住宅ローン金利の計算方法!計算式やエクセルのやり方で月々の返済額をチェック

住宅ローン金利の計算方法!計算式やエクセルのやり方で月々の返済額をチェック

住宅の購入は人生最大の買い物です。住宅ローンを借りる際に自己資金と年収、金利や返済額などを事前に計算して無理のない計画を立てることが大切です。これから住宅ローンの金利や返済額の計算方法を紹介します。エクセルを使った計算方法も解説するので参考にして下さい。

記事の目次

  1. 1.住宅ローンを借りる前の確認事項
  2. 2.住宅ローン金利の計算方法は二つ
  3. 3.住宅ローン金利の計算方法・ボーナスありの場合
  4. 4.住宅ローンの毎月の返済額の計算方法
  5. 5.住宅ローンの返済額の早見表
  6. 6.住宅ローンをエクセルで計算する方法
  7. 7.エクセルで住宅ローン返済表を作ろう
  8. 8.低金利な住宅ローン
  9. 9.住宅ローン金利は計算式で算出しよう!

住宅ローンを借りる前の確認事項

住宅ローン
Photo byMerio

気に入った不動産物件があっても、それをキャッシュで買える人はほとんどいません。今まで蓄えた貯蓄や年収を計算して、足りない分を住宅ローンでと考えるのが通常の方法です。

住宅ローンを借りるといっても銀行がいくら貸してくれるか、金利がどれほどかかるかが分からなければ計画が立てられません。

住宅ローンを申込む前に、頭金としてどれだけの資金を用意できるのか、自分の年収に照らして月々どのくらいの返済が可能なのかを事前に計算して初めて購入物件の予算が見えてきます。

つまり購入したい物件ありきではなく、購入可能な金額を計算してから予算に見合う物件を探すのがベストです。では住宅ローンを借りる前に確認する事項と、不動産購入予算の計算方法を紹介します。

返済負担率を把握する

負担率
Photo bystevepb

住宅ローンを借りる前に確認する事項の1つに「返済負担率」があります。返済負担率とは、1年間に返済する額が年収に対して何%の割合をしめるかを計算したものです。

計算式で表すと「年間返済額」÷「年収」×100になります。銀行や金融機関が住宅ローンの審査をする際、この返済負担率35%を基準にしている場合がほとんどです。つまり返済負担率35%以内に収まることが住宅ローン審査を通る目安になります。

例えば、年収500万円の人が借入希望額3,500万円金利1.5%の場合の年間返済額(元利均等返済の場合)は約128万円になります。返済負担率は128万円÷500万円×100=25.6%という計算になり審査基準を満たしています。

返済能力
Photo bygeralt

しかし金融機関によっては住宅ローン審査の際に「審査金利(3〜4%)」という実際より高めの金利を設定して計算する場合があります。これは金利が上がっても返済能力があるかを確かめるためです。

前述の例に審査金利4%を当てはめて計算すると年間返済額190万円÷500万円×100=38%となり審査基準を超えてしまいます。自分の返済負担率を把握する時には、実際の金利より高めの金利で計算することが必要です。

金融機関には借入希望額に対する月々の返済額一覧表が用意されているので、参考にして住宅ローンを申込む前に返済負担率を計算しておくことをおすすめします。また住宅ローン以外に、自動車ローンなどの返済が残っている場合は、合算で返済負担率を計算する必要があるので注意しましょう。

月々の返済できる金額を計算する

計算
Photo by3D_Maennchen

住宅ローンを借りる前に確認する事項に、月々の返済できる金額を計算しておくことがあります。つまり家計の中でローン返済にどのくらいお金を回せるかを計算することです。

住宅ローンの最長返済期間は35年が通常です。返済期間を短くすれば金利負担や利息総額はそれなりに減りますが、月々の返済額は増えてしまいます。月々の返済できる金額を計算しておかなければ、返済期間を決めることが出来ません。

進学
Photo bykreatikar

各家庭の収支状況は年収だけではなく、子供の数や教育費など生活環境によって様々に違いがあります。現在の年収で借りられる最大金額で住宅ローンを組んでしまうと、あとあと返済に苦しんでしまうことがあります。

子供の成長に合せて増える教育費や大学進学や結婚などに備えるため貯蓄するお金、月々の食費などの生活費、趣味などの遊興費などを考え、収入の中からどれだけ住宅ローンの返済に回せるかを計算することが大切です。

借入可能額を計算する

計算式
Photo bycuncon

住宅ローンの借入可能額を簡易的に計算する方法は、次の3段階の計算式に数字を当てはめることで求めることが出来ます。あくまで簡易的な方法なので借入可能額の目安と考えて下さい。

まず第1段階として年収×返済負担率で「年間の返済可能額」を計算します。返済負担率は銀行の審査基準の最高値は35%ですが無理のない返済を考慮すると20%が理想です。

分かりやすくするために年収500万円、返済負担率20%、審査適用金利4.0%で計算してみましょう。「年間の返済可能額」=年収500万円×返済負担率20%=100万円となります。

次に月々の返済可能額を計算します。計算式は年間の返済可能額100万円÷12ヶ月=83,333円が「月々の返済可能額」になります。この金額83,333円が前に計算した自分の「月々の返済できる金額」以内であれば問題ありませんが、超えていたら修正して下さい。

金額
Photo byPublicDomainPictures

そして第3段階の計算式で「借入可能額」を計算します。「借入可能額」=月々の返済可能額83,333円÷100万円あたりの毎月返済額4,427円×100万円=約1,882万円となります。(毎月返済額4,427円は返済早見表で審査適用金利4%返済期間35年の数値を参照)

つまり年収500万円の人の無理のない住宅ローン借入可能額は約1,882万円が目安になります。もちろん返済負担率20%は安全圏の数字なので、支出を切り詰めるなどの努力をして返済負担率25%〜35%で計算すれば、借入可能額を上げることが出来ますが、審査に通るかどうかは別です。

住宅ローン金利の計算方法は二つ

同額
Photo byprotowink

住宅ローンを借りた場合、どのくらいの利息を銀行に支払うのかは非常に気になるところです。住宅ローンの返済方法には「元利均等返済」と「元金均等返済」の2通りあり、金利負担(利息)の計算方法もそれぞれで違います。

住宅ローンで一般的によく利用されるのが「元利均等返済」で、月々の返済額を一定にして返済する方法です。月々の返済金額が決まっているので、毎月のやり繰りを付けやすいのがメリットです。

しかし返済額の元金と利息の内訳の比率が最初の内は利息の方が大きいので、なかなか元金が減らず銀行に支払う金利負担(利息)の総額が多くなるのがデメリットです。

down
Photo by Counse

「元金均等返済」は毎月同額の元金を返済する方法で、月々の利息額は借入元金残高×金利で計算するので、毎月の金利負担は次第に減っていきます。

銀行に支払う利息の総額は「元利均等返済」より少なくて済むのがメリットですが、最初のうちの金利負担が大きくなるのがデメリットです。つまり最初はきつくても将来の金利負担が軽くなるのを望む方に向いている返済方法です。

住宅ローンの金利負担(利息)の計算方法は少々面倒ですが、繰り上げ返済や借換を検討する時に役に立つので覚えておいて損はありません。それでは住宅ローン利息の具体的な計算方法を紹介します。

元利均等返済と計算方法

一般的
Photo byOpenClipart-Vectors

住宅ローンの元利均等返済とは、月々の返済額を一定にして返す方法で利用する方が多いポピュラーな方式です。

元利均等返済の金利負担(利息)の計算方法や計算式を具体例で、借入金額2,000万円を金利1.5%で期間20年(240回)で返済するケースを説明します。

金利1.5%とは年間の金利なので、まず年利1.5%÷12ヶ月=0.125%で月利(1ヶ月の金利)を計算します。次に(A)=月利0.125×(1+月利0.125)返済回数240乗の計算式で(A)の値を計算します。

そして(B)=(1+月利0.125)返済回数240乗ー1の計算式で(B)の値を出します。(A)÷(B)×借入金額2,000万円=96,509円が毎月の返済金額になります。

電卓
Photo bystevepb

96,509円×240(返済回数)=23,162,160円が利息を含めた総返済金額になり、借入元金の2,000万円を差引いた金額3,162,160円が20年間に支払う金利負担(利息)の総額です。

しかし電卓で240乗を計算するのは至難の業です。ネットで検索するとシュミレーションツールやアプリがあるので利用すると良いでしょう。また後の章で紹介しますが、エクセルでPMT関数などを使うと簡単に計算することが出来ます。
 

元金均等返済と計算方法

金利
Photo bystevepb

元金均等返済とは、月々の返済額のうち元金に充当する部分を一定にして返済する方法です、この場合の計算式は、元利金等返済ほど複雑な計算ではありませんがやはり根気のいる作業です。

前述の「元利均等返済」と同じ例で比較計算をしてみましょう。毎月の元金充当金額の計算はシンプルで、借入額2,000万円÷返済回数240=83,333円(小数点以下省略)となります。

初回の利息額は、2,000万円×月利0.125%(年利1.5%÷12)の計算式で25,000円となり、初回の返済額は83,333円(元金充当額)+25,000円(利息)=108,333円となります。

利息
Photo bystevepb

2回目の利息は元金が83,333円減っている訳なので、(2,000万円ー83,333円)×月利0.125%=約24,896となります。利息の計算は返済が進むにつれ借入残高が減っていくので、借入残高×月利0.125%で計算します。

例えば1年後12回目の借入残高の計算方法は、前回までに元金83,333円を11回返しているので、借入残高=2,000万円ー(83,333円×11)という計算式で求められます。利息は借入残高×月利0.125%なので23,854円になります。

つまり○○回目の利息を求めるには、まず2,000万円ー83,333円×(○○−1)の計算式で借入残高を計算し、借入残高×月利0.125%で求めることが出来ます。

比較
Photo byOpenClipart-Vectors

この方法で計算すると、中間の120回目(10年後)の利息は12,604円で初回のほぼ半分になり、元金と合せた返済額も95,934円となり「元利均等返済」の96,509円より返済金額が少なくなります。

120回以降は利息、返済額ともに減っていき最終回の240回目には利息が104円返済額が83,517円になります。また金利負担(利息)の総支払額は3,012,512円で元利均等返済に比べ149,648円少なくなります。

「元金均等返済」と「元利均等返済」を月々の返済額で比べると、前半では返済額が多いけれど中間でほぼ同じになり後半は少なくなることが比較出来たのではないでしょうか。どちらの方法を選ぶかは個人の自由です。

閏年
Photo by naka_hide

またここで注意しておきたいのは、1円に満たない小数点以下の数字は省いていますが、240回に換算すると80円前後の誤差がでます。この誤差を初回または最終回で調整するかは銀行との契約で確かめましょう。

また月によって30日、31日、2月は28日(閏年は29日)とまちまちです。銀行の場合の金利の計算の仕方は原則日割りです。年利1.5%を365日または366日で割った「日利(1日当たりの金利)」を日数に乗じて計算します。

返済期日を毎月26日にした場合、翌月の26日までの日数が実際の計算基準なので月利も月により微妙に違います。また融資実行日が10月10日で初回返済日が10月26日の場合、金利の計算日数は実質16日です。この辺の調整の仕方も銀行により違うので確かめるようにしましょう。

住宅ローン金利の計算方法・ボーナスありの場合

ボーナス
Photo byvivs4e

会社員の場合は通常年2回のボーナスが支給されます。ボーナス支給月に住宅ローンを多めに返済すれば、返済期間や金利負担を減らすことが出来るのではと考える方が多いのではないでしょうか。

しかし住宅ローンのボーナス払いにはリスクが伴います。銀行で住宅ローンを契約する際に通常の返済方法とボーナス返済併用型と選択出来るようになっています。どちらを選択したら良いかの判断材料としてメリット・デメリットを紹介します。

意味
Photo byClker-Free-Vector-Images

その前に「金利」と「利息」の意味を混同して解釈する場合が多いので、あらためて確認しておきます。「金利」とは利息を計算するために、借入金額にかける利率のことです。

「利息」とは、借入金額に金利をかけて計算した金利負担のことです。住宅ローンの金利は契約で一度決めたら変わることはほとんどありませんが、利息は毎月変ります。

「金利」と「利息」では意味するものが違うので注意するようにしましょう。それでは住宅ローンでボーナス返済ありの場合のメリット・デメリットや金利負担(利息)の計算方法を紹介します。

ボーナス支払いありのメリット・デメリット

長所短所
Photo by duvsbefilmoc

住宅ローンの返済でボーナス支給月に、月々の決まった返済額に上乗せして返済すれば、借入元金を減らすことが出来るので金利負担の利息が減るメリットがあります。また繰り上げ返済と同様の効果で返済期間を短縮するメリットもあります。

しかしボーナスを返済に回してしまうと、ボーナス時に買うことを当てにしていたものを制限しなければならないデメリットがあります。ですからボーナス返済の額は慎重に設定するようにしましょう。

業績悪化
Photo bygeralt

またボーナスは給与と違って会社の業績によって支給されるものです。会社の業績が悪化した時には減額やゼロ支給の場合がないとは言えません。その場合は返済が滞り金融事故になるリスクがあります。

金融事故を引き起こすと、金利見直しで高い金利を要求されたり借り換えの時にも影響します。最悪の場合には一括返済を求められ、折角手に入れた住宅を手放すはめになることもあります。

住宅ローンのボーナス時併用返済は慎重に判断して決めることが大切です。あえてボーナス時返済を選択しないで、ボーナスで余裕がでたお金を貯めて、時期をみて繰上げ返済をする方が得策かも知れません。

ボーナスありの元利均等返済の計算の方法

誤解
Photo bygeralt

ボーナス時返済ありの場合の元利均等返済の利息の計算の方法は「住宅ローン金利の計算方法」の中で解説したのと基本的には変りません。

しかしボーナス時に返済額をいくらに設定するか、年間の返済額を一定にした中で通常月とボーナス支給月の返済額を変える場合などケースがまちまちです。

また元利均等返済の年間の通常返済額にプラスしてボーナス時に返済する場合、返済期間を変えないで月々の負担を軽くしたい場合などで返済額の計算方法は違ってきます。

あまりにケースが多岐にわたるので、ここで一概に解説すると誤解を生じる恐れがあります。この件に関しては、自分の状況や希望を照らし合わせて金融機関に相談することをおすすめします。
 

住宅ローンの毎月の返済額の計算方法

人生
Photo byHermann

住宅ローンは人生の中で最大ともいえる借入です。家計に及ぼす影響も大きく長期にわたるので衝動買いで済ませられる出来事ではありません。住宅ローンの毎月の返済額は一番気になるところです。

住宅購入は、子供の成長に合せた教育資金、入学、進学、受験、就職、結婚などの準備資金、生活資金、年収、不慮の事故や病気に対する準備資金、定年退職の時期など全てを考慮して決断する人生の1大イベントです。

そのためには住宅ローンの毎月の返済額を計算しておくことは非常に大切な意味を持ちます。前に解説した部分と重複するところもありますが、住宅ローンは人生を大きく左右する大切なことなので、あえてもう一度紹介します。

借入金・金利・返済回数で計算する

ローン条件
Photo by472301

住宅ローンの毎月の返済額は、基本的に借入金額と金利、返済回数によって計算します。しかし金利は銀行の広告などで「当行の住宅ローン金利は0.475%」などの広告が目につきますが、条件等についての記載がない場合がほとんどです。

実際に契約に臨むと0.475%より高い金利を提示されることがしばしばあります。金利が上がれば返済額も上がり折角立てた人生計画が狂ってしまいます。

金利
Photo byPublicDomainPictures

住宅ローンの金利はその銀行によって一定と思っている方が多いと思いますが、実際は0.475%は審査の段階でもっとも良い条件の顧客の場合の金利です。

返済期間が長ければ金利は上がります。購入した住宅の不動産価値が、購入価格より銀行が査定した金額が低い場合には担保価値が下がるので銀行に取ってリスクが生じます。

また住宅ローンを申込んだ本人の勤務先企業の評価が低い場合には、安定した収入が将来も続く可能性に疑問が生じます。

リスク
Photo byFunkyFocus

銀行は貸出した融資金の利息で商売をしています。利益を出すためにはリスクが高い案件には高い金利を課して、早めに利益を確保する必要があります。つまり貸出し金利は貸付金回収のリスクによって高くも低くもなります。

例えば住宅ローン金利がうたい文句より高い金利で提示された場合「広告の金利と違うじゃないか」と注文をつけると、理由をはっきりとは明示してくれませんが、金利を下げることに同意してくれる場合があります。借りる側の立場は弱いものですが、法律で権利は守られています。銀行の言いなりにはならないよう注意しましょう。
 

毎月の返済額の計算方法

計算
Photo byjarmoluk

毎月の返済額の計算方法は、2つある返済方法「元利均等返済」と「元金均等返済」により異なります。

「元利均等返済」は毎月一定の決まった額を返済する方法なので、まず借入金額に返済回数に見合った利息総額を加えて返済総額を計算します。その返済総額を返済回数で割ったものが毎月の返済額になります。

しかし前にも紹介しましたが、その利息の計算式は非常に複雑で普通に電卓で計算出来るものではありません。銀行が提示する住宅ローン返済表などで確認することが出来ますが、事前におおよその返済額を知りたい場合はシミュレーションツールやエクセルを利用すると良いでしょう。

考える
Photo byijmaki

「元金均等返済」の場合には、前に紹介した利息の計算式で算出したその月の利息額に、ひと月分の元金充当額を加えることで計算出来ます。ひと月分の元金充当額は、借入元金額を返済回数で割れば求めることが出来ます。

毎月の返済額は返済回数が進むにつれ減ってきます。つまり毎月の返済額は「元利均等返済」は一定で決まった額ですが、「元金均等返済」の場合には毎月変るということです。計算式は前述の「住宅ローン金利の計算方法は二つ」の章を参照して下さい。

シミュレーションツールの利用もおすすめ

ツール
Photo byPhotoMIX-Company

住宅ローンの毎月の返済額を自分で計算するのは非常に複雑で面倒です。ネットで検索すると色々な銀行やサイトで様々なシミュレーションツールが用意されています。

住宅ローンの「返済額の試算」「借入可能額の試算」だけでなく「返済プランの比較」から「住宅取得の諸費用の試算」までシミュレーションできるものもあります。

希望の借入額や返済方法、返済期間、金利、金利のタイプ、などを入力するだけで毎月の返済額を試算してくれます。ただしシミュレーションは簡易的なもので、実際の銀行の住宅ローン返済額とは違う場合があります。あくまで目安として参考にするのが良いでしょう。

住宅ローンが払えない場合の解決法まとめ!売却や債務整理の方法も! | 副業・暮らし・キャリアに関するライフスタイルメディア
病気、給料カット、失業などの理由により、住宅ローンが払えない場合があります。そのような場合、どうなるのか不安に思っている人も多いでしょう。最悪の場合は、競売となり、安い価格で住宅を売却しなければいけませんが、その前に住宅ローンが払えない場合の解決法はあります。

住宅ローンの返済額の早見表

計画
Photo byijmaki

住宅ローンの毎月の返済額や銀行からどのくらいの金額が借入可能なのかは、住宅購入を計画するために1番知りたいポイントです。

住宅ローンの返済額や借入可能額を知るための方法に、計算式に当てはめて計算する方法の他に早見表があります。ただし返済額の早見表は、一般的に利用者の多い「元利均等返済」の場合のみで「元金均等返済」は毎月の返済額が変わるので早見表はありません。

借入額100万円あたりの金利による返済額

返済
Photo byniekverlaan

住宅ローンの毎月の返済額を知るための資料に、元利均等返済で借入額100万円あたりの返済額早見表があります。

金利が0.2%間隔で返済期間5年ごとに35年までがタテとヨコに書かれているのが一般的で、金利と返済期間の交わるところが借入額100万円あたりの返済額になっています。

例えば金利が1.2%で返済期間が25年のところには3,859円と表示されています。借入額100万円あたりの値なので、借入希望が2,000万円の場合は単純に20倍すれば良いのです。

3,859円×20=77,180円となり、借入希望額が2,000万円、金利1.2%、返済期間25年の毎月の返済額は77,180円だと分かります。つまり希望に合った金利と返済期間のところを探し、借入希望額に合せた倍率をかければ毎月の返済額が求められるのが早見表です。

返済額と金利・借入額の早見表

融資
Photo byMaklay62

借入可能額の早見表は、金利と毎月返済(可能)額が2万円おきにタテ軸とヨコ軸に書かれているものが多く、返済期間ごとに別々の表になっています。

例えば返済期間が35年の表で、金利1.2%で毎月返済(可能)額が10万円のところには3,420万円、12万円のところには4,110万円となっています。11万円の場合はこの中間と推測して下さい。

しかし早見表の借入可能額は実際の借入可能額ではありません。銀行では年収や頭金の額などその他の条件を合せて審査します。早見表の借入可能額は最大に借りられる目安の金額と考えるのが無難です。

住宅ローンをエクセルで計算する方法

エクセル
Photo by Osamu Iwasaki

表計算ソフトのエクセルを使えば、複雑な計算式で電卓で計算するのが難しい住宅ローンの計算を簡単に出来ます。

月々の利息や返済額、返済期間全体で支払う利息の総額、返済総額まで簡単に計算することが出来ます。電卓で計算式に1つ1つ当てはめて計算するような、余計な作業をしないで済むので非常に便利です。

エクセルがパソコンに入っていない場合には、エクセルと同等の機能を持った無料のソフトや、Googleスプレッドシートなどのクラウドサービスを利用しても住宅ローンの計算が出来ます。それではエクセルで住宅ローンを計算する方法、関数の使い方、入力方法などを紹介します。

PMT関数の使い方

関数
Photo bygeralt

住宅ローンの毎月の返済額を計算するには、エクセルのPMT関数を使います。まずエクセルを立上げ新しいファイルを開き、値を表示させたいセルを選択します。セルは任意でどこでもかまいません。

次にエクセル画面の上の方にある関数マーク(ƒ(x))をクリックすると関数を選択するウインドウが開きます。その中の財務関係の「PMT」を選択して「OK」または「Enter」を押します。(PMTのダブルクリックでもOK)

数値
Photo byannca

すると関数の因数を入力するウインドウが開くので「利率」に金利(年利を12で割った月利)「期間」に返済期間(返済年数を月に換算した返済回数)「現在価値」に借り入れた金額を入力して「OK」または「Enter」を押します。

選択したセルに毎月の返済額が赤字のマイナス表示で返されます。数値がマイナスなのは、返済額は支出を意味しています。プラス表示にしたい場合は入力欄のPMTの前に「=ーPMT」のように「ー」を挿入すればプラス表示になります。

金利・借入額・返済額を入力する

表
Photo by yto

住宅ローンの毎月の返済額を色々なパターンでシュミレーションしたい場合は、その都度エクセルの関数ウインドウを開いて入力していては面倒です。

そこでエクセルシートにまず表を作ります。1行目のAに「金利」Bに「返済期間」Cに「借入金額」Dに「返済額」と書込みます。次にD2を返済額の表示セルとして選択し、前述の要領でPMT関数入力ウインドウを開きます。

入力
Photo byPexels

「利率」にはA2をクリックしてA2の後に「/12」を付けて月利にします。「期間」にはB2をクリックしてB2の後に「*12」を加えて回数にします。「現在価値」はC2をクリックして「OK」または「Enter」を押します。

そうしてA2のセルに年利を%で入力、B2に返済期間を年数で入力、C2に借入金額を入力すればD2に毎月の返済金額が表示されます。この表をコピーして色々なパターンを入力することで何度でも繰返しシュミレーションすることが出来ます。

PPMT関数の使い方

関数
Photo bygeralt

住宅ローンの元利均等返済では毎月の返済金額は一定ですが、利息部分と元金充当部分の比率は毎回変動します。返済している金額の中で元金をどれだけ返しているのかは気になるところです。

その元金部分の金額を知るためには、エクセルのPPMT関数を使います。例えば金利1.2%返済期間20年(240回)借入金額2,000万円の場合で、3年後36回目の返済時の元金充当金額を調べてみましょう。

内訳
Photo byOpenClipart-Vectors

エクセルシートの任意のセルを選択し関数マーク(ƒ(x))をクリックして財務関係の中からPPMTを選択します。入力ウインドウで「利率」には年利1.2%/12の月利0.1%を入力します。

「期」には調べたい3年後の「36」を入力、「期間」には返済期間の20年の月数「240」を、「現在価値」には借入金額2,000万円「20,000,000」を、「将来価値」には「0」でも入力しなくてもOKです。

入力し終わったならOKボタンかEnterを押せば、選択したセルに元金充当金額がマイナス表示で返されます。プラス表示にしたい場合はPMTと同じです。

IPMT関数の使い方

関数
Photo bygeralt

エクセルのIPMT関数は、PPMT関数の逆で返済金額のうち利息部分を計算する関数です。入力する項目はPPMT関数と全く同じです。

つまり関数マーク(ƒ(x))で表示される財務関係の中から「PPMT」を選択すれば元金充当金額が、「IPMT」を選択すれば利息相当額が計算出来るわけです。IPMT関数はセルに表示される数値が利息相当分という違いの他は、使い方や入力項目はPPMT関数と全く同じです。

エクセルで住宅ローン返済表を作ろう

パソコン
Photo byStartupStockPhotos

住宅購入を検討する時に、住宅ローン返済表があれば計画が立てやすくなります。例えば子供が大学に進学する頃の住宅ローン残高が分かれば家計のやり繰りの準備ができます。

エクセルのPMT、PPMT、IPMT関数を使えば住宅ローン返済表を作ることができます。それでは借入金額2,000万円、返済期間20年(240回)、金利1.2%を例にして、エクセルで住宅ローン返済表(元利金等返済)の作り方を説明します。

タイトル
Photo byb0red

まず一番最初の行に「住宅ローン返済表(元利金等返済)」とタイトルをつけましょう。その横に日付を入れておくとなお良いでしょう。1行開けて3行目と4行目にPMTのところで紹介したような表を作ります。

セルA3に「借入金額」B3に「返済期間(回数)」C3に「金利%」D3に「毎月の返済額」と書込みます。

次にA4に借入金額「20,000,000」B4に返済回数「240」C4に金利「1.2%」D4のセルにPMT関数で返済額を表示します。

C4の金利は「/12」をつけて月利にすることを忘れずに、D4は「=ーPMT」としてプラス表示にしておくと返済表として見やすくなります。

コンピュータ
Photo byJESHOOTS-com

次に1行開けて6行目から下に240回20年分の返済表を作成します。A6を「回数」B6を「元金分」C6を「利息分」D6を「残高」にします。A7から下に1〜240までの数字をオートフィルで書きます。

B7はPPMT関数で元金充当額を、計算式は「=ーPPMT($C$4/12,A7,$B$4,$A$4,0)」で計算します。C7にはIPMT関数で利息額を計算します。計算式はPPMTをIPMTに変えるだけで入力はPPMTと全く同じです。B7C7両方ともプラス表示にしていけば返済表として見やすくなります。

完成
Photo byPublicDomainPictures

計算式に「$(絶対参照)」を付けるのはどの回数の場合でも借入金額、金利、返済回数は変らないからです。次にB7C7を240回までオートフィルをすれば元金充当額と利息額が自動的に表示されます。

残高は1回ごとに参照するセルが変るので、1回目のD7は「=A4ーB7」2回目のD8は1つ前のセル残高より元金分を引くので「=D7ーB8」を入力して(小数点以下は削除)D8を240回までオートフィルします。これで住宅ローン返済表は完成です。自分の計画に合った条件を入力して色々な返済表を作って見て下さい。

低金利な住宅ローン

住宅ローン
Photo byAlexanderStein

住宅ローンは、できるだけ低金利の方が家計への負担も少なくて助かるのですが、低金利ほど審査が厳しいのではと思う方が多いのではないでしょうか。しかし低金利でも審査がさほど厳しくない銀行もあります。

金利には3つのタイプがあります。「変動金利型」「全期間固定金利型」「固定期間選択型」の3種です。「変動金利型」は、その名の通り市場金利が変動するのに合せて住宅ローン金利が変るタイプで、固定金利より低い金利に設定されているのが一般的です。

金利タイプ
Photo bykalhh

変動するといっても住宅ローン金利に反映されるのは5年に1度で、例え上昇しても返済額が1.25倍以上にならないように上限が決められています。

「全期間固定金利型」は返済期間の最後まで金利が一定に固定されているタイプです。「固定期間選択型」は固定金利の期間を選択出来るタイプで、変動金利と固定金利の中間のイメージです。

それでは金利のタイプも合わせて低金利なおすすめの銀行を紹介します。金利はいずれも2019年8月適用金利です。ライフプランに合わせて銀行を選ぶ参考にして下さい。

住信SBIネット銀行

ネット
Photo bygeralt

住信SBIネット銀行は、三井住友信託銀行とSBIホールディングスが共同出資している金融機関です。

住宅ローン金利は、変動金利0.447%固定金利(35年)2.420%で、10年固定は0.650%、20年固定は1.230%となっています。借入可能額は500万円〜2億円、保証料は無料ですが事務手数料として借入金額×2.16%がかかります。

団信とすべての病気・けがなどで働けなくなった場合、月々の返済をカバーする全疾病保障が「保険料無料」でついているのが魅力です。ただ審査期間が1ヶ月〜2ヶ月と少し長めになっているので、住宅購入契約までの期間に余裕を持って申込むようにしましょう。

じぶん銀行

ATM
Photo by ota_photos

じぶん銀行は、三菱UFJ銀行とKDDIの共同出資の銀行なので安心感があります。金利は変動金利0.457%固定金利(35年)2.220%で、10年固定は0.590%、20年固定は1.940%と業界トップクラスの低金利です。

借入可能額は500万円〜1億円、保証料は無料ですが事務手数料として借入金額×2.16%がかかります。一般団信やがん50%保証団信は無料でついていますが、がん100%保証や11疾病保証をつけると金利が0.2%、0.3%上乗せになります。

じぶん銀行の魅力は、低金利と審査期間が約2週間と短いことです。ただ審査がネット上だけで完結するので、機械的な審査になる傾向が強く個々の事情を踏まえた融通がきかないところがあります。
 

イオン銀行

イオン
Photo by くーさん

イオン銀行は名前の通りイオングループの金融機関で「親しみやすく、便利で、わかりやすい銀行」を目指している銀行です。

住宅ローン金利は変動金利0.52%、10年固定0.690%と前述の2行と比べるとやや高めでタイプも少なめです。借入可能額は200万円〜1億円と低額からの借入が可能です。

事務手数料は、定額型108,000円一律と借入金額×2.16%から選択出来るようになっています。ただし定額型の場合は金利が0.2%上乗せされますので、よく試算してから選択する注意が必要です。

保証としてがんと診断された場合に住宅ローン残高がゼロになる「がん保障特約」が金利0.1%上乗せで付けられるのが魅力です。またイオングループでのお買い物が5%割引になる特典があるので、イオンでの買い物が多い方にはお得です。

住宅ローンの「団信」とは?告知内容や保険料などおすすめも比較! | 副業・暮らし・キャリアに関するライフスタイルメディア
住宅ローンを組む際に耳にする団信ですが、実は金融機関によって種類や告知内容が異なります。この記事では、住宅ローンと団信の種類を解説し、告知内容や団信プランを比較して、おすすめの団信を紹介します。また、団信に入れない場合の対処方法についても説明します。

住宅ローン金利は計算式で算出しよう!

住宅
Photo bydimitrisvetsikas1969

住宅の購入は人生の中で最大の買い物です。物件を探すにしても住宅ローンを組む銀行を選ぶにしても、事前に予算や将来を見据えてしっかりとした計画を練る必要があります。

素敵な物件があったからといって衝動的に住宅ローンを組んで購入しても、返済に困って結局手放すことになってはもともこもありません。これまで紹介した、住宅ローンの利息や返済金額の計算方法やエクセルの利用法などを参考にして、住宅購入計画と住宅ローンをシュミレーションすることをおすすめします。

Eiji0601
ライター

Eiji0601

元ミュージッシャン&調理師。現在はフリーのコンサート企画やチラシ等のデザイナーをやっています。音楽のジャンルはクラシックからジャズ&ポップス、特に’60年代〜’80年代ポップスが大好きです。料理は和食が得意な年齢不詳の独身男性です。

関連するまとめ

人気の記事