段取り力とは
段取り力とはなんでしょうか、普段の会話などで「あの人は段取りがいい」というように使われます。物事の手順や準備が理路整然としていて、よどみなく滞り(とどこおり)なく効率的に物事が進められる様子を表現しています。そのような人はどのような方法で段取り力を備えているのかをまとめてみました。
段取り力のある人は目に見える能力的なことだけでなく人間的な魅力も感じます、仕事だけでなく日常の家事でもそうですが、万事においてほれぼれするような手際で仕事や家事をこなしていきます。
また、困難な問題にもうろたえることがなく、いつもとかわらず飄々(ひょうひょう)対処していく段取り力のある人を私たちは心強いと感じます、頼りになると全幅の信頼を寄せます、そのような人に魅力を感じない人はいないでしょう。
物事を始める前の準備する力
段取りの段は階段の段です。段取り力の段取りとは、段を取っていくと表現されています。もう少しわかりやすくいうと段階を取っていく、さらにわかりやすくいうと段階を踏んでいくとか、段階をとらえていく力だと考えてみてください。
物事の完成にはいろいろな段階があります、複雑なことでも手順などを時系列で細分化したりして、それぞれの段階で目的やその実現方法などを整理していくことができれば、その物事の完成も見えてきます。
段取り力は物事の全体像を見渡し効率よく完成させるために、仕事や家事などの物事を始める前にしっかり準備ができる能力と言えるでしょう。
段取り力のある人の特徴
段取り力のある人の特徴はどのようなものでしょうか、こちらでは段取り力のある人の特徴を見ていきます。段取り力をさらに高めるたい、段取り力を身につけたいと考えて、効率よく能力を向上させていくためにもまずは段取り力のある人の特徴からそのポイントを探ってみましょう。
①情報に敏感
人が自分ができることには限界があります、段取り力のある人はそのことを良く理解しています。そこで、段取り力のある人はいろいろな情報に敏感です、様々な情報は自分の能力を向上させるヒントを含んでいます、情報を集め自分の限界を超えることについても解決策を発見できるように、段取り力がある人はとても情報に敏感です。
②目配り・気配り・心配りができる
段取り力の高い人の特徴として目配り・気配り・心配りができるということがあげられます。ある物事の完成という目的を達成するためには自分だけの力では限界があります、多くの人の助けがなくてはできないことも少なくありません、そこで欠かせないのは気配りができるなどの人を思いやる能力の高さです。
段取り力の高い人は心配りができるので、その優しさで人の心をとらえて多くの人が彼や彼女を助けたいと考えます、結果としてその目的とする仕事なども効率よく達成できます。
気配りができる、優しく思いやりがあるというその人の人格が無条件に人々を動かすことができるのです、そんな人間的な魅力があることも段取り力のある人の特徴です。
③柔軟な思考をもつ
段取り力の高い人の特徴として、柔軟な思考力があります。段取り力が高い人が困難な課題にも効率よく対処し目的を達成するのは、常識にとらわれない柔軟な思考力があり、だれもが思いつくことができないようなあっと驚く解決方法を提示できるからです。
人は思い込みにとらわれ自分自身の可能性を狭めている部分があります。何か困難があったときにそのできないことに集中するあまりその問題にとらわれてしまいます。
しかし、段取り力があって柔軟な思考ができる人はできないことではなく自分ができることに着目したり、客観的な視点に立って少し違った視点で問題を見ることで解決策を見つけることができます。
段取り力・仕事の効率を高める方法11選
ここまで段取り力のある人の特徴などを見てきました、段取り力を身につけたり高めていくことで仕事や家事を効率的にできるようになりたいと思う方のために、段取り力を高めるための11のポイントを以下に紹介します。段取り力がある人がどのように11のポイントを活用しているかを見ることで私たちの段取り力を高めていきましょう。
①仕事前に準備
段取り力を高めるために必要なことは、仕事前に準備をするということです、仕事でも家事でもそうですがしっかりとした準備ができおらず、仕事でも家事でもそうですが、「あれは持ってきたっけ?」というような状態ではその目的の達成はできません。
「段取り八分の仕事二分」という言葉があります、目的の達成における準備の大切をあらわす言葉です、目的を達成する方法のうちほとんどは準備にかかっているということです、準備がしっかりできていたら仕事の10のうち8は終わっているとも言えます、それほど準備というものは大切なものです。
②仕事の目的を把握
仕事の目的を把握することはとても大切です。そのゴールを意識すること、求められる結果をしっかり確認しておくことは大切です。そこに自分の好みなど自分がしたいことを意識しすぎて、自己満足に陥り求められているものと違うところをゴールと間違えてしまうということはありがちです。
正しいゴールである目的の確認は見落としがちな点ですので、段取り力を高めるためには注意したいポイントです。
③優先順位をつける
段取り力のある人は目的達成のための優先順位の設定が的確です。目的の達成の過程では様々な出来事が生じます。思っていたとおりに物事が進まない、限られた人員や資源でどうしても同時に作業が進行できないというような状況では、どちらを先に進めるのかという優先順位の決定が迫られます。
優先順位の決定にあたってはその課題について、1重要度が高い、2重要度が低い、3緊急性がある、4緊急性がない、という視点を持って判断することがおすすめです。そうすることで、たとえば1であり3があるものが最優先されるという決断が素早くできます。
④時間を区切って計画を立てる
時間はすべての人に等しく与えられています、その時間をいかにうまく使うかを段取り力がある人は実践しています。目的の達成のためにはいつまでに何を完成させるかという期限を定めることが必須です。段取り力は物事を始める前に準備をする力です。
目的を達成するためにしっかりと準備をしていればAをして次にBをしてCが完成するという段取りがあるのであればAはBの開始までに完成していなくてはいけないという期限はおのずと決まってきます。
⑤メモを取っておく
人は大事なことでも忘れてしまうことがあります。これは人間であれば仕方がないことです、ですのでそのようなことがないように大切なことはメモを取る習慣をつけてください。これはグループで仕事をするような場合でもそうです、あなたが忘れるように人も忘れます、そこで抜けが生じると目的の達成が困難になります。
段取り力のある人は、それを防ぐためにミーティングをして各人にメモを取る機会を設けさせるなど、方法は様々ですが自身も含めてメモを取るということを実践しています。
⑥シミュレーションをする
段取り力を高めるためにはシミュレーションをする能力は欠かせません。現実ではないのですが頭の中で起こりうる事態をあらかじめ予想しておくことで、現実に不測の事態が生じても慌てず対応できます。人は想定していない状況に直面するとうろたえてしまいすぐに対応できません。
ですので、逆に「~かもしれない」という起こりうる可能性を事前に見つけ出しあらかじめ対処方法を考えておくことは必須です。
その準備がしっかりできていて想定された質問によどみなく答えることができれば、場の空気が変わりますあなたが信頼を勝ち取とることができる瞬間です。そのような機会を積み重ねるためにシミュレーションは有効な方法です。
⑦柔軟性を持つ
段取り力のある人の特徴でもまとめましたが、段取り力を高めるために柔軟性を持つことは大切です。世の中の出来事は自分の思いどおりにならないことが多いです。自身の査定や天気が悪いと気分が悪いこともあるでしょう、しかし今日の天気や自身の給料の査定などといったようなものは、自分がコントロールできるものではありません。
段取り力がある人は柔軟な思考を持っていますので、自分がコントロールできるものとできないものを切り分けて問題に対処します、雨には雨の楽しみを見つけ、自分の仕事に集中して成果を上げ評価を変えていきます。
柔軟に物事をとらえ対処していくという方法を見つける柔軟性は段取り力を高めるために重要な要素です。
⑧先を見て行動
段取り力は物事を始める前に準備をする能力だと冒頭に説明しました。準備をするためには先を見て行動する能力が欠かせません。先を見るために必要な能力はこれまで見てきたシミュレーションをする能力であったり柔軟性が必要です、こちらでまとめている段取り力を高める11の方法はそれぞれが相互に関連している部分も多いです。
同様に、情報に敏感であるとか、周囲に目配りや気配りができるといった段取り力のある人の特徴は先を見て行動をするうえでも大切な資質でこちらも相互に関係しています。
何かが起きた時に慌てないためにも先を見て行動することで、問題の芽をあらかじめ摘んでおくことで問題を生じさせないことにもつながります。
⑨今やらなくてもよい事はすぐに止める
優先順位をつけるところで、1重要度が高い、2重要度が低い、3緊急性がある、4緊急性がない、という観点を持つということを説明しました。ここで私たちが陥りやすい罠があります、それは3と2の組み合わせに私たちは多くの時間を費やしてるということです。
典型的なのは電話です、電話が鳴っているのに無視ができる人は少なくありません、取ってみたら重要ではない問い合わせであったり、何かの勧誘の電話であったりということもあります。
人が訪ねてくるのもそうです、実際に自分のところに来ているので無視はできないので対処せざるを得ず、鳴っている電話のように緊急性は高いのですが重要でないものも少なくありません。仕事の集中タイムを設定してその時間は来客や電話を取り次がないなど方法を考えてみてもよいでしょう。
⑩簡単な事から処理
優先順位をつける重要性はすでに説明をしました、実際に優先順位をつけるときには重要度の高いものから進めるのが基本です。しかし、柔軟性も段取り力を高めるために必要な方法でした、重要だからとそれにとらわれてしまうのでは柔軟性があるとは言えません。
そこで逆に簡単なことから処理をするという考え方も持ってください。戦争における戦い方の考え方で5対5の艦隊戦で、まず一番強い敵ではなく一番弱い敵に集中攻撃をして撃破をするという考え方があります。曰く、強い敵はなかなか倒せないのでそれを先に狙うとその間に一番弱い敵も含め5方面から攻撃を受ける。
一方、一番弱い敵はすぐに撃破できるので早々に脅威は4方面減少できる、と考えます。簡単なことから処理をするということは、私たちに見落としがちな気付きを与えてくれます。
⑪失敗は段取り力を高めるチャンス
失敗は経験です、失敗から何も学ばないことが問題なのです。謝りて改めざることを過ちという、という言葉があります、誤りを認めないことがさらに大きな誤りなのです。人ですから間違うことはないとは言えません、その間違いを犯したときにそこから学びどのように対処するかが重要です。
段取り力がある人はそれを理解しているので、目的の達成の過程でなにかの間違いや失敗が生じることは常に織り込み済みです、ですので、問題が起きた時にはすぐに解決を検討することができます。
段取り力・家事でも活かせる
段取り力というとどうしても仕事などと結びついてしまい、仕事の視点からの説明が多くなってしまいますが、仕事以外の日常生活でも段取り力は活かせます。たとえば、料理や掃除をするときでも料理の手順を確認しておくことで不足している材料はないか、椅子をテーブルの上にあげておく、といった段取りをしておくことが家事の効率を上げてくれます。
上手な段取りで時間を作る
段取り力を使って上手に効率よく家事をすることで時間に余裕が生まれます。生み出された時間はあなたに余裕を与えてくれます、その時間を趣味や余暇としてリフレッシュすることで、さらに家事の効率が上がりますし、なによりあなたが醸し出す余裕が周りの人にも安心感を与えますので、それを見てあなた自身もさらに幸せな気持ちになれます。
段取り力は先を考えて行動すること
段取り力についてのまとめです。冒頭でも示しましたが、段取り力は物事を始める前の準備をする能力です、それは裏を返せばこちらのまとめのタイトルである、先を考えて行動することでもあります。卵が先かニワトリが先かではないですが、お互いは表裏一体の関係にあります。
段取り力を身につけて前へ進む
それをすれば自分自身を変えていけるのに始めることができない。私たちは不安があるのでその一歩が踏み出せません、その一歩を踏み出すためには不安がなくなればよいのです。そのためには先を考え見とおすことができれば不安も減少して一歩を踏み出すこともできるようになります。段取り力を高めることは自身の状況を変える力になるでしょう。