手作りトートバッグの作り方が知りたい!
トートバッグは、意外に簡単に手作りすることができます。作り方も、型紙は長方形や直線ばかりなので裁縫の初心者でも簡単に手作りすることができます。
市販のトートバッグにもオシャレで素敵なデザインがたくさんありますが、作り方がわかれば自分だけのオリジナルが手作りできて、買い物やお出かけが楽しくなります。
ここでは、手作りのトートバッグの簡単な作り方のコツや材料の選び方、デザインの仕方、作り方の注意点、アレンジのアイデアなどを初心者でもわかりやすいように詳しく紹介します。ぜひ参考にしてオリジナルのトートバッグを手作りしてみてください。
トートバッグの基礎知識
トートバッグとは、キャンパス地や帆布など丈夫な布でできていて、持ち手の付いているバッグをさすのが一般的です。生地が丈夫なのでたくさんのものを入れても平気で、デザインがシンプルでオシャレなので広く多くの人に親しまれています。
トートバッグは、そもそも何の用途に使われていた袋で、いつ頃からあったものなのでしょう。なぜキャンパス地や帆布など丈夫な生地でつくらていたのかなど、トートバッグの基本的な知識をこれから説明します。
もとは氷を運ぶ道具
現在のような電気冷蔵庫がない時代に、暑い夏の季節に食品が痛まないように冷やすためには、アイス・チェストと呼ばれる木製のボックスの上段に、氷を入れて冷やしていました。
アメリカのメイン州では、その当時冬の間に湖などで凍ってできた天然の氷を、氷室などの貯氷庫で保存しておき、夏の間にはアイス・チェスト用に小さく切り出して使っていました。
実はトートバッグは、切り出した氷を運ぶ道具として開発されたのです。氷を運ぶにはすぐに溶けてしまわないように、また氷の重さに耐えられるように丈夫な厚手の生地に取っ手をつけたのがトートバッグの始まりです。つまりトートバッグは、もともとは氷を運ぶ道具だったのです。
1944年に商品化
トートバッグは、アメリカのアウトドア用品の老舗ブランド「L.L.Bean(エルエルビーン)社」が、1944年に「ポートアンド・トートバッグ」として商品化して発売したのが最初で、現在でも発売以来変わらず24オンスのキャンパス地を使って今も広く愛され続けています。
つまりトートバッグは、発売以来約76年もの間ほとんど変わらないデザインで、全世界で親しまれているバッグなのです。それは形やデザインがシンプルなのに、オシャレでどんなファッションにもマッチし、丈夫で使いやすいからではないでしょうか。
作り方がわかれば手作りも簡単
市販のトートバッグに限らず、デザインがシンプルなので作り方さえわかれば簡単に手作りできるところが、長い間人気があり愛され続ける理由です。
手作りトートバッグのメリットは、何と言っても自分の好みの色や触感の生地を選ぶことができ、自分だけのオリジナルな作り方ができることです。シンプルなデザインでも作り方やアイデアを工夫すれば、自分のファッションセンスに合う素敵なトートバッグが手作りできます。
手作りトートバッグの材料選び
トートバッグを手作するためには、材料を揃える必要があります。作り方にもよりますが最低限必要な材料は、トートバッグの元になる生地と、その生地を縫い合わせるミシンと見合う針の種類と糸、作り方や素材によっては接着芯などです。
しかし最も大切なことは、どのような感じのトートバックを作りたいかという自分のイメージです。どんなサイズを作るかにより使う生地の量が変わってきます。
トートバックに入れたいものにより生地の強度や厚みも変わります。また生地の厚みにより使う針や糸が違います。つまりどんなトートバックを作りたいかにより、材料の選び方が変わるので、事前に自分のデザインのイメージを決めておくことが大切になります。
向いている生地
トートバッグに向いている生地といえば、丈夫な厚めの生地になります。しかし手作りの場合には特に生地や作り方はこれにしなければダメという決まりはありません。
自分の好みの色や布でサイズも自由に作れるのが手作りの良さです。初心者の場合には、あまり厚手の生地を使うと縫うのが大変になるので、簡単に縫える中厚の綿素材をおすすめします。
一般的にトートーバックに向いている布には、帆布(ハンプ)、キャンパス地、デニムなどがあります。帆布は、名前の通り船の帆に使う目的で作られた丈夫な平織りの生地です。
素材は綿や亜麻(あま=リネン)で作られていて、厚みがあるため家庭用のミシンでは扱いにくい布です。購入する際には針の太さや糸を確かめることをおすすめします。
キャンパス地は、L.L.Bean社のトートバッグにも使われている生地で帆布の一種です。平織りで丈夫でしっかりしていて、絵の具がのりやすい特徴があることから絵画のキャンパスにも使用される布です。
素材は亜麻で作られていることが多く、家庭用ミシンでは力が足りず縫いにくいという欠点があります。やはり太めの針と糸を用意する必要があります。
デニムはジーンズでおなじみの生地で、厚みも色もいろいろとあるので好みのものを選ぶことができます。色落ちしやすいので2度ほど水通しをしてから使うと良いでしょう。かすれた色合いが逆に素敵な色合いを生み出します。
この他にもコットンや綿麻、麻など伸び縮みしない布で、ある程度厚みのある素材がトートバッグに向いています。また薄手の生地やニットなど伸びる素材を使う場合は、接着芯を使うと良いでしょう。接着芯をアイロンで貼ると、伸縮を防ぎ厚みを持たせて形を保つメリットがあります。
ミシン針の注意点
トートバッグに向いている生地は、厚手のものが多いのでミシン針は太めのものが適しています。わからない場合は、布を買うお店でどの針と糸を使うのがベストなのか相談することをおすすめします。
一般的に家庭用ミシンでは、11号の針を使う場合は60番の糸を使うのが普通です。極端に厚い生地でない限りは大抵は大丈夫ですが、帆布やキャンパス地など厚手の場合は16号の針を使い30番の糸を使うのがベストです。
また糸の色は生地の色に合わせるのが基本ですが、柄物などの場合は判断が難しくなります。その場合は一番目立って見える色に合わせるのが良いでしょう。
逆に生地の色に合わせずに、アクセントを糸で表すことが可能なのも手作りの面白さです。つまり、手作りは材料の選び方も作り方も自由な発想で作れるのが魅力です。
その他必要な道具や材料
トートバッグを作るのに必要な材料は、基本的に生地とミシンと、ミシン針と糸です。ミシンがない場合には手縫いになって大変ですが、それはそれなりに完成した時の達成感があります。またトートバッグにアイデア次第で、様々なアイテムが必要になります。
例えばトートバッグに、自分の好みのキャラクターをデザインしたければ、キャラクターの入ったパッチワークを貼り付けることも可能です。自信があれば自分のデザインを刺繍することも可能です。
基本的な道具や材料の他に必要なものとは、あなた自身のアイデア次第で決まります。使い古しの洋服の一部や、着物の端切れなどをトートバッグに縫い付けることも可能です。つまり発想やアイデア次第で必要な道具や材料は無限大にあるのです。
デザインの考え方
デザインとは機能性とファッション性を考慮して考えられるものです。トートバッグのデザインは丈夫で機能性に優れ、シンプルでしかもファッション性が高いと思い込んでいる方が多いのではないでしょうか。
トートバッグを手作りする作り方には、デザインという固定観念の考え方を脱皮するパワーがあります。多くの人はハウツー本やネットで作り方を知ろうとします。しかし、それは自分の中にあるクリエイティブな部分を無くす結果になります。
つまりハウツーの通りに作れば、それなりのものが作れますが、自分の好みに合うオリジナルが作れるという保証はどこにもありません。デザインの基本は自分にフィットしたものであることです。
自分の作りたいもの、自分の感性を信じることが、最も自分に適したトートバッグを作ることになるのです。デザインとは自分のためにあるものと考えてください。
手作りトートバッグの簡単な作り方
手作りのトートバッグの作り方は、丈夫でシンプルで簡単なデザインが基本ですが、自分の好みやアイデア次第で自由に作ることができるのが魅力です。基本的な簡単な作り方をマスターした後で、裏地やポケットをつけたり、着なくなった洋服などをリメイクしてトートバッグにする作り方もあります。
これから紹介する作り方をベースに自分のアイデアを加え、使う用途を考え自分に合ったオリジナルの素敵なトートバッグを手作りしてみてください。
3パーツでできる帆布トートバッグの作り方
これから紹介するのは、1枚の帆布で本体・持ち手・マチの3パーツで作る、簡単でシンプルなデザインのトートバッグの作り方です。面倒な裏地もなく裏側はすっきりとしています。縫い代もテープでくるみ、マチもたたむだけの簡単な構造ですが、帆布は丈夫な布なので仕上がりは十分本格的です。
用意する材料は、11号の帆布・90cm巾×1.1mに、2.5cm巾×0.7mの綾テープ、60番のミシン糸、巾95cm×1.0mの製図用紙と縦7cm×横30cmのアイロン定規用の厚紙です。今回は家庭用ミシンで縫いやすいように11号の帆布を使用します。帆布の色は好みで選んでください。
アイロン定規は縫い代を手早く折り返す目安にする道具なので、用意した厚紙に下の端から1cmと3cmの所に横線を書いておきます。その厚紙に生地の端を合わせアイロンをかけて折り目をつける時に使います。
作り方の最初はまず製図用紙で型紙を作ります。今回は縦30cm×横53cm×マチ15cmサイズのトートバッグを作る型紙です。型紙のサイズは縫い代等の巾を含めたサイズで切り出します。本体用に55cm×81cm、底布用に55cm×27cm、持ち手用に12cm×98cmの計3枚の型紙を作ります。
型紙を帆布に合わせ、それぞれのサイズで裁断します。持ち手用は布を重ねて裁断し2枚作ります。裁断した生地でまず持ち手の作り方から始めます。
12cm巾を半分に折りしっかりと折り目をつけます。さらに半分に折れば3cm巾の持ち手になります。長さ98cmの中心49cmのところをまち針で抑え、2〜3mmの所に端の26cmを残してステッチをかけます。反対側も同じようにかければ持ち手の完成です。
次は本体の作り方です。裁断した本体生地の表側の上端にアイロン定規をあて、3cmで折ってアイロンをかけます。3cm巾をさらに半分に山折に折り込んで3つ折りにします。3つ折りの端から2〜3mmをミシンで縫います。反対側も同じように縫えば入れ口が縫いあがります。
次に本体布の表側に、持ち手の縫い目が向かい合うように載せまち針で止めます。持ち手の端から2〜3mmのところを「コ」の字型に縫い、強度を上げるために補強ステッチをかけます。4ヶ所とも縫って持ち手をつけます。
次に底布の55cm側を2つ折りにしてしっかりアイロンをかけます。さらに端をアイロン定規の1cmに合わせアイロンをかけます。折り目を内側にして本体の真ん中に置き、まち針で止めてから端から2〜3mmのところを縫いあげれば底布がつきます。
底布がついた本体を裏返しに2つ折りにして両脇を縫います。ずれないようにまち針で止めて入れ口側から縫います。マチの部分は強度を上げるため返し縫いをします。
脇の縫い代を始末するために、用意していた綾テープを縦半分に折り両端にミシンをかけ、縫い代を切りそろえてからひっくり返します。
綾テープを脇の縫い代の端にかぶせてまち針で止めジグザグミシンで縫います。反対側の脇も同様に縫います。綾テープをつけ終わったら表に返せばトートバッグの完成です。
巾着型トートバッグの作り方
巾着(きんちゃく)は、口を紐などで絞める日本古来の小物を入れる袋です。巾着型トートバッグは、上部の入れ口を紐やリボンで絞める形なので中身がこぼれにくいというメリットがあります。
作り方は2種類あります。一つはトートバッグの上部にリボンなどを通し全体を絞る形の作り方があります。この場合はトートバッグ本体の生地が帆布のように硬い布では絞れないので、柔らかい柔軟性のある生地を使う必要があります。
もう一つの作り方は、帆布のように丈夫な生地でトートバックの表を作り、その内側に柔らかい裏地で巾着部分を縫い付ける作り方です。この場合は本体の表布より上部に巾着部分が来るように裏地の縦サイズを長くする方法と、上部に縫い付ける作り方があります。
表側は前述の3パーツの作り方を参考にしてください。上部の巾着部分の作り方は、通常の紐で絞る袋の作り方と同じなので、巾着の作り方や裏地をつける方法を参考にしてください。
裏地付きトートバッグの作り方
裏地付きトートバッグの利点は、表布の素材が帆布やキャンパス地ほど厚手の生地でなくても、裏地をつけることで丈夫になることと、色合いの変化をつけることができることです。本体の表布と同じ大きさの裏地を用意するだけで作り方の基本は同じです。
また裏地に柄物や鮮やかな色の布を使うことで、チラリと見える裏側がおしゃれになります。表布と裏地のコントラストや色のバランスを工夫すればファッション性がグーンとアップし、アクセントにもなります。ぜひいろいろと作り方を工夫してオリジナルのトートバッグを手作りしてください。
バケツ型トートバッグの作り方
バケツ型トートバッグとは、丸底でバケツのような形をしたトートバッグで、買い物などのお出かけに使ってもよし、お部屋のインテリア収納としても使えます。カラフルに色を変えて何個か個作っておけば、仕分収納にも便利でおしゃれなインテリアグッズにもなります。
自立して置けるようにするには、少し厚手の生地を使います。作り方は簡単で、台形の表布を2枚に同じサイズの裏布も2枚、円形の丸底用の布2枚と持ち手用の布を用意します。
表布2枚を合わせて脇を縫います。同様に裏布も合わせて脇を縫いますが、片側だけ7〜10cmほど縫い残して返し口を作っておきます。次に表布に丸底を縫います。裏布にも同様に丸底を縫います。そして表布には持ち手をつけます。
表布と裏袋の表どうしを裏布を外側にして縫い合わせ、返し口からひっくり返せばバケツ型のトートバッグの完成です。表布をツートンカラーや柄物にすればさらにおしゃれでカラフルになります。
リメイクトートバッグの作り方
リメイクとは使い古しの洋服や端切れなどを利用して、作り直すことです。リメイクの発想をトートバッグに応用すれば、様々なデザインの自分だけのオリジナルトートバックを作ることができます。
作り方の考え方は、古着などのどの部分をトートバックのアイテムにするかという発想力です。古着だけでなく手ぬぐいや100均グッズの中にも使えるものがたくさんあります。
巾着型の裏地にする作り方、表地にパッチワークでデザインする作り方、和服の端切れで和風テイストの作り方などがあります。
作り方はアイデア次第で無限大に広がります。子供のサイズが合わなくなった洋服を利用したりすれば、わざわざお金を出して生地を買わなくても良いので金銭的にも助かります。いろいろとリメイクトートバッグに利用できるものを探してみてください。
手作りトートバッグの作り方アイデア
手作りトートバッグの作り方アイデアは、今まで紹介したことも含めて一口に言えば無限大にあります。逆に無限大にあるといえば選択肢が広すぎて、考えにくくなってしまうかもしれません。
そこでここでは、作り方のきっかけになるように主なアイデアを絞って紹介します。それらを参考にして自分なりのオリジナルアイデアを探してみてください。
パッチワークで作る
パッチワークとは、布切れや端切れをつなぎ合わせて作る手法のことです。細くて複雑で難しそうに思えますが、作り方の基本は意外にシンプルで簡単です。
パッチワークの基本は「フォーパッチ」という4枚の正方形をつないだパターンです。正方形の型紙を作って同じ大きさに様々な布をカットします。大きさは5cm〜10cmなど好みで構いません。違う柄の布を4枚つなげるのが基本のフォーパッチです。
そのフォーパッチを何枚かつなげて、1枚の大きな生地にしてトートバッグに利用するのがパッチワークで作るトートバッグの作り方です。フォーパッチの組み合わせは自由です。組み合わせ方でいろいろな変化が出て素敵なデザインができます。
ふたを付ける
トートバッグにフタをつけるのは、中身が見えないので他人に覗かれないことと、横倒しにした時に中身が飛び出さないというメリットがあります。
フタをつける作り方には、前に紹介した巾着型や、がま口のように留め金をつける作り方、チャックを上部につける作り方、バッグのようにかぶせ蓋をつける方法など様々です。
それぞれに長所短所があります。自分の好みとスタイルや用途に合わせたアイデアで、デザインを決めることをおすすめします。トートバッグはどんなに機能が優れていても、自分が気に入らなけれ長く使えません。自分に合うことがもっとも大切です。
2Wayにする
2Wayにするとは、1つのトートバッグで2種類の使い方ができるということです。例えば入れ口の内側両側にタブを取り付けバネホックで止めてタウンバッグのような使い方と、タブを外すと両側が広がってベーシックなトートバックに早変わりするような2Way仕様があります。
このようにトートバッグを2Way仕様に手作りすれば、1つのバッグで2つの楽しみ方ができるので便利です。また裏地やポケットなどを工夫してつければおしゃれ度がさらにアップします。
バッグインバッグもお揃いで作る
バックインバッグとは、トートバッグの中を整理して取り出しやすいように内側にポケットのような収納する仕切りを作る方法と、別の小さめのバッグをインナーバッグとして入れて整理する方法です。
インナーバッグを入れるなら、トートバッグとお揃いの生地で作るとおしゃれでスマートです。バッグの中が雑然と整理されていないとだらしなく見えてしまいます。バックインバッグでトートバッグの中を整理することをおすすめします。
手作りトートバッグの作り方を覚えて試してみよう!
トートバッグは、帆布やキャンパス地などの丈夫な厚手の生地で、たくさんのものが入り買い物やお出かけにもおしゃれで便利なバッグですが、意外に簡単に手作りすることができます。
手作りすれば、魅力的なオリジナルを作ることができます。生地やサイズ・デザインも自分の好みで自由に作ることができます。これまでの記事を参考にして作り方を覚え、世界にたったひとつの、あなただけのオリジナルトートバッグを作ってみましょう。