ネット銀行・住宅ローンとは
大手都市銀行、地方銀行、信用金庫、ネット銀行とおおよそ銀行と呼ばれる金融機関の多くが住宅ローンを提供しています。このうち、ネット銀行の住宅ローンは、他の銀行住宅ローンには見られない優れた特徴を有しています。店舗を持たないネット銀行は、コスト削減ができ、浮いた分を住宅ローンのサービスに向けられるからです。
手数料等が安い住宅ローン
ネット銀行の住宅ローンのメリットについては後程詳しく触れますが、簡単にまとめておくと、金利が低い、手数料が安い、保証料が無料、申し込みがしやすい等の特徴があります。この特徴に引かれて、ネット銀行の住宅ローンに申し込む人も多いです。それだけ人気がある証拠でもあります。
ネット銀行の種類
現在日本にはたくさんのネット銀行があります。その中には、楽天銀行やセブン銀行、住信SBIネット銀行のように有名なものもあれば、比較的知名度の低いものもあります。この記事では、そんなネット銀行の種類のうち代表的なものに絞って紹介していきますが、それぞれいいネット銀行なので、選択に迷うかもしれません。
①住信SBIネット銀行
住信SBIネット銀行は、多くのメリットを提供してくれるネット銀行です。まず、利用出来るATMは、コンビニやゆうちょ銀行のものですが、入金手数料や同行宛て振込手数料は何回でも無料です。また、引き出し手数料や他行宛て振込手数料は条件次第で月に最大15回まで無料です。15回も無料になれば、非常に助かります。
店舗運営コストが必要ない住信SBIネット銀行は、金利にも優遇措置を行っています。住宅ローン金利については後程解説しますが、円定期預金金利は年0.020%(税引き後0.01%)です。これは100万円未満を6か月預けた場合で、2019年6月5日時点の数値です。
②楽天銀行
楽天銀行の場合、住信SBIネット銀行と比較して、使えるATMが少しだけ多いです。コンビニやゆうちょ銀行のATMのほか、三菱UFJ銀行やみずほ銀行のものも利用出来ます。ただし、ATM利用手数料の比較となると、少し負けていて、月最大7回まで無料となっています。他行宛て振込手数料は最大3回まで無料で、これもやや劣ります。
楽天銀行の口座と楽天証券の口座を連携すると、普通預金金利が年0.02%から0.1%(税引き後0.079%)にまでアップします。一般銀行の預金金利が低水準の今、この金利は破格の数字です。これを見ると、楽天銀行を利用したくなるもの当然です。
③ソニー銀行
海外へ行く機会が多い人にぜひ持っていてほしいのが、ソニー銀行の「Sony Bank WALLET」です。これはソニー銀行のキャッシュカードですが、Visaデビット機能付きです。どうしてこのカードがおすすめなのかというと、海外ショッピング時の事務手数料が無料なのです。これは珍しいケースで、普通は有料です。
ソニー銀行の円定期預金と外貨定期預金を同時に申し込むと、金利が大幅にアップします。セット50の場合、6か月間円定期預金に50万円、米ドル定期預金に50万円預けたとして、それぞれの金利は、0.90%(税引き後0.717%)、2.00%(税引き後1.593%)です。
金利は、2016年6月6日現在のものですが、普通預金や通常の円定期預金に預けるよりも大変お得になっています。もしもっと詳しい利息額を知りたければ、ソニー銀行のホームページの「セット定期かんたんシミュレーション」で調べられます。
④イオン銀行
イオン銀行には、「イオン銀行Myステージ」というシステムがあります。これは利用状況に応じて、「イオン銀行スコア」が貯まり、そのスコアによって特典が受けられるというシステムです。その特典内容を見てみると、ブロンズステージなら、普通預金金利が年0.03%(税引き後0.0023%)、ATM利用手数料が月1回無料となっています。
金利は、2019年5月10時点のものですが、「イオン銀行Myステージ」のランクが上がるごとに金利も上昇します。ブロンズステージの上は、シルバーステージ、ゴールドステージ、プラチナステージとなっていて、最高の金利は年0.15%(税引き後0.119%)です。
⑤じぶん銀行
auユーザーに一押しのネット銀行がじぶん銀行です。数々のメリットがあり、お得に利用が出来ます。まず、円定期預金金利は、他のネット銀行と比較しても高水準です。1年もので年0.15%(税引き後0.11%)ですが、これは2019年7月31日までのキャンペーンです。
キャンペーン以外にも、デビュー応援プログラムがあります。円普通預金口座を新規開設し、一定期間内に3か月もの円定期預金にお金を預けると、通常金利の年0.04%(税引き前)に上乗せ金利0.46%(税引き前)が加わり、合計で0.5%(税引き後0.39%)となります。なお、金利はすべて、2019年6月6日時点のものです。
ネット銀行・住宅ローンメリット
ネット銀行の住宅ローンは、都市銀行や地方銀行の商品と比較して、いくつものメリットがあります。店舗を持たないネット銀行は、余計なコストが掛からない分、サービスの拡充に向けているためですが、それらのメリットを見ると、ネット銀行の商品を選んでみたくなる人も多いでしょう。
①低金利
都市銀行や地方銀行も住宅ローンの金利を下げようと努力していますが、ネット銀行にはかないません。住宅ローンの金利が低いことは、ネット銀行の最大のメリットです。同じ金額を借入しても、金利が低ければ総返済額が下がるので、ネット銀行の住宅ローンを利用しようという人が増えるのも当然です。
②保証料が掛からない
住宅ローンの契約において、保証会社の利用を義務づけている銀行があります。保証会社は、契約者が万一住宅ローンの返済が出来なくなった場合に、代わりに一括返済を行うのですが、この保証会社を利用するためには、保証料を支払わなければいけません。保証料は前払いか金利に上乗せして、支払っていきます。
ところが、ネット銀行の住宅ローンでは、この保証会社を利用しないことが多いです。したがって、保証会社に支払う保証料が無料となります。つまり、余計なコストが掛からないところがネット銀行・住宅ローンのメリットです。
ただ、保証会社を利用しないとなると、住宅ローンの返済が困難になった場合に、銀行がそのリスクをすべて背負わなければいけません。住宅ローン契約者にとってもデメリットとなりますが、銀行にとってもそのデメリットは大きいです。
③一部の繰り上げ手数料が無料
住宅ローンでは多額の借入をするので、少しでも返済額を減らす意味でも、繰り上げ返済をしたいところですが、ネット銀行の一部繰り上げ返済は手数料が無料です。したがって、余分にお金が入ったときは、繰り上げ返済を上手に利用して、負担を楽にする必要があります。これと比較すると、一般銀行の場合は、繰り上げ返済手数料が有料となっています。
ネット銀行でも、一部繰り上げ返済ではなく全額一括返済となると、手数料が掛かるところが多いですが、ソニー銀行と楽天銀行はその場合の手数料が無料です。将来の収支状況を予想して、全額一括返済が出来そうな場合は、これらの銀行にメリットがあります。
一般銀行でも、窓口や電話で一部繰り上げ返済をするのではなく、インターネットバンキングを利用して行うと、手数料が無料になります。ただし、全額一括返済の場合はインターネットバンキングは利用出来ないか、利用出来ても手数料を取られます。
④ネットなので時間を気にせず出来る
ネット銀行は、申し込み以降の手続きをネット上で行います。ネットという性質上、時間には縛られず、いつでも手続きが出来る便利さがあります。これがネット銀行の大きなメリットの一つで、一般銀行のように営業時間の制約を受けません。ネット銀行と比較すると、一般銀行の営業時間はかなり限られているので、少し利用しずらい面があります。
ネットで手続きをするとなると、書類のやり取りはどうなるのだろうかと疑問を持つかもしれませんが、それはメールと郵便で行います。郵便の場合、対面でやり取りするよりも大変な部分もありますが、他の手続きが簡単なことでそのデメリットを補っています。
じぶん銀行住宅ローンは契約までが簡単
じぶん銀行の住宅ローン契約では、契約書へのペンによる記入や捺印は一切要りません。すべて、ネット上で済ませることが出来るので、非常に便利です。面倒な手続きが必要ないというのは、契約するうえでも気分がいいものです。書類は写真で撮影して送るだけでOKです。ネット銀行・住宅ローンの中でも特に使いやすいのがじぶん銀行の商品です。
じぶん銀行の場合最短10営業日での融資実行もあり得る
じぶん銀行住宅ローンは、書類の郵送やり取りが不要なことから、融資までが大変速くなっています。申し込みから審査、契約、融資まで、早ければ10営業日で済みます。これと比較して一般銀行の住宅ローンの場合は、融資まで1か月以上かかる場合が多く、これがデメリットともなっています。急ぎの人はじぶん銀行住宅ローンがおすすめです。
ネット銀行・住宅ローンデメリット
ネット銀行・住宅ローンのメリットを見ると、一般銀行よりもこちらのほうが良さそうだと思う人もいるでしょう。確かに、魅力があるのがネット銀行・住宅ローンですが、メリットだけでデメリットなしというわけにはいきません。したがって、デメリットも良く見たうえで、最終的な決断をする必要があります。
①審査が厳しい
住宅ローン審査ではさまざまな項目をチェックされますが、ネット銀行の審査は他の銀行と比較してもかなり厳しくなっています。住宅ローンの審査基準自体はどこの銀行も公表していないので、その実態は分からないものの、口コミでネット銀行の審査の厳しさを取り上げる人もいます。これは、ネット銀行・住宅ローンの大きなデメリットです。
ネット銀行・住宅ローンの審査が厳しいのには理由があります。その一番の理由は低金利です。低い金利で借入が出来るということは、利用者にとってもありがたいことですが、その分ネット銀行側も審査を緩くするわけにはいかないのです。
②本審査・ローン契約は郵送でやり取り
対面契約での販売が出来る一般銀行と比較して、もう一つネット銀行・住宅ローンのデメリットとして挙げられるのが郵送でのやり取りです。仮審査まではネット銀行の強みを生かしてネット上で済みますが、本審査や契約書類のやり取りは郵送での手続きとなります。そのためにことのほか時間が掛かります。
ネット銀行と言えども書類契約をするのですが、もし書類の記入内容に手違いや誤りなどがあれば、もう一度書類を貰ったり、送ったりで手間や時間が2倍掛かります。それがネット銀行・住宅ローンのデメリットで、一般銀行と比較しても面倒なところです。
郵送でのやり取りというデメリットがあるネット銀行ですが、それが面倒なら、すでに紹介したじぶん銀行の住宅ローンを利用するといいです。書類のやり取りがないので、スピード感を持って契約や融資にまで至れます。
③事務手数料が高い
ネット銀行の場合、保証料が無料なのはメリットですが、その分、事務手数料が高いというデメリットがあります。ネット銀行・住宅ローンの事務手数料は融資金額×2.16%(税込)という計算式で算出します。3500万円のローンを組んだとすると、事務手数料は75万6000円なりますが、かなりの高額です。
大手銀行の住宅ローン事務手数料は、わずか3万2400円です。これと比較すると、ネット銀行の事務手数料のデメリットが目立ちます。
④対面のやり取りは不可
一般銀行の場合、担当者と直接やり取りして、分からない点を質問したり、相談したり出来ますが、ネット銀行ではそれは不可能です。ネット銀行・住宅ローンを利用する場合、これが一番のデメリットだと感じる人も少なくありません。
ただ、このデメリット解消策として、ネット銀行では別の相談方法を用意しています。店舗がないにもかかわらず窓口を設けたり、店舗をあえて設けたり、テレビ電話相談を受け付けたりと、工夫を凝らしているのです。電話相談なども充実させています。
⑤自分で書類を作成する必要がある
ネット銀行・住宅ローンの契約に必要な書類は自分ですべて作成しなければいけません。手伝ってくれたり、チェックしてくれたりする担当者はいないので、すべて自己責任となります。このデメリットが嫌だという人もいるでしょうが、一般銀行と比較した場合、こればかりはどうしようもない点なので、頑張って正確な書類作成を目指しましょう。
ネット銀行・住宅ローン比較【住信SBIネット銀行】
住信SBIネット銀行の住宅ローンは、全疾病保障の保険料が無料です。通常は金利に上乗せして払う保険料ですが、それが無料なのはありがたいです。また、女性契約者だけの特典ではあるものの、がんと確定診断されると30万円支給されます。それから、じぶん銀行と同じく、ネット上での契約となるので、契約書にサインや押印をする必要がありません。
金利:変動金利は10年固定
住信SBIネット銀行の住宅ローンの変動金利型や10年固定金利型、20年固定金利型は、金利の低さで定評があります。その金利が、三井住友信託銀行の口座開設によってさらに0.01%引き下げられるので、大変お得です。金利が低いネット銀行・住宅ローンはほかにもありますが、住信SBIネット銀行はそのメリットが目立っています。
住信SBIネット銀行・審査基準
住信SBIネット銀行の住宅ローンも他のネット銀行に負けず劣らず、金利が低いので、審査が厳しいと思っている人も多いでしょう。果たして、審査が甘いのか厳しいのか、実際にどうなっているのか気になりますが、一つ一つの項目を見ると、特に他行より厳しいという感じはしないでしょうから、申し込んでみてもいいでしょう。
①年齢
住信SBIネット銀行の住宅ローンに申し込めるのは、満20歳以上65歳未満の人で、完済時には満80歳の誕生日を迎える前でないといけません。これから他のネット銀行の年齢基準も見ていきますが、住信SBIネット銀行の住宅ローンが特に厳しいということはありません。住宅ローンの年齢基準としてはごく普通です。
②年収
住宅ローンの申し込み基準の年収を明確にしている銀行もありますが、住信SBIネット銀行では特に基準を示していません。したがって、推測するしかありません。普通住宅ローン審査では、最低でも年収300万円としているところが多いので、住信SBIネット銀行でもこの程度の水準と思われますが、それよりも多いほうがいいことは確かです。
③国籍
日本の銀行の住宅ローンを外国人が利用できるのか気にしている人もいるでしょう。住信SBIネット銀行の住宅ローンの場合、日本国籍を有している人は利用できます。では、外国人の場合はどうなのかというと、日本で永住許可を得ていれば大丈夫です。つまり、ビザなどによる制限のある在留権ではなく、永住権ならばいいということです。
④健康状態
住信SBIネット銀行の住宅ローンに限らず、団体信用生命保険(団信)への加入が普通は義務づけられています。この団信に加入するためには、健康状態が良くなければならず、悪い人は住宅ローンの利用が出来ません。ただ、ワイド団信と言って、条件が緩い保険もありますが、残念ながら住信SBIネット銀行では取り扱いがありません。
⑤職業
住信SBIネット銀行の住宅ローン審査では、職業についての制限はあまりありません。パートやアルバイト、年金収入のみの人は別として、契約社員や派遣社員でも契約が出来ます。そういう意味では、門戸を広く開いているのが住信SBIネット銀行です。該当する人は、遠慮なく申し込んでみましょう。
ネット銀行・住宅ローン比較【楽天銀行】
次に紹介するのは、楽天銀行の住宅ローンです。楽天銀行の利用者は増加傾向にありますが、住宅ローンも人気があります。それには理由があるのですが、その理由を見ると、楽天銀行住宅ローンも選択肢として外せなくなるでしょう。その楽天銀行住宅ローンの特徴を詳しく見てみましょう。
金利:変動金利型・フラット35
楽天銀行住宅ローンには、2つの金利タイプがあります。変動金利型(固定特約付き)と固定金利型(フラット35)です。変動金利型の場合、固定特約付きという名称があることからもわかるように、途中で固定金利型に変更ができます。固定金利型は変更はできませんが、金利が一定なので、毎月の返済額が変わらず、将来の予定が立てやすいです。
変動金利型のメリット・デメリット
楽天銀行住宅ローンの変動金利型は、団体信用生命保険(団信)の保険料が0円で、全疾病特約が付いても変わりません。また、事務手数料が一律32万4000円で、他のネット銀行と比較しても低い水準です。一方、デメリットとしては、経済情勢の変化により、固定金利型よりも金利が高くなることがありますが、タイプの変更で何とかなる場合もあります。
固定金利型のメリット・デメリット
固定金利型も、事務手数料が融資額×1.08%と低いのが特徴です。これはフラット35全般に言えるメリットなので、必ずしも楽天銀行だけに当てはまるわけではありません。それから、楽天銀行のフラット35は、他の銀行と比較しても金利が低いです。デメリットは、変動金利型よりも高い金利水準となっていることです。
楽天銀行・審査基準
楽天銀行住宅ローンの審査基準を考えてみましょう。と言っても、楽天銀行で審査基準を明らかにしているわけではありませんが、さまざまな情報を総合すると、大まかな特徴が見えてきます。いったい楽天銀行審査基準は厳しいのか甘いのか細かくチェックしてみましょう。利用を検討している人にとっては必見の情報です。
①クレジットヒストリー
信用情報機関には、クレジットカードや各種ローンの返済状況が2年分記録されていますが、その記録に問題があると、住宅ローン審査に通りません。問題とは返済の延滞のことですが、これでは楽天銀行住宅ローンに限らず、どこの審査通過も出来ないでしょう。返済をしっかり行えない人では、信用が出来ないというわけです。
②他社借入件数
住宅ローンの申し込みにあたっては、他の借入は出来る限り返済をしておくべきです。借入件数が多いと、それだけで審査通過が難しくなります。せいぜい一件が限度です。自動車ローンや教育ローンの場合は、生活になくてはいけないものであるため大目に見られることもありますが、カードローンやキャッシングを多く利用している人は要注意です。
③勤務先・年収
勤務先と年収は、住宅ローン審査では最重要項目の一つです。まず、勤務先ですが、楽天銀行住宅ローンでは、公務員や上場企業の正社員が一歩審査で有利です。自営業や小企業の役員では審査に通過出来ない場合があります。一方、年収については、最初から規定があり、400万円以上というルールが設けられています。
④返済負担率の範囲内
返済負担率とは、住宅ローンと他のローンの返済額に対する年収の高さを表す数字です。楽天銀行住宅ローンでは、返済負担率を30~35%と定めています。しかし、標準的な年収なら30%のほうが適用されるので、あまり高額の借入をして返済額が多くなっている人は、楽天銀行住宅ローンの審査には通りません。
ネット銀行・住宅ローン比較【ソニー銀行】
ソニー銀行住宅ローンも、楽天銀行と比較しても負けてはいません。金利も低いですが、特に自己資金が1割以上ある人は、その金利がさらに0.05%下がって、お得になります。繰り上げ返済は1万円から出来、回数も何度でもいいので、少しでも余裕が出来たらすぐに返済に回せます。保証料、団信保険料はともに無料です。
金利:変動金利・10年固定
ソニー銀行住宅ローンは、変動セレクト住宅ローンと固定セレクト住宅ローンに分かれています。前者は借入時に変動金利となり、後者は借入時に固定金利となります。もう一つ、住宅ローンというシンプルな名称のタイプもあります。これは事務手数料が抑えられ、いずれの金利タイプも選べる商品です。なお、どの商品も途中で金利タイプの変更が可能です。
ソニー銀行・審査基準
ソニー銀行住宅ローンの取り扱い説明書には、申し込み基準が載っています。それを見るだけで、おおよそのソニー銀行の審査基準が推測できます。好金利で、借入条件もいいソニー銀行の住宅ローンは、他のネット銀行と比較しても同様の審査の厳しさがありますが、一つ一つ項目ごとに基準を見てみましょう。
①年齢
住宅ローンの利用では、多額の借入金を長期にわたって返済していくので、年齢基準はどの商品でも厳しいです。ソニー銀行の場合は、満20歳以上65歳未満の時に申し込みをし、満80歳の誕生日を迎えるまでに返済を終えていなくてはいけません。これは、他行と比較しても標準的な基準ですが、年齢が上の人は制限に十分注意しましょう。
②年収
ソニー銀行住宅ローンの年収基準は、最低でも400万円となっています。最低でもということから行くと、もっと多いほうがいいということになります。これは、かなり厳しい水準で、他の銀行と比較しても高い部類に属します。したがって、年収がこれより低い人は、他行にあたる必要があります。
③職業
ソニー銀行の住宅ローンは、雇用形態についてかなり厳しい基準を設けています。契約社員、派遣社員、パートやアルバイトでは、利用不可となっています。パートやアルバイトが利用出来ないのは当然として、契約社員や派遣社員もダメというのは、そのような立場にある人にとってはつらいものです。この場合も、ほかをあたるしかありません。
④勤続年数
転職後には住宅ローンを組みにくいと言われていますが、ソニー銀行の場合は、勤続年数の縛りがないので、転職後まもなくでも審査に通る場合があります。ただし、1年前の1月1日以降に転職をした人は、新たな雇用契約書や採用通知書、転職後の収入を証明する書類の提出が必要です。年収を確認するためです。
⑤健康状態
ソニー銀行住宅ローンを利用する場合、団信への加入が義務です。団信に加入するには、一定以上の健康を維持していないといけませんが、そうでない人は審査に通りません。ただし、ソニー銀行の場合、条件が緩和されたワイド団信を扱っているので、多少の健康上の問題なら審査通過に支障とならない場合もあります。
ネット銀行・住宅ローン比較【イオン銀行】
イオン銀行住宅ローンには、他のネット銀行には見られない特徴があります。そのうちの一つが、がん保障特約に先進医療保障と上皮内ガン・皮膚ガン保障が付いていることです。珍しいケースです。また、イオングループでのショッピングが毎日5%割引なります。これもあまり聞かない住宅ローンの特典です。
それから、ネット銀行では対面相談をするのが難しいのですが、イオン銀行の場合、イオンの店舗で相談が出来ます。それも年中無休なので、とても利用がしやすいです。
金利:変動金利・10年固定
イオン銀行の住宅ローンのタイプは、金利によって3種類に分けられます。変動金利プラン、当初10年固定特別金利プラン、当初5年固定特別金利プランです。それぞれの金利の数値はネット銀行としては標準的な低さで、特筆するほどではありません。ただし、借り換えプランでは、条件が良くなるので、利用を検討してみてもいいでしょう。
イオン銀行・審査基準
イオン銀行住宅ローンでは、審査基準が他のネット銀行よりもやや緩くなっています。したがって、他の審査に通るのが難しそうに思える場合は、イオン銀行の審査を受けてみるのがいいでしょう。とは言え、住宅ローン審査である以上、一定の基準はあるので、それを詳しく見たうえで判断しましょう。
①年齢
イオン銀行住宅ローンの年齢基準は、申込時20歳以上71歳未満となっています。やや上限が高いので、高齢者でも申し込み可能ですが、返済の当てがある人だけが申し込みをするようにしましょう。完済時の年齢は80歳の誕生日までです。これは他のネット銀行と比較しても標準的なレベルです。
②年収
イオン銀行住宅ローンの審査基準で一番甘い項目は年収です。前年度年収が100万円以上あればOKとしています。普通に仕事をしている場合は、年収100万円というラインはクリアできるでしょうから、ほぼ誰もが申し込みが出来るということになります。この年収基準は、400万円以上としている楽天銀行やソニー銀行よりもかなり低い水準です。
③雇用形態
雇用形態についても、それほど厳しくないのがイオン銀行です。パートやアルバイト、年金収入のみの人は無理ですが、契約社員や派遣社員でも問題になることはありません。したがって、雇用形態が支障となって、他行の住宅ローンの審査に落ちたのなら、イオン銀行は一番の狙い目です。チャレンジしてみても悪くはありません。
④勤続年数
勤続年数については、6か月以上という決まりがあります。したがって、転職後すぐではイオン銀行住宅ローンは申し込みが出来ません。この点は、ソニー銀行よりも厳しくなっていますが、6か月くらいは待てばすぐに経過するので、それほど気にすることではないかもしれません。ただし、自営業の人は、事業開始後3年経っている必要があります。
⑤健康状態
イオン銀行住宅ローンでも団信への加入は必須なので、それに見合う健康状態でなければいけませんが、やはりワイド団信の扱いもあります。したがって、多少の病気なら住宅ローン審査に通る場合があります。イオン銀行のワイド団信は、融資実行時が満50歳未満、完済時が満80歳未満で利用出来ます。
ネット銀行・住宅ローン比較【じぶん銀行】
じぶん銀行の住宅ローンでは、がんと診断されただけで、住宅ローンの残高が半分になります。死亡や余命後何か月などの条件はなしです。また、すべての病気や怪我に対する全疾病保障も付いていますが、その保険料も無料です。それから、すでに説明したように、書類の郵送がないので、手続きが早いのもじぶん銀行住宅ローンの良さです。
金利:変動金利・10年固定
イオン銀行住宅ローンで特におすすめなのが、変動金利と10年固定金利です。業界最低水準なので、総返済額がかなり抑えられます。変動金利にはリスクもあるものの、そのリスクを考えてもかなりお得に利用できる場合があります。ただし、これらのタイプに優遇金利が適用されている分、15年以上の固定金利は高くなっています。
じぶん銀行・審査基準
じぶん銀行住宅ローンの審査基準も他行同様公表されているわけではありませんが、商品説明書やネット情報などをもとにある程度の予測はできます。そんな情報の中から、特に気を付けたい項目について説明します。と言っても、これは最低条件なのでほかにもチェックすべき項目はありますが、まずは最低条件を満たすことが先決です。
①年齢
じぶん銀行住宅ローンの年齢基準は、申し込み時満20歳以上65歳未満で、完済時は満80歳の誕生日を迎えるまでです。この基準はこれまでに紹介した他行の年齢基準とあまり変わりません。したがって、年齢基準に関しては、じぶん銀行は特に甘いわけでも厳しいわけでもなく、ごく標準的です。
②年収
じぶん銀行住宅ローンの場合、年収基準は200万円以上となっています。これは、イオン銀行ほどではありませんが、かなり甘い基準です。一般銀行の場合、年収300万円くらいを合否のボーダーラインにしているので、それよりは緩めの基準です。この基準なら、申し込んでみようという人もいるでしょう。
③職業
雇用形態についても、比較的甘い基準が設けられているのがじぶん銀行住宅ローンです。正社員や公務員は当たり前としても、契約社員、派遣社員、会社役員、自営業、個人事業主と幅広い人が利用できるようになっています。特に自営業や個人事業主が利用できるのはいいところで、該当する人たちにとっては貴重な存在となっています。
④勤続年数
勤続年数については、3年という数字が定められています。この点は他行よりも厳しく、少し我慢してからでないと、じぶん銀行住宅ローンの審査に通りません。ただし、条件によっては3年未満でいいことになっています。経歴書を提出した場合や育児休暇があった場合等は、基準が緩くなります。
⑤健康状態
じぶん銀行住宅ローンの利用でも、団信に加入しなければいけないので、健康状態のチェックがあります。ただし、じぶん銀行もワイド団信を取り扱っているので、完全な健康状態でなくても大丈夫な場合があります。じぶん銀行の利用では、団信の審査に落ちたら自動的にワイド団信の審査になるので、手続きは不要です。
ネット銀行の住宅ローンが向いている人
ネット銀行の住宅ローンを利用したほうがいい人、つまり向いている人について考えてみましょう。まず、金利が低いネット銀行の住宅ローンは、とにかく返済額を抑えたと思っている人に向いています。次に、書類の準備を自分でやる自信がある人にもいいです。あとは、店舗へ行くのが大変だという人も利用すべきでしょう。
ネット銀行の比較を参考に自分に合った住宅ローンを探そう!
ここまで、ネット銀行の種類、ネット銀行・住宅ローンのメリットやデメリット、各ネット銀行・住宅ローンの特徴などについて解説しました。一口にネット銀行と言っても、種類はたくさんあります。それぞれのネット銀行では独自の住宅ローンを提供していますが、そのメリットやデメリットを良く比較して、自分に合った住宅ローンを探してください。