生ハムの賞味期限は?いつまで食べれるの?
生ハムは強い塩気と柔らかい食感が特徴の食肉加工食品です。ほとんどの場合パックで売られており、少ないものでは薄切りで4から5枚入り、多いもので10枚入りで販売されています。
サラダやお酒のアテ等、そのままでも美味しいですし、工夫次第で様々な料理にも付ける食材なので重宝しているという人も多いのではないのでしょうか。
しかし、生ハムはその塩分の強さ故に一回の食事で食べられる量はそう多くはありません。また味に飽きてしまい食べきるのに時間がかかってしまったり余らせて賞味期限を切らしてしまう食材でもあります。
ここでは生ハムの賞味期限とパックの未開封と開封後の違い、生ハムの保存方法や余った生ハムを使ったアレンジレシピをご紹介します。
生ハムの賞味期限
今やスーパーからコンビニでも販売されており、専門店が出来る程日本中の浸透した生ハム。そんな生ハムの一般的な賞味期限はどれくらいなのでしょうか。
生ハムの賞味期限は想像以上に長く、未開封であれば短い物で約90日、長い物で2年以上の物もあります。そんなに長持ちしないイメージがある生ハムですが意外にも未開封であればかなり賞味期限が長いのです。
それもそのはず、生ハムは元々保存食として利用されている「非加熱乾燥食品」に分類されている食品なのです。塩漬けにして脱水乾燥させることでカビ等の腐敗細菌の発生を防ぐことで賞味期限を長くしています。
本場ヨーロッパや中国雲南省等では原木の生ハムを保存する時は風通しの良い場所の吊るして常温放置していますが、日本は湿度が高く、向こうとは環境が違うので基本的にどんな形の生ハムであっても冷蔵、冷凍保存をするのが鉄則です。
生ハムは「生」というネーミングがされていることから魚の刺身と似た分類と思われて「すぐに食べてしまわないと腐ってしまう」というイメージを持たれやすいですが、生肉の類とは全く違う食品である点を覚えておきましょう。
未開封の場合
未開封の生ハムの賞味期限は、パックに記載されている賞味期限後から大体1週間以内に食べきるのが良いでしょう。なかには賞味期限後から数か月から半年は持つという意見もありますが、保存状態によって全然変わってくるので早めに食べきるのが良いです。
私達が普段食べているような生ハムはほとんどがパッケージされている状態で販売されています。真空パックされているのものはスライスパックよりもより長持ちしやすいですが、それでも賞味期限後の物を食べる場合は自己責任になります。
生ハムを美味しく食べたいのであればやはり賞味期限以内に食べるのが一番です。ですが賞味期限が1日切れたからといってすぐに捨ててしまうのももったいないです。生ハムを腐らせずに食べる一番良い方法は買う量を少なくして余らないようにすることです。
パックに入っている物ではなく、ソーセージ専門店等で売っている本格的な生ハムの場合は早めに食べてしまうのがおすすめです。
専門店では伝統的な製法で作っていて保存料等の添加物をしようしていない場合もあるのでスーパーで売っている物より足が速いことが多いです。
開封後の場合
開封後の場合は、もはや賞味期限など関係ありません。早めに食べきってしまいましょう。開封後の生ハムは、冷蔵であっても常に空気にさらされている状態なので未開封の状態よりも腐りやすいです。
パッケージに記載されている賞味期限はあくまで未開封の状態での賞味期限です。一度でも封を開けたなら2、3日の間に食べきってしまうようにしましょう。
それでも食べきれない、という場合はジップロック等の生地の暑い袋に入れて中の空気を抜いて真空状態で冷蔵保存すると長持ちします。しかし、それでも後で食べる場合はちゃんと生ハムの状態を確認してから食べるようにしましょう。
冷凍保存した場合
生ハムを冷凍保存した場合の賞味期限は約1年程です。しかしこれはきちんと冷凍保存した場合によるもので、いい加減な保存方法だと表面が乾燥して冷蔵庫臭のついた美味しくない生ハムが出来上がってしまいます。
生ハムを冷凍保存する時は、小分けにして密封することが大切です。冷凍庫での保存では冷気が直に食材に当たって「冷凍焼け」を起こしてしまうのを防ぐように保存することが大切です。
しっかりとみっちりラップをしてなるべく空気に触れないようにして生ハムを冷凍すると長持ちします。また、ラップだとほどけてしまうかもしれないので面倒、という方はジップロック等の生地の厚い袋に入れて脱気を行って保存するとかなり効果的です。
生ハムでもスライスパックになっている物、真空パックになっている物、原木のようなブロック状になっている物等形が様々です。スライスパックやブロックはパックに余分な空気があるので一度開封して中身をみっちりラップして冷凍すると良いです。
真空パック包装になっている物は未開封のまま冷凍保存するのがベストです。既にみっちりラップをしてあるような状態なので購入した形そのままで大丈夫です。
賞味期限が切れた生ハムはいつまで食べれるの?
冷蔵庫に眠ったままの生ハムを久しぶりに食べようと思っても、「食べて大丈夫かな」と思って気が引けてしまうことでしょう。ここでは「賞味期限の切れた生ハム」は賞味期限が切れてからいつまでなら食べられるのかをご紹介します。
生ハムは賞味期限が切れていてもある程度の間は美味しく食べることが出来ますが、もちろんその生ハムの種類によって期間が違ってきます。スライスパックの物は比較的足が早いのでなるべく早めに食べるか、加熱して食べるのがおすすめです。
原木やブロック状の生ハムであればスライスパックよりも比較的長持ちしやすいです。ただし、その場合は表面の悪くなった部分をそぎ落として食べるのがより安全です。
賞味期限が切れた生ハムを食べるのはあくまで自己責任になります。賞味期限が切れてからもある程度の期間は食べられるといっても、冷蔵庫内の温度や保存状態によってその期間が変わってくる点には注意しておきましょう。
未開封の場合
未開封の状態で賞味期限が切れている生ハムを食べる場合、スーパーで売っているパック詰めのスライスの物だと大体1か月程度を目安にしておくと良いでしょう。しかし、真空状態でない物であればもっと早くにダメになってしまいやすいです。
本来のブロック状や原木での生ハムであれば約半年持つと言われていますが、スーパーで売っている生ハムと原木の生ハムとでは製法が違い、スーパーで売っている物は賞味期限が切れてしまえばそこまで長持ち出来ません。
賞味期限は「美味しく食べられる期間」です。なので「賞味期限」が記載されている食品はある程度日持ちしやすい食材に記載されていることが多いですが、賞味期限が切れた後の食品を食べる場合は自己責任になる点には注意しておきましょう。
未開封の状態で賞味期限が2日くらい切れている。大丈夫だとは思うけれどちょっと食べるのが怖い、という方は生ハムを加熱して食べるのがおすすめです。
開封後の場合
開封後の場合は、記載されている賞味期限に関係なく早めに食べきるようにしましょう。賞味期限が記載されているのはあくまで「未開封の状態」に限ります。開封後の場合は記載の賞味期限はもはや関係なくなっている点には注意しておきましょう。
特にスライスされている状態の物であれば賞味期限が切れていようとも切れてなくても大体1週間以内に食べきるようにしましょう。
原木の物だと賞味期限が記載されていないことが多いです。しっかりと冷蔵保存されてさえいればかなり長持ちします。
賞味期限が切れて腐った生ハムの特徴
賞味期限が切れた生ハムであってもある程度の期間は食べることが出来ます。しかしあくまで自己責任であり、食べる場合はちゃんとその生ハムの状態を見ておくことが大切です。
そこで、ここでは賞味期限が切れて腐ってしまった、もしくはダメになってしまった生ハムには一体どんな特徴があるのかをご紹介します。生ハムが腐った時の特徴はかなり分かりやすく、見た目や臭いですぐに判別を付けることが出来ます。
また、生ハムにも腐りやすい生ハムと腐りにくい生ハムがあります。賞味期限があてに出来ない開封後の場合にはその生ハムがどんな製法で作られているのかにも注目しておくと良いでしょう。
変色している
腐っている生ハムはまず見た目が違います。腐っている生ハムはくすんだ緑色のような色に変色しているか、ひどい場合は表面にカビが発生しています。そのような状態の生ハムはまず食べられません。
賞味期限が切れて腐っていても、まだ腐り始めて時間が経っていない場合は変色が部分的に起きることが多いです。ぱっと見は大丈夫そうだけれど裏側に変色した部分があるのに気付かずに食べてしまった、ということがないようちゃんと全体を確認しておきましょう。
生ハムは非加熱食品なので腐った時の状態は生肉と同じように腐るという特徴があります。見た目が肉の色ではない色に変色している場合はまず腐っていると思って間違いありません。
酸っぱいキツイ臭いがする
賞味期限が切れて腐っている生ハムは異臭がします。ツンと鼻に突くような悪臭や腐敗臭がする場合はまず腐っていると見て間違いありません。
また、そのままの状態ではなんともなくても焼いてみたり、スライスした時にいつもと違う臭いがする場合は痛み始めている可能性が高いです。
塩分濃度が高く長期間熟成された生ハムの場合は熟成香があり、腐りにくいですが腐った場合の臭いとの判別がつきにくいです。
しかし、塩分濃度が5%以下のスーパーで販売されているようなパックの生ハムの場合は腐った時の臭いがはっきりとするので判別がしやすいです。
その他注意点
生ハムは高濃度の塩分で漬けられている食品なので、種類によっては開封後に腐る場合、乾燥してしまうことがあります。もし乾燥した状態で腐ってしまうと腐った時の発酵臭が分かりにくくなってしまい、また見た目にも分かり辛くなってしまいます。
賞味期限が切れた生ハムが乾燥してしまっている場合は特に注意しておきましょう。また、生ハムが腐っている時の他の判断材料として「表面がヌメヌメしている」という特徴があります。
買った時と触感がヌメヌメしていて、糸を引いているという場合はまず腐っていると見て間違いありません。
さすがにそんな状態の食品を食べようと思う方は少ないですが、見た目も臭いも大丈夫だけれど何故かヌメヌメして糸を引いているという場合は食べるのを控えた方が良いでしょう。
腐った生ハムを食べるとどうなる?
賞味期限が切れて腐った生ハムを間違って食べてしまうと、すぐに腹痛や嘔吐などの食中毒に見られる症状が出てきます。
そんなことにならないよう、賞味期限が切れた、もしくは開封後ある程度日数が経っている生ハムを調理する時、なにかおかしいと思ったならすぐに捨ててしまいましょう。
生ハムの賞味期限を延ばす正しい保存方法
一度開封した生ハムはすぐに食べきるのが良いと説明しましたが、それでも食べきれないという場合はどのような保存方法をすればよいのでしょうか。小分けにしたパックであればすぐに食べきれますが、お徳用等で容量の多い物だとそういう訳にもいきません。
ここでは生ハムの賞味期限を延ばす正しい保存方法をご紹介します。生ハムの保存にはいくつかのポイントがあり、それを守らないと賞味期限前であっても腐ってしまう危険性があります。
しかし正しい保存方法であれば開封後であってもある程度長持ちさせることも可能です。生ハムの種類によっても適した保存方法が違います。しっかりと分類してそれぞれに適した保存方法をとるようにしましょう。
スライスパックの保存方法
スライスパックの生ハムは真空状態のパッケージであればそのまま冷蔵保存をしておけば問題ありません。真空でないパッケージの場合でもそのまま冷蔵保存しておけばある程度もちますが、もっと長持ちさせたいのであれば一度中身を取り出して密封保存するのがおすすめです。
美味しい生ハムを望む場合でもやはり密封保存が一番劣化が遅く、いつまでも美味しいまま食べることを可能にします。密封保存をする場合は、厚めのナイロン袋やジップロックで行うことが出来ます。
方法は簡単で、袋に生ハムを入れて、たっぷりの水を入れた容器を用意します。水が入らないように袋を沈めて、生ハムが浸かりきって空気が完全に抜けたらそのまま袋を結びます。これをすることによって、真空パックの状態と同じ保存状態を作り上げることが出来ます。
水を使わない方法もあります。袋に生ハムをいれて、短めのホースをいれて袋を手で押さえます。後はホースから空気を吸って脱気させてあげれば同じような状態に出来ます。掃除機で布団の空気を抜くのと同じ要領です。
美味しい生ハムをキープするポイントは「温度」と「真空」です。冷蔵保存で低温をキープして、腐敗の原因の水分と空気を取り除くことで長い間美味しい生ハムをキープ出来ます。
長期保存なら真空して冷凍保存
冷蔵よりももっと長持ちさせたい、明日から旅行で次食べるのがだいぶ先になってしまう、というような場合は冷凍保存するのがおすすめです。実際に、地方のブランド豚や牛を使った生ハムのお取り寄せでは冷凍状態で配送されていることがほとんどです。
それくらい冷凍保存は「保存する」という目的では便利なのです。しかしただ冷凍保存するだけでは冷凍焼けや乾燥を起こして食べられなくなってしまう恐れがあります。
生ハムの冷凍は「真空パック」した状態で行うようにしましょう。もし真空でないスライスパックの場合は先ほど説明したジップロックと水の容器を使った真空での保存方法を行ってから冷凍するのがベターです。
スーパーで安くで売っている生ハムであればそこまでしなくても、となるかもしれませんが、いつもより少し奮発して買った高級な生ハムなら出来れば美味しい状態で食べたいものです。そんな時はほんの少し手間をかけて保存してあげるのが良いでしょう。
原木・塊の保存方法
原木の生ハムは伝統的な本来の生ハムの製法で作られたとても美味しい生ハムです。生ハムの原産であるヨーロッパでは、原木の生ハムを保存する時は外に吊るして保存しますが、日本でそれを真似するとただ腐ってしまうだけになります。
日本は高温多湿の国なので、基本的に生肉を外に干していても腐ってしまいます。なので日本で原木の生ハムを保存する時は基本的に冷蔵保存をするのがベターです。原木生ハムには賞味期限が記載されていないので、腐っているかどうかは見た目と臭いで判断します。
冷凍した生ハムの解凍方法
冷凍した生ハムを解凍する時は、冷凍状態のまま冷蔵庫に入れて自然解凍するのが一番美味しい状態で解凍出来ます。冬場であれば外に置いておいて解凍するのもおすすめです。
生ハムの解凍では電子レンジを使うのはNGです。生ハムは塩漬けの生肉なので電子レンジで加熱解凍すると肉に火が通ってしまいます。
賞味期限が迫った生ハムの美味しい食べ方
賞味期限が迫った未開封の生ハム、または開封後日にちが経った生ハムを食べる時はそのままよりも少しアレンジを加えた別の料理にした方が美味しいです。腐っていないとはいえ古くなって味が劣化してしまっています。
ここではそんな未開封、開封後の賞味期限が迫った生ハムを使ったアレンジレシピをご紹介します。生ハムはそのままでも加熱しても美味しいので、実はいろいろな料理に使うことが出来ます。
生ハムのユッケ風
生ハムの「生肉」という点を活かして、ユッケにアレンジするのもおすすめです。ユッケは生肉料理でも最もポピュラーで、ご飯の共にもお酒のアテにもなる万能料理です。味付けも濃いめなので賞味期限が迫った古い生ハムでもとても美味しい料理にすることが出来ます。
材料はお家にあるもの簡単な材料だけで作れます。生ハムとキュウリを焼肉のタレ、ゴマ、おろしにんにく、お酢で和えて、卵黄を上に乗っければ完成です。調理時間は料理になれていない人であっても10分もかからないことでしょう。
時間がない時にもおすすめのメニューなので手軽に簡単に作れる生ハムの味に飽きてきたという方にもぴったりです。
アボカドのクリームチーズ生ハム揚げ
賞味期限切れの生ハムをそのままで食べるのは怖いから一度火を通して食べたい、という方にはこの「アボカドのクリームチーズ生ハム揚げ」がおすすめです。アボカドとクリームチーズを生ハムで巻いて、天ぷら衣を付けて揚げるだけのお手軽メニューです。
一度火を通すので未開封でも開封後であっても腐ってさえいなければまず問題ありません。アボカドとチーズという美味しい組み合わせは子供にも女性にも人気のあるのでとてもおすすめです。
一度火を通すことによって生ハムらしい味がなくなって塩味の豚肉の味になるので生ハムの風味や味に飽きたという方にもおすすめです。
フレッシュトマトと生ハムの冷製パスタ
トマトと生ハムは元々相性の良い美味しい組み合わせです。それを更に冷製パスタにすることによって手軽に美味しいサラダパスタが出来上がります。
生ハム自体に程よい塩味があるので味付けは軽く塩胡椒をするだけで十分美味しいです。生ハムを一度加熱しておきたいという場合は生ハムを細かく刻んで炒め、トマトソースを加えてソースにしてトマトソースパスタにしてしまうのもおすすめです。
賞味期限を意識して生ハムを美味しく食べよう!
生ハムは程よい塩気と熟成された旨味、日持ちが良いのが特徴のとても美味しい食品です。しかし、その賞味期限は開封後と開封前、種類やパッケージングの方法によって千差万別です。
もし家の冷蔵庫に賞味期限が切れている生ハムがある場合、それを食べるのは事故席んということになります。賞味期限が切れた生ハムで食あたりなど起こさないためにもしっかりとした保存方法をとるようにしましょう。