炊飯器の保温時間はいつまで大丈夫なの?
炊飯器についている保温機能は、炊き立てのご飯をすぐに食べきれない場合や、タイマーでセットして炊きあがったご飯をホカホカの状態で保っておく場合、さらに冷たいご飯を再度温める場合などとても便利です。
保温機能のついていない炊飯器など、考えられないほど当たり前になっていますが、炊飯器の保温機能でお米の品質は落ちないのでしょうか。
今回は、炊飯器の保温機能を使った場合、どれくらいの時間保温することができて、いつまでお米が美味しく食べられるのか、また炊飯器の保温機能を使う以外の長期保存の方法やコツなどを紹介します。
炊飯器の保温時間はいつまで?
炊飯器の保温時間はいつまでが限界なのでしょう。朝炊いたご飯を保温したまま夜も美味しく食べることはできるのでしょうか。
また、炊飯器で夜に炊いたご飯を保温した状態で次の朝も美味しく食べることはできるのでしょうか。炊飯器のご飯がいつまで美味しさを保つことができるのか、時間について説明しましょう。
美味しく食べられるのは8時間まで
炊飯器で保温したご飯を美味しく食べることができる時間はいつまでなのでしょう。その答えは、通常8時間までです。つまり、朝7時に炊飯器の炊き立てのご飯を食べて、夜の7時まで炊飯器で保温し、美味しいご飯を食べることはできません。
また、夜7時に炊飯器の炊き立てのご飯を楽しんで、次の朝まで炊飯器で保温状態にしたご飯を食べても美味しく食べることができません。保温機能を使って朝炊いたご飯を昼に食べる、もしくは昼に炊いたご飯を夜に食べる程度の時間が炊飯器の保温ごはんの限界です。
炊飯器の説明書には、12時間~24時間保温することができると書かれているものが多く、中には6時間~42時間保温可能としているものもあります。しかし、実際にお米の風味を損なわず、美味しい状態でご飯が食べられるのは、保温時間8時間が目安と考えるのが良さそうです。
長い時間炊飯器で保温したご飯はどうなる?
炊飯器で長時間保温したご飯は、一体どうなってしまうのでしょう。炊飯器の取り扱い説明書には24時間保温可能と書かれているわけですから、決して炊飯器で長時間保温しておいたご飯が食べられないものになるわけではありません。
炊飯器で長時間保温したご飯が炊きたてと比べどうなってしまうのか、4つの変化について詳しくみていきましょう。
ご飯が黄色くなる
炊飯器で長時間保温したご飯は、炊きたての白い状態から黄色っぽく変化してしまいます。炊飯器で長時間保温したご飯が黄色くなる理由は、炭水化物の元となっている糖分とアミノ酸が加熱による化学反応で褐色系のメラノイジンと呼ばれる物質を作り出しているからです。
アミノカルボニル反応は、温度が高いほど進みが早いと言われ、炊飯器で長時間保温されている間どんどん促進されています。
ご飯の食感が悪くなる
炊飯器の長時間保温はご飯の食感も損ないます。もちっとした食感はべちゃっとなってしまったり、ふっくらした食感がしっとりとしてしまったり。炊飯器の好みのモードで炊き上げたご飯でも、長時間保温することで炊きたてのような食感は失われるのが一般的です。
ご飯のツヤがなくなる
炊飯器で長時間保温したご飯はツヤもなくなります。炊き立てのツヤツヤとして輝きは、食欲をそそる重要なポイントのひとつです。しかし、炊飯器で長時間保温したご飯はこの輝くようなツヤが失われてしまいます。
ご飯から臭いも発生
炊飯器で長時間保温したご飯は、独特の臭いを発することがあります。特にしっかり精米されていないお米だったり、古米がブレンドされているようなお米は、米ぬかが酸化した特有のぬか臭さが発生することもあり、長時間保温でより臭いがきつくなる可能性があります。
炊飯器で保温せず長時間経ってもご飯を美味しく食べるコツ
炊飯器で炊いたご飯は、炊飯器の保温機能を使わない方法で長時間経っても美味しく食べることができます。8時間が限界と言われる炊飯器の保温機能。それ以上の時間が経った後でも美味しく食べる方法としては、どんなものがあるのでしょう。その方法とコツをご紹介します。
冷凍保存がおすすめ
炊飯器で炊いたご飯を保温機能を使わずに長時間経っても美味しく食べる方法としては、冷凍がおすすめです。炊きあがったご飯をなるべく早いうちに冷まして冷凍すると、解凍した時に、まるで炊き立てのようなホカホカツヤツヤのご飯を食べることができます。
冷凍する時のコツは熱い状態のままできるだけ蒸気ごとラップに包んだり、容器に詰めること。ラップで包む時には、杓文字などでギュッと押し付けたり、包んだ後に押しつぶしたりせず、優しくふんわり包んであげること。ラップに包む場合は、お茶碗一杯くらいの小分けにし、平たくして包むことです。
できるだけ炊き立てのご飯を急速冷凍するのが美味しい状態でご飯を保存するコツですが、温かいうちに冷凍庫に入れてしまうと、他の食材を傷めることになりますし、庫内の温度を上げてしまうことになるので注意しましょう。
急速冷凍機能のある冷蔵庫の場合はそちらを利用し、急速冷凍機能がない冷蔵庫の場合はラップのうえからさらにアルミホイルで包んだり、金属製のトレーにのせたりするのもおすすめです。
冷凍保存しておく方法は、長時間炊飯器で保温しておくよりもずっと美味しい状態でご飯を食べることができますが、解凍の方法にもいくつかコツがあります。ラップ、容器での冷凍別に解凍方法のコツをご紹介しましょう。
ラップで包んだご飯の解凍方法
炊飯器で炊いた炊き立てのご飯を、保温せずにラップで包んで冷凍した場合の解凍方法は次の通りです。まず、ご飯が半解凍になるまで電子レンジで短時間の温めをします。半解凍になったら、ご飯をラップから外し、お茶碗に入れ替えて再度温めなおします。
電子レンジを使って2段階で温めて解凍するのがポイントで、常温での自然解凍や冷凍庫による自然解凍はしないようにしましょう。電子レンジを使って解凍することで、ご飯の水分が損なわれることなく、美味しい状態で解凍したご飯を頂くことができます。
炊飯器で炊いて冷凍したご飯を自然解凍をしてしまうと、ご飯の水分が外に出て、ご飯が柔らかくべちゃっとした状態になるので注意が必要です。
タッパーに入れたご飯の解凍方法
炊飯器で炊きたてのご飯をタッパーに入れて冷凍した場合の解凍方法は、次の通りです。まず、タッパーの容器の蓋を外して少しずらし、容器の上にのせます。
電子レンジの解凍機能ではなく、あたためボタンで解凍させます。蓋をしたまま電子レンジが使えるタッパーの場合は、蓋をしたまま電子レンジで温めましょう。
電子レンジにご飯解凍専用のボタンがある場合は、そちらを使うのがおすすめです。冷凍したご飯は、自然解凍など解凍時間が長ければ長いほど老化するデンプンは増え、パサパサとした食感のご飯になってしまいます。あくまで解凍機能ではなく、温め機能を使って解凍するようにしましょう。
冷凍での保存期間
炊飯器で炊いたご飯を保温機能ではなく、長時間保存しておくには冷凍が便利です。湯気の上がった炊き立てのご飯を素早くラップすることで、解凍した時にも美味しい状態でホカホカのご飯を楽しむことができます。
ただし、やはり冷凍での保存にも美味しく食べられる期間は存在します。炊飯器で炊いて冷凍したご飯のタイムリミットは2週間です。
ラップしたご飯をフリーザーバッグに入れて冷凍するのが基本ですが、ラップのまま冷凍してしまった場合、冷凍保存期間はさらに短くなります。それ以上の期間冷凍していると冷凍焼けが起こってしまうため、5日~2週間程度で食べるようにしましょう。
おひつを使用するのも◎
炊飯器で炊いたご飯を保温機能ではなく、長時間保存しておくためのもう一つの方法はおひつです。おひつは昔ながらのご飯の保存方法で、保温機能は高くありませんが、ご飯の適度な水分を保ちながら、ご飯表面のツヤなどをキープします。
桐や杉、檜など色々な素材を使ったおひつが存在しますが、機能的にはどれも遜色ありません。冷凍ほど長時間保存しておくことはできませんが、炊飯器で8時間以上24時間未満で保温しておくような場合で少々冷めても良い場合などは、おひつを利用してみるのもおすすめです。
炊飯器で長時間保温せず冷凍保存しよう!
いかがでしたでしょうか。炊飯器での長時間保温は、お米の品質を下げ、美味しい状態でご飯を食べることができません。8時間をめどに、冷凍保存するか、もしくはおひつにうつして、炊飯器で炊いたご飯を美味しい状態で楽しんでみてはいかがでしょう。
冷凍したご飯を解凍する時にも、ちょっとしたコツをおさえて上手に解凍し、ぜひ時間が経っても美味しいご飯を楽しんでみて下さい。