がん保険の選び方と比較のコツは?保障内容などのチェックポイントを解説!

がん保険の選び方と比較のコツは?保障内容などのチェックポイントを解説!

がんに備えるがん保険は数多くあるため、選び方が分からなかったり、何を比較してよいか分からないという方のために、がん保険の選び方や比較ポイントについてまとめました。がん治療の現在とがん保険の基本的なことを知って、よりよいがん保険選びに役立ててください。

記事の目次

  1. 1.がん保険の選び方とコツ
  2. 2.がんは「治る病気」に変わりつつある
  3. 3.がん保険を選ぶ上での3つの条件
  4. 4.がん保険の比較と選び方①保障内容の充実
  5. 5.がん保険の比較と選び方②タイプの比較
  6. 6.がん保険の選び方と比較③期間の比較
  7. 7.がん保険の選び方と比較④保険料払い込み期間の比較
  8. 8.がん保険の選び方と比較⑤診断給付金の支払い条件
  9. 9.がん保険の選び方と比較⑥医療保険のがん特約との違い
  10. 10.がん保険の選び方に迷ったら保障内容か期間を比較する

がん保険の選び方とコツ

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今や国民の2人に1人が罹ると言われるがん。多くの保険会社から、様々ながん保険が発売されていますが、何がどう違うのか、少し見ただけでは分からないという方がほとんどです。

この記事では、各社のがん保険の違いを見るためのポイントを解説し、選び方のコツを紹介します。また、がん保険単独の加入と医療保険のがん特約の違いについても解説していますので、がん保険選びの参考にしてください。

がん保険の主な保障内容を確認

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まず最初に、がん保険で保障される、主な保障内容について解説します。各社の保険は、この保障内容のどこに重点を置くかが異なっているため、選び方のポイントとなっています。

主な保障内容は次から紹介する6つがあります。診断給付金、入院給付金、手術給付金、通院給付金、治療給付金、がん先進医療給付金となります。

診断給付金とは

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診断給付金とは、保険に定められた「がんと診断された時」にもらえる給付金です。診断一時金と呼ばれることもあります。受け取れる条件は各社で異なりますが、基本的には医者が「あなたはがんです」と診断確定した場合にもらえます。

もらえる給付金は契約によって大きく差がありますが、概ね50万円以上が給付金として受け取れます。また、契約期間中、診断給付金をもらえるのは1回だけであったり、数年おきに何度でももらえたりと、給付金額だけでなく、給付回数についても保険によって異なります。

入院給付金とは

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医療保険でも良く目にする入院給付金は、「がんと診断され、がんの治療を目的として入院」した場合に支払われる給付金です。契約に依りますが、概ね5千円以上の設定としているところが多くあります。

ただし、最近は日帰り手術や入院日数の短期間化を受けて、保障内容としてあまり重視されない項目となってきています。

手術給付金とは

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がんの治療を目的とした手術を受けた際に給付されるのが手術給付金です。保険契約によるものの、10万円や20万円の給付としている保険が多いです。

なお、健康保険の高額療養費制度を使えば、1ヶ月間の保険治療の医療費に上限ができるため、手術を受けなければもらえない手術給付金を多くもらえるようにするよりも、がんと診断されればもらえる診断給付金を多くもらえるようにしたほうが良い、という流れになってきています。

通院給付金とは

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がんによる治療が日帰り手術や入院日数の短期間化にシフトしていることによって、通院治療の割合が増えています。通院をする場合は思いの外、出費がかさみます。離れた病院に通う場合は電車代やタクシー代が都度必要になりますし、移動中の食費も必要になります。

通院給付金は、がんの治療を目的とした通院を行った際、1日あたりいくらという形で、通院給付金を受け取れます。入院給付金の通院バージョンと考えていただいて問題ありません。

治療給付金とは

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治療給付金は、手術以外のがん治療を行った際にもらえる給付金です。ただし、保障の対象となる治療は、保険契約によって定められています。抗がん剤やホルモン剤、放射線治療などがこれにあたります。

ある月に規約に定められた治療を行った場合、その回数に関わらず毎月いくらという形で給付金を受け取ることができます。特に抗がん剤治療は長い期間の治療となることが多いため、その期間の収入減については、治療給付金でカバーするような思想となっています。

がん先進医療給付金とは

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がんを治療するための多くの技術は、既に保険適用の対象となっていることが多いですが、重粒子線治療やワクチン治療など、先進医療として認定されたものは、まだ保険適用の治療となっていません。そういった治療を受けた場合にもらえるのが、がん先進医療給付金となります。

がん先進医療給付金は、これまでの保障内容と異なり、1回やったらいくら、という形ではなく、実際に行った治療に掛かった費用と同じだけを、被保険者が給付金として受け取ることができるものです。

がん治療で高額な部分

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がん治療を行う上で高額となりやすいものは、先進医療と化学療法(抗がん剤など)です。先進医療である重粒子線治療を行うために必要な金額は、約300万円と言われています。

抗がん剤などの化学療法は、1回あたりの金額はそこまで大きくはないものの、半年から1年程度、治療を続ける必要があるため、トータルで見ると大きな金額となってしまいます。

どちらもがん保険で特にカバーすべき部分ですので、必ず両方が保障内容に含まれているがん保険を選ぶようにしましょう。

がんは「治る病気」に変わりつつある

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がん保険について詳しく解説する前に、現在のがんという病気を治療するにあたっての常識を整理しておきましょう。現在のがん治療の現実を認識することで、本当に必要な保障内容はどういったものなのかを整理することができます。

まず覚えていただきたいことは、がんは「死に至る病」から「治る病気」へと変わりつつあるという現実です。

5年生存率は約62.1%

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がんなどの致死性の高い病気の生存率を計る指標として、5年生存率というものがあります。これは、ある病気に罹った患者が、5年後に何%生存しているかを調査したものです。

2016年に国立がん研究センターから発表された資料では、2006年から2008年のがんに罹患した患者の5年生存率は約62.1%でした。1993年から1996年のがん患者の5年生存率は53.2%であったため、約9%も上昇していることになります。以上のことから、がんは「死に至る病」から「治る病気」へと変わりつつあると言えます。

がんのリスクは「再発・転移」に

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がん患者の5年生存率が長くなったことにより、がんという病気に罹った場合のリスクが「死亡」から「再発・転移」に変わってきています。最初にがんに罹った部位は手術や治療によって治ったものの、違う箇所にがんが転移したり、同じ場所にがんが再発したりするケースがあります。

昔に比べて、がんに罹った場合に死亡するリスクは低くなったものの、がんという病気と長く付き合わなければいけないという、別のリスクが高くなってきているのです。

がん保険は長い期間を保障するものを選ぼう

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以上のことから、がん保険は死亡するリスクに備えるのではなく、再発・転移のリスクに備える保険である必要がありますし、各社のがん保険もそのようにシフトしつつあります。

がん保険を選ぶ上での必要な保障内容の条件や具体的な選び方は以下で述べますが、少なくともがん保険に加入するにあたって、これまで述べたような現実を理解した上で、がん保険を選ぶようにしましょう。

がん保険を選ぶ上での3つの条件

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がん保険の選び方のポイントを解説する前に、がん保険を選ぶ上で必ず満たさなければいけない3つの条件について説明します。現在のがん治療に合った考え方となりますので、どれか1つでも満たせないような保険であれば、選ばないほうが良いです。

注意しなければいけないのは、この考え方が将来に渡って通用するというものではなく、がん治療の常識の変化に従って、この条件も変わっていきます。がん保険は一度加入して終わりではなく、定期的に見直していくことが必要です。

診断給付金が何度でも給付される

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がん保険を選ぶ上での最初の条件は、診断給付金が一度ではなく、何度でも給付される保障内容となっているかどうかです。

がんは一度治療しても、再発や転移によって、何度も治療を強いられる可能性がある病気です。また、初回よりも2回目以降のほうが、治療費が多く掛かる傾向があります。そういった場合でもカバーできるよう、がん保険で最も大きな金額が給付される診断給付金は、何度でももらえるような保障内容となっているものを選びましょう。

長期間の治療に耐えられるような保障内容である

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がんは、一度の手術で切除して完治、あるいは寛解すれば良いですが、多くの場合、それだけでは済みません。そもそも、物理的に手術での切除が難しい場所に、がんが発生することもあります。そういった場合は、抗がん剤治療や放射線治療を行うことになりますが、手術での治療と違って、長期間に渡って治療を行う必要があります。

また、先にも述べたように、がんは再発・転移するリスクがあることから、一度治療した後も、同じ箇所や別の箇所でがんの治療を継続していく可能性もあります。

こういった事実を踏まえ、がん保険では、長期間の治療に耐えられるような保障内容であることが必要です。抗がん剤治療や放射線治療を受けた月に給付金がもらえるような保険であったり、通院治療の日数が無制限であったりといった内容です。

一生涯の保障がある

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がんは、若い頃よりも、高齢になればなるほど罹患率の上がる病気です。せっかく若いうちからがん保険に加入していても、保障期間が60歳までと短ければ意味がありません。必ず将来に渡ってがんという病気を保障できるようながん保険である必要があります。そのため、保障期間が制限されていない、一生涯保障となっているがん保険を選びましょう。

がん保険の比較と選び方①保障内容の充実

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ここからは、いくつかのポイントを比較することで、がん保険の選び方について解説していきます。まず最初は、保障内容の充実度合いについてです。保障内容の充実といっても、たとえば入院給付金が無制限で受け取れるというのは、今の治療傾向からするとあまり良い保障内容とは言えません。

がんという病気を治療するにあたって、どのような治療方法や治療期間になるのか分からない以上、多くの可能性をカバーするような保障内容であることが、理想的ながん保険と言えます。

がん先進医療特約がついているか

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まず最初に、がんを治療する際に最もお金が必要となる先進医療をカバーしているかどうかが、がん保険として重要なポイントです。

保険は本来、自分ではどうしようも無いような多額のお金が必要となった場合に備えるためのものですので、数十万円から数百万円が必要となるがん先進医療をカバーしているかどうかは、がん保険として非常に重要です。

多くの保険で、がんの先進医療は特約という形で付与できるようになっています。また、先進医療を行った際に給付される金額は大きいものの、利用される可能性が低いため、先進医療特約の保険料は非常に割安となっています。がん保険には、必ず先進医療特約を付けるようにしましょう。

入院給付金や通院給付金がついているか

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がん保険の保障内容として考えなければいけない点として、入院給付金や通院給付金がもらえるかというものがあります。ただし、これはもらえたほうが良いという意見と、もらえなくとも良いという意見の両方がありますので、一概にどちらが良いとは言い切れません。

入院給付金も通院給付金も、どちらも入院や通院をしなければもらえないものとなります。また、どちらも給付される日数に上限が設けられている場合もあり、治療が長期間化しても、途中で給付が終わってしまうことがあります。

入院給付金や通院給付金をもらわないようにすることで保険料は下がりますので、その下がった分の保険料で、診断給付金を多くもらえるように設計するというのも良いでしょう。なぜ診断給付金を多くもらえたほうが良いかは、後ほど解説します。

抗がん剤治療や放射線治療の保障がついているか

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がんの治療では、主に3種類の治療が行われます。手術療法、化学療法、放射線療法です。3種類を組み合わせることもありますし、どれか1つだけで治療することもありますが、特に化学療法である抗がん剤治療やホルモン剤治療は、長期間化しやすい治療です。

抗がん剤治療や放射線治療を受けた場合にもらえる治療給付金は、あるに越したことはないでしょう。ただし、これも入院給付金や通院給付金と同じで、その治療を受けないともらえないため、診断給付金を多くもらえるようながん保険の設計とするのも1つの方法となります。

がん保険の比較と選び方②タイプの比較

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続いて、がん保険タイプから比較する方法を解説します。合計で見ると同じ金額がもらえるものの、支払い条件が違う場合や、保険料は高くなるものの、治療が長引いた場合でも繰り返し給付金がもらえる場合など、がん保険の保障内容には、いくつかタイプが分かれています。

それぞれの場合のメリット、デメリットを解説しますので、自分に合った保険選びの参考にしてください。

診断給付金タイプと入院給付金タイプの比較

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まず最初に、診断給付金タイプと入院給付金タイプの比較です。入院給付金タイプは、入院治療を受けた場合に多くの給付金がもらえる反面、入院しなければその給付金はもらえません。特に最近は平均入院日数が短くなっている傾向がありますので、入院給付金を多くもらえる可能性はあまり高くありません。

これに対して、入院給付金の上限金額と同じだけの診断給付金がもらえるような設計としていると、がんと診断された時点で、全額が給付されます。そのお金を入院治療に当ててもよし、抗がん剤治療に当ててもよしと、使い道はこちらで自由に決められます。

がん保険に関して言えば、使い道を自由に決められる、診断給付金を最も手厚くするという考え方が良いとされています。

診断給付金の初回限定タイプと無制限タイプの比較

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がんと診断された時点でもらえる診断給付金にも、タイプが分かれています。がんと初めて診断された時にだけ給付される初回限定タイプと、2年に1回などの制約はつくものの何度でも給付される無制限タイプです。

以前はがんと何度も診断されるまで生存していることが少なかったですが、今は治療技術の進歩により、治る病気となってきています。その代わり、転移や再発といったケースが増えつつあります。

将来に渡って治療を繰り返しても給付金がもらえるよう、診断給付金については無制限タイプを選択しておくことが、今の状況に合ったがん保険の選択と言えます。

悪性新生物と上皮内新生物の比較

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がんと一口に言っても、悪性新生物と上皮内新生物という2種類に分かれます。一般的にがんと言われるのは、悪性新生物のほうです。上皮内新生物は、一般的に手術で切除するのみで、生存率が非常に高いです。治療費もあまり多く掛かりません。

がん保険によっては、悪性新生物でも上皮内新生物でも、同じだけの給付金がもらえるものがあります。ただし、上記のように上皮内新生物は健康保険等でも十分カバーできることから、悪性新生物の場合だけ給付金をもらうようにし、保険料を下げるほうが良い選択と言えます。

女性の場合は上皮内新生物も保障するほうが良い

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上皮内新生物に関する上記の考えは男性に当てはまるもので、女性の場合は必ずしもそうとは言えません。なぜなら、非浸潤性の乳がんも、上皮内新生物となるためです。乳がんの場合、腫瘍の切除だけでは終わらず、乳房再建術や抗がん剤治療、ホルモン剤治療が必要となる場合があります。

こういった場合にも対応できるように、上皮内新生物でも悪性新生物と同じような診断給付金がもらえるようにがん保険を選ぶか、治療給付金をもらえるようながん保険にしておく必要があります。

がん保険の選び方と比較③期間の比較

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続いてのがん保険の比較では、期間に焦点をあてて比較します。がん保険の期間は、死亡するまでを保障する終身タイプと、設定した年齢までを保障する定期タイプの2つに分かれます。

定期タイプの場合、設定した期間以降も保障が必要であれば、保険を更新する必要があり、多くの場合で保険料が上がります。終身タイプは、保険料を払い続ける必要があるものの、死亡するまで保障が続く安心感があります。

終身タイプの保険期間

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終身タイプのがん保険のデメリットは、将来がん治療の方法が大きく変わり、今の保障内容では意味を為さなくなった時、保険として何も役に立たないものとなってしまうことです。その場合は、定期タイプと同じようにがん保険に入り直して、保障内容を変更する必要があります。

ただし、がん保険に入り直す際に、健康状態などが変わっていて簡単に入れない可能性も考えなければいけません。そうなっていても対応できるよう、終身タイプのがん保険にする場合は、がんと診断された場合にもらえる診断給付金を多めに設定しておくと良いでしょう。

定期タイプの保険期間

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がんの治療は日々進化していますので、終身タイプのがん保険よりも、定期タイプのがん保険とすることで、保険料を抑えつつ、保証内容を見直す機会を設けることが必要であるように思えます。

ただし、定期タイプのがん保険としてしまうと、更新や違うがん保険に入り直す際に、自身の健康状態を理由に割高な保険料となってしまったり、そもそも加入できないというリスクがあります。また、がんに罹患してしまった場合は、定期タイプにしていると保障期間に限りがあり、一生涯保障という条件を満たせなくなってしまうこともあります。

保険料は少し割高になるものの、このようなリスクがあることを踏まえ、終身タイプのがん保険に加入し、保障内容は何にでも使える診断給付金に重点を置くような設計とするのが良いでしょう。

がん保険の選び方と比較④保険料払い込み期間の比較

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4つ目のがん保険の選び方は、保険料の払い込み期間での比較です。払い込み期間とは、保険料をいつまで支払い続けるかというものです。死亡するまで同じ保険料を払い続ける終身タイプと、一定年齢で保険料を払い終えてしまう定期タイプとに分かれます。それぞれのメリット、デメリットから、選び方を解説します。

終身タイプの保険料払い込み期間

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保険料払い込み期間を終身タイプとした場合、同じ保険料を死亡するまで支払い続けることになります。定期タイプと比べて保険料は割安となる一方、長生きした場合は、合計支払い額で見ると終身タイプのほうが多く保険料を支払うことになります。

その代わり、途中で保険を見直して切り替える場合は、終身払いにしておくほうが保険料の支払いを安く抑えることができます。また、がんと診断された場合に保険料の支払いが免除となる、支払免除特約をつけておけば、早いうちにがんと診断された場合、特約によって以後の保険料は不要となります。

保険の見直しが必要となる、かつ2人に1人ががんと診断される確率を考えて支払免除特約をつけることを考えると、がん保険の場合は終身払いが適していると言えます。

定期タイプの保険料払い込み期間

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保険料払い込み期間を定期タイプとした場合、終身タイプと比べて保険料は割高となるものの、例えば60歳や70歳など、設定した年齢以降の保険料の払い込みは不要となります。診断給付金を多くもらえるように設定し、がん保険を将来に渡って見直すつもりが無い場合は、定期タイプとしたほうが保険料の合計支払い額を安く抑えることができます。

ただし、このような場合でも、がんに罹患する可能性が高いことを考慮し、支払免除特約を付ける場合は、定期タイプではなく終身タイプとしたほうが、保険料の合計支払い額は安くなる可能性もあります。

がん保険の選び方と比較⑤診断給付金の支払い条件

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続いてのがん保険の選び方のポイントは、診断給付金の支払い条件です。保険会社によって、診断給付金の支払い条件が異なるため、なるべく緩い条件での支払いとしている保険会社のほうが、診断給付金をもらえる可能性が高くなります。

いくら保障内容が多くの可能性をカバーしていても、それぞれの支払い条件が厳しければ、結局1円ももらえない可能性は否定できません。がん保険に限らず、他の保険を考える場合でも、支払い条件は選び方のポイントとなります。

各社のがん保険の支払い条件の比較

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各社のがん保険の診断給付金の支払い条件は、多くの場合で診断確定となります。つまり、医者から「あなたはがんです」と言われた時点で、診断給付金を受け取る条件が整ったことになります。

気を付けなければいけないのが、診断確定だけではもらえない保険です。がんの治療を目的とした入院や通院、あるいは手術や抗がん剤治療を行って初めて、支払い条件を満たす保険もあります。

また、診断給付金の給付回数が無制限となっている保険の場合は、2回目以降の支払い条件も必ず確認しておきましょう。1回目は診断確定だけで良いものの、2回目以降は入院や手術を条件としている保険もあります。パンフレットや約款などを見てもよくわからない場合は、コールセンターなどへ問い合わせましょう。

がんの確定診断で支給される保険がおすすめ

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以上のことから、診断給付金はがんの診断確定だけで支払われるものを選ぶと良いでしょう。2回目以降の支払いも、診断確定だけを条件としている方が良いです。もし診断確定以外を条件としている場合は、その条件でもらえる可能性がどれぐらいあるか、良く考えた上で加入する必要があります。

がん保険の選び方と比較⑥医療保険のがん特約との違い

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最後の選び方のポイントは、がん保険と、医療保険のがん特約との違いです。医療保険でもがんをカバーできるよう、多くの医療保険でがん特約が付けられるようになっています。

いくつも違う種類の保険に入るのは面倒だから、医療保険でがん保険もカバーできるならそれで良い、という考え方もありますが、単純にそうしてしまうには大きなデメリットもありますので、以下の選び方のポイントを良く確認してください。

医療保険のがん特約の保障内容

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医療保険のがん特約を選ぶ場合は、まず保障内容を確認することが必要です。多くの場合、医療保険の入院給付金や通院給付金にプラスする形で、がん入院給付金やがん通院給付金を受け取ることができます。また、がんと診断された場合にのみ、がん診断一時金というものが受け取れることもあります。

これらの保障内容が、個別でがん保険に入る場合と全く同じに出来て、かつ特約による保険料の追加と、がん保険に個別で入る場合の保険料と同等になるのであれば、医療保険のがん特約とすることも選択肢の1つとなりえます。

がん保険は見直しやすい

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ただし、先にも申し上げたように、がんの治療は、他の医療と違って、かなり大きく変わることがあります。そういった場合に、医療保険のがん特約も同じように変更できれば良いですが、多くの場合、医療保険ごと変更しなければならないことがあります。

そういった場合は、個別にがん保険に加入している方が、がん保険のみの見直しをやりやすいというメリットがあります。がんも医療保険でカバーできるものの、医療保険で一括りにするには保障内容などが複雑ですので、見直しのしやすさを求める意味でも、個別にがん保険に加入しておくほうが良いと言えます。

医療保険とがん保険の両方に加入する場合の注意点

医療保険のがん特約ではなく、医療保険とがん保険の2本立てとする選択をする場合や、すでに医療保険に加入していて、新たにがん保険に加入する場合、先進医療特約については、必ず医療保険のほうで付与するようにしましょう。

がん保険で先進医療特約をつけた場合は、がん治療に関する先進医療しか保障されませんが、医療保険で先進医療特約をつけた場合は、がん治療以外の先進医療についても保障されます。

医療保険でがん特約をつけていなくとも、がんと診断された場合のプラスアルファの給付金が受け取れないだけで、先進医療を受けた場合は、医療保険からの給付を受けることができます。

医療保険の選び方・比較のポイントまとめ!保障内容や期間は要チェック! | 副業・暮らし・キャリアに関するライフスタイルメディア
医療保険の選び方・比較には、入院日額はいくらにするのか、保険期間・保障内容は?保険料の払込期間をどうするのかなどを様々な保険会社で比較し、検討する選び方をします。また医療保険の主契約にプラスして付けるおすすめの特約は?など医療保険について説明をします。

がん保険の選び方に迷ったら保障内容か期間を比較する

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以上が、がん保険の選び方のポイントとなります。各社のがん保険には特徴があるものの、診断給付金は何度でももらえる、長期間の治療に耐えることができる、保障は一生涯である、という3つの条件を必ず満たしているものを選びましょう。

その上で、自分がどの給付金に重点を置くかで、選ぶ商品が変わってくるかと思います。この記事中でも説明したように診断給付金に重点を置くのか、入院や通院治療に重点を置くのか、抗がん剤治療や放射線治療に重点を置くのか、です。

最終的には、保障内容と給付金額、保険料の支払期間に対して支払う保険料とのバランスで決定することになります。全く同じような保障内容でも、給付金の支払い条件によって、会社ごとに保険料が変わると言ったこともあります。なるべく多くの会社の見積もりを取って、自分にあったがん保険を選ぶようにしてください。

どどど
ライター

どどど

育児休業を機にライター活動をはじめました。皆様にわかりやすい記事を心がけますので、よろしくお願い致します。

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