自転車の消費カロリーが知りたい!
最近体型が気になりだした、でもスポーツジムやフィットネスにはいく時間がない、もっと手軽にカロリーを消費できるダイエットは無いか、そんなときふと思うのが自転車です。
例えば毎日の通勤に電車やバスを使っているけど、自転車で通える距離なので自転車通勤にしてみる、また、通勤に限らず、今までちょっとした外出でも車を使っていたのを自転車にするなどすれば、ダイエットに効果があるのか、そうお考えの方もたくさんいるのではないでしょうか。
そう考えた時に気になるのが自転車による消費カロリーがどれくらいなのかということです。ダイエット効果が期待できるためには、相当な距離を走らなければならないんじゃないか、そんな不安が頭をよぎります。
そこで自転車の消費カロリーはどのくらいなのかを紹介します。また、自転車のダイエットに効率的な乗り方や、適切な走行距離やスピードなども併せて紹介します。
自転車のダイエット効果
自転車のダイエット効果を考える時に、まず必要なのはカロリーを消費するメカニズムを知ることは大切なことです。まずはカロリーはどうやって消費されるのかの基本について解説します。
カロリーがどうやって消費されるのかが理解できると、自転車がカロリー消費にとても有効なのが良く分かるようになります。
自転車を漕ぐことは有酸素運動に
「有酸素運動」という言葉をみなさんは聞いたことがありますか。これは体内のカロリーを消費するのに適した運動のことを言います。
有酸素運動では体内の脂肪を燃焼してエネルギーに変えます。これには比較的緩やかな運動を長時間行うことが必要です。自転車を漕ぐというのはこの緩やかな運動を継続して行うことなので、ダイエットには効果のある方法なのです。
さらに自転車はジョギングやウォーキングに比べて膝への負担が少なく、さらにペダルを漕ぐことが筋肉量の多い足を鍛えることにもなります。
これに対して無酸素運動は筋肉や血液中の糖を乳酸に変えてエネルギーとし、短距離走や筋トレのような激しい運動を指します。無酸素運動は脂肪を燃焼しないため、それ自体はダイエット効果はありませんが、筋肉を鍛えることで基礎代謝が上がり、ダイエット後のリバウンドを防ぐ効果があります。
自転車の消費カロリーの計算方法
自転車だけでなく、運動や生活全般の活動などいろいろな場合の消費カロリーは一定の計算式で求められます。その計算式に用いられるものにメッツ値というのがあります。
メッツとは座った状態の安静時を1として、運動や活動のエネルギーがその何倍かを表す数値です。どのような運動が何メッツなのかは国立健康・栄養研究所の改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』に定められています。ちなみに通常の歩行は3メッツです。
メッツの解説で「運動や活動」としましたが、それはメッツ値の定義が運動にかかわらず、あらゆる活動についても定義されているからです。例えば「子供と活発に遊ぶ」は5.8メッツなど、生活における活動も規定されています。
メッツ値を使って消費カロリーを計算
実際に自転車に乗っても、どれくらい走ればどのくらいのカロリーが消費されるのか、ダイエットにどのくらい効果が期待できるのかわかりません。
それで、上で紹介したメッツを用いた消費カロリーの計算式があって、計算結果に基づき、どのくらいカロリーを消費しているかが数値でわかります。ダイエットにとっては消費カロリーは目標の一つなので、この計算式は大変重要で意味のあるものになります。
消費カロリーの計算式
まずは一般的な運動や活動の消費カロリーを計算する計算式です。計算式は、消費カロリー=体重㎏×運動時間h×メッツ値×1.05です。
例えば体重60㎏の人が1時間歩いた場合の消費カロリーは上の計算式に従って、60㎏×1時間×3メッツ×1.05=189kかlとなります。以下この計算式を自転車のいろんなシーンにあてはめて、それぞれの消費カロリーについて解説します。
自転車で走った距離別の消費カロリー
いよいよ本題の自転車で走った場合の消費カロリーについてですが、ここでは10㎞・20㎞・30㎞・40㎞それぞれについての消費カロリーを紹介します。10㎞から40㎞ならばそれぞれ10㎞基準の2倍、3倍とすればよいと考えがちですが、走る目的によってメッツ値も違ってきます。
以降の解説の中で、自転車の消費カロリーを計算するのにもこのメッツ値を用いますが、単に自転車が何メッツというのではなく、自転車のタイプや上り坂・下り坂、速度などによって細分化されているので、距離や走行条件によってメッツ値が違ってきます。
以降に自転車の走行距離別の消費カロリーを求めていきますが、特に記載がない限り、前提として体重60㎏、時速20㎞で計算します。
10㎞走った場合
まずは自転車で10㎞走った場合の消費カロリーについて解説します。10㎞というのは自転車の場合、時速20㎞で走ると約30分となります。ちょっと距離があると感じる方もいるかもしれませんが、ダイエットを考えている方なら、通勤にちょうど良い距離ではないでしょうか。
運動不足と感じている方も、普段この距離もバスや電車で通勤しているでしょう。これを自転車通勤にするだけでも適度な運動となり、ダイエットに効果が期待できます。さらに通勤に自転車を使うメリットは、毎日通うことです。通勤であれば途中で挫折する可能性も低いでしょう。
10㎞を自転車で走った場合の消費カロリーは、60㎏×0.5時間×メッツ値×1.05です。ここでメッツ値を示さなかったのは、自転車の速度によってもメッツ値が違っているからです。
通勤の場合のメッツ値は速度が16.1㎞/h未満の場合は4.0、それ以上は6.8です。なので16.1km/h未満の消費カロリーは片道で126kcal、それ以上は片道214.2となります。往復ではこの2倍となります。
20㎞走った場合
通勤には自転車で平日はある程度カロリーを消費しても、休日に何もしないのはもったいない話です。休日はジムで汗を流す方法もありますが、自転車でちょっと遠くまで出かけてみませんか。いわゆるサイクリングです。最初は20㎞くらいを景色を楽しみながら走るのは楽しいものです。
ジョギングでは周りの景色を楽しみながらというわけにもいかず、また、ウォーキングではそう遠くまでは行けないので、自転車はそういう意味でも楽しく実行できる」ダイエット方法といえます。
サイクリングでは通勤の時よりも若干スピードを速くすることでメッツ値も上がり、消費カロリーもそれだけ多くなります。時速20㎞/h前後で橋板場合のメッツ値は8.0なので、1時間当たりの消費カロリーは60㎏×1時間×8.0×1.05=504kcalと通勤の時よりも多くなります。
ならば通勤でも同じくらいで走ればとお思いでしょうが、通勤はその後に仕事があり、あまりスピードを出して疲れてしまうと仕事に差し支えかねません。15㎞/h~20㎞/hのスピードが適当と考えます。
30㎞走った場合
サイクリングにも慣れてくると、もう少し距離を延ばしてみたくなります。自転車だと車で走った時よりも景色を見ることが出来るばかりではなく、どこでも気になったところに停めることが出来るという利点があります。まさに楽しみながらのダイエットです。
10km/h走った場合のところでメッツ値は速度によって違うことっを説明しましたが、30㎞を走るのであれば、はじめは早いスピードでは続かない可能性があるため、ゆっくりと走った方が良いでしょう。その場合のメッツは4.0なので約2時間走ったとすると504.0kcalとなります。
体力がついてくるとスピードを上げて走ると消費カロリーも上がります。20km/hだと8.0メッツで1時間半かかるので756.0kcalとなります。
途中で気になった場所で停まるのもありですが、ダイエットのためには目的地を決めて、そこまで一気に行く方が効果があります。
40㎞走った場合
40㎞走るとなると、20km/hでも2時間を要します。それ以下のスピードではもっと所要時間が増えるため、疲労度を考えると1日を費やすことになるでしょう。
しかし、この距離を走れば消費カロリーは確実に増えます。16.1km/h未満のスピードなら約2時間半かかり、このときのメッツ値は4.0なので、消費カロリーは630kcalになります。
スピードを上げるとメッツ値も大きくなり、消費カロリーも大きくなります。例えば20km/hのメッツ値は8.0なので消費カロリーは1005.0kcalとかなりのカロリー消費になります。
自転車でダイエットをする際のポイント
ダイエットを目的として自転車を利用するのであれば、より効果を上げるためにいくつかのポイントを押さえておく必要があります。
ただ単に自転車を漕いでいれば良いわけではないので、より効果を上げるためのポイントをいくつか挙げます。この点に注意して自転車ダイエットを続ければ、きっと効果が表れてくるでしょう。
走行ルートを決めておく
走行ルートを決めて走ることは、繰り返し同じ道を走った時のタイムや疲労度を比較することができます。はじめのうちは少しきついかもしれませんが、慣れてくるともう少し距離やスピードを上げていくことでよりダイエット効果が上がります。
もう一つ、走行ルートを決めておく理由は一定の負荷で継続して走ることが出来ることです。つまり、走行ルートが市街地などでは信号や渋滞があって、その都度止まったりして効果が上がりません。また、アップダウンの多いルートも上り坂と下り坂のメッツ値が大きく違うので不向きです。
最近はいろいろな場所に自転車専用のサイクリングロードなども整備されているので、そこまで自転車を車に乗って移動し、利用するのも良いでしょう。河川敷などは景色も楽しめるのでベターです。
少しきつめの速度をキープ
ダイエットを目的としたカロリーを消費することが目的の自転車の場合、どのくらいのスピードで走るのが効果的でしょうか。それはズバリ「少しきつめ」のスピードです。
初めに紹介したように、自転車は基本的には有酸素運動で、脂肪を燃焼させるのに効果的なのですが、より効果を上げようとしてスピードを上げ過ぎると無酸素運動となってしまい、脂肪は燃焼されなくなります。
逆にあまり遅過ぎると負荷がかからず脂肪の燃焼率が悪くなってしまいます。ベストなのはやはり「少しきつめ」のスピードです。
具体的にはどのくらいのスピードかは個人差があるので一概には言えませんが、一般的には20km/hか少し超える程度のスピードが良いとされています。
コンビニ・スーパーに寄るのはNG
一見、この意味は何だろうと思われるかもしれませんが、自転車で立ち寄ったら何を買うことが多いでしょうか。自転車で運動した後なので、食欲も増進し、また、人によっては運動の後の1杯もあるでしょう。
特に夕方のスーパーに立ち寄ると、売れ残った惣菜が安売りされているのでついつい買いたくなりますが、その多くは揚げ物などカロリーが高いものです。これではせっかくの自転車ダイエットでカロリーを消費しても台無しです。
ここはぐっと我慢して家路を急ぎましょう。帰ってからの冷たい1杯の水は格別です。ただし、自転車に乗っているときにも水分補給を十分に行うことが必要です。
ダイエットに効果的な走行距離は?
平日は通勤などを自転車に切り替える、休日は少し長めの距離をサイクリングと紹介してきましたが、実際にはどのくらいの走行距離がカロリー消費に効果があるのでしょうか。
実際、通勤は市街地など信号など一時停止しなければならない場所が多く、継続して自転車を漕ぐというのは難しいため、消費カロリーは実際の走行距離から計算した値の7割~8割と考えられます。これはダイエットというよりも現状維持の範囲です。
休日にサイクリングで30㎞~40㎞を走ったとすると、ここでようやくダイエット効果が出てきます。自転車ダイエットをお考えの方はぜひサイクリングを趣味として考えていただきたいものです。
一つ誤解してはいけないのが、平日の自転車通勤では消費カロリーの点では現状維持と言いましたが、これを従来通り電車やバスで通勤していると自転車ほどのカロリーは消費されないため、そういう意味ではカロリー消費には十分効果があります。
消費カロリーを意識して自転車に乗ろう!
ダイエットを意識した自転車の乗り方とその効果について解説しました。カロリーを楽に消費できる自転車は単なる移動手段ではなく、運動不足になりがちな生活に趣味としても組み入れて、休日には少し遠出をしてみるのはダイエット効果だけでなく気分転換にも有効です。
慣れてきたら少しずつ距離を延ばしていろいろなところに行ってみると、周りの景色も楽しみながら、さらに新しい発見ができるかもしれません。