太刀魚の美味しい食べ方を覚えよう!
太刀魚を食べてみたいけど調理方法や食べ方が分からない、そんな悩みを持つ方はいませんか。太刀魚は大きなものになるとそれなりに値段もするので、釣るにせよ買うにせよせっかく手に入れた太刀魚を失敗せずに美味しく食べたいと思う人も多いでしょう。
そこで今回は、太刀魚の下処理の方法から捌き方、おすすめ料理のレシピまで徹底紹介していきます。太刀魚の食べ方が分からなくても、この記事を読めばおいしい太刀魚料理を作れるようになること間違いなしなのでぜひ目を通してください。
太刀魚とは
せっかく食べ方を覚えて美味しく頂くのであれば、太刀魚の事はよくわからないけど美味しい魚だった、では少しもったいないです。そこで調理方法の紹介の前に、まずは太刀魚とはどんな魚なのかを紹介していきます。
太刀魚に詳しくなっていれば下処理や調理方法も自然と変わってきますし、より美味しい食べ方を思いつくかもしれません。最低限の知識は頭に入れておいた方がいいでしょう。
太刀魚の特徴
太刀魚(たちうお)は日本各地に生息してスズキ目の魚です。所謂青魚の一種であり、鯖や秋刀魚の仲間と言えます。それを聞いただけでも味が期待できそうだと思った人も多いのではないでしょうか。ただし鯖や秋刀魚と違って太刀魚は全長1mを超える事もある大きな魚です。
太刀魚の身体的な特徴は、頭から尻尾まで続く背びれと大きな口、そして鋭利な歯です。返しのついた牙もあるので、太刀魚を釣った時には噛まれないように十分注意してください。
太刀魚の由来
太刀魚の体は大きく側扁しています。その見た目が長い日本刀のような形に見えるため、太刀魚と呼ばれるようになったと言われています。太刀魚は背びれの部分が楕円形になっており、鱗の無い銀色の全身も相まって日本刀を連想させる見た目をしています。
他にも、太刀魚が立ち泳ぎをするからだという説もあり、その際には太刀魚ではなく立魚と書く事もあります。実際に太刀魚は立ち泳ぎをしながら餌となる小魚などを下から狙う事もあるため、立魚と呼ばれるのもあながち間違いではないと言えるでしょう。
太刀魚の旬
太刀魚は輸入などもあるため年中食べられる魚ですが、特に旬の季節は夏から秋にかけて、具体的には6月~11月ごろと言われています。丁度太刀魚の産卵期と重なる形で、この時期には栄養を蓄えた美味しい太刀魚を食べる事ができます。
旬の時期には、全国各地の防波堤で比較的容易に釣る事ができます。夏の風物詩とも言われるような魚なので、新鮮な太刀魚が食べたい人は近くの海辺に足を運んでみるといいでしょう。
太刀魚の味
太刀魚は白身魚で、鯖は秋刀魚同様その身は癖の少ない比較的淡白な味をしています。特に他の魚に比べて皮が絶品で、鱗がないこともあり皮つきでも美味しく頂くことができます。ただし骨が多いのでかぶりつく際には十分注意してください。
太刀魚の身は柔らかいので食べ方を選ばないのも特徴です。刺身は勿論、煮ても焼いても揚げてもふっくらとした身を堪能することができるので、自分のお好みの食べ方で頂きましょう。
どう食べても美味しい魚なので、レシピのレパートリーを増やすのにも一役買ってくれます。中でも旬の時期の塩焼きは、脂ののった太刀魚を存分に味わえるレシピなので特におすすめです。
太刀魚の下処理のコツ・手順
太刀魚についての紹介が終わったところで、続いては太刀魚の食べ方の紹介に入っていきます。まずは魚料理で一番大切かつ面倒ともいえる下処理について紹介していきます。
下処理を済ませておかないと、食べた時に内蔵の苦みが残ったり食べられる部分が少なかったりとせっかくの魚料理が台無しになってしまいます。下処理が丁寧だと作れるレシピも増えるので、少し大変ですがきちんとした手順を覚えましょう。
太刀魚の下処理
まず、頭の部分は特別必要でない限り最初に切り落としておきます。前述したように太刀魚は鋭利な歯をもっているので、調理途中に歯でけがをしてしまうかもしれないからです。頭を使う場合でも最低限歯の部分だけは切り落としておいた方がよいです。
続いて腹の部分から包丁を入れ、エラの付け根を切り落とします。エラの部分を切り落とすことで内臓も一緒に出してしまいます。尾先も食べられる部分がないので切り落として大丈夫です。
背びれ部分も食べるには邪魔になるので、あらかじめ取り除いておきましょう背びれは下に軽く切れ込みを入れる事で、引っ張って取る事ができます。ここまで行ったら腹の中を洗い流し、キッチンペーパーで水気を取ったら下処理は終了です。
下処理が終わったら骨ごとぶつ切り
下処理が終わったら、作る料理に必要な大きさに太刀魚を切っていきます。この時は骨ごとぶつ切りにして使いやすい大きさにカットしていきましょう。切ったものをさらに捌いていくのであれば大きめサイズにカットし、そのまま料理に使うのであれば食べやすい大きさにカットするのがおすすめです。
太刀魚の捌き方
料理によっては、下処理が終わった太刀魚をさらに捌いていく必要があります。そこで続いては、太刀魚の捌き方について解説していきます。大きい太刀魚は捌くのも大変ですが、その分きちんとできた時の達成感も大きいので、ぜひ捌き方を覚えておきましょう。
太刀魚を捌く際には、大きく分けて以下の3ステップがあります。食べ方によって必要なステップ数は違いますし、レシピ次第で省略できる場合もあります。ですが正確なやり方を覚えておくことでより一層美味しく食べやすい魚料理を作る事ができるでしょう。
三枚おろし
まずは腹鰭の上あたりを目安に、腹部分から尻尾の手前にかけて浅く包丁を入れます。切れ込みが入ったら少しずつ包丁を寝かせながら、背骨部分に到達するまで深く切っていきます。骨に身が残らないように、しっかり背骨まで包丁を入れていきましょう。
続いては背びれの部分から同じように包丁を入れていきます。こちらも少しずつ深く包丁を入れていき、最終的には背骨と尻尾だけで身がつながった状態になります。
そうなったら身が骨に残らないよう腹の方から丁寧に包丁を入れていき、尻尾の繋がっている部分を切ります。これで完全に骨から身がはがれます。同様の方法で逆側も捌いたら、三枚おろしの完成です。
慣れれば一匹あたりおよそ3分程度で三枚おろしができるようになるので、ひたすら数をこなして練習するのが良いでしょう。また、骨を切る作業なので、ある程度切れ味のある包丁を用意するとスムーズに作業が進みます。
柵取り
柵切りとは、刺身や寿司にするために卸した魚の身を切り分ける事です。作業内容としては、三枚おろしをした魚の身からさらに腹骨を取り除いていきます。
腹の少し上の部分から骨ごと斜めに切り落としていきます。太刀魚は下の部分にはあまり可食部分がないため、多少大胆に切っても大丈夫です。骨が残ると食べる時に苦労するので確実にそぎ落としておきましょう。
切り身
柵取りが済んだら、食べ方によって調理しやすいサイズにカットしていきます。既に必要な下処理は全て終わっているので、後は好きな大きさにカットすれば、料理に使う切り身の完成です。以上で太刀魚に施す下準備はすべて完了です。
太刀魚の美味しいおすすめの食べ方&レシピ
それではいよいよ、太刀魚を使った様々な食べ方のレシピを紹介していきます。前述したように太刀魚は食べ方を選ばない魚なので、今回は方向性の違う4つのレシピを紹介していきます。どれも比較的簡単に作れるものばかりなので、料理初心者の方もぜひ挑戦してみてください。
勿論今回紹介する方法以外でも太刀魚は美味しく食べられるので、他にも試してみたいと思った人は今回のレシピを参考にぜひ自分で色々試してみましょう。
食べ方①太刀魚の塩焼き
太刀魚の定番料理といえばやはり塩焼きです。素材の味をそのまま楽しめるので、旬の脂がのった太刀魚を最も味わえる料理と言えるでしょう。
材料は太刀魚の他、下準備用の酒と塩を少々用意します。太刀魚の塩焼きを作るのに必要な材料はこれで全部なので、特別なものを買わなくてもすぐ料理が可能です。
まず、下処理をした太刀魚の水気をふき取り、身の厚い部分に軽く切れ込みを入れます。これで中まで火が通りやすくなります。続いて表面に軽く酒を振り、塩を全体にまぶしていきます。この時なるべく高い位置から塩を落とすことで、より全体にムラなく振りかける事ができます。
下準備が済んだら、太刀魚を焼いていきます。調理器具はグリルがおすすめですが、なければフライパンで焼いても大丈夫です。グリルを使うのであれば皮を上にして焼きます。フライパンの場合は先に皮を下にして途中でひっくり返すといいでしょう。いずれの場合も焼き色がつくまで焼いたら完成です。
お好みでレモンを加えると味に変化が加わるので試してみてください。塩焼きは塩をまぶして焼くだけなので誰でも気軽に美味しい太刀魚が楽しめる魚料理と言えます。初心者の方にもおすすめなので、一度挑戦してみましょう。
食べ方②太刀魚のハーブ焼き
和食より洋食が好きと言う人におすすめなのが、太刀魚のハーブ焼きです。元々淡白な味の太刀魚は、味付けを変えるだけでもガラッと味が変わるので、洋食にも適した食材と言えるでしょう。
材料は太刀魚の他、ハーブソルトやローズマリー等お好みのハーブを用意してください。あとはオリーブオイル少々とお好みで一緒に焼いていく野菜があれば大丈夫です。
切れ込みを入れるまでは塩焼きと同様で、塩の代わりにハーブソルト等の洋風調味料を振りかけていきます。次にアルミホイルを用意し、軽くオリーブオイルをひいたら先ほどの太刀魚と、一緒に焼いていく野菜並べて上からオリーブオイルをまわしかけていきます。
最後に太刀魚の上にローズマリー等のハーブをのせ、あらかじめ220℃に予熱しておいたオーブンで焼いていきます。時間は12~15分位が目安になります。
焼きあがったら完成です。ハーブの香りが食欲をそそり、塩焼きとはまた違った美味しい太刀魚を堪能することができます。こちらも基本的には焼くだけなので、初心者でも遠慮なく挑戦してみてください。
食べ方③太刀魚ときゅうりの酢の物
暑い日にサッパリした太刀魚が食べたいという人におすすめなのが、太刀魚とキュウリを合わせて酢漬けにしたものです。火を使わないので、焼き魚が苦手な人でも太刀魚を味わう事ができます。
材料は太刀魚の他、キュウリと酢と塩を用意します。お好みで胡麻なども加えると味のアクセントがでるので試してみてください。
まず、下処理を終えて切り身になっている太刀魚に塩を振り、約3時間程酢に漬け置きします。その間にキュウリにも塩をもみ込んでしばらく置いておきましょう。
つけ終わったら太刀魚は食べやすいサイズに切り、水で洗ったキュウリと合わせます。最後に味を確認しながら酢を混ぜていけば完成です。作り置きも出来るので、太刀魚が旬の夏場にはある程度作っていつでも食べられるようにしておくのもいいかもしれません。
食べ方④太刀魚の野菜ときのこたっぷりあんかけ
最後に紹介するのは、太刀魚と野菜、きのこを混ぜ合わせたあんかけです。ヘルシーで栄養価も高いので、太刀魚と一緒にたっぷりの野菜を食べたいと思っている人におすすめのレシピです。
材料は太刀魚の他、シイタケやシメジなどのきのこ、それとタマネギやレンコン、ナスやピーマンなどの旬の野菜です。ほかにも調理用にバターや塩コショウ、さらに鶏ガラスープや砂糖、醤油、酒、ごま油等の各種調味料も用意します。
まずは下処理をした太刀魚に塩コショウを振り、軽く小麦粉をまぶしたらバターをひいたフライパンで焼いていきます。焼きあがった太刀魚は後で合わせるのでしばらくおいておきましょう。
続いて、各種きのこと野菜を食べやすいサイズに切り、フライパンで軽く炒めます。途中から各種調味料を加えてるとともに、煮込んでいくような状態にします。そしたら水溶き片栗粉をいれてとろみをつけ、あんかけの完成です。
最後に、焼いておいた太刀魚にあんかけをかけて完成です。栄養価もさることながら太刀魚のおかげで食べ応えも抜群なので、献立のメインを飾れる料理と言えるでしょう。手間はかかりますが作る価値はあるのでぜひ一度挑戦してみてください。
太刀魚の美味しい食べ方を試してみよう!
今回は太刀魚の特徴や味、下処理の方法から美味しいおすすめレシピを紹介しました。太刀魚が好きな人は勿論、今まで太刀魚に興味の無かった人でも食べてみたいと思った人も多いのではないでしょうか。
太刀魚は旬の時期以外でもスーパーに行けばいつでも買えるような魚です。なので少しでも食べてみたいと思ったらすぐにでも挑戦してみてください。旬以外でも太刀魚は美味しい魚なので、今回紹介した内容を参考に自分だけの美味しいレシピを見つけてみるのもいいかもしれません。