猫にハッカ油は悪影響があるって本当?危険と言われる理由や症状をチェック!

猫にハッカ油は悪影響があるって本当?危険と言われる理由や症状をチェック!

猫にハッカ油は悪影響があるって本当でしょうか?この記事では知識として抑えておきたい、ハッカ油が猫に与える影響やその危険性、またその理由や症状を詳しく解説します。古より猫除けとして使われてきたハッカ油は、果たして「本当に猫に有害」なのかについて紹介します。

記事の目次

  1. 1.ハッカ油は猫にとって危険?悪影響の理由とは?
  2. 2.ハッカ油とは
  3. 3.猫にハッカ油が危険な理由
  4. 4.猫のハッカ油による中毒症状
  5. 5.猫に直接使わなくてもハッカ油は危険!
  6. 6.大切な猫のためにハッカ油には注意しよう!

ハッカ油は猫にとって危険?悪影響の理由とは?

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近年、ハッカ油が注目を浴びています。人々の健康志向が進んでいることもあり、アロマオイルやエッセンシャルオイルに含まれるものも含め、虫除けなど、様々な用途で使われることが多くなってきました。

天然成分を謳っていることもあって、主に子供さんのいる家庭などでの使用頻度が高まっているようです。最近はコロナウイルスの流行で余計に売上が急上昇しているという話もあるようです。

さて、そんなハッカ油が猫にとっては危険で、悪影響があるという話があります。ここではその危険性と共に、ハッカ油が猫に悪影響を及ぼす理由も併せてご説明していきます。ぜひ、覚えてあなたの愛猫の健康を守ってあげてください。

ハッカ油とは

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まず、本題に入る前に、ハッカ油というものが何かを知っておく必要があります。ハッカ油というくらいなので、ハッカが原料の油なんだろうな、程度の想像は付きますが、なかなか詳しく説明しろと言われたら、ちょっとなかなか難しいと思われます。

ましてや、それが猫に危険だと言われても、悪戯に不安感が増すばかりでどうしていいか、わからなくなることでしょう。「敵を知り己を知れば百戦危うからず」、という通り、まずはご自身と愛猫がこれから対峙する相手について学んでいきましょう。

すべてはそれからです。相手の危険性について的確に認識し、充分な情報と知識を蓄えることで、あなたの愛猫が危険に晒されるリスクはぐっと低くなります。大切な家族のために出来ることはしてあげましょう。

ハッカの成分を蒸留抽出して作られた精油

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ハッカ油とは、二ホンハッカ、西洋ハッカ、東洋ハッカなどといった全世界で栽培されている100種類以上のミント類からハッカの成分を蒸留し、抽出して作られた精油のことで大抵、小瓶などに入れて売られています。

主なものにペパーミントやスペアミントがあります。また、アロマオイルとしてだけではなく、食品の香料などの様々な使われ方をしています。ハッカの成分を、一気に凝縮している極めて濃度の高いものです。

いろいろ活用できる万能オイル

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ハッカ油は天然由来で人体に優しく、万能という言われ方をしています。その用途は香りを楽しむアロマオイルとしての使い方のほか、除菌や消臭の効果や制汗効果、掃除や化粧水にも、また口臭予防のマウスウォッシュや虫除けなど多岐に渡ります。

冒頭に述べたように近年の健康志向の高まりから、子供さんのいる家庭では、市販の虫除けスプレーを使いたくないとの理由で、ハッカ油を虫除けとして使われることが多くなっているようです。

また、独特のスースーする清涼感から、夏場に重宝されることも多く、水に精油を入れたハッカ水でスプレーを作り、ハッカ水スプレーを家に常備している家庭もあるようです。このようにハッカ油は極めて用途が広く、極めて有用な精油と言えます。

猫除け対策として使われることも

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ハッカ油は猫除けの用途で使われることがあります。猫除けは本来の用途ではありませんし、道徳的にも褒められたものではありませんが、そのようにハッカ油を使っている人も少なからず存在しているのです。

猫除けにハッカ油特有のスースーする匂いを猫が嫌うことを利用できると、猫が近づいて欲しくない場所にハッカ油を散布したり、酷い場合は野良猫やほかの家の猫に対して直接、身体にハッカ水のスプレーを吹きかけたりする人もいるようです。

動物の命も人間と同じくかけがえのない命です。未だにハッカ油の猫に対する害は深く認知されておらず、猫除けと称したこのような悲劇が無くならないのが現状です。皆さんは可愛い猫たちに、決してそんなことはしないようにしましょう。

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猫にハッカ油が危険な理由

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では、なぜハッカ油は猫の身体に悪影響を及ぼすのでしょうか。その理由をご説明していきましょう。その理由は猫の身体の仕組みにあります。いかにハッカ油が猫にとって危険なのか、お分かり頂けるときっとその恐ろしさに驚愕するかもしれません。

以下にその理由を列記しましたが、ハッカ油は猫の身体にとってまさに猛毒であり、悪影響どころか命に危険をもたらす存在です。そのことをよく理解して、ハッカ油の取り扱いには慎重の上にも慎重を期すようにしてください。

精油の成分とは

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精油の成分は、植物性脂溶性化学物質といわれるもので、これが体内に入り、分解されない状態が続くと、毒に変わってしまうという恐ろしい物質なのです。植物性脂溶性化学物質が含まれた精油全般が、猫にとっては悪影響を与える有害な物質と言えます。

猫の肝臓は精油の成分を解毒できない

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「植物性脂溶性化学物質」が、猫に有害な理由は、猫の身体の仕組みと関係があります。人間や犬の場合は、この物質を分解するための「グルクロン酸転移酵素」がその肝臓に含まれているので、その影響を受けないのです。

そして、猫の肝臓は、この「グルクロン酸転移酵素」を充分に作れません。よって、身体の中で毒素は分解されずに溜め込まれ、肝機能に強い影響を及ぼす、という仕組みになっています。

猫は元から完全に肉食の動物なので、遥か太古の時代より、植物を身体に取り入れる必要性がなかったために、精油の成分を分解するシステムが出来なかったものと考えられています。

ハッカ油以外の濃縮された精油もNG

Photo bywilkernet

結論から言って、ハッカ油だけでなく全ての精油が猫にとって有害であり、猫の身体に深刻な悪影響を与えます。ですので、とにかく猫を飼っているご家庭では、ハッカ油を含めた精油全般の使用を禁止する必要があるのです。

ハッカ油も含め、精油はとても有用で便利なものなので残念ではありますが、愛する飼い猫はあなたの家族です。彼らの命が何より大切ですから仕方ありません。精油による中毒症状には、愛猫の命を奪うものもあり、とても危険です。

猫のハッカ油による中毒症状

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さて、ここでは、ハッカ油により引き起こされる猫の中毒症状には、どんなものがあるかを見ていきます。中毒症状と一口に言っても、時と場合によって、軽いものから重篤な状態に陥るものまで、実に様々なものがあります。

中でも愛猫が深刻な状態になるものはよく覚えておきましょう。頭の片隅にでも入れておくのと入れておかないのでは、いざという時に取れる対応に、大きな差が出てきます。たかがハッカ油と思っていると、大変なことになるので注意しましょう。

下痢・嘔吐・発熱・手足の震えなど

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ハッカ油の中毒症状の主なものとして、次のようなものが挙げられます。下痢、嘔吐、発熱、手足の震え、めまい、よだれ、失禁、食欲の減退・不振、運動機能の失調、皮膚の赤み・腫れ、口腔内の炎症、などです。

精油による中毒症状は非常に多岐に渡り、その度合いも様々ということです。あなたの愛猫にハッカ油の中毒症状が見られたら、すぐに動物病院を受診してください。獣医師の適切な処置如何によっては、普通は2~3日で回復します。

この場合の適切な処置とは、皮膚の洗浄、点滴や下剤の投与などです。知らずに精油を使用していた時は症状の発現如何に関わらず、動物病院を受診し、精油の使用について獣医師に伝え、副作用症状の有無の確認などと共に色々相談してみてください。

体内に蓄積されて後から症状が出る場合も

Photo byDimhou

ハッカ油などの精油の毒素の恐ろしいところは、体内に蓄積されるというその特異な性質にあります。これによって何年もかかって肝臓に毒素が溜まり、かなり後になって、重篤な肝不全の状態に陥るということも考えられます。

猫は人間と違い、言葉で身体の不調を訴えることはできません。傍目には非常に元気そうに見えたり、非常に活発な様子を見せたりすることもありますので、日頃から愛猫をよく観察し、健康状態を常に気に掛けることが大切です。

目に見える症状の有無だけでなく、とても色々なことに気を配り、神経を使ってあげないといけません。それは飼い主の負担の問題になって来るのですが、ある意味、動物を飼うに当たっては至極当然のことと言えます。猫も大切な家族の一員です。

猫に直接使わなくてもハッカ油は危険!

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「猫に直接ハッカ油をかけたりしなければ大丈夫」とか、「猫から離れた所で使えば大丈夫」などと言う人がいるようですが、これらは何れも大きな誤りです。はっきり言って、例え一滴の精油であっても、その使用は猫にとって命取りになります。

直接、猫に使わなくても、例えば幼稚園で保護者に連絡もなく虫除けの目的で園児にハッカ油のスプレーを用いたところ、その園児の家で飼っていた猫が、中毒症状を起こしてしまった、などというのはよく聞くかもしれません。

ハッカ油は、天然由来だからとにかく身体にいい、というのはある意味幻想です。天然由来と言うと無害な感じがするかもしれませんが、全てのケースで、それが当てはまる訳ではないということを、解っておかなければなりません。

ハッカ油の蒸気が猫には猛毒

フリー写真素材ぱくたそ

端的に言って、猫が舐めたり触れたりしなくても、ハッカ油が気化したその蒸気が猫にとっては猛毒になってしまうということです。ハッカ油がその効果を発現するのは、その香りによってです。ハッカ油が体内に侵入する経路に秘密があります。

ハッカ油などの精油が体内に入る経路は、鼻からの場合と皮膚からの場合です。気化した精油が鼻から嗅覚神経を通じて脳に、そして血液の流れに乗り中枢神経へ達するときと、皮膚の表面から浸透した精油が血液の流れに乗り全身へ拡散されるときです。

猫の身体に重大なダメージとなり得るのは、皮膚から侵入するケースです。猫の皮膚は人間のそれよりかなり薄いため、皮膚の表面から急激に吸収され、血液に容易に侵入してしまいます。もちろん鼻からの場合も深刻な害を及ぼします。

大切な猫のためにハッカ油には注意しよう!

Photo bycocoparisienne

大切な愛猫が、命の危険にさらされる「ハッカ油」の危険性について、理解してもらえたのではないでしょうか。最近、ハッカ油が天然由来ということで人気ですが、それを正しく使っても猫に深刻な悪影響を及ぼし、猫除けとして使える程のものだったと驚く人も多いでしょう。

猫除けに使えば、一時的に追い払うどころか、死に至らしめることになってしまいます。それだけハッカ油などの精油が、劇物であるということです。使いようによっては、人間にも害を与えるものなので、身体の小さな猫にとってはまさに猛毒なのです。

ですから、便利で使い勝手の良いハッカ油も、猫のいる家庭においては、日常生活でも使えないということになります。従って、精油類は完全に使用を中止してください。あなたの愛猫のためにも、そして充実した、猫のいる暮らしを守りましょう。

福田有人
ライター

福田有人

福田有人と申します。 大学在学中に文学部国文学科で日本語の詳細まで学びました。 読みやすく分かりやすい記事を書くことを目標にしています。

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