フラット35とは?デメリットとメリットや条件などをわかりやすく解説!

フラット35とは?デメリットとメリットや条件などをわかりやすく解説!

CMなどでよく耳にするフラット35とは何でしょうか。フラット35とは住宅ローンの商品です。住宅の購入を検討されていてデメリットなど詳しく知りたい方もいるでしょう。この記事では、フラット35とは?やメリットやデメリット、条件などをわかりやすく解説します。

記事の目次

  1. 1.フラット35とは
  2. 2.フラット35とはどの様な住宅ローン?
  3. 3.フラット35のメリットとは?
  4. 4.フラット35のデメリットとは?
  5. 5.フラット35の利用条件とは?
  6. 6.フラット35の審査とは?
  7. 7.フラット35と民間住宅ローンの比較のポイントは?
  8. 8.フラット35とは人によってメリット・デメリットが大きく分かれる!

フラット35とは

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たまに耳にする「フラット35」というワードをご存知でしょうか。テレビのCMなどで、なんとなく住宅ローンのことかな?と想像している方もいらっしゃるでしょう。フラット35とは、住宅ローンの商品の1つです。

これから住宅を購入される方で、住宅ローンは銀行で組む方が良いのか、フラット35が良いのか、と悩む方も少なくありません。そこでこの記事では、フラット35とはどんな住宅ローンなのか?やデメリットやメリット、条件などを詳しく解説します。

住宅ローンの商品の1つ

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住宅ローンには、民間住宅ローンや財形住宅融資など、様々な種類があります。その中でフラット35は、民間金融機関が融資した住宅ローンを、住宅金融支援機構が譲り受けて、そのローンを元手に資金調達を行うという方法のローンの商品です。

一般的には、長期間の固定金利で融資する事は難しいとされています。しかしフラット35は、住宅金融支援機構がそのリスクを担っているため実現したローン商品です。

銀行と住宅金融支援機構のコラボ

フラット35とは、民間の金融機関と住宅金融支援機構が提携している住宅ローンです。民間の金融機関の住宅ローンは、金利が変動する商品が多く、長期に渡って金利が固定されている商品は、リスクが高いためあまり売られていません。

しかし、そのリスクを住宅金融支援機構が担うことで、長期(最長で35年)固定金利の住宅ローンとして販売が可能となりました。

フラット35とはどの様な住宅ローン?

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住宅ローンの商品は、様々な種類がありますが、どのような種類のローンを組めば良いのか迷ってしまいます。ローン商品を決めるには、ローンの仕組みを知って、理解する必要があります。

フラット35とは、民間の金融機関と住宅金融支援機構のコラボ商品と紹介しました。ここからはさらに詳しく、フラット35とはいったいどんな住宅ローンの商品なのか?について解説します。

フラット35は全期間の返済が固定金利

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フラット35とは、長期間金利が固定の住宅ローンとなります。前述したとおり、金利を長期間固定するということは大変なリスクが伴うのですが、住宅金融支援機構がリスクを負うことで可能となっているのです。

リスクを負った住宅金融支援機構は、いったいどのように資金を調達するのでしょうか。それは、住宅金融支援機構が譲り受けた住宅ローンを担保とした債権を投資家に売っているのです。

融資開始から同じ金利

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フラット35は、長期間固定金利の住宅ローンのため、融資を開始した時の金利で全期間返済していく事になります。すなわち、毎月の返済金額が決まっているのです。

たとえ返済中に金利が上がったとしても、毎月の返済金額は固定されているため変わりません。ですので、長期間の見通しが立てやすくなっています。

フラット35のメリットとは?

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フラット35とは、どんな住宅ローンなのかを解説してきました。長期間金利が固定ということはもうお分かりいただけたことでしょう。しかし、それだけではまだ、ローン商品を選びきれないという方も少なくないでしょう。

フラット35が気になっていて利用したいけれど、他の住宅ローンと比べてどんなメリットがあるのでしょうか。ここからは、フラット35のメリットとはどんなものがるのか紹介していきます。

メリット①個人事業主も借りやすい

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自営業などの個人事業主は、一般的な会社員と比べると住宅ローンの審査に通りにくいです。それは、通常の住宅ローンは「長期に渡ってしっかり返済してくれるのか。返済の資本はどこなのか。」という審査基準であるためです。

会社員は会社が続く限り、毎月給与がもらえるため、長期間安定した収入があるとみなされます。しかし個人事業主の場合は、個人がどれだけ仕事をしているかで収入が変動してしまいます。銀行側からすると、不安定な収入というように見られてしまう事があるのです。

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そこで、個人事業主におすすめなのがフラット35です。フラット35は、審査の時に使用される所得が直近の1期分(1年)だけとなっています。通常の銀行の審査は3期分の平均を見ます。その中で1期でも赤字があると、なかなか審査に通りません。

しかし、1期分だけであれば去年は赤字だったけど今年は黒字だった、という時にも審査に通る可能性があるのです。

メリット②保証料が掛からない

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一般的に、銀行などが販売している住宅ローンには、保証料がかかるものがあります。この保証料は、住宅ローン保証会社へ支払うお金となります。ローンを組む時には、この住宅ローン保証会社と契約するか、連帯保証人を立てるかのいずれかを求められます。

しかしフラット35では、保証料も連帯保証人も不要となっています。住宅ローン以外の諸費用を抑える事ができるのです。

メリット③繰り上げ返済の手数料が無料

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また、住宅ローンを繰り上げ返済したい時、銀行の住宅ローンでは手数料がかかる場合があります。繰り上げ返済をして早くローンを完済させたいはずが、手数料を取られてしまっては無駄なお金がかかってしまうことになります。

しかし、フラット35は繰り上げ返済の手数料は無料となっています。できるときには繰り上げ返済したいと考えている方は、フラット35であれば手数料がかからないためおすすめと言えます。

メリット④フラット35Sの利用で金利を下げれる

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フラット35の商品の中には「フラット35S」というプランがあります。このフラット35Sとは、省エネルギー性や耐震性など、質が高い住宅を購入する場合に適用できるプランです。

このフラット35Sは、フラット35の金利を当初10年間下げることができる「金利プランA」と、当初5年間下げることができる「金利プランB」が存在します。プランAの方がプランBより、購入する住宅の質が高くなっています。

このどちらの金利プランでも、フラット35よりも金利を下げることが可能となります。高品質の住宅を検討している場合は、フラット35Sがおすすめとなります。

メリット⑤固定金利で返済額が変わらない

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そして、フラット35の最も大きな特徴は、長期間の金利が固定されているということです。金利が変動してしまうと、借入れした時にはまだ全体の返済額は確定しません。しかし金利が固定されていれば、借入れした時に全ての返済額が確定します。

変動金利では、将来の返済計画が非常に立てづらいですが、固定されていれば返済計画が借入れ時に立てられます。さらに、借入れした後に市場の金利が高くなってしまっても、返済額は増加しないのでとても安心です。

フラット35のデメリットとは?

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フラット35のメリットについて解説してきました。個人事業主の方や、高品質な住宅を希望されている方にはとてもおすすめの商品となっています。また、途中で繰り上げ返済をしたい場合にも他の商品と比べるとメリットがあることがわかりました。

ここからは、フラット35のデメリットについて解説していきます。メリットがある一方デメリットもあります。フラット35のデメリットとはどんなものなのか、詳しく紹介していきます。

デメリット①住宅の技術基準を見る為の検査が必要

フラット35の審査の基準は、物件の技術の基準が審査基準を満たしているかが中心となっています。銀行などが扱っている住宅ローンは、返済能力があるかが主な基準なので審査基準に違いがあります。

フラット35が行う物件の検査には、新築の場合は設計段階から検査が発生します。建築の途中の段階での現場検査や、竣工時の現場検査も行われます。また、中古の場合は書類確認だけでなく、現場での調査も発生します。

それらの検査には、物件に関する書類を準備する必要があります。また、検査費用も発生します。書類の準備の手間がかかる上に、費用もかかってしまうのです。

デメリット②諸費用までは借りれない

住宅ローンを借入れる際、融資手数料やローン保証料などの諸費用が発生します。この諸費用は、購入する住宅の金額にもよりますが、高額になってしまうことがあります。

多くの住宅ローンでは、この諸費用を含めて借入れすることが可能ですが、フラット35では諸費用まで借入れすることができません。ですので、住宅そのものはローンで返済していくこととなりますが、諸費用は別途用意しなければなりません。

先にも述べたとおり、物件審査にも費用が発生します。これらの諸費用は高額になるケースが多いですので、別途準備しておかなければならないのです。

デメリット③金利が下がっても返済額は下がらない

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フラット35のメリットとして紹介した固定金利ですが、裏を返せば、金利が下がった時に返済額が下がらないというデメリットがあります。

借入れの時の金利が固定されてしまうので、借入れ時点の金利が一番高い場合は、当然損をしてしまうという結果となります。変動金利よりもリスクは回避できるかもしれませんが、より高額を支払い続けるということになり得るのです。

デメリット④変動金利より金利が高め

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フラット35は、他のローン商品と比べると金利が高めに設定されています。それは、全期間の金利が固定されているからです。ですので月々の返済額も他の商品に比べて高くなってしまいます。

また、フラット35は自己資金を用意している人としていない人でも、金利の差が発生します。自己資金を10%以上用意できる人に比べ、10%未満の人は金利が0.4%~0.5%程高くなってしまうのです。
 

デメリット⑤団体信用生命保険の加入には別途料金

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フラット35では、団体信用生命保険の加入が任意となります。そのため、別途費用が必要となってしまいます。銀行などの住宅ローンの場合は、団体信用生命保険に入ることが強制されています。ですので料金が元々含まれていることがほとんどです。

しかしフラット35の場合は、毎年保険料が発生します。その金額は、ローンの残高が1,000万円毎に35,800円かかります。例えば3,500万円借入れたとすると、初年度は10万円以上かかることになります。

フラット35の利用条件とは?

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フラット35の特徴や、メリットデメリットについて詳しく解説してきました。フラット35とはどういった住宅ローンなのかが、おわかりいただけたでしょうか。

また、メリットやデメリットを考え、ご自身の希望と合致している商品なのかを考えることができたのではないでしょうか。それではここからは、フラット35を利用するための条件について、詳しく解説していきます。

①利用できる人

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まず、フラット35を利用できる人について説明します。そもそも住宅ローンは、審査基準を満たしている人が借入れが可能となっています。それぞれの住宅ローンで審査の基準は変わってきます。

その中でもフラット35を利用できる人は、どのような基準に設定されているのでしょうか。フラット35の借入れする人の基準を説明します。

申込時の年齢が70歳未満

まず、申込みの条件として申込時の年齢が70歳未満であることが条件となっています。ただ、親子リレー返済を希望している場合は、70歳以上の方でも借入れが可能となる場合があります。

また、年齢基準に加え、国籍が日本であることも基準となっています。ただし、永住許可がある方や、特別永住権を持っている方も借入れが可能となっています。

返済基準を満たしているか

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さらに、返済の基準を満たしているかも審査の基準となっています。フラット35の返済基準は、ローンの返済負担額の割合(年収の何割が年間の返済額か)が基準を満たしているかどうかです。

年収が400万円未満の場合は、基準は30%以下となっています。年収が400万円以上の場合は、基準は35%以下となっています。

このローン返済負担額の割合には、フラット35だけでなく、他のローン(自動車のローンなど)も含まれます。たくさんローンを組んでいる場合には注意が必要となります。

②利用できる住宅

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フラット35の審査には、住宅の審査も重要視されています。住宅の審査基準を満たしていない場合は、フラット35を利用することができません。新築物件の場合は、設計の段階から審査が始まります。また、中古物件の場合は、書類審査や現地調査が必須です。

フラット35の条件を満たしている住宅とは、どういった住宅なのでしょうか。フラット35の対象となる住宅について解説します。

技術基準に適合

まず購入する住宅が、住宅金融支援機構の技術基準を満たしている必要があります。この技術基準は細かく定められています。例えば道に接している距離や、住宅そのものの規格、断熱構造や配管の設備などまで多岐にわたります。

この細かく定められた基準を一つ一つ審査し、基準を満たしている住宅だけがフラット35を利用してローンを組むことができます。

住宅の面積の基準値以上

また、技術基準には住宅の規模の基準もあります。一戸建て、連続建て、重ね建て住宅の場合は、床面積が70㎡以上となります。共同住宅の場合は、床面積が30㎡以上となっています。

この床面積とは、住宅部分の床面積となります。店舗などの併用部分、車庫、共同住宅の共有部分などは床面積に含まれませんので注意してください。

③借りられる金額

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フラット35では、借入れができる金額にも、下限・上限が設けられています。購入を検討している住宅にかかる金額によっては、フラット35で借入れができない可能性があります。フラット35で借入れができる金額を把握して、ご自身の条件と合致しているかしっかり確認しておきましょう。

100万円以上8000万円以下

フラット35で借入れできる金額は、100万円以上8,000万円以下となります。この範囲内で1万円単位で借入れすることができます。8,000万円以上の住宅では借入れができませんので注意してください。

また、住宅だけでなく土地も含めて購入する場合は、その土地代金も含めた金額となります。なお、事務所や店舗などの併用部分がある場合、その部分にかかわる費用に関しては借入れの対象外となります。

④借りられる期間(短い年数が上限)

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フラット35では、借入れができる期間が定められています。その借入れできる期間の範囲内で、借入れ金の返済計画を立てなければなりません。フラット35で定められている期間は、ご自身の年齢によってはとても短くなってしまう可能性もあります。フラット35の借入れ可能期間について詳しく解説します。

申込時の年齢から80歳

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まず、借入れ期間の上限は、15年(借入れ本人の年齢または連帯債務者の年齢が満60歳以上であれば10年)以上と定められています。なおかつ、「80歳」−「申込時の年齢」または「35年」のどちらかで短い方の年数(1年単位)が上限となります。

申込時の年齢は、もしご夫婦などで収入を合算して申し込む場合(年収の50%以上の合算の場合のみ)、申込者と収入合算者のいずれか高い方の年齢が基準となります。

また、「80歳」−「申込時の年齢」が15年(60歳以上の場合は10年)より短くなると借入れができません。平たく言うと、借入れができるのは70歳までということです。

35年

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そしてフラット35で借入れが可能な最大限の期間が、35年ということになります。この35年が適用できる年齢は、45歳以下ということになります。

20代、30代で借入れを希望するのであれば、「35年」という期間を選択することができます。しかし、それ以上の期間では借入れすることができません。また、選択した借入れ期間が20年以下で、途中から21年以上に変更しようとしても、基本的には変更ができません。

フラット35の審査とは?

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フラット35を利用するための条件について、詳しく説明しました。年齢や、借入れが可能な金額は明確なため、分かりづらいという事はありませんが、住宅に関する基準は、細かい審査基準が設けられているため分かりづらいという方もいらっしゃるでしょう。

フラット35の審査は、住宅の審査が中心となっています。そのため、住宅に関する細かい基準が定められているのです。

物件の住宅性能を重視して審査

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前述したとおり、フラット35は物件の性能を重視して審査をします。細かい審査基準を設けて審査し、条件が悪いと審査に落ちてしまう可能性があります。

その審査には、物件の検査が必須となっています。先にもお伝えしましたが、新築物件は設計から竣工まで、段階的に検査が入ります。中古物件は書類審査のみではなく、現場確認もされます。

審査が通りやすいのも特徴

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ただフラット35は、物件の性能審査が中心となっているので、それさえクリアしていれば、比較的審査が通りやすい住宅ローンとも言えます。民間の金融機関の住宅ローンは、できる限り貸し倒れを防ぐために審査基準を厳しく設けていることがほとんどです。

しかし、フラット35は住宅金融支援機構の住宅ローン商品です。この住宅金融支援機構とは独立行政法人です。すなわち、国の監督下にある法人の住宅ローン商品ということになります。

住宅金融支援機構は、フラット35を借入れできる条件を基準に審査しています。返済能力があるかどうかはあまり重要視していません。ですのでフラット35の審査は、銀行などの審査よりも通りやすいと言われているのです。

フラット35と民間住宅ローンの比較のポイントは?

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フラット35の条件やメリット・デメリットについて詳しく紹介しましたが、銀行などが販売している住宅ローンと比較するには、どこをポイントに比較していいかわからない、という方も少なからずいらっしゃるでしょう。ここからは、フラット35と他の住宅ローンの比較のポイントを紹介します。

比較ポイントは4つ

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まず1つ目のポイントとは、保証料があるかです。保証料は、固定金利の場合高く設定されている可能性があります。銀行などの住宅ローンの場合は、保証料を一括で支払うか、金利に上乗せするかの方法があります。金利の差が出るので、確認しておくと良いでしょう。

次に2つ目のポイントは、団体信用生命保険の加入です。フラット35は加入は任意となっていますので、健康状態によっては比較対象になります。

そして繰り上げ返済手数料があるかどうかもポイントです。フラット35は不要です。その他の住宅ローンも手数料がかかるかどうかを確認すると良いでしょう。

最後に審査の内容です。銀行などのローン審査は、年収や勤続年数などの審査基準となっています。フラット35は年収が返済基準を満たしているかという条件となっています。

フラット35とは人によってメリット・デメリットが大きく分かれる!

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いかがでしたでしょうか。フラット35とはどんな住宅ローンなのか解説しました。また、フラット35の特徴やメリット・デメリット、借入れの条件など詳しく紹介してきました。

フラット35とは住宅ローン商品で、その最大の特徴は借入れの全期間が固定金利という点です。その他にも借入れの条件やメリット・デメリットをふまえて、住宅ローンを選ぶ際の参考にしてみてください。

ma-bo-
ライター

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在宅ライターです。丁寧でわかりやすい記事を書けるよう日々精進いたします。宜しくお願いします。

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