チャタテムシの駆除方法をチェック!
チャタテムシは直接的に噛みついたり毒などはもっておりません。しかし大量に発生してしまうと食品に害を及ぼしたりします。また、乾燥した死骸を吸い込んでしまうとアレルギー発症の原因になってしまう危険性があります。
発生させないためにはチャタテムシの生態と特徴、被害の内容を知った上で適切な駆除方法をおこなう必要があります。
チャタテムシの生態
チャタテムシは雄が発見されておらず、雌単体だけで産卵し増殖をおこないます。消化器官にはカビの胞子が多数存在しています。チャタテムシは低温に弱く0℃では約3時間で死滅します。乾燥にも非常に弱く、温度が25℃以下で湿度55%以下では成長ができないことが分かっています。
チャタテムシの種類
チャタテムシは日本全国に生息しており、約10種類ほどに分類されます。その中でもヒラタチャタテが代表的で、お尻部分が平らなところから名付けられました。
チャタテムシはダニやシラミに似ているので間違われることがあります。このほかにはカツブシチャタテ、ソウメンチャタテ、ヒメチャタテなど名前のついたチャタテムシがいます。
産卵について
チャタテムシの卵は約0.5mm程度の大きさです。卵の周りに糸が張られているのが特徴です。卵から幼虫の期間は9日から13日くらいになります。
チャタテムシは成虫になるまで20日ほどかかり、寿命は160日以上にもなります。ヒラタチャタテに関しては成虫となってから1日に1個から2個づつ卵を産みつづけ、寿命までに100個以上は産むことになります。そのため発見したらすぐに駆除しないと、どんどん増え続けていくのです。
幼虫
チャタテムシは卵から羽化すると幼虫となります。大きさは約0.7mmほどになり集団で群集しています。色合いが透明なので肉眼で見つけるのが非常に難しいです。
卵と違うのはある程度動くので、じっと定点観察していれば分かるかもしれません。もし幼虫を見つけたら成虫になる前に必ず駆除をしてください。
成虫
チャタテムシの成虫は1mmから1.5mm程度になります。成虫となると羽が生えるものもおり、幼虫の時と比べ行動範囲が格段にあがります。
チャタテムシは成虫になってしまうと、羽化後1日から4日目には産卵を開始してしまいます。そのため幼虫のうちに駆除をしないと次から次へと増えていってしまいます。
チャタテムシの被害
チャタテムシは刺したり噛んだりはしません。直接的には無害の虫になりますが、死骸が乾燥して空気中を舞ってしまい、喘息などのアレルギーの原因となる場合があります。
大量発生するとチャタテムシを捕食するツメダニを引き寄せてしまいます。チャタテムシが発生することで2次被害が起こるのです。身体に悪影響を及ぼすことになりますので、大量発生する前に必ず駆除していきましょう。
アレルギー喘息
室内を掃除機で綺麗にしたあとのゴミの中に、どのような生物がいるか調査したデータがあります。ダニについで多いのがチャタテムシになります。
日本のアレルギー患者185名の22%がヒラタチャタテに対する抗体をもっていました。ダニやカイコガの翅、イエバエに次ぐ高さで、チャタテムシがアレルギー喘息の原因をつくっていることが判明しています。
家族の中にアレルギー喘息の方がいる場合、チャタテムシが原因の可能性もあります。早急に駆除をおこないアレルギー発症の原因を除去していきましょう。
チャタテムシが発生する原因
チャタテムシが発生する原因はずばり湿気です。チャタテムシは湿気が高いところを好んで住処にしています。湿気というとカビを思い浮かべますが、チャタテムシはこのカビも餌にします。
人間が快適に生活できる湿度は40%から60%ですが、60%以上になってしまうとカビが発生します。梅雨の時期から湿気の多い秋にかけて、チャタテムシが大量発生する原因となります。
ダンボールに注意
ダンボールは湿気、薄暗い、暖かいというチャタテムシの好む条件が揃っています。そのため部屋に置きっぱなしにしているダンボールが原因で発生してしまう可能性があります。
チャタテムシはダンボールの波板内や、折り重ね部分に潜んでいます。一度侵入を許してしまうと、小さな隙間で内部繁殖を行い、大量発生を引き起こしかねません。
もし部屋に置いていたダンボールで発生してしまうと、部屋中に拡散してしまい駆除するのが非常に大変になります。使用しないダンボールはすぐに片付けるか処分するようにしましょう。
古新聞・古雑誌に注意
紙類は湿気を吸収しますので、古新聞・古雑誌を置いたままにしておくとチャタテムシ発生の原因となってしまいます。1冊1冊重ねたときの空間や、ページの間にいくらかの隙間があります。その内部でチャタテムシが大繁殖してしまう可能性があります。
一度大量発生してしまうと駆除するために時間と労力を要します。そうなる前に廃品回収の日をチェックし外に出しておくようにしましょう。
家の中でチャタテムシが発生しやすい場所
チャタテムシは体が小さいので様々な隙間からも家へ入ってきます。一度繁殖をしてしまうと大量発生へつながってしまう可能性があります。発生を抑える方法や発生した際の駆除方法、そして再発防止策を考えるために、どのようなところが発生しやすい場所なのか知っておく必要があります。
台所
台所にある様々な引き出しの中は薄暗く、湿気が溜まりやすいのでチャタテムシが発生する原因となってしまいます。
この原因の対策にはこまめに換気対策を行って風通しを良くしておくことです。除湿することによってエサとなるカビの発生を抑えることが重要な対策となります。
シンクに設置してある棚にはお箸やスプーン、フォークなどを収納するスペースがあります。洗った後にしっかり乾燥させてから入れないと、中で湿気がこもってしまいチャタテムシの発生につながります。
和室
チャタテムシは和室にある畳に生息していることが多いです。畳の上に敷きパットを置いて使用すると、畳と敷きパットの間に湿気が溜まってしまい、チャタテムシの発生に繋がってしまいます。できる限り畳の上には何も敷かないほうがよいです。
和室にある障子にも注意が必要です。障子紙と障子のヘリも住処として好みます。和室全体の湿気を除去し、チャタテムシが発生しづらい環境を整える必要があります。
チャタテムシが障子に発生してしまうと障子紙に穴が開いてしまうことがあります。駆除したあとに障子紙の張替え作業に時間を要してしまいます。
本棚・押し入れ
本棚や押し入れも薄暗く湿気が溜まりやすい場所です。そのためチャタテムシが好む条件が揃ってしまうのです。
本棚に発生してしまうと置いてある本に、チャタテムシが次から次へと移っていきます。すべての本を確認し駆除することになるかもしれません。
扉つきの本棚やスライド式の本棚はとくに湿気が溜まりやすいので換気による対策をおこなってください。そして本棚はなるべく窓際に置かないことと、押し入れは定期的に開放して湿気を逃がすような対策が良いでしょう。
クローゼット内
クローゼット内に湿気がこもりカビが発生してしまうと、チャタテムシ発生の原因となってしまう可能性があります。保管してある大事な洋服に付着してしまうと一大事です。
洋服にはポケットや襟の折り目部分など隠れやすい場所が多数あるので、駆除するのが非常に大変になります。特に皮革類の衣料品はとくに好むので注意が必要です。定期的にクローゼットを開けて空気の流れをつくるような対策をしましょう。
パソコン・スマホ・ゲーム機
チャタテムシが発生しやすいものとして挙げられるのが、パソコンやスマホ、そしてゲーム機です。これらの機器の発生理由は、排熱による温度で過ごしやすく、手垢やホコリ、お菓子などの食べカスがエサの発生源となるためです。
家の置き場所や構造、季節による湿度も原因の一つです。キーボードなどのホコリや食べカスは定期的に除去して、できる限り電源プラグを抜いて熱を逃がす対策を行いましょう。
壁紙の内側
結露が続くと壁紙が剥がれることがあります。その剥がれたところに湿気が溜まりカビとなります。カビが発生し湿気を帯びたままになるとチャタテムシが発生してしまいます。
壁紙の内側で大繁殖をしてしまうと、チャタテムシをすべて駆除するのに壁紙を全部剥がすことにもなりかねません。そうなる前に各部屋を回り、壁紙の剥がれとカビの有無を確認しましょう。
落葉や枯れ木の下
落葉や枯れ木の下もジメジメしていてチャタテムシの好む場所になります。そのため庭などに落葉や枯れ木が溜まったままにしてあると発生してしまう可能性があります。
外で発生するチャタテムシは羽が生えている種類のものが多いので、近隣の住民にも迷惑をかけてしまいます。庭や玄関先の清掃を行い、集めた枯葉や枯れ木は処分するようにしましょう。
チャタテムシの駆除方法
もしチャタテムシを発見した場合、どのように駆除すればよいでしょうか。繁殖してしまった場所やものによって方法が異なりますので、いくつか紹介をしていきます。準備物もありますのでチェックしていきましょう。
駆除方法①カビをエタノールで取り除く
チャタテムシが発生をした場所は白くなっていることが多いです。この白いものはカビになります。カビは掃除機や拭き掃除だけでは除去しきれません。エタノールを使用した方法が効果的です。しっかりと噴霧を行いカビの発生を抑えるよう予防しましょう。
たわしとエタノール噴霧
白く発生しているカビをたわしなどで擦りそぎ落としてください。その際はアレルギー喘息の予防のため、必ずマスクをするようにしましょう。そぎ落としたカビを掃除機で吸い取り、エタノールを噴霧してください。乾かした後はタオルなどで乾拭きをおこなって終了となります。
駆除方法②熱処理消毒
畳に発生したチャタテムシを駆除し予防をするには熱処理消毒を施します。畳の材質に関係なく発生するチャタテムシは畳床と畳表の間や、畳床と床板の間に入り込みます。その中で繁殖している場合があるため、表面を掃除するだけでは駆除できないためです。
畳屋さんにお願いして畳専用の熱釜で高温駆除をおこなってください。但し、ナイロン糸を使用した畳など材質によっては熱処理をできない場合もあるため、畳屋さんに確認をしたほうがよいです。
駆除方法③掃除機でこまめに清掃
チャタテムシの発生を抑える基本的な予防策は、こまめな清掃です。チャタテムシのエサはカビやホコリ、人間の皮膚やお菓子などの食べカスです。そのエサをなくすにはこまめな清掃となるのです。
清掃する際は窓を開けてしっかりと換気をおこない、湿気も除去するようにしてください。天気のいい日は布団もしっかりと天日干しをすると予防策になります。
チャタテムシの予防対策とは?
チャタテムシを発生させないために必要なことは湿気とカビ対策です。湿気があるとカビが生まれてしまいます。カビをエサとするチャタテムシ発生の原因となってしまうからです。このカビをどのように予防し対策をおこなっていけばよいか説明をしていきます。
カビの予防対策が必須
チャタテムシの発生を抑えるにはエサとなるカビの予防が重要です。カビ菌は常に空中を漂っています。条件が揃えばすぐに繁殖をしてしまいます。梅雨時期などの季節によっては、家の掃除を少し怠っただけであちこちにカビが発生してしまったケースが沢山あります。
湿度60%以下
カビの繁殖を予防する対策として重要なのが湿度管理です。カビ菌は湿度60%以下になるとほとんど活動が出来なくなります。そのため湿度60%以下を保つことを心がけましょう。
湿度を下げるもっとも効果的なやり方が、窓を開けて換気をすることです。雨の日であれば除湿器、換気扇を使用してください。エアコンの除湿機能も良いですがフィルターにホコリが状態ですと逆効果になりますので注意が必要です。
気温25℃以下
カビ菌は25℃から28℃をとても好みます。活動がもっとも活発になる温度帯なので、室内を25℃以下に保つことがカビ菌繁殖を抑える予防策に繋がります。
真夏の室内はとても暑くなります。エアコンを使用しすぎて体調を壊すこともありますので、極端な室温管理ではなく出来る範囲で行っていきましょう。
カビの発生時期
カビが発生する条件が揃いやすいのが春から夏にかけてです。特に雨が多くなり湿度も上がる梅雨の時期は多くの方がカビに悩まされます。新しい家では高気密・高断熱になっているため冬でも屋内が暖かいです。そのため年中を通してカビが発生してしまうといっても良いでしょう。
カビの発生しやすい場所
カビが発生しやすい家の場所と言えば、トイレ、浴室、洗面所、台所などの水回りと、クローゼット内や押入れなどの収納部分です。そしてお布団やマットレスなどの寝具です。食器棚やタンスの裏などはなかなか掃除がしずらい場所ですが、カビが発生しやすい場所になります。
食品は密閉保存
食品は密閉された容器に入れて保存してください。お米や乾麺などはチャタテムシのエサになってしまう可能性があります。鰹節や小麦粉などの粒子が細かい食材も注意が必要です。
袋を開けたままで保管しているとチャタテムシの発生源となってしまいます。その後、他の食材へもどんどん移ってしまうこともあります。ファスナー付の保存袋やタッパなどを使用し、しっかりと密閉した状態を保ち予防をしましょう。
もし発生してしまったら、チャタテムシの駆除ではなく食材の廃棄になってしまいます。同じ棚に入っている場合は、中の食材すべてが対象となってしまう可能性があります。
乾物の保存
海苔や昆布、鰹節などの乾物は吸湿しやすい食品になります。ジッパーがついた保存袋でしっかりと防湿してください。梅雨時や夏場においては、低温で乾燥した冷蔵室保管をすることで予防と対策につながります。
目につく保存を
使い忘れの食材が原因で、気づいたらカビが生えていた経験はないでしょうか。このようなことを防ぐには、中身が見える袋や容器で保存をしましょう。コンテナ型で何層かに分けて保存できる容器もあります。小さい乾物の整理に便利で、尚且つ使い忘れもなくなります。
アルミサッシのレール
アルミサッシのレールのくぼみにカビは発生していませんか?冬になると暖房設備を使いますが、その際に無数の水滴によってカビが発生しやすくなります。
レールはくぼみがあるのでホコリもたまりやすくチャタテムシの発生源になってしまいます。サッシの種類によってはくぼみが深いものもありますので、チャタテムシが発生してしまうと駆除するのに苦労します。
そのような状況になる前に定期的な換気で湿気を取り、ホコリの除去とレールの清掃をおこないましょう。
レールの清掃方法
ペンキの刷毛を使用してレールの溝に溜まった汚れを落とします。刷毛に水や中性洗剤を使用して行うとより綺麗にすることができます。強く擦りすぎるとアルミに傷がついてしまう可能性もあるので、頑固な汚れにはぬるま湯で柔らかくしてからおこなってください。
チャタテムシの駆除はエタノール・熱処理消毒が効果的!
チャタテムシの駆除にはカビを除去したあとに、エタノール噴霧が効果的です。乾いたら必ず乾拭きを行うようにしましょう。カビを除去する場合もマスクをしっかりとして換気をしながら作業してください。
畳の間に入り駆除しきれない場合は、畳専門業者にお願いをして熱処理消毒をおこなうことをオススメします。畳の中で繁殖している場合は大量発生の可能性があるので早めの対処が必要です。