夏が旬の魚&美味しい料理・食べ方を紹介!
季節ごとに気候が変わる日本には、四季それぞれに旬の美味しい魚がたくさんあります。これから暑くなる夏にはしっかりと旬の物を食べて、夏バテしないように元気で過ごしたいところです。では、夏が旬の魚は何なのでしょうか?
今回は、夏が旬の魚について詳しく解説します。そして、夏が旬の魚の美味しい料理やおすすめの食べ方についても、たくさん紹介します。この記事を参考にして、旬の魚をたくさん食べて、暑い夏を乗り切りましょう。
魚の旬とは
魚の旬とはどういうものか知っていますか?きっと、魚が一番美味しい時期である「味の旬」という答えがほとんどでしょう。実は、魚の旬はもう一つあります。「味の旬」のほかに「水揚げの旬」というのがあるのです。ここでは、それぞれの旬について詳しく解説します。
味の旬
魚の「味の旬」とは、魚が一番美味しく食べられる時期のことを言います。何故美味しいのかと言うと、魚が産卵に向けてエネルギーをたくさん蓄えるため、脂がのってくるからなのです。魚が最もエネルギーを蓄えている時期が、魚の味の旬になります。
水揚げの旬
魚の「水揚げの旬」は、言葉の通り、水揚げ高が一番多い時期になります。しっかりエネルギーを蓄えて、産卵の準備が整った魚たちが産卵場に集まってくるため、その場所を目がけて漁獲することで、たくさんの魚を水揚げすることができます。
魚は産卵してしまうと、一気にエネルギーがなくなるため、身までげっそりしてしまいます。その時期の魚は、脂もなくなっているので、あまり美味しくありません。次の産卵期のために、魚たちはまたエネルギーを蓄えるので、魚の次の旬が訪れるのです。
夏が旬の魚
夏が旬の魚はとてもたくさんあります。種類も豊富で、鯵(アジ)や鯖(サバ)といった青魚から白身の魚、穴子まで揃っています。ここでは、夏が旬の魚のうち、鮎、穴子、かんぱち、鯖、鯵、鱚(キス)の6種類の魚について詳しく紹介します。
夏が旬の魚①鮎
毎年、初夏の訪れとともに、鮎釣りが解禁になることもあり、鮎は季節を感じさせてくれる魚の一つです。鮎は、川と海を回遊する魚です。鮎は秋に産卵期を迎えるため、一番脂がのっている味の旬は、6月から8月になります。
夏が旬の魚②穴子
夏はウナギというイメージが定着していますが、実は秋から冬の時期が天然のウナギの旬になります。一方で、穴子の旬は7月から9月です。穴子の特徴は体に白い点が並んでいることです。穴子の脂肪分はウナギの半分程度で、あっさりとした味わいが魅力です。
夏が旬の魚③かんぱち
かんぱちはブリ科の高級魚です。ブリの旬は冬ですが、天然のかんぱちの旬は夏から秋になります。かんぱちの特徴は、目の間から体の両側に黄色い線が入っていることです。この線を正面から見ると、漢字の「八」に見えることから「かんぱち」と呼ばれるようになったそうです。
夏が旬の魚④鯖(サバ)
夏が旬の鯖は、脂がのって非常に美味しい青魚です。この時期の鯖は、涼しげな料理とよく合います。新鮮な鯖は、目が大きく黒々しています。脂がのっているものは、身がピンと張っていて、全体的にがっちりしています。
鯖は鮮度落ちが早いため注意が必要です。特に夏場は寄生虫(アニキサス)が心配ですが、冷凍すれば死滅します。加熱しない場合は、一度冷凍してから食べることをおすすめします。
夏が旬の魚⑤鯵(アジ)
一年中食べることができる鯵は、実は5月から7月が旬の魚です。栄養バランスが良く、脂がのって美味しい鯵は、和食にも洋食にも合う万能な魚です。小骨が多いのがちょっと難点ですが、食べ方さえ覚えれば、どなたでもキレイに食べることができるでしょう。
夏が旬の魚⑥鱚(キス)
鱚も夏が旬の魚です。最も美味しい時期は、産卵を控えた5月から7月です。上品な軽い味の白身の魚なので、何尾でも食べられるのも特徴です。鱚は砂地の海底に生息しているので、夏の日光浴ついでに釣ることもできます。
夏が旬の魚のおすすめの料理・食べ方
夏が旬の魚は、いろんな料理にも合いますし、食べ方も選びません。刺身から焼き物、煮つけなど、いろいろとアレンジもできるのも嬉しいところです。ここでは、夏が旬の魚のおすすめ料理と食べ方について紹介します。
鮎の美味しい食べ方
鮎はきれいな川にだけ棲みつき、石につく藻を食べて育ちます。あっさりと淡泊な味で、スイカのような香りがするのも特徴です。夏が旬ですが、春から初夏の香りが強い若鮎や、秋の子持ち鮎を好む方も多いです。ここでは、たくさんある鮎の食べ方のうち、鮎飯と塩焼きを紹介します。
①鮎飯
鮎飯に使う鮎は、脂ののったものをおすすめします。ご飯3合に対して、中くらいの大きさの鮎を3、4匹準備します。まず内臓を取り除いてから、焦がさないように鮎を焼きます。お米を研いでから、通常ご飯を炊く時の量の水を加えます。
適当な大きさのだし昆布1枚を入れて、鮎を並べてから、醤油大さじ2杯、酒大さじ3杯を加えて炊きます。炊き上がったら、鮎だけを取り出して、骨を取り除いて身をほぐします。それからご飯と混ぜ合わせて、5分から10分程度蒸らせば完成です。
②塩焼き
鮎の塩焼きは、鮎の最も基本的な食べ方といえます。料理の仕方は、まず、鮎を軽く水洗いしてぬめりを取ります。水けを拭き取った後に串を打って、全体に塩をふります。尾びれや胸びれなどには、焦げないように化粧塩をします。
焼く時には強火で、火から少し離して焼き上げます。盛りつけるために串を抜く時は、熱いうちだと上手にできます。スダチやハジカミと一緒に盛りつければ、見た目も上品になります。もちろん串のまま、熱々の鮎をかぶりつくのもおすすめです。
穴子の美味しい食べ方
穴子には、DHAやEPA、ビタミンA・D・Eなどが含まれていて、栄養満点の魚です。ウナギに負けないくらい高い栄養価を保ちながら、カロリーが低いことから、女性にも人気です。美味しい穴子料理もたくさんあり、しっかりと栄養が取れるのでおすすめです。
①天ぷら
穴子の美味しい食べ方の一つに、天ぷらがあります。大きいものよりも小ぶりのものの方が、天ぷらに適しています。さっくりと混ぜた衣をたっぷりつけて、170~180℃に熱した油で両面をこんがりと揚げます。
衣のサクサク感と穴子のふっくらとした食感は、絶妙にマッチします。好みに合わせて、塩や天つゆで食べるのもおすすめです。熱々の穴子の天ぷらにハマる人も多いようです。
②煮穴子
江戸前寿司の寿司ネタとしても人気の煮穴子も、おすすめの料理です。醤油ベースの甘辛い煮汁が、穴子の美味しさを引き立たせます。ご飯のおかずやお酒のおつまみにもぴったりです。穴子を刻んでひつまぶしにしたり、お茶漬けにしたり、さまざまな食べ方ができるのもおすすめです。
かんぱちの美味しい食べ方
夏が旬のかんぱちは、調理の方法によって、いろいろと美味しい食べ方ができる魚です。ブリの仲間なので、お刺身でも良く、焼いても煮ても美味しいため、食べ飽きることはないでしょう。ここでおすすめする料理は、かんぱちの刺身とカルパッチョです。
①刺身
かんぱちは、ブリと比べて身がしまっているため、刺身にすると味や食感が際立つ魚です。歯ごたえのある刺身が好きな方は、獲れたてをそのまま刺身にすると美味しく食べられます。しっとり柔らかい刺身を好む方には、1、2日ほど冷蔵庫に入れて熟成させることをおすすめします。
②カルパッチョ
かんぱちの刺身は大変美味しいですが、実は和風以外の味付けでも絶品です。そこでおすすめする料理は、かんぱちのカルパッチョです。薄めに切ったかんぱちと、玉ねぎなどの野菜を盛りつけて、オリーブオイルやワインビネガーをかけて食べます。
かんぱちは、ワインビネガーの酸味と相性が抜群です。カルパッチョにするとさっぱりと食べることができるため、暑い夏には、かんぱちの刺身よりもハマる方もいるかもしれません。
鯖の美味しい食べ方
夏が旬の鯖は、多彩な味付けや調理方法を楽しむことができる魚です。ただ、鮮度落ちが早いため、鯖が本来持つ旨味をなかなか堪能できないことも多いです。ここでは、鯖の美味しい食べ方として、塩焼きとシメサバについて紹介します。
①塩焼き
鯖の塩焼きは、下ごしらえの仕方によって美味しい料理になります。まず、鯖にまんべんなく塩をふって、少し時間を置きます。そして、ペーパータオルで鯖の切り身を挟み、表面についた水分をしっかり拭き取ると、美味しく焼きあがります。
下ごしらえをしっかりすることで、青魚特有の臭みが取れて、鯖が持つ本来の美味しさが引き立ちます。少し高い位置から塩をふると、全体に塩をまぶすことができます。塩ふりが苦手な方は、ぜひ試してみてみてください。
②シメサバ
早く鮮度落ちする鯖は、なかなかお刺身で食べることができません。そこで、昔の人が工夫した調理方法が「シメサバ」です。脂ののった旬の鯖を美味しく食べるため、酢でシメて、細菌の増殖を防ぐことを考え出したのです。
まず、塩でシメて水気を取った後、鯖をバットなどに入れて、ひたひたになるまで米酢を加えます。15分ほど酢につければ完成です。一度シメておくと、2、3日は美味しく食べられます。誰でも簡単にできるおすすめの料理です。
鯵の美味しい食べ方
本来の旬が夏である鯵も、料理のバリエーションがたくさんある魚です。鯵を美味しく食べるには、下ごしらえが大切です。調理する前に「ぜいご」をそぎ落としておきましょう。鯵の美味しい食べ方はたくさんあるのですが、ここでは、塩焼きとアジフライについて紹介します。
①塩焼き
塩焼きは、旬の鯵の美味しさを最も楽しめる食べ方です。焼く前にワタを取り除いておけば、臭みを抑えられます。鯵の身に切り込みを入れておくと、火が通りやすくなります。夏の暑い日には、大根おろしを添えて甘酢やゆずのしぼり汁を加えると、とてもさっぱりと食べられます。
②アジフライ
アジフライは、鯵料理の中でおすすめの食べ方です。背開きにしてフライにすると、見栄えが良く仕上がります。新鮮なうちに調理するのもおすすめですが、一晩寝かした鯵にショウガ汁をつけてから衣をつけて揚げると、違った味わいを楽しむことができます。
熱々サクサクのアジフライは、塩とスダチを合わせて食べると、大人の味になります。もちろんソースとの相性も抜群です。ご飯のおかずにもお酒のおつまみにもなるので、年齢問わず人気の料理です。
鱚の美味しい食べ方
夏が旬の鱚は淡泊な白身の魚なので、美味しい料理もたくさんあります。凝った料理にも使える魚ですが、ここでは、旬の夏に美味しく食べられるように、鱚の焼き魚とお刺身の料理方法について紹介します。
①焼き魚
鱚の本来の味を楽しむには、焼き魚にして食べるのが一番です。淡泊で上品な味なので、旬の季節である夏の暑い日にはぴったりの食べ方です。程良い焼き加減にすると身がふわっとするので、その柔らかさがたまらなくなるでしょう。
②お刺身
新鮮な旬の鱚が手に入ったら、お刺身にして食べてみてください。魚の女王とも呼ばれる鱚は、身が透き通っていて、お刺身にして食べると甘くて上品な味がします。鱚のお刺身は、旬の季節ではないとなかなか味わえない食べ方です。
夏が旬の貝もチェック
夏が旬の魚は種類が豊富ですが、夏が旬の貝もたくさんあります。ここでは、夏が旬の貝のうち「岩牡蠣」「サザエ」「シジミ」「ホタテ」「ホヤ」について、詳しく紹介します。良かったら一度食べてみてください。
岩牡蠣
天然の岩牡蠣は「夏牡蠣」とも言われ、真夏が旬の貝です。水揚げしたままの殻付きの岩牡蠣は、新鮮そのものです。一番美味しい食べ方は、生食です。レモンを絞って食べても良いですが、そのままでも十分美味しく食べることができます。
サザエ
サザエは年中水揚げされていますが、特に美味しい旬の時期は、春から初夏です。ちょうど産卵前で、味が濃厚だという説もあります。旬のサザエを美味しく食べるには、つぼ焼きや刺身がおすすめです。しっかりと下処理ができれば、コリコリとした食感を楽しむことができます。
シジミ
シジミは、夏に獲れれば「土用シジミ」、冬だと「寒シジミ」と呼ばれます。夏のシジミは、産卵を控えているため、旨味が詰まっていて絶品です。シジミと言えば、味噌汁で食べるのが王道です。しっかり砂抜きをして下処理をしてから、美味しくいただきましょう。
ホタテ
ホタテの旬は、夏と冬の2回です。夏のホタテは、貝柱が大きいのが特徴で、甘味がとても強く出ます。冬のホタテは、卵が大きくなるので、あっさりとした味になります。ホタテの旨味を味わうなら、やはりバター醤油焼きがおすすめです。熱々のホタテは、BBQには外せません。
ホヤ
夏が旬のホヤは、海のパイナップルと呼ばれています。ホヤは脊索動物に分類され、見た目のインパクトがとても大きい生き物です。食べた人にしかわからない独特な味わいがおすすめポイントです。旬の夏だからこそ味わえるので、一度ぜひ試してみてください。
今回は、夏が旬の魚や貝を紹介しましたが、他の季節が旬の食べ物もたくさんあります。以下の記事では、春が旬の食べ物も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
夏が旬の魚を美味しく食べよう!
最近は養殖の技術も発展し、一年を通してさまざまな魚を食べることができます。しかし、天然物の旬の味は格別です。今回紹介した夏が旬の魚の料理や食べ方を参考にして、夏の暑さに負けず、美味しく食べてください。