郵便局のかんぽ生命とは?
郵便局といえば、郵便配達を思い起こしがちですが、かんぽ生命も大切なサービスの一つです。サービスの開始は1916年ですから、100年以上の歴史があり、民営分社化(2007年)とともに、「かんぽ生命」に生まれ変わりました。現在では学資保険を始め様々な保険商品が取り扱っています。ここでは、かんぽ生命の学資保険について紹介します。
学資保険で備えておく
郵便局のかんぽ生命には様々な商品がありますが、中でもおすすめなのが、学資保険「はじめのかんぽ」です。子供の教育費には、学費や塾など日常的に必要なお金のほかに、卒業や入学といった節目の時期に必要はお金があります。
とりわけ、高校・大学の入学に際しては多額のお金が必要となります。また、子供が学校に在学中に親が病気などで入院したり、死亡してしまうこともあります。学資保険「はじめのかんぽ」はこういった事態のために備えておける保険商品なのです。
郵便局のかんぽ生命には3つの学資保険コースも!
郵便局の学資保険「はじめのかんぽ」には、ライフプランに合わせて、小中高及び大学入学時、大学入学時、大学入学及び大学在学時の費用を準備する3つの学資保険コースが用意されています。それぞれに大きなメリットがありますから、加入前にその内容を理解しておくことが大切です。ここでは、かんぽ生命の3つの学資保険コースについて紹介します。
小・中・高・大学入学時の学資保険コース
小・中・高+大学入学時の学資保険コースは、大学進学時にかかる費用に備えるだけでなく、小・中・高入学前にも学資祝い金を受け取ることができます。子供の学費と言えば、大学受験時を思い浮かべがちですが、最近では小学受験や中学受験も珍しくありません。その際に備えが全くないと慌てることにも成りかねません。
つまり、小・中・高+大学入学時の学資保険コースは、子供の成長に合わせて必要な費用に備えを蓄えるための学資保険だと言えます。なお、保険金の払込み期間については、17歳・18歳で払い込みを満了するコース又は12歳で払い込みを終え満期を迎えるコースから選ぶことができます。
入学前に受取れる
小・中・高+大学入学時の学資保険コースで気になるのが、学資祝金(満期保険金)を受け取れる時期です。結論から言えば、小中高校及び大学の入学前に受け取ることができます。
例えば、300万円の基準保険金額の場合だと、小学校入学前の12月に15万円、中学校入学前の12月に30万円、高校入学前の12月に45万円の学資祝金が支払われます。そして、大学入学時には300万円の満期保険金を受け取ることができますから、まとまったお金が必要な時の備えをしたい人におすすめのコースです。
大学入学時の学資保険コース
大学入学時の学資保険コースは、大学入学時の費用に備えて加入するものです。満期保険金を受け取る年齢については、早生まれの人にも対応できるよう17歳満期又は18歳満期から選ぶことができます。また、保険金の払込み期間については、17歳・18歳払い込み満了コース又は12歳で払い込みを終え、満期を迎えるコースから選ぶことができます。
大きな出費に備える
大学入学時の学資保険コースは、大きな出費に備えた学資保険になります。大学に入学する際には、大学受験にかかる費用、入学金など初年度納付金の他に、一人暮らしなど新生活に必要な費用もかかり、大きな出費は避けられません。その点、学資保険「はじめのかんぽ」に加入しておけば、大学入学時の出費にも余裕をもって対応することができます。
大学入学時と在学中の学資保険コース
大学入学時と在学中の学資保険コースは、大学入学時に学資祝金を受け取り、その後、大学卒業まで一定の学資祝金(満期保険金)を受け取りるものです。例えば、300万円の基準保険金額の場合だと、大学入学時に75万円、その後、大学卒業まで毎年75万円の学資祝金(満期保険金)を受け取ることができます。
お金の掛かる在学中も安心
大学入学時にはまとまったお金が必要ですが、在学中の出費も決して侮ることはできません。授業料や教材費は当然として、留学する場合には大きな費用が必要となります。実家を出て一人暮らしを始める場合には生活費も必要です。つまり、大学入学時と在学中の学資保険コースは、大学入学後の出費に照準を定めた学資保険だと言えます。
コースは12歳・17歳~18歳で満期
保険料の払込については12歳までに全額払い込む「12歳払込済」もしくは、18(17)歳まで払い込む「18(17)歳払込済」のどちらかを選ぶことができます。少しでも返戻率を高めたいと考えるなら、「12歳払込済」が有利です。なお、被保険者の加入年齢は0~12歳までと広く、医療保険の特約が付加できるのも魅力です。
出生予定日の140日前から加入可能!
学資保険は、子供が生まれてからでないと加入できないと思われがちです。しかし、かんぽ生命の学資保険「はじめのかんぽ」は出生予定日の140日前から加入することが可能です。これは「出生前前加入制度」と呼ばれ、払い込む保険料も受け取る満期保険金、返戻率に変わりはありません。ここでは、「はじめのかんぽ」への加入方法について紹介します。
郵便局のかんぽ生命で事前準備
学資保険「はじめのかんぽ」に加入する場合、全国の郵便局(又はかんぽ生命の直営店)で事前準備を行います。とりわけ、出生前前加入制度を利用する場合には、出産140日前であるか否かを確認する必要があります。そこで、必要となるのが「母子手帳」となります。これは、母親でなく父親が手続きを行う場合も同様です。
子供が生まれてからでは大変
かんぽ生命の学資保険「はじめのかんぽ」に加入できる、出生予定日の140日前といえば、妊娠期間の計算は1ヶ月28日とすると、出産5か月前になります。つまり、妊娠6ヶ月目あたりから加入できる計算になります。
ずいぶん、早い時期から加入できるように思われがちですが、出産後だと「出生届の提出」「産婦人科への支払い」「親族や職場への連絡」などで忙しくなり、学資保険への加入を失念する場合もあります。その点、出産前であれば時間的な余裕もあり、ライフプランと照らし合わせながら、しっかりと検討して加入することができるのです。
郵便局のかんぽ保険への加入方法
学資保険「はじめのかんぽ」をはじめかんぽ保険に加入する場合、近くの郵便局又はかんぽコールセンターに相談すると良いでしょう。しかし、郵便局に相談する際には、何を相談したいのか明確にする必要があります。ここでは、郵便局に相談する際の注意点や、かんぽ生命加入への必要書類について紹介します。
近くの郵便局で話を聞く
かんぽ生命の学資保険「はじめのかんぽ」などの保険商品に加入するなら、加入後の手続きの利便性を考えて、近くの郵便局で話を聞くとよいでしょう。この時、注意したいのが、保険の契約内容の全てを、郵便局任せにするのではなく、自分自身でどういった目的で保険に加入したいのかを明確にしておくことです。
学資保険であれば、大学入学までの節目における資金を準備したいのか、大学入学時の資金を準備したいのか或いは入学後の資金を準備したいのかを明確にしておくことです。そうすることで、郵便局から的確なアドバイスを受けることができますし、加入後に失敗することもありません。
かんぽ生命加入への必要書類
かんぽ生命に加入する場合、郵便局において契約者本人が「ご意向確認書」を記入し、商品内容などを確認します。その上で「保険契約申込書」に契約者及び被保険者が自署することで契約成立となります。
その際に必要となるのが、本人確認を行うための、顔写真付証明書類(運転免許証・個人番号カード・パスポートなど)と母子手帳になります。また、保険料の払込方法を口座払込みとする場合、併せて預貯金通帳及び金融機関届出印が必要になります。
かんぽ生命の学資保険のメリット
かんぽ生命の学資保険「はじめのかんぽ」のメリットは、それぞれのライフプランに合わせたコースが柔軟に選べる点で、非常に利便性の高い保険商品であると言えます。しかし、他の生命保険会社からも同様の学資保険が発売されているのも事実です。そこで、かんぽ生命の学資保険「はじめのかんぽ」独自のメリットについて紹介します。
特約が充実
かんぽ生命の学資保険「はじめのかんぽ」のメリットの一つに特約が充実していることがあげられます。特約とは、保険商品の主契約に付加できるオプションのことであり、保障内容の充実を目的としたものです。かんぽ生命の学資保険「はじめのかんぽ」の場合だと、医療特約「そのひから」を特約として付加することができます。
「そのひから」で付加できるのは、「無配当傷害医療特約」「無配当総合医療特約」「無配当災害特約」の三種類となります。つまり、特約を付加することで、子供の医療保険をカバーできますから、特約の保障範囲を踏まえ、必要に応じて付加できるのがメリットです。
契約者貸付制度が利用可能
契約者貸付制度の充実も「はじめのかんぽ」の大きなメリットの一つです。契約者貸付制度とは、加入している保険の解約返戻金の範囲内で貸付を受けることができる制度です。かんぽ生命の学資保険「はじめのかんぽ」の場合だと、貸付期間は「貸付を受けた日の翌日から1年を経過する日までの期間」の1年となります。
ただし、貸付期間終了後、さらに1年間が経過するまでの間に返済できなかった場合には、支払われる保険金が減額されますから注意が必要です。なお、契約者貸付利率は、貸付期間内であれば2.25%、貸付期間経過後は2.300625%となります。
かんぽ生命の学資保険のデメリット
どこの保険会社の学資保険であってもデメリットはあるものです。しかし、デメリットにばかりこだわって加入を渋っていると、いつまで経っても学資保険に加入することはできません。大切なのはデメリットをしっかりと理解した上で、その保険に加入することです。
事前にデメリットを知っておけば、加入後にがっかりすることもありませんし、それを補う手立てを考えるものです。そこで、かんぽ生命の学資保険「はじめのかんぽ」のデメリットについてまとめてみました。
特約を付けると元本割れをする
かんぽ生命の学資保険「はじめのかんぽ」のデメリットとしてあげられるのが、特約を付加することで元本割れを起こしてしまうことです。返戻率にも大きく関係しますが、保険料が高くなれば満期までに支払った保険料の総額が、満期保険金を上回ることがあります。
とりわけ、特約を付加すると、必然的に保険料は高くなりますから、元本割れが生じるのです。元本割れはデメリットではありますが、子供の医療保険は必要になります。したがって、別に医療保険に加入した場合と、どちらが有利なのかを見極めることが大切です。
返戻率が低い
返戻率の低さもかんぽ生命の学資保険「はじめのかんぽ」のデメリットであると言えます。2018年度時点で95.2~98.0%の返戻率は、主要保険会社の学資保険の返戻率と比較しても低い部類に入ります。
これは、2017マイナス金利の影響によるものですが、医療特約を付加した上での数字ですから、返戻率の低さといったデメリットだけで学資保険を比較するのは得策ではありません。
かんぽ生命の学資保険は避けるべき?
かんぽ生命の学資保険「はじめのかんぽ」には、「元本割れをする」「返戻率が低い」といったデメリットがありますが、それだけを理由に選択肢から外すのは得策ではありません。学資保険には貯蓄型と保障型の2種類があり、「はじめのかんぽ」は後者にあたります。
特に「はじめのかんぽ」は医療特約に優れていますから、返戻率が低くなるのは必然とも言えます。したがって、貯蓄だけでなく保障も充実させたいと考えるなら、「はじめのかんぽ」はデメリットよりもメリットが上回る商品だと言えるのです。
かんぽ生命の学資保険に付加する特約の内容
かんぽ生命の学資保険「はじめのかんぽ」のメリットの一つに「特約が充実していること」を紹介しましたが、その内容は非常に多岐にわたります。そこで、「はじめのかんぽ」に付加できる特約の内容について紹介します。
無配当災害特約
無配当災害特約とは、被保険者が特約の保険期間中に不慮の事故を原因とするケガによって死亡又はかんぽ生命が定める身体障がいになった際、「死亡保険金」「障害保険金」が保証されるものです。
無配当傷害医療特約
無配当傷害医療特約とは、不慮の事故を原因とするケガにより3年以内の入院を要する場合のほか、手術、放射線治療を受けた場合に「入院保険金」「手術保険金」「放射線治療保険金」が保証されるものです。さらに、入院初期保険金のあるI型と入院初期保険金のないII型があります。
無配当総合医療特約
無配当総合医療特約とは、病気や不慮の事故を原因とするケガにより入院を要する場合のほか、手術や放射線治療を受けた場合に「入院保険金」「手術保険金」「放射線治療保険金」が保証されるものです。なお、入院初期保険金のあるI型、入院初期保険金のないII型があります。
さらに、無配当総合医療特約に限り、厚生労働大臣が定める先進医療に該当する療養を受けたとき、「先進医療保険金」が保証される「無配当先進医療特約」を付加することができます。
郵便局のかんぽ生命を上手に活用しよう!
かんぽ生命の学資保険「はじめのかんぽ」は、全国の郵便局で手続きができる保証型保険です。ライフプランに合わせて、大学入学時のほか、小中高入学時や大学在学時の費用を準備する3つのコースから選べます。また、医療特約や契約者貸付制度も充実していますから、その内容をしっかりと理解して、早い段階で加入しておきたいものです。