュニケーション力を高めることです。したがって論文のみならず職場の人間関係構築にも役立ちます。
仕事ができる人の論理的に考え、書く技術
昇進・昇格試験における論文試験では、受験者の論理的思考力が鍵を握ります。「仕事ができる人の論理的に考え、書く技術」(小野田博一著)は、まさに論理的思考力に基づいた論文対策に特化した書籍です。
とりわけ「結論」「結論を支える理由」「論理の標識」に基づいた論文の書き方は、昇進・昇格試験対策に適したものだといえます。まさにワンランク上の論文を書きたい人にうってつけの対策本です。
書くこと自体に抵抗感がある人の対策
昇進・昇格試験には論文が必須だとわかっていても、書くこと自体に抵抗感がある人も少なくありません。しかし、実際に論文の書き方を覚えてしまうと、案外スムーズに書き上げることができるでしょう。
書くこと自体に抵抗感を感じる人の多くは、何らかの原因を抱えています。つまり、その原因を探って適切な対策を講じてこなかったために苦手意識が先行したと考えるべきです。
したがって、昇進・昇格試験の論文に頭を痛めている人は、まずは原因を探り出して正しい書き方を学ぶことで苦手意識を解消できます。
「嫌な理由」を探る
昇進・昇格試験の論文を書くことに抵抗感がある人には、必ず何らかの原因があります。まずは、その原因を浮き彫りにしないと論文の書き方や構成をマスターすることはできません。
なお、論文を書くことに抵抗を感じる人には共通する「嫌な理由」があります。したがって、「嫌な理由」を探るにあたっては、いくつかのパターンに照らし合わせてみると良いでしょう。
言葉の使い方がわからない
昇進・昇格試験の論文には独特の言葉の使い方があります。例えば「〜である」「〜と推察できる」「〜と仮定すると〜である」といった言い回しは日常生活においてはあまり使いません。
そのため、言葉の使い方がわからなくなり書くことに抵抗感を抱く人もいます。言葉の使い方をマスターするには、多くの論文に触れて文体に慣れることが必須です。このとき、いきなり長文を選ぶのではなく小論文を選ぶと良いでしょう。
小論文に数多く触れることで、必然的に独特の言い回しや言葉を見つけることができるようになります。最初から内容を理解しようとせず、書き出しや語尾、論文自体の構成を意識して読むことで、苦手意識は叙々に払拭されるでしょう。
何を書いて良いかわからない
「何を書いて良いかわからない」のも論文を書くことに抵抗感を抱く人の特徴だといえるでしょう。しかし、昇進・昇格試験における論文では課題があらかじめ示されていることが大半です。
つまり、何を書いて良いのかわからない人は、課題について情報量が不足している、もしくは論文の構成が理解できていないと考えられます。
したがって、前者であれば情報量を増やすことが必須です。後者の場合であれば、収集した情報を「序論・本論・結論」といった構成の別に箇条書きにすることで、書くべき内容が明確になります。
書くのが面倒
論文を書くのが面倒だという人は、もう一度昇進・昇格の意義を考えてみましょう。少子高齢化の影響で企業は優秀な人材を求めるだけでなく、手厚い処遇を考えています。
つまり、今後役職者をはじめとする管理者と、一般社員ではその処遇に大きな差が出ることは間違いないでしょう。自分の将来を考えるなら「書くのが面倒」などとは言っていられません。
まずは短文を書いてみましょう。自分の日頃感じていること、考え方を少しずつ文章積み上げることで、徐々に書くことが苦でなくなります。
短い文章から始める
昇進・昇格試験の論文を書くことに抵抗感を感じる人の多くは、いきなり長文を書こうとする傾向にあります。そのため論文の構成を見失い、自分でも何を書いているのか分からなくなるのです。
こうなると論文の書き方の問題ではありません。まずは短い文章を論文の書き方に沿って丁寧に書き上げることから始めましょう。論文の構成は後回しで構いません。
言い換えれば、短い文章の集合体をわかりやすく構成したものが論文です。したがって、論文の書き方に沿った短い文章が書けなければ、全体を構成することなど到底できないことを理解しましょう。
書く前に内容を整理する
短い文章なら書けるけれども、長文になると構成ができない人も少なくありません。こういった人は、書く前に内容が整理できていないことが大半です。
論文はある課題について自らの考え方に基づいて結論づけたものです。したがって「序論」「本論」「結論」といった構成に沿って書き上げます。
つまり、わかりやすい論文を書くには、書く前に「序論」「本論」「結論」のそれぞれについて「何を書くのか」を明確に整理しておくことが大切です。
昇進・昇格試験の論文は怖いものじゃない
昇進・昇格試験に論文があると聞いただけで気遅れする人は少なくありません。しかし昇進・昇格試験の論文は決して怖いものではなく、自身の考え方をアピールするチャンスだといえます。
論文を書くのが苦手な人は、正しい論文の書き方や言い回しを知らないことが大半です。また、最初から長文を書こうとして構成ができず、投げ出してしまう人も多くいます。
昇進・昇格試験の論文をスムーズに書くには、課題についてしっかりと情報を集めることからスタートしましょう。そして「序論・本論・結論」といった構成を基に、書きたい内容を整理して短文から書き始めるのがポイントです。