妊娠での退職で失業保険を受け取る方法!延長の方法や受給中に発覚の場合は?

妊娠での退職で失業保険を受け取る方法!延長の方法や受給中に発覚の場合は?

出産・育児があるのですぐに仕事には就けないが、妊娠して会社を退職した場合に「そもそも失業保険はもらえるのか?」、「もらうためにはどのような手続きをしたらよいのか?」。こんな疑問にお答えするために、妊娠した方の失業保険に関する手続きと注意点について解説します。

記事の目次

  1. 1.そもそも失業保険とは?
  2. 2.妊娠を理由とした失業保険は?
  3. 3.妊娠して失業保険が受け取れない場合
  4. 4.失業保険の延長を解除する方法
  5. 5.失業保険における延長申請の手続き方法
  6. 6.就職が決まったときの手続き方法
  7. 7.妊娠での失業保険は延長申請を忘れずに

そもそも失業保険とは?

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失業保険(雇用保険)は、失業した人の生活を安定させ1日も早い再就職を支援する制度です。「再就職を支援する」ことが目的で、失業手当は再就職のために求職活動を行っている方に支給されます。では、妊娠していて求職活動ができないと失業手当は支給されないのでしょうか?ここでは、妊娠した方のための失業保険の手続きについて解説します。

雇用保険の被保険者が受け取る手当

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会社を辞めたら必ず失業保険が支給されるわけではありません。失業保険が支給されるためには、退職(離職)日から遡って2年以内に失業保険に12ヵ月以上加入(会社倒産等のやむを得ない理由の場合は1年以内6ヵ月以上)していることに加え、就職の意思や就職できる能力(健康状態・環境など)、積極的に求職活動を行っていると認められる必要があります。

失業保険を受け取るための条件は、妊娠している場合も同様です。妊娠していても就職する意思を持ち求職活動を行い、失業保険の受給中は求職活動を継続し、ハローワークに定期的に活動状況を報告する必要があります。

失業保険の給付総額の決定方法

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失業保険の給付総額は、手当日額と給付日数によって決まります。手当日額は離職時の年齢と離職する直前6ヵ月間に支払われた賃金で決定され、給付日数は離職理由と失業保険の加入期間によって決定される仕組みです。

手当日額は離職する直前の6ヵ月間に支払われた賃金の合計金額を180で割った金額の45%~80%の水準になります。また手当日額には別途、年齢により上限が定められています。

給付日数は、基本的に失業保険の加入期間が長い方が、また、会社倒産など自己都合に依らないやむを得ない理由の方が、正当な理由のない自己都合よりも多くなります。

例えば、年齢30歳、賃金日額5000円の手当日額は約4000円、失業保険の加入期間5年、妊娠を含む自己都合退職の場合の給付日数は90日ですので、失業保険の給付総額は約4000円×90日=約36万円になります。

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妊娠を理由とした失業保険は?

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妊娠している場合は、病気やケガですぐに就職することが出来ない場合と同様に、原則として失業保険を受け取ることはできません。ただ、妊娠等を理由に30日以上就業できない期間がある場合には、申請によって離職日の翌日から原則1年間とされている受給期間を延長することで、手当の給付を将来に先延ばしすることができます。

受給期間に加えることができる期間は最大3年ですので、給付期間は最大で4年間に延長することが可能です。出産・育児を経て、働けるようになったら求職活動を始めると同時に、失業保険を受給できる仕組みになっています。

妊娠で退職した場合はすぐには受給できない

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妊娠したことで退職した場合でも、一定の条件を満たせば失業手当は受け取ることができます。一身上の都合など正当な理由のない自己都合退職で設けられる3ヵ月の給付制限もありません。ただ、失業保険はすぐに就職することができる方のための制度ですので、妊娠している方はすぐには失業手当を受け取ることができません。

あくまでも、働く意思を持って求職活動を行い、いつでも就職できる能力(健康状態・環境など)があり、積極的に仕事を探しているにもかかわらず現在職業に就いていないことが失業保険をもらう条件なのです。

妊娠の場合は給付期間の延長を利用する

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失業保険は本来、退職(離職)日の翌日から1年間ですべての給付を終える必要があります。ただ妊娠している方の場合、1年間で出産を経て求職活動を再開し失業手当の給付を終えることは極めて困難です。妊娠だけではなく、出産や育児(3歳未満)、病気やケガ、一定のボランティア活動等で30日以上職業に就くことができない場合もあるでしょう。

そこで、このようなすぐに仕事に就けない方のために、失業保険では給付期間の延長を申請することができます。給付期間を延長することにより、給付が受けられる期間を十分に確保しておくことができるのです。

失業保険は、妊娠した方や病気・ケガなどのやむを得ない事情で受給できる期間が足りなくなることを想定し、こうした方にとって保険制度が不公平にならないよう、受給期間の延長ができるようになっています。

失業保険の延長期間で第2子が発覚した場合

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失業保険の受給期間は最大4年間に延長できますので、延長期間中に第2子の妊娠が発覚する場合もあるでしょう。第2子の妊娠が発覚した場合、受給期間をさらに延長することはできませんので、第2子妊娠が発覚した場合でも求職活動を行い受給申請を行うことになるかと思われます。

受給期間の延長期間中に第2子妊娠が発覚した場合の対応については、第2子妊娠が発覚したタイミングによって異なる対応が考えられますので、一概に何とも言えません。所轄のハローワークに相談することをお勧めします。

失業保険受給中に妊娠が発覚した場合

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失業保険を受給中に妊娠が発覚する場合もありえます。失業保険は就職する意思を持って求職活動を行うことが手当受給の条件になりますので、妊娠が発覚して就職が困難になった場合は、失業保険を受給中でも受給期間の延長を申請し、まだ受け取っていない残りの給付日数分の失業保険は、受給を先延ばしにすることができます。

失業保険の延長申請が可能な期間は?

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失業保険の受給期間の延長手続きは、引き続き30日以上働くことができなくなった日の翌日以降、1ヵ月以内に行う必要があります。退職日が6月30日だとすると、その30日後の翌日である7月31日から1ヵ月以内に手続きを済ませるようにしましょう。

失業保険を受給中に妊娠が発覚した場合でも、妊娠が発覚し引き続き30日以上働くことができなくなった日の翌日以降、1ヵ月以内に受給期間の延長を申請するようにしましょう。

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妊娠して失業保険が受け取れない場合

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前述の通り、妊娠しても受給期間を延長することで失業保険の受け取りに問題はありません。それでも注意しなければならないことがあります。それは健康保険や年金といった社会保険について、配偶者の扶養に入るかどうかという問題です。

妊娠して退職した方は、健康保険や年金の保険料が免除されるため、配偶者の扶養(第3号被保険者)に入ろうと考える方も多いと思います。ところが、失業保険は再就職を支援するために支給されるものですから、扶養に入ってなおかつ失業保険を受給するのは、失業保険の考え方に沿わないと思われます。

また、そもそも失業保険の給付金は所得扱いとなりますので、受け取る給付金が扶養に入るための収入上限を超えた場合には、扶養に入って免除されると思っていた健康保険や年金の保険料を後でまとめて請求されるということになりかねません。

延長期間中に扶養に入る

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妊娠した場合、失業保険がすぐに受け取れないことは前述の通りです。ですから、受給期間の延長をして失業保険を受け取ることができない間は配偶者の扶養に入ることで、社会保険の保険料負担を減らすことができます。

そして求職活動を始めるタイミングで扶養を抜け、失業保険の受給申請をすれば、失業保険と扶養の両方のメリットを享受することができます。

配偶者の扶養を抜け失業保険の受給申請をする場合には、ご自身の健康保険、年金保険などの社会保険は自身で保険料を負担しなければなりません。ただ、失業保険の給付額は通常では社会保険の保険料負担よりも多くなりますので、メリットの方が大きいと言えます。

扶養に入る条件

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配偶者の扶養に入る条件を整理しておきましょう。扶養には健康保険や年金といった「社会保険の扶養」と「税務上の扶養」の二つがあります。

社会保険の扶養に入る場合には、生計を同じくする配偶者(被扶養者)の年間収入が130万円未満、税務上の扶養に入る場合には同様に103万円以下であることが条件となります。この上限を少しでも超えると扶養の資格が無くなります。

収入の条件を満たさず扶養に入っても、後で必ずそのことが発覚しますので、扶養認定は取り消されます。失業保険の失業認定にも影響を与える可能性がありますので、十分に注意してください。

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失業保険の延長を解除する方法

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受給期間の延長が認められると「受給期間延長通知書」が渡されますので、その延長の理由が終わったときは、速やかに所轄のハローワークに届け出る必要があります。妊娠・出産・育児を経て働けるようになったら、受給期間の延長を解除し失業保険の受給申請をしましょう。

扶養から抜けた場合は延長の解除申請が必要

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失業保険の受給期間の延長を解除する際、社会保険の扶養に入っている場合には扶養から抜ける手続きを忘れないようにしましょう。また扶養から抜けた場合は、失業保険を受給中でもご自身の国民健康保険、国民年金の加入手続きも忘れないようにしてください。

前述しましたが、社会保険の扶養に入って失業保険を受給し、後で扶養の条件を満たしてなかったことが発覚した場合、過去に遡って保険料を納付する必要があるほか、その間に健康保険で診療を受けた場合、医療費の保険負担部分を後で請求されることになりますので、十分に注意しましょう。

手続きに必要な書類

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失業保険の受給期間の延長解除に必要な書類を確認しておきましょう。通常の受給申請に必要な離職票(1及び2)、雇用保険被保険者証、本人確認書類、写真2枚、銀行口座が確認できるもの、印鑑に加え、受給期間延長通知書と延長申請の際に提出した延長理由を証明するものを用意してください。

いつから失業保険が受け取れる?

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給付期間の延長を解除して失業保険の受給申請を行った場合、受給手続きを開始した日から7日間の待機期間、初回の失業認定日を経て失業保険を受け取ることができます。

妊娠して退職、失業保険を申請した場合は、一身上の都合といった正当な理由のない自己都合退職等の場合に適用される3ヵ月の給付制限はありません。従って、給付期間の延長解除、失業保険の受給申請を行ってからおおよそ1ヵ月くらい後には失業保険を受け取ることができます。

失業保険における延長申請の手続き方法

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これまでみてきた通り、妊娠して退職した場合には、失業保険の給付期間の延長手続きをすることで、出産・育児を経て働けるようになったときに安心して失業保険を受け取ることができます。受給中に妊娠が発覚した場合も同様に、給付期間の延長が可能です。延長申請の手続きについてあらためて確認しておきましょう。

延長申請に必要なもの

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延長申請には、受給期間延長申請書、雇用保険受給資格者証、延長理由に該当することの事実を確認できる書類が必要です。受給期間延長申請書はハローワークのホームページではダウンロードできませんので、所轄のハローワークでもらうようにしましょう。

延長理由を証明する書類は、妊娠の場合は母子手帳などが考えられますが、事前に所轄のハローワークに確認しておくとよいでしょう。

延長申請で失業保険を受給する場合

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妊娠して失業保険を受給する場合は、まず給付期間の延長手続きを行い、働くことができるようになったら延長申請を解除して受給申請を行います。失業保険を受給するためには、継続的に求職活動を行う必要があり、求職活動の状況を定期的にハローワークに報告します。

受給中、失業認定日は4週間ごとに設定され、直近4週間の求職活動について具体的な報告をします。ここで失業中と認定されると、失業保険が各認定日の5営業日までに給付されます。受給中は4週間に1回、手当日額の約4週間分をまとめて受け取ることになります。

また失業保険の受給中に、就職はもちろん、パート・アルバイト、臨時雇用などで1日4時間以上働いた場合や、1日4時間未満の内職や手伝いでも収入を得た場合には、ハローワークに必ず申告しなければなりません。申告しなかった場合は不正受給となり、支給停止、返還命令などの厳しい措置が講じられますので注意が必要です。

ハローワークで必要な書類

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ハローワークに提出する書類をあらためて確認しておきましょう。離職票(1及び2)、雇用保険受給資格者証、マイナンバーカード(または通知カード)、本人確認書類、本人の証明写真2枚、本人名義の銀行口座が確認できるもの、受給期間延長申請書、延長理由を証明できるもの、以上となります。

離職票は退職した会社に交付義務があります。作成には退職日から1-2週間ほどかかりますから、退職した会社に予め作成を依頼し手元にもらえる日を確認しておくと手続きがスムーズになります。

受給中に妊娠が発覚して受給期間の延長を申請する場合は、受給期間延長申請書、延長理由を証明できるものを用意してハローワークに申請します。

就職が決まったときの手続き方法

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出産・育児を経て就職(アルバイトやパートを含む)が決まったときは、原則として、就職の前日にハローワークに出向き就職の届け出を行います。そのときに、届出翌日から就職日前日までの期間の失業も認定されますので、就職日以降はハローワークへの来所の必要がなくなります。

再就職手当支給の可能性も

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就職が決まると失業保険は支給されなくなりますので、就職が思ったより早く決まり給付日数が多く残ると損した気分になるかもしれません。しかし失業保険では、一定の要件を満たせば再就職手当がもらえることを覚えておきましょう。

再就職手当がもらえる主な要件は、所定給付日数の3分の1以上を残して就職したこと、1年を超えて勤務することが確実と見込まれる安定した職業に就いたと認められることなどです。

再就職手当の給付額は、「支給残日数×手当日額×60%(3分の2以上残している場合は70%)」で計算されます。手当日額4000円、所定給付日数90日の方が支給残日数30日の時点で就職された場合、4000円×30日×60%=72000円がもらえます。

妊娠での失業保険は延長申請を忘れずに

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子供を産んでひと段落したらまた仕事に復帰したい。失業保険はそんな人も支援しています。安心して出産・育児を迎えるためにも、失業保険の受給期間を延長することをお勧めします。受給しない期間は配偶者の扶養に入ることも検討しましょう。いずれにしても、妊娠して退職することが決まったら、早めに所轄のハローワークに相談するようにしましょう。

shkamj
ライター

shkamj

shkamjと申します。56歳男性、金融機関で約30年の経歴があります。

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