MCTオイルの使い方を覚えよう!
健康に気を付けている方々の間で、以前から評判となっているMCTオイル。ダイエットやストレス緩和も出来るとあって、人気の高いオイルです。今回の記事では、MCTオイルの特徴・効果から、簡単なレシピ・注意点まで紹介していきますので、基本的な使い方をマスターしましょう。
MCTオイルとは
MCTオイルを知らないという方のために、まず、MCTオイルとはどのようなオイルなのか、基本的なことからご説明します。
MCTとは、「Medium Chain Triglyceride(ミディアム・チェーン・トリグリセリド)」の略で、日本語に訳すと「中鎖脂肪酸」となります。MCTオイルとは、この中鎖脂肪酸を主成分として作られた自然由来の良質なオイルのことです。
MCTオイルは一般的な植物油よりも、素早く消化・吸収されるという特徴を持っています。美容・健康・ダイエットなど、嬉しい効果盛沢山のMCTオイルの基本的な使い方・注意点を知ったうえで、MCTオイルの効果を最大限に実感してみましょう。
中鎖脂肪酸
中鎖脂肪酸は、ココナツ・パームフルーツ等のヤシ科植物の種子に多く含まれています。これらの種子から取り出した100%中鎖脂肪酸で作られたMCTオイルは、基本的には医療現場やスポーツなど様々な分野で使われてきました。
中鎖脂肪酸は、一般の植物油に含まれるリノール酸・オレイン酸と同じ脂肪酸の一種。牛乳や母乳等にも含まれていて、私達が普段から摂取している成分なのです。
中鎖脂肪酸を摂取すると、「ケトン体」という脳や体のエネルギーとなる物質が効果的に作り出されます。ケトン体が作り出されると、ダイエット・持久力アップのほか、睡眠不足の解消など様々な効果が期待でき、スタミナ不足も解消できるので、これからの夏に負けない体も作れます。
体内ですぐエネルギーになる
油は脂肪酸の鎖状になっている分子の長さ・結合の仕方の違いにより、多くの種類に分けられます。長さの違いによって、短鎖・中鎖・長鎖脂肪酸、結合方法で飽和・不飽和脂肪酸に分けられるのです。また、結合位置によって、オメガ3・オメガ6にも分類されます。
サラダ油・オリーブオイルなどが含む長鎖脂肪酸と違い、MCTオイルは分子の長さが半分なので、水に溶けやすいという性質があります。そのため、小腸から直接肝臓へ運ばれるので、一般的な油脂より約5倍の速さで消化・吸収されるのです。
このようにMCTオイルは、短時間でエネルギーへと変化するので、集中力がなくなりカロリー不足だと感じている体へ、MCTオイルは一早く届くのです。
体脂肪として蓄積されにくい
美味しい食べ物が溢れる現代では、体脂肪が過剰に蓄積され肥満に悩む人がたくさんいます。このメタボリック症候群が原因となり、高血圧・高血糖・高コレステロール血症・中性脂肪増加などを引き起こし、さらには心疾患・脳血管疾患などの、重篤な病気へと繋がるリスクも上がります。
肥満を防ぐためには、皆さん摂取カロリーを減らそうと考えるはずです。そして、まず注目されるのが油となるわけですが、油は極端に減らし過ぎると却って健康を損なう恐れがあります。
そんな時に役立つのが、MCTオイルなのです。それは、中鎖脂肪酸は長鎖脂肪酸に比べ、体重・体脂肪ともに減少するという研究結果があるからです。体脂肪の中でも、特に内臓脂肪が減りやすいとの結果が出ており、この事からもMCTオイルは体脂肪として蓄積されにくい事が分かります。
MCTオイルの効果
ココナッツ・パームフルーツに含まれる天然成分由来の、中鎖脂肪酸100%のMCTオイルは、体内で素早く吸収・消化されエネルギーになりやすく、体脂肪として蓄積されにくいオイルです。
その特徴を生かし、生活習慣病予防などに利用されています。こちらでは、MCTオイルの効果をより具体的に見ていきましょう。「ダイエット効果」「乳酸の蓄積を減らす効果」「アルツハイマー病への効果」「てんかん発作や自閉症への効果の期待」という点に注目してご説明していきます。
ダイエット効果
先程もご説明した通り、MCTオイルは摂取してすぐにエネルギーとして使われるので、脂肪が蓄積しづらくなり、脂肪が燃焼しやすくなります。また、MCTオイルには脂肪を分解する力もあるので、摂取し続けることで痩せやすい体質になるという効果があります。
そして、MCTオイル摂取すると、脳がMCTオイルをエネルギーと認識するため太りにくく、いわゆるダイエット中の停滞期にもなりづらいと言われています。
食事制限をしていると、脂肪より筋肉が早く分解されてしまいます。一方、MCTオイルには筋肉の減少を抑えながら、脂肪を優先して分解してくれるという効果もあるのです。MCTオイルの正しい使い方を覚えて、ぜひダイエット効果も実感してみましょう。後述のレシピもご参考下さい。
乳酸の蓄積を減らす効果
MCTオイルは素早くエネルギーになるということが分かっていますが、実は、マラソンのような持久的なスポーツおいても効果を発揮するという研究結果もあるのです。
その研究で、一般の油よりMCTオイルを続けて摂取した方が、中強度の運動をした時に血中乳酸濃度は低く保たれ、高強度の運動をより長く続けられるということが分かったのです。
MCTオイルの正しい使い方をすれば、体が運動中のエネルギー源として糖質を利用しやすくするように変化するので、乳酸の蓄積を減らすことが出来ると考えられています。体が疲れやすい方、運動をする方は、MCTオイルの基本的な使い方を覚えて疲労回復に役立ててください。
アルツハイマー病への効果
現代では高齢化に伴い、アルツハイマー病も増加の傾向にあります。アルツハイマー病は、脳内の蛋白質の蓄積・萎縮などの他、脳がエネルギー不足の状態になっている事も判明しています。アルツハイマー病の脳内は、ブドウ糖をうまく取り込めなくなってしまっています。
しかし、MCTオイルを摂取によって作り出されるケトン体が、ブドウ糖の代替エネルギーとして活躍してくれるため、アルツハイマー病の予防・症状の改善効果があると考えられているのです。
てんかん発作や自閉症への効果も期待
アルツハイマー病への効果が期待されるのと同じ理由で、MCTオイルはてんかん発作や自閉症への効果も期待されています。MCT・脂肪を摂取しながら糖質を摂らないようにするケトン食療法で、てんかん発作の頻度が抑えられる可能性があることも分かっています。
また、ケトン食療法は、自閉症への効果も期待できるという研究結果もあります。しかし、ケトン食療法には厳密なMCTの使い方や、副作用という問題もあるので、試してみたい方は、まず医師に相談してみてください。
MCTオイルの基本の使い方
MCTオイルの特徴や、様々な効果が分かったところで、こちらではMCTオイルの基本的な使い方をご説明していきます。「マヨネーズに混ぜる」「ドレッシングに混ぜる」「ヨーグルトに混ぜる」「お粥に入れる」という手軽な方法を見ていきましょう。
使い方①マヨネーズに混ぜる
まず初めにご紹介する、MCTオイルの基本的な使い方は、マヨネーズ大さじ1に対し、MCTオイル小さじ1を混ぜるというもの。市販のマヨネーズに混ぜるのも簡単で良いですが、MCTオイルを使って自分でマヨネーズを手作りするのもおすすめです。
手作りマヨネーズのレシピは、卵黄2個を混ぜ、オリーブオイル80ccを入れ少しずつ混ぜ合わせます。続いてMCTオイル30ccを流し入れ、酢3ccを少しずつ加え塩で味を調えたら完成です。
使い方②ドレッシングに混ぜる
美容や健康のためにも食物繊維たっぷりの野菜を摂ることは重要ですが、ついドレッシングをかけ過ぎていませんか。そんな時には、ドレッシング大さじ1に対し、MCTオイル小さじ1の割合で混ぜてみましょう。また、ドレッシングもMCTオイルを使って手作りすることが出来ます。
ドレッシングのレシピは、MCTオイル・酢・オリーブオイル・みりん各大さじ1と、レモン果汁大さじ2を混ぜ合わせるだけの簡単レシピです。ポン酢を使っても◎。
使い方③ヨーグルトに混ぜる
ダイエットのために、朝食をヨーグルトにしているという方も多いはず。ヨーグルト70gにMCTオイル小さじ1を混ぜると、健康・ダイエットに良いだけでなく、味がまろやかになりヨーグルトを更に美味しく楽しむことが出来ます。
使い方④お粥に入れる
ダイエット中でも、ご飯が食べたい時に便利なお粥。お粥はカロリーが少なく、消化・吸収が良いのでダイエットにおすすめなのです。そんなお粥250gに、MCTオイル小さじ1を加えれば、味を変えずに、お粥ダイエット時のエネルギー補給が叶います。
MCTオイルを使用した簡単レシピを紹介!
上記の章でMCTオイルの基本的な使い方が分かったところで、こちらでは、具体的な簡単レシピをご紹介していきます。お子さんも大好きな「ソース焼きそば」や「ポテトサラダ」、普段の生活に取り入れやすい「ミルクコーヒー」の3つのレシピを見ていきましょう。
ソース焼きそば
時間がない時でも手早く作れるソース焼きそばは、野菜や肉も一緒に摂れる栄養バランスの良いメニューですが、そこへMCTオイルを足すと更にワンランクアップできます。
ソース焼きそば1人分のレシピ。まず、豚小間肉40g・キャベツ80g・人参20g・もやし70g・サラダ油小さじ1・焼きそば1袋・MCTオイル小さじ2を用意します。
豚小間肉・キャベツは一口大に、人参は短冊切りにし、油をひいたフライパンで、肉・キャベツ・人参・もやし軽く炒めます。次に、焼きそば麺を入れ水60mlも加えたら、丁寧にほぐして添付の調味料を振りかけ汁気がなくなるまで炒めます。火を止めMCTオイルを回しかけたら完成です。
ポテトサラダ
お肉にも魚にも良く合う、ポテトサラダは副菜として便利な一品です。ポテトサラダ1人分の材料は、ロースハム・きゅうり・にんじん各10g、たまねぎ5g、じゃがいも60g・マヨドレ8g・MCTオイル大さじ1/2・塩コショウ少々となります。
ポテトサラダ1人分のレシピは、まず、ロースハムを半分にしてから短冊切りにし、きゅうり・玉ねぎを薄切りにして塩もみしておきます。にんじんはイチョウ切りにし、じゃがいもは一口大にして茹で熱いうちにMCTオイルを加えボウルで混ぜ合わせます。
ボウルにマヨドレ・塩コショウ、お好みで練りカラシを加えます。そこへ、ロースハム・きゅうり・たまねぎ・にんじんを入れたら出来上がりです。
MCTオイルミルクコーヒー
MCTオイルを、様々な料理に入れるのは有効な方法ですが、ダイエット成功の大きなカギは、MCTオイルを継続的に摂取し続けるということです。
そこでおすすめなのは、普段の生活の中で簡単に取り入れられるMCTオイルミルクコーヒー。レシピは、好みのコーヒー100cc程度に、MCTオイル5~15cc・牛乳又は豆乳50cc・お好みでバターを適量入れるだけの簡単レシピです。
MCTオイルは5cc以上から始め、慣れてきたら徐々に量を増やしていきましょう。また、MCTオイルの胃腸への刺激を和らげるために、牛乳か豆乳を50cc以上入れる事をおすすめします。
MCTオイルを使用する際の注意点
ここまで、MCTオイルの特徴や基本的な使い方と共に、その様々な効果をご説明してきましたが、そんなMCTオイルの使い方にも、幾つかの注意点があります。MCTオイルの効果を最大限に生かすため、注意点を守って正しい使い方をしていきましょう。
少量から試してみる
MCTオイルを使用する際の注意点として、まず初めにお伝えするのは、少量から試してみるということです。なぜなら、使い始めは胃腸が刺激され、お腹が緩くなる場合があるからです。
個人の体質によって、その程度には差がありますが、小さじ1杯程度から試してみて、徐々に増やしていくのが良いでしょう。また、ヨーグルトや牛乳・豆乳と合わせて摂ることにより、胃腸への刺激を抑えることも可能です。
揚げ物や炒め物に使用しない
次に挙げる注意点は、揚げ物や炒め物に使用しないということです。これは、MCTオイルの沸点が160度と低いという特性により、発煙・泡立ちの危険性があるためです。
160度を超えなければ問題はないので、熱いコーヒーや、シチュー・スープに混ぜて使うことが可能です。また、完成した料理にかけるのも、全く問題ありません。
プラスチック容器は避ける
MCTオイルを使用する際の注意点として、最後にお伝えしたいのは、プラスチック容器は避けるという注意点になります。
もともと油とプラスチックの相性は良いので染み込みやすいのですが、MCTオイルの分子の短さも手伝って、プラスチックをすり抜けて容器を変形させる可能性があるからです。
容器の変形により火傷などに繋がる恐れもありますので、MCTオイルをプラスチック容器に入れるのは避けましょう。ただし、MCTオイルで容器が溶けるわけではないので、体への影響はありません。
注意点を守ってMCTオイルを使ってみよう!
正しい使い方をすれば、美容・健康やダイエットに大きな効果のあるMCTオイル。今回の記事では、その特徴・使い方・レシピと共に注意点もご説明しています。ぜひ、注意点を守ってMCTオイルを最大限に活用し、様々な効果を実感してみてください。