ダイエット中でも安心?おからのカロリー・糖質・栄養素を調査!
ひと昔前、おからは豆腐屋で安価な値段や無料で手に入る品であり、多くが廃棄されてしまうものでした。現在でも家畜の飼料として活用するほか廃棄することも少なくありません。
しかしおからは栄養的に大変優れているということも分かっており、低糖質で食物繊維が豊富です。実際にダイエット中でも食事やスイーツに活用し、実際に効果を感じている人が多くいるのです。
こちらの記事ではおからの種類やカロリー・糖質・栄養素を詳しく調査して、おすすめのレシピとともにご紹介していきます。おからのカロリーや栄養素を知ったうえで、ダイエットに興味のある方は参考にしてみて下さい。糖質制限の味方であるおからの効果を実感できるはずです。
そもそも「おから」とは?
最近よく耳にするようになったおからですが、そもそもおからとはどんな物で、どのように作られているのかを知らない方も多いかもしれません。なぜおからが豆腐屋で売られているかというと、おからが大豆から豆腐を作る際に出る残渣物だからです。
おからの代表的な調理法といえば、人参や椎茸・油揚げを加え出汁と調味料で炒って甘めに煮つけた卯の花くらいでした。豆腐の需要は多くあっても、おからの需要はそこまでではなく安価で販売され、それでも残ってしまったおからは廃棄されているのです。
しかしご存知のように大豆にはタンパク質・カルシウムほか様々な栄養が含まれているので、その大豆の残渣物であるおからには豊富な栄養素が凝縮しているのは間違いありません。
豆乳を絞ったあとの残りカス
先程おからは大豆から豆腐を作る際に出る残渣物とお話しましたが、豆腐の作り方を簡単に説明すると十分に水を含んだ大豆を細かく潰し混ぜながら煮詰め、これを布でこして手で絞るのです。この時に絞れた液体が豆乳で、布の方に残った物がおからということになります。
豆乳を弱火でゆっくり加熱しニガリを加えて透明な液体が浮いてくるまで火にかけます。透明の液体はすくい出し、固まった豆乳を型に入れ重しをして固まった豆乳の塊を水にさらせば豆腐の完成です。
おからの種類
大豆の搾りカスであるおからには、食物繊維のほか体に嬉しい栄養素がたくさん含まれています。しかし絞られたあとの生のおからは水分を含んでいるため、日持ちはあまりしません。
それゆえ廃棄されてしまうことも多いのですが、せっかくの栄養素を無駄にしないよう日持ちするよう加工されたものなど、「生おから」の他に「乾燥おから」「おからパウダー」も存在します。
生おから
お豆腐屋さんやスーパーなどで購入できる生おからは、日持ちがしないため一番安く手に入れることができます。生おからが一番おいしく、扱いやすいと感じる人も多いよう。
生おからを使ったレシピとしては前述の「卯の花」のほか、ジャガイモの代わりに生おからを使った「ポテトサラダ」や生おからと鳥の胸肉を混ぜて作る「チキンナゲット」。粉ではなく生おからを使う「お好み焼き」「生おからパウンドケーキ」などカロリーを抑えた栄養価の高いレシピが盛沢山です。
粉を使ったお好み焼きやケーキ、ジャガイモや鳥のモモ肉を使うよりカロリー・糖質が抑えられるので糖質制限でダイエットをしている方には強い味方となります。
乾燥おから
安い値段でたくさんの量が手に入る生おからは、使いきれなかった場合には捨ててしまうしかないのでしょうか。冷凍するのも一つの方法ですが、フライパンで炒っておけば乾燥おからとして保存できます。炒る時は油を引かずに、ゆっくりと火にかけるというのがポイント。
水を加えれば生おからに戻るので、ちょっとおからでクッキーを作りたい時などに必要な分だけ使えるという点が便利です。既に乾燥おからとして商品になっているものもあるので、そちらを購入して使うのもおすすめです。
おからパウダー
乾燥おからをふるいやフードプロセッサーなどで、更にきめ細かくパウダー状にしたものがおからパウダーとなります。滑らかな仕上がりのケーキを作りたい時や、ヨーグルトなどに混ぜて使う時に使い勝手が良いのでおすすめです。こちらも市販品があるので、購入して使用するのも◎。
おからのカロリー・糖質・栄養素
ここまでに大豆から水分を抜いたおからは、たんぱく質など栄養が豊富なうえ食物繊維も多いので糖質制限をしてダイエットをしている方にも効果的な食材だとお話してきましたが、おからの実際のカロリー・糖質はどの位で、またどんな栄養素が含まれているのでしょうか。
こちらでは生おから・乾燥おからに分けてカロリー・糖質、それ以外の栄養素について詳しく見ていきましょう。また豆乳・豆腐とのカロリー・糖質・栄養素の違いもご説明します。
生おからのカロリー・糖質
まずは生おからのカロリーと糖質を見ていきましょう。生おから100gのカロリーは111kcal、糖質は2.3gとなり、カロリー糖質共に低めなのでダイエットに効果のある食材だという事がよく分かります。さきほど生おからのレシピとしてご紹介した卯の花小鉢1杯分のカロリーは約125kcalです。
乾燥おからのカロリー・糖質
次に乾燥おからのカロリーと糖質を見てみましょう。乾燥おから100gのカロリーは421kcal、糖質は8.7gで生おからよりカロリー・糖質共に高くなりますが、これは生おからが水分を含んでいるのに比べ乾燥おからは水分量が少ないということが関係しています。
そして普通のコロッケ1個のカロリーは約180kcalですが、乾燥おからを使ったコロッケは約280kcalとカロリーだけ見るとおからの方が高くなります。
しかし糖質に注目してみると、じゃがいも100gの糖質は約16.3gと、おからの方がかなり低く食物繊維も豊富なので糖質制限をしてダイエットをしている方には、普通のコロッケよりおからコロッケの方がおすすめとなるのです。
カロリー・糖質以外のおからの栄養素
この章ではおからのカロリーと糖質について詳しく見てきましたが、豆腐の残渣物であるおからには他にもタンパク質や脂質など様々な栄養素が含まれています。こちらでは、生おからと乾燥おからのカロリー・糖質以外の栄養素について詳しく見ていきます。
生おからの栄養素
生おからの100g中のタンパク質は6.1g、脂質は3.6g、炭水化物は13.8gとなります。また、おからには多くのビタミン類も豊富に含まれていますが、生おからには100g中に、ビタミンB1が0.11mg・ビタミンKが8μgも含まれているのです。そして食物繊維量は100g中に11.5gになります。
乾燥おからの栄養素
乾燥おからの100g中のタンパク質は23.1g、脂質は23.1g、炭水化物は52.3gとなります。ビタミンKが30μg・ビタミンB1は0.42mg含まれています。また43.6gもの食物繊維量があります。
日本人の食物繊維量の1日あたりの目標摂取量は男性が20g・女性が18gなのですが、実際の摂取量は男性12.8g・女性12.5gに留まっています。おからは食物繊維量が豊富なので、このような摂取量不足を解消するのに効果が高い食材だと言えます。
豆乳・豆腐とのカロリー・糖質・栄養素を比較
最後にカロリー・糖質・栄養素について、おからと豆乳・豆腐との違いをお伝えします。豆乳100gあたりのカロリーは46kcal・タンパク質3.6g・脂質2.0g・炭水化物3.1g・糖質は2.9gです。
絹ごし豆腐のカロリーは56kcal・タンパク質4.9g・脂質3.0g・炭水化物2.0g・糖質は1.7gで、木綿豆腐のカロリーは72kcal・タンパク質6.6g・脂質4.2g・炭水化物1.6g・糖質は1.2gとなっています。このうように同じ豆腐でも絹ごしと木綿で、カロリー・糖質・栄養素が微妙に違っているのが分かります。
おからにはどんな効果が期待できる?
おからはタンパク質・ビタミンや食物繊維を豊富に含むうえ糖質制限の強い味方です。そんなおからには色々な効果が期待できますが、こちらではそんなおからから得られる嬉しい効果のうち便秘予防・美肌効果・ダイエット効果について詳しくお伝えしていきます。
便秘の予防
食物繊維を多く含むおからですが、その食物繊維は腸内で便の材料となりカサ増しをしてくれる不溶性食物繊維なのです。この不溶性食物繊維をしっかりと摂取することで、老廃物が排出され腸内環境が整い便秘の予防効果にも繋がるのです。
たとえばおからパウダーの半分近くは食物繊維でできているので、おからパウダーを10g使用すれば5gの不溶性食物繊維を摂取したことになります。その4倍の40gを料理やスイーツ作りに活用すれば、1日あたりの食物繊維目標摂取量をクリアすることが出来るのです。
美肌効果
上記でもお話した通り、おからには便秘予防効果があります。便秘が改善されて老廃物をしっかりと排出することができれば、老廃物が原因でできてしまう吹き出物などの肌トラブルが解消され美肌効果も期待できるのです。
また、おからには血流を良くする効果のあるビタミンEや、お肌を作る基となるタンパク質も豊富に含まれています。おからに含まれ栄養成分により美しい素肌が作られ、化粧水・乳液・美容液などが肌の内部までしっかりと届けられるようになるので、おからは美肌作りにも効果があると言えるのです。
ダイエット効果
おからは糖質制限をしている方の強い味方であり、ダイエット効果も高い食材として話題になっていますが、実際のダイエット効果はどうなのでしょうか。
まず、おからが含んでいる不溶性食物繊維はお腹の中に入った後に体内の水分を吸って膨らむため、満腹感を感じられるので少しの量で満足でき食べ過ぎ予防に繋がるのです。
また、おからの炭水化物は殆どが食物繊維なため糖質が大変低い食材となっています。前述したようにおからを小麦粉やジャガイモの代用品として使えば、かなりの糖質をカットすることが可能です。
おからを使ったおすすめダイエットレシピ
おからが栄養豊富で食物繊維が多く糖質が少ないので、便秘予防・美肌づくり・ダイエットに効果があると分かれば、おからを使った料理やスイーツを作ってみたくなるもの。こちらでは数あるおからを使ったレシピから、チャーハン・ハンバーグ・蒸しパン・焼きドーナツのレシピをご紹介します。
生おからチャーハン
おからを使ったレシピでまず初めにご紹介するのは「生おからチャーハン」です。主食の代用食となり、パパっと簡単に作れるので時短にもなるレシピです。
一人分の材料は、生おから茶碗一杯分・卵1個・モヤシ1/4袋、ごま油・醤油・めんつゆが適量です。作り方はモヤシを好みの大きさに切り、ごま油で炒めます。モヤシに火が通ったら生おからをいれてパラパラになるまで炒め、調味料と溶き卵を投入したら再びパラパラになるまで炒めます。
海老を具材に使いオイスターソースで味付けをすれば海鮮風になりますし、納豆やキムチなどを加えても◎。野菜をたっぷり投入し玄米なども加えれば、カロリーを抑えたままボリュームアップも叶います。糖尿病の方にもおすすめな低糖質レシピとなります。
おからハンバーグ
次にご紹介するレシピはお子さんから大人まで皆が大好きな「おからハンバーグ」です。ハンバーグ4個分の材料は生おから200g・豚挽肉200g・ナツメグ小さじ2・塩2つまみ・卵2個・胡椒少々。
作り方は挽肉に塩を加えねばりが出るまで混ぜ、続いて生おから・卵・ナツメグ・胡椒を加えて更にしっかり混ぜます。フライパンに少量の油を引いてタネを4等分にして片面に焼き色がついたら裏返し、少量の水を加えて4分程蒸し焼きにします。最後に水気を飛ばす程度焼いたら完成です。
こちらのレシピもアレンジが加えやすいレシピです。更にヘルシーにするにはお肉の代わりに豆腐を使っても良いですし、ソースはデミグラス・トマト・大根おろしで和風に等お好みのものをかけられます。また、チーズを乗せるのもボリューム感が出て良いでしょう。
ココアおから蒸しパン
こちらのレシピはバター・小麦粉不使用のヘルシーな「ココアおから蒸しパン」。豆乳も使っているので滑らかな仕上がりです。約2人分の材料は卵1個・おからパウダー大さじ4・ココア大さじ3・砂糖大さじ1・豆乳大さじ6・ベーキングパウダー小さじ1になります。
卵・おからパウダー・ココア・砂糖をボウルで混ぜます。豆乳を大さじ3ずつ2回に分けて入れ、ベーキングパウダーも投入して良く混ぜます。タネを適当な大きさのタッパーに入れて電子レンジ600Wで2分半加熱したら出来上がり。レンジで簡単に作れる点がポイントです。
ダイエット中でも甘いものが食べたい時にぴったりなレシピ。砂糖の代わりに人工甘味料を使っても良いですし、逆にそこまでダイエットを気にしない場合はアイスや生クリームを合わせても◎。
おから焼きドーナツ
最後にご紹介するのはドーナツ生地の半分をおからに変えた「おから焼きドーナツ」です。ドーナツを食べたいと思ってもダイエット中は考えてしまうと思いますが、こちらのレシピは油で揚げないドーナツなので安心して食べることができます。
ドーナツ6個分の材料は、おからパウダー10g・水50g・薄力粉60g・ベーキングパウダー小さじ1・蜂蜜30g・サラダ油15g・牛乳30g・溶き卵1/2個。
準備としてはまずオーブンを180度で予熱しておきます。作り方はおからパウダーに水を混ぜ、そこに薄力粉とベーキングパウダーも混ぜたらホイッパーでよく混ぜます。蜂蜜・サラダ油・牛乳・溶き卵も加えてヘラで更に混ぜます。生地を型に流し込んでオーブンで20分焼いたら出来上がり。
食べ過ぎに注意しておからをダイエットに役立てよう!
おからの食物繊維は分解されることなく腸まで運ばれて、お腹の水分を吸収して膨らみ便秘解消に繋がるのですが、何事にも適量というものが存在し摂取し過ぎると逆に便が出にくくなってしまいます。
また、おからは水分も吸収しますが油も吸収しやすいため、油を多用するとその分おからが吸収しまうため結果として高カロリーになってしまいます。調理の際には油を使いすぎないという事もポイントになります。
この「食べ過ぎない」「油を使いすぎない」という2つの点に注意すれば、おからはダイエットの強い味方となります。今回の記事ではおからを使ったレシピもご紹介していますので、ぜひおから料理を活用してダイエットに役立ててみてください。