スポーツ保険の種類は?
「スポーツ保険」とは、スポーツによるケガや入院、往復時の事故、後遺障害、通院、死亡時の葬祭費用、損害賠償などまでを補償してくれる保険です。以前は、「団体」で、しかも「年間加入」することが条件でしたが、最近では「個人」でも、1日からでも、1月単位でも簡単に加入することが可能になっています。
家族旅行でスキーに行って子供が転んで入院したり、久しぶりに運動したら全身筋肉痛で、鍼灸院などに通院することになったことはありませんか?条件次第では、そんな事態になっても「スポーツ保険」が補償してくれることもあります。
興味が湧いてきませんか?今回はそんな「スポーツ保険」について、「個人」向けのおすすめ商品を紹介させていただきます。
日本では、ひと昔前まではスポーツは子供がするものでした。しかし、「大人も自分の時間を大切にするべきだ」という本来当たり前の事が日本でも広まってきて、趣味の時間にスポーツをする大人は年々増加してきています。当然ですが、それに伴い、ケガによって入院・通院するケースも増加しています。
さらに医療の進化によって、入院せずに済む日帰り手術や高度な治療による医療費の高額化問題も発生しています。このへんで保険についてしっかりと勉強しておくのも悪くないのではないでしょうか?
スポーツ保険は大別して2種類
「スポーツ保険」は大きく2つに分けることができます。ひとつは「個人」で加入する保険で、もうひとつは「団体」で加入する保険です。野球やサッカーなどの団体競技でも「個人」で「スポーツ保険」に加入することができますし、スキーやテニスなどの個人競技でも「団体」として「スポーツ」保険に加入することができます。その違いは何でしょうか?
団体向けのスポーツ保険
「団体」で加入する保険は、国内にはほぼ1種類しかありません。公益財団法人スポーツ安全協会が提供している「スポーツ安全保険」です。「スポーツ安全保険」は、誰もが安心してスポーツや文化活動に参加できるようにするため、安い掛金ながらもしっかりとした補償が得られるようになっている公益目的事業です。
スポーツ活動や文化活動、レクリエーション活動、ボランティア活動、地域活動などを行う「4名以上」のアマチュアの団体のグループが加入することができます。個人競技のプレイヤーでも、4名以上の団体であれば「スポーツ安全保険」に加入することができるのです。
公益目的事業なので、子供向けの掛金が安価に設定されているのも特徴です。中学生以下という加入区分があり、その区分では子供扱いとなりますので、格安でスポーツ保険に加入することが可能です。(高校生以上は大人と同様の扱いとなります)保育園・幼稚園、小学校、中学校での部活動においては、この保険がベストな選択だと言えるでしょう。
加入は年間単位、年度途中での加入区分変更は不可、また、中途加入でも年間の保険料がかかります。営利事業ではないため、どうしてもお役所的な対応になってしまいますが、掛金の安さとしっかりとした補償が魅力です。
また、家族だけでの活動、プロスポーツ、営利活動を行う団体などもこの保険に加入することはできません。
個人向けのスポーツ保険
「個人」向けの「スポーツ保険」は、「団体」向けとは異なり複数の保険会社から数多くの商品が提供されています。各保険会社によって商品ラインナップは異なり、一般的な年間契約のものから、1日単位、1月単位で加入できるもの。競技毎に特化した「ゴルフ保険」「テニス保険」「自転車保険」などというものもあります。
自分が求める内容の補償を、補償される期間も含めて選ぶことができるので、目的にあった保険に必要な期間だけ加入することができます。
個人向けは年間の加入区分が設定されている
「個人」向けの「スポーツ保険」は、補償内容に応じて「加入区分」が設定されており、それに応じた年間の掛金が設定されています。当然ですが、危険度の高いスポーツの掛金は高くなりますし、補償の手厚いプランの掛金は高額になります。子供向け保険や高齢者向け保険には年齢制限がされています。
後述しますが、「加入区分」に応じて各種補償の支払限度額などが細かく設定されています。1日、1月、1年などの補償期間、ゴルフ、テニス、自転車、登山、などのスポーツ種目などが設定されていることもあります。
国内と海外におけるスポーツ保険の違い
海外旅行での楽しみのひとつは、アクティビティです。ただし、そのようなスポーツは「スポーツ保険」では補償対象外となってしまう場合が多くあります。もし、海外でケガなどの心配をせずにスポーツを楽しみたいときにはどのようにすればよいのでしょうか?ここではそのようなケースでの「おすすめ」の保険を紹介します。
一般のスポーツ保険は国内活動が前提
上述した団体向け「スポーツ安全保険」の補償範囲は国内に限定されていますが、個人向け「スポーツ保険」においても、補償内容が国内に限定されているものもあります。海外でのスポーツを計画している方は、お手元の「約款」もしくは「重要事項説明書」の補償内容の項を今一度確認してみてください。
加入している「スポーツ保険」が海外でも補償されているもにであれば、あとはその補償範囲を確認してください。旅行期間中全てなのか、スポーツをしている間のみなのか、いろいろな条件が設定されているはずです。
海外の活動におすすめの保険
海外でケガをしたことのある方はご存知かもしれませんが、捻挫して救急車に乗せられて病院へ運ばれるだけで数百ドル請求されるのは当たり前です。そんなことになってもあせらないように、海外での活動が決まったら「海外旅行保険」に加入しておきましょう。どの保険会社でも、旅行期間に応じて1日単位から加入が可能です。
ただし、保険会社によって保障対象外となるスポーツがありますので、事前に確認してください。また最も重要な点は、「出国後の契約はできない」ことです。必ず出国前に契約を済ませるようにしてください。
おすすめなのは、航空機遅延費用特約が付けられる保険です。これは、航空機の運航が遅延することで補償が受けられる特約です。そのような場合に、ホテルで休憩した費用や、場合によっては便を変更した費用も補償の対象となります。子供が小さいご家族や、ご高齢の方などには特におすすめです。
スポーツ保険(個人向け)の補償内容は?
「スポーツ保険」で補償の対象となる代表的な2つについて、ご説明します。大きく分けて「傷害保険」の部分と「賠償責任保険」の部分から成り立っています。「障害保険」とは「自分に何か障害があった場合の保険」であり、「賠償責任保険」は「自分が、他者・他人に対して何かしてしまった場合の保険」と言えます。
傷害補償とは、被保険者が、スポーツ活動中および往復中の事故によって被った障害による「死亡」「後遺障害」「入院」「通院」「熱中症」などが補償されるものです。「スポーツ保険」の本体ともいえる部分です。簡単に言ってしまうと、「ケガ」や「体調不良」そして「後遺障害」に備えるためのものです。
賠償責任補償とは、被保険者が、スポーツ活動や、その往復中に被保険者の所有・使用・管理する動産に起因する事故などによって法律上の賠償責任を負ってしまった場合に、被保険者に代わって賠償責任の支払いを(契約上の限度額まで)保険会社が補償してくれる保険です。
例えば、「活動へ、自転車での往復中に発生した人身事故」や「活動中に使用した道具によって、駐車中の自動車の窓ガラスを割ってしまった」といった事故が補償の対象となります。子供だけでなく、大人も補償の対象になります。
最悪の場合に補償される:死亡保険金
補償の内容はプランによって異なりますが、だいたい0~300万円程度となっています。掛金を抑えた最低限の補償をするプランと、しっかりと補償をするプランでは支払う金額に差がでてきます。生命保険とは異なり、障害保険がベースとなった年間掛け捨ての保険がほとんどです。
後遺症が残る障害の場合に補償される:後遺障害保険金
補償の内容はプランによって異なりますが、だいたい1~300万円程度となっています。金額に差がある理由は、後遺障害の程度(各社によって異なりますが、だいたい1~14等級程度)によって規定された割合の金額が支払われるからです。多くのプランでは、満額は死亡保険金と同額になっており、そこから後遺障害の等級によって減額されるようになります。
つまり、満額を300万円として、障害等級が3級だったとし、3級は仮に70%の支給割合とします。その場合には、300万円×0.7=210万円が支給されることになります。つまり、後遺障害が重篤なほど減額される割合は減り、100%の支給に近づきます。
通院時に補償される:通院保険金
補償の内容はプランによって異なりますが、だいたい日額500~2,000円程度となっています。これに、通院日数と、最大補償日数を掛け合わせた日数が支払われます。日額補償が1,000円のプランで最大補償日数が30日間だとします。そうすると、1,000円×30日=3万円が支払われることになります。
スポーツ保険の補償例
ここからは、実際に「スポーツ保険」が支払われる場合には、どのような補償がいくらくらいになるのかを見ていきましょう。本来、あってはならないスポーツ中、スポーツ往復中の事故ですが、「スポーツ保険」に加入していることで、その様なケースでも補償を受けることができるのです。
子供が練習場へ行く途中に交通事故にあった場合
子供が剣道の道場へ練習にいく途中、交通事故にあってしまいました。乗用車同士が接触事故を起こし、その衝撃で歩道に乗り上げて歩行者を巻き込んでしまいました。巻き込まれたのは小学3年生の子供で、全身打撲と左腕の骨折で全治3か月の大ケガを負ってしまいました。
まずは入院補償です。加入しているプランにもよりますが、「入院一時金」が受け取れます。(1~3万円程度)次に、左腕の骨をボルトで固定する手術を行いました。これにより、「手術保険金」が支給されます。(1~10万円程度)また、入院した日数に応じて、「入院保険金」(1,000~4,000円程度×入院日数)が支給されます。
さらに、退院後に通院することで、前述した「通院保険」も支給されます。(1~3万円程度)もし、「携行品損害特約」にも加入していれば、破損してしまった剣道の道具類も補償されます。(~30万円程度)
子供がクラブ活動中に急性心不全で亡くなった場合
子供が、サッカーチームの練習中にゴールポストに衝突して、そのまま入院して病院で亡くなりました。その場合、亡くなったのが事故発生日から180日以内であれば保険金が支払われます。金額としては、0~300万円程度。しかし、180日を超えると、支払の対象外になります。
もちろん「入院保険」や、手術が行われた場合には「手術保険」なども支払い対象となります。保険によっては葬祭費用補償特約が付いているものもあります。
保険料が支払われないケース
保険が適用されるのは「スポーツ中、またはスポーツをするための移動途中での偶発的な事故」というのが基本的な条件となっています。例えば、被保険者の故意によるケガの場合や、スポーツ中以外の場面で起きたケガや破損に対しては、保険金が支払われません。また、可能性は低いですが、戦争やテロ、天変地異などに巻き込まれた場合なども対象外となります。
当然ですが、掛金が支払われていない場合、契約に不備があった場合、条件を偽って契約した場合なども支払の対象外となります。
賠償責任保険の対象外
賠償責任の対象から外れるのは、被保険者によって故意によって発生した損害や同居する親族に対して発生した損害です。また、第三者との間の約定によって加重された損害や、心身喪失に起因する損害も賠償責任の対象外となります。動力が人力以外の乗物に起因する損害は、「スポーツ保険」ではない保険の対象となります。
対象外となるのは、航空機・船舶・車両・オートバイなど。(人力のものやゴルフ・カートを除きます)
障害保険の対象外
傷害保険の支払い対象から外れるのは、契約者または被保険者の故意によって負った障害や、戦争・外国の武力行使・革命・内乱等の事変・暴動によって負った障害。さらに、地震もしくは噴火またはこれらによる津波などの天変地異によって負った障害も支払の対象外となります。
ただし、テロ行為によって発生した損害に関しては、「テロ行為補償特約(条件付)」により、保険金お支払いの対象となる場合もありますので、ご自分の保険契約内容をご確認ください。
料金が安いスポーツ保険(個人向け)のおすすめを紹介!
現在では、保険もネット加入が当たり前になってきました。そんな数あるネットで加入できる保険商品の中でも、特におすすめなのが、「Yahoo!」と「楽天」の保険です。特徴のある商品なので、自分のライフスタイルにあった商品を選んでください。どちらを選んでも失敗はないと思います。
カスタマイズ派にはYahoo!を、おまかせ派には楽天を推奨します。どちらも年間契約が基本となっていますが、契約途中でのプラン変更や解約にも柔軟に対応していますので心配ありません。それでも心配な方は、1日タイプの保険をお選びください。
個人で加入しやすい:Yahoo!ちょこっと保険
Yahoo!ちょこっと保険は、Yahoo!ウォレットに登録している方のみ加入でき、ケガの補償や他人への賠償など、必要な補償を必要な分だけ選んで、自由に設計できる保険です。もとから設定のある11の補償から自分に必要なものだけを選べます。また、その補償は途中でやめたり、追加することが可能です。
補償を選びづらい方のために、おすすめの補償がセットされているプランも多数あります。プランにセットされている補償も、途中ではずしたり、また追加したりと、まさに自由自在です。
自分自身でいちから自由に選ぶ場合には、主契約3種類の中から最低1つを選びます。(2つでも3つでも大丈夫です)その主契約に8種類のオプションプランの中から必要な補償を選びます。(0でもこ8こでも大丈夫です)。それだけで、あなたのための保険ができあがります。
注意点としては、詳細な加入条件が設定されていることです。就いている職業や、既に加入済みの保険があり、補償の状況によっては加入を断られることがあります。条件は次のとおりです。1つ目として、年齢が、満20歳以上満68歳以下であること。2つ目は、過去3年以内に5万円以上の傷害保険金を請求または受領したことがないこと。
3つ目は、現住居が日本国内であること。4つ目は、被保険者の方が障害死亡保険金額が2億円を超える保険に加入していないこと。5つ目は、被保険者の方が傷害入院保険金の日額が3万円を超える保険に加入していないこと。6つ目は、傷害通院保険金の日額が1万円を超える保険に加入していないこと。
5つ目は職業です。自動車/オートバイのテストドライバー(テストライダー)、オートバイ競争選手、自動車競争選手、自転車競争選手(競輪選手)、ローラーゲーム選手(レフリーを含む)、モーターボート(水上オートバイを含む)、競争選手、 猛獣取扱者(動物園の飼育係を含む)など。
さらに、プロボクサー、プロレスラー、力士、などの格闘技を生業とする職業。およびその他これらと同程度またはそれ以上の危険な職業に就いていないことです。
月額料金が最安:楽天超かんたん保険
楽天超かんたん保険は、楽天会員のみが加入できる保険で、最低限の補償を備えたコンパクトな保険が多数ラインナップされています。会員は、その中から必要な保険に必要な期間だけ加入することができます。契約完了翌日の午後4時から補償開始というスピーディーさも特徴です。
保険の内容は、スポーツ・レジャーだけではなく、ショッピング・携行品や日常生活までカバーするものまで豊富に取り揃えていますので、自分に必要なものを選ぶだけです。
掛金の安さに比較した賠償責任補償額の大きさは、この保険の大きな魅力です。賠償責任リスクを考える必要があるなら、他のどの保険よりもコストパフォーマンスがよく、おすすめとなります。賠償責任補償の発生頻度が低いことを考えると、1日タイプの保険に何度も加入するのであれば、こちらに1年間加入する方が結果的にはお得になります。
加入する場合には、年齢と職業に制限があります。1つ目は年齢です、満69歳以下であれば、加入に年齢制限はありません。ただし、継続加入の場合は満74歳以下となっています。2つ目は楽天会員であること。3つ目は職業の制限です。農林作業者、漁業作業者、鉱山作業者、建設作業者、木・竹・草・つる製品製造作業者などではないこと。
さらに、自動車やオートバイのテストドライバー、自動車やオートバイのレーシングドライバー、自転車競争選手(競輪選手)、モーターボート選手(水上オートバイを含みます。)、競争選手、ローラーゲーム選手(レフリーを含む)、 猛獣取扱者(動物園の飼育係を含む)や同様の職業ではないこと。
そして、プロボクサー、プロレスラー、力士、格闘家など、これらと同程度またはそれ以上の危険を有する職業の方は、この保険には加入できません。
結局、スポーツ保険(個人向け)は入った方がいいの?
一度でも大ケガをしたことのある方ならご存知だと思いますが、通院・入院、そしてそれに伴う費用、費やされる時間などは本人や家族にとって多大な負担となります。また、道具を使用するスポーツをする方なら、他者の道具を壊した経験も、自分の道具を壊された経験もあるでしょう。
そんな、身体的、金銭的な不安を減らして、心からスポーツを楽しむために「スポーツ保険」はあるのです。
普段あまりスポーツをしないが、冬季だけはスキー/スノーボードを楽しむ方。年間に数回ではあるが、登山やテニスなどをする方などは、年間契約の保険に加入するのをためらうかもしれません。そんなときには、1日単位で加入できる「1DAYレジャー保険」がおすすめです。
1日500円から、全国のセブンイレブンで加入することが可能ですので「日帰り」のレジャーにはぴったりです。でも、回数が多くなると割高になってしまいます。
NTTdocomo、au、softbankなどの各ケータイ会社が提供している「スポーツ・レジャー保険」もおすすめです。1泊2日、2泊3日などであれば、1日単位の保険よりもお得になりますし、スマホからであれば支払いもスムーズです。1週間くらいまでの短期であれば、1日単位の保険よりもこちらが安くなりますので、おすすめです。
年間で10回を超えるくらいのスポーツ活動があるのであれば、1日単位ではなく、年間契約してしまった方が契約を忘れる心配もありませんし、価格も抑えられると思います。月に数回の通院、1週間程度の入院などを考えてみれば、年間5,000円程度の投資は決して高額ではないと考えますが、いかがでしょうか?
スポーツ保険(個人向け)は加入区分と対象範囲の把握が大切
個人向け「スポーツ保険」に加入することの重要性はお分かりいただけたと思います。後は、自分が年に何回、月に何回程度の活動をしているのか。そして、自分の年齢や過去の故障などから、ケガをする確率を計算します。そうそれば、加入すべき区分と必要な補償が分かります。
最近ではネットで簡単に加入できるので、あまり考えずに申し込んでしまいますが、コールセンターやメールなどで問い合わせると、プロのスタッフが最適なプランを教えてくれます。加入前に相談することをおすすめします。