食べ物の消費期限とは
今回は、豚肉と消費期限について詳しく解説していきます。そもそも、食べ物の消費期限とはどういったものなのかについてから、解説していきます。よく、賞味期限と混同してしまう点でもあるので、チェックしていきましょう。豚肉と消費期限とはどんな関係があるのでしょうか?
消費期限は安全に食べることができる期限
「消費期限」とは、その食材を安全に食べることが可能な期限のことをいいます。消費期限と過ぎてしまうと、健康に害を及ぼす危険性があるため、注意が必要です。特に、豚肉などの生肉、鮮魚などは注意が必要な食品でもあります。
消費期限は、1日から2日程度であれば自己責任ではありますが、食品の状態によっては食べることが可能ではある場合もあります。ただ、食品に菌が付着していた場合、食中毒のリスクも伴っています。臭いや色などをしっかりと確認して、よく火を通す必要があります。
賞味期限との違い
消費期限と賞味期限があるのを、ご存じでしょうか。賞味期限は、美味しく食べることができる期限という意味があります。賞味期限は、この期限を過ぎてしまったからといって、食べることができないということはありません。
ただ、美味しく食べることができることが、できない可能性があるということになります。もしも、未開封の状態であれば、普通と変わることなく食べることができる場合もあります。ただ、美味しく食べたいというのであれば賞味期限を守って食べた方がいいでしょう。
一方、消費期限は、この期限を過ぎたのであれば食べない方がいいという意味となります。消費期限を過ぎてしまった食品は、基本的に食べることはおすすめできません。食中毒などのリスクがある場合があるからです。
消費期限切れは食中毒の危険がある
豚肉に限った場合ではありませんが、消費期限を過ぎた食品を食べてしまうと「食中毒」の危険性があります。「食中毒」というのは、食材に付着して、繁殖した菌が、体内に接触することで起こるものです。
健康な人であれば、腹痛や下痢や嘔吐といった症状を発症することがあります。特に注意が必要なのは、お年寄りや小さい子供です。お年寄りや小さい子供は、抵抗力が弱いので、消費期限を守った食品を食べるようにしていきましょう。
食べる時は念入りに火を通す
もしも気が付かずに、消費期限を過ぎてしまった豚肉があれば、1日であれば、まだ食べることができる場合もあります。しかし、消費期限が1日であっても、十分注意が必要ですし、自己責任になってしまいます。もしも食べるのであれば、念入りに確認する必要があります。
例えば、変な臭いがしている場合や色が変わっている場合は、腐っている可能性が大きいので食べない方がいいでしょう。もしも、変な臭いもなく、変色もないのであれば、食べる場合は、自己責任です。念入りに火を通してから食べるようにしてください。
消費期限が、過ぎたのが1日であっても、その期間中にどんな保存方法がされていたのかで、かなり違っています。もしも、豚肉を消費期限内に高温の場所に置いていた、素手で触ったといったことがあるのであれば、雑菌が繁殖している可能性が大きくなります。
さらに、消費期限中の保存方法が、こういった保存方法になっていたのであれば、食べない方がいいでしょう。さらに、夏場は、気温が高く、消費期限が1日でも過ぎてしまったのであれば、危険なのでやめておきましょう。
特に、豚肉のひき肉の場合は、ミンチされる時に空気に接触している場合が多く、腐ってしまっている場合もあるので、注意が必要です。
豚肉の形状によっても、かなり違いがあって、最も腐りやすいのが、ひき肉、継いで薄切り・こま切れの豚肉、ブロックの豚肉、厚切りの豚肉が腐りやすくなっています。もしも、消費期限が過ぎていて、豚肉から変な臭いがしていたり、色が変わっているのであれば廃棄した方が安全です。
特に、消費期限が過ぎて、2日経過した場合の豚肉を食べるのは、注意が必要です。時間をかけて雑菌の繁殖が進んでいる可能性があります。これは、豚肉の保存方法がかなり影響しています。豚肉の保存方法別に、消費期限がどうなっているのか確認していきましょう。
おすすめのレシピ
しっかり火を通すのにおすすめのレシピとして、豚肉を茹でて、大根おろしとポン酢をかけるものがあります。とても簡単なレシピなので、後一品欲しいときにもおすすめです。さらに、キャベツと豚肉をレンジでチンしただけでも、美味しいレシピになります。こちらもポン酢でお召し上がりください。
豚肉の保存方法別の消費期限
豚肉は、保存方法によって消費期限が違っています。ここでは、豚肉の保存方法別の消費期限をご紹介していきましょう。
冷蔵保存、チルド保存、冷凍保存によって豚肉の消費期限は、変わってくるので確認してみてください。豚肉を安全に美味しく食べるために必要な知識ですので、チェックしていきましょう。
冷蔵・チルド・冷凍で消費期限が変わる
スーパーでは、豚肉は冷蔵、チルド、冷凍といろいろな方法で保存されています。それぞれの保存方法によって、豚肉の消費期限は変わってきます。生の豚肉に、記載されている消費期限は、豚肉を加工してから起算した保存方法によって設定されています。
豚肉を購入した場合、パッケージには消費期限と一緒に保存温度も記載されているので、保存温度によっても消費期限は変わってきます。豚肉の種類がブロック肉の場合、10度以下が保存温度の場合、消費期限は3日になります。保存温度が4度以下の場合は、消費期限は6日になります。
保存温度が0度以下の場合は、消費期限は7日になります。次に、スライス肉などの薄切りや細切れといった豚肉の場合、保存温度が10度以下の場合は、消費期限は3日になります。保存温度が4度以下の場合は、消費期限は5日となります。保存温度が0度以下の消費期限は6日となるのです。
続いて、ひき肉の場合は、保存温度が10度以下の場合は、消費期限が1日になります。さらに、4度以下の保存温度の場合は消費期限3日になります。保存温度が0度以下の場合は、消費期限は5日となります。
もしも、豚肉を購入したときに、冷蔵庫に入れ忘れて常温で、放置してしまったのであれば、2時間から3時間であれば問題はないのですが、これ以上の場合は、消費期限が過ぎていなくても食べない方がいいでしょう。豚肉は、10度以上の環境になると、殺菌が繁殖しやすくなります。
20分10度以上の環境であれば、2倍細菌が増えるとされているのです。冷蔵庫によっては、冷蔵庫内の設定温度が違う場合もありますが、10度以下がほとんどでしょう。もしも4度以下設定であれば、消費期限が1日、2日程度過ぎても大丈夫な場合も多くなります。
チルド室があるのであれば、より消費期限は長くなりますが、出来るだけ早く食べるようにしてください。冷凍保存は、豚肉を長く保存できますが、空気に触れる部分が多くなると味が落ちてしまいます。冷凍保存をする場合は、ラップに包んで空気に触れさせないように保存するようにしましょう。
消費期限が切れても食べられる豚肉の見分け方
それでは、消費期限が切れてしまった豚肉は、廃棄するしかないのでしょうか。もしも、消費期限が切れてしまった豚肉がある場合、これからご紹介する見分け方で確認してみてください。
ただ、この方法は、必ずしも大丈夫という保障はありません。食べる場合は、十分に加熱して食べるようにしてください。
保存方法で判断する
チルド保存をした場合の、豚肉の場合見分ける方法として一般的には、冷蔵で保存した場合よりも3日から4日伸びるとされています。そもそもチルド保存とは、食品を半解凍状態で保つことができる冷蔵庫の1つの機能になっています。
完全に食品を冷凍するのではなく、解凍する手間が省ける保存方法でもあります。冷凍保存をした場合は、正しい冷凍保存をすることで1ヶ月くらいは保存できるとされています。賞味する場合は、鮮度が落ちる可能性を考えて10日程で食べてしまうのがいいでしょう。
豚肉の適切な保存方法は冷凍保存かチルド保存がおすすめです。冷蔵庫での保存であれば、1日から2日を目安に賞味することを覚えておきましょう。
見た目・匂いを確認する
豚肉は消費期限か賞味期限が1日か2日切れた程度であれば、食べられる場合もあります。しかし、これはあくまで自己責任になっているので、ご理解ください。見分け方としては、新鮮な豚肉との違いを確認する方法があります。消費期限を切れた豚肉は、明らかに見た目が違っています。
例えば、豚肉が変な臭いはしないけれど、緑っぽい、茶色、黒い、白っぽいといった変色が見られるのであれば、廃棄です。さらに、ドリップとよばれる「血」がたくさん出ている場合も、廃棄した方が無難でしょう。
そして、変な臭いがして、ネバネバとした糸を引くのであれば、必ず廃棄してください。これは腐敗し始めている状態でもあるので、食べるのは非常に危険です。もしも、賞味期限や消費期限が過ぎているのであれば、しっかりと細かくチェックして食べるようにしてください。
食べる場合は、しっかりと火を通してから食べるようにしてください。豚肉の消費期限が2週間以上過ぎていた場合や冷蔵庫に入れていなかったという場合は、食べるのはとても危険です。食中毒の危険性が大きくなるので、もったいないと考えることなく、廃棄するようにしてください。
豚肉の正しい保存方法と注意点
それでは、豚肉の正しい保存方法と注意点をまとめていきます。豚肉は、正しい保存方法があります。さらに、豚肉を保存するときに注意しなかればいけないポイントをご紹介していくので、確認していきましょう。
もしも、この保存方法をしていない場合は、間違った保存方法になるので、今すぐやめるようにしてください。間違った保存をしてしまうと食中毒のリスクが高まります。
購入してすぐに冷蔵室・チルド室に保存する
豚肉は、常温での保存は大変危険です。細菌が繁殖してしまうので、購入して帰ってきたら冷蔵庫か冷凍庫にすぐに保存するようにしてください。
1回繁殖が始まった菌によっては、加熱しても死滅しない場合があります。その菌を間違って食べてしまった場合、食中毒の危険性が大になります。特に、ひき肉の場合は、賞味期限や消費期限が短くなっています。
温度の上がらない場所に置く
豚肉は、常温や温度が上がってしまう場所に保存すると菌の繁殖が進んでしまいます。豚肉には、2.8パーセントの「サルモネラ菌」が付着しているとも言われています。とにかく生の豚肉は危険でもあるので、保存方法が正しいものにしておきましょう。
これらの菌は、温度の高い場所ではどんどん繁殖していきます。特に「O157」「カンピロバクター」「サルモネラ」の菌は、食中毒になる危険性が高くなります。
密閉して保存する
豚肉を冷凍保存する場合、ラップなどに包んで密閉してから冷凍保存するようにしましょう。スーパーから購入してきた食品トレーのまま、冷凍保存してしまうと、空気に触れる部分が多くなってしまいます。
さらに、旨味成分が逃げてしまうので、密閉することが大切です。冷凍保存をする場合は、1回分の使う量に分けて冷凍保存しておくととても便利に使うことができておすすめです。
そして、急速冷凍すると賞味する場合も、美味しく食べることができるのでアルミトレイに乗せて冷凍するのがおすすめです。
素手で触らずに保存する
消費期限内に使い切ることができないのであれば、豚肉を小分けにして冷凍保存するのがおすすめです。ただ、小分けにする場合、極力素手で作業を行わないようにしましょう。きれいに洗ったつもりであっても、手にはあらゆる菌がついています。
完璧に菌を除去するのは不可能です。もしも、豚肉を小分けするのであれば、清潔なポリ袋を手袋の代わりに使ってみてください。手を洗う回数を減らすことができるので、おすすめです。
豚肉のおすすめ下味冷凍レシピ
それでは、豚肉のおすすめ下味冷凍レシピをご紹介していきましょう。豚肉は、下味をつけたまま冷凍しておくことで、冷凍保存することができます。さらに、下味をもうすでにつけている状態での保存になるので、味がしみ込んだ美味しい料理になります。
また、調理も簡単になっているので、これからご紹介する豚肉の下味冷凍レシピは、かなりおすすめになっています。ぜひ、試して欲しい下味レシピになっているので、確認していきましょう。
甘辛味豚コマのレシピ
値段の安く、扱いやすい豚こま切れ肉を使った、下味冷凍レシピです。使いまわしがしやすい定番のレシピでもあるので、試してみてください。
材料は、豚こま切れ肉400グラム、醤油、酒、みりん、大さじ3と砂糖大さじ1となります。作り方は、豚肉を一口大にカットしておきます。冷凍用に保存袋に豚肉と調味料を入れて、よく揉み込んでおきます。
なるべく平らにしたら、空気を抜いて袋の口をしっかりと閉じて冷凍するレシピになります。これを1つ作っておけばアレンジ次第でいろいろな料理にして賞味することができます。
加える野菜を変えて使えば、バリエーションが豊富になります。冷凍保存した物を袋から取り出す場合は、電子レンジで600ワットで1分加熱して、表面を溶かしておきましょう。
調理する時に解凍しておく必要はありません。解凍せずにそのままフライパンに出して、少し水を入れて蒸し焼きにして使ってください。
豚肉の生姜焼きのレシピ
豚肉の薄切り肉が手に入ったら、このレシピをお試しください。お弁当にも、晩御飯のおかずにも使いやすいのでおすすめです。冷凍庫で2週間は保存可能です。
材料は、豚薄切り肉160グラムから200グラム、酒大さじ1、みりん大さじ1と2分の1、醤油大さじ2と2分の1、砂糖小さじ1から1と2分の1、しょうがのするおろしが小さじ1になっています。Lサイズの冷凍用密閉保存袋を用意してください。
作り方は、冷凍用保存袋に豚薄切り肉を重ならないように薄く広げて、調味料をお肉にかかるようにしていきます。空気を抜いて密閉したら、平らなまま冷凍保存しておきましょう。
使いたい場合は、生野菜と一緒に炒めても使えます。豆苗やみょうが、青じそなどと一緒に炒めても美味しく賞味できます。
豚ひき肉のショウガ塩こうじのレシピ
豚肉のひき肉でも冷凍下味レシピがあります。しょうがと塩麹で下味をつけることで、味がしっかりとしみ込んだ、深みのある味になるのでおすすめです。
用意する物としては、Mサイズの冷凍密閉保存袋、豚挽き肉200グラム、しょうがすりおろし小さじ1、塩麹大さじ1となります。作り方は、冷凍用密閉保存袋に、材料を全て入れて、袋の上から揉み込んでいきます。出来るだけ薄く平らにして密閉して、菜箸で、4分割しておきましょう。
中華風のアレンジレシピとの相性がいいので、解凍せずに凍ったまま肉を炒めて、調味料を加えることで色々なレシピにすることができます。
豚こまのマヨ味噌のレシピ
豚肉細切れ肉200グラム、マヨネーズ大さじ1、みそ大さじ2分の1、みりん小さじ2、醤油小さじ1、砂糖小さじ2分の1、白すりゴマ大さじ1を用意してください。これを冷凍用保存密閉袋に入れて冷凍保存しておきます。
調理する時は、キャベツ1枚から2枚、マヨネーズ小さじ1、万能ネギはお好みでご用意ください。冷凍下味をつけた豚肉は、食べる前に冷凍庫から冷蔵庫に移して解凍しておきます。
キャベツは食べやすい大きさにカットして、フライパンで炒めていきましょう。豚肉に火が通ったら、キャベツとマヨネーズを加えてさっと炒めていきましょう。最後に万能ネギを加えて完成です。
冷凍保存した豚肉の美味しい解凍方法
冷凍保存した豚肉は、解凍の仕方次第で美味しく食べられるか、固くなってしまうか分かれ道でもあります。せっかくなら美味しく食べるためには、正しい解凍方法で解凍する必要があるのです。ここでは、冷凍保存した豚肉の、美味しい解凍方法について詳しく解説していきましょう。
前日から冷蔵庫に入れる
冷蔵庫に入れてもすぐには解凍できません。豚肉を使いたい前日に、冷凍庫から冷蔵庫に移動させておきましょう。冷蔵庫でゆっくりと時間をかけて解凍されるので、ドリップがでにくくなって、最近の繁殖を抑えることができます。
完全に解凍してしまう前に、室温で5分置いてから調理するのが、正しい解凍方法になります。ただし、夏場は気温が高いので、室温が高い場合は、解凍のやり過ぎになってしまうのでご注意ください。
電子レンジでの解凍はNG
電子レンジに解凍機能がついている場合があるのですが、この方法で賞味した場合あまり美味しくない場合があります。これは、電子レンジで解凍したことでドリップがでてしまった、旨味が逃げてしまっていることが原因になります。
ドリップとは、たんぱく質などのお肉の旨味成分が含まれています。解凍するときには、このドリップを出さないことがポイントになってきます。電子レンジによっては、上手に解凍できるものもありますが、均一に解凍できない場合もあります。
さらには、かたくなってしまう場合もあるので、おすすめはできません。さらに、お湯や流水で解凍する方法もありますが、これも電子レンジでの解凍と同じように、ドリップがでてしまうのでおすすめできません。
やはり、美味しく賞味するためには、冷蔵庫で時間をかけてゆっくりと解凍する方法になります。この方法は、どうしても時間が必要になる解凍方法ではありますが、もっとも美味しく賞味できる方法になるので、試してみてください。
豚肉の消費期限を延ばすには早めの冷凍保存がおすすめ
豚肉と消費期限の関係について、詳しく解説してきました。豚肉は、冷蔵保存であれば、基本的に消費期限内に食べきるようにしてください。チルドであれば、賞味期限の1日から3日程度、冷凍保存であれば2週間から1ヶ月が目安になっています。
もしも、臭いや見た目に異常があるのであれば、食べないで廃棄しましょう。もしも腐っていた場合、食中毒のリスクがあります。
さらに、豚肉を冷凍保存する場合は、素手で触らずに、空気に触れさせることなく保存し、解凍する場合は冷蔵庫で時間をかけて解凍するようにしましょう。こうして賞味すれば豚肉を美味しく食べることができるのでおすすめです。