レーヨン素材を自宅で洗濯する方法を紹介!
レーヨンは、光沢があって手触りがツルツルしている素材で、上着の高級裏地として使用されたり肌着、おしゃれ着などにも使用されています。レーヨン素材はとてもデリケートな生地なので、自宅で洗濯をするときには特に注意が必要です。
そこで今回は、レーヨン素材の自宅での洗濯・乾燥方法や注意点などについて解説しましょう。クリーニングに出す人も多いかと思いますが、ぜひ洗濯方法を覚えて自宅で洗濯してみてください。
レーヨンとはどんな生地?
まずは、レーヨンとはどんな生地なのか、レーヨンの特徴について詳しく紹介していきます。自宅でレーヨンを洗濯をする前に、レーヨンにはどんな特徴があるのか把握して、正しい自宅での洗濯方法を覚えましょう。
レーヨンの特徴
レーヨンは、人絹(じんけん)とも呼ばれ、人工的に絹(シルク)に似せて作られているため、絹のように光沢がありなめらかな手触りをしています。レーヨンという言葉はフランス語の「レイ(光)」という言葉からきています。
レーヨンは、セルロースという繊維を加工し糸にしたもので作られています。セルロースは、木材のパルプやコットンに含まれている繊維で植物由来のため、レーヨンには環境に優しいという一面があります。
一方でレーヨンは水にとても弱く、水に濡れると縮んだり強度が弱くなり、ふとした時に破れてしまう可能性があります。また輪染みもできやすい素材なので、雨の日や洗濯をするときには注意が必要です。
レーヨンの服を洗濯する前の準備
紹介したようにレーヨンは、水に濡れると縮んだり強度が弱くなるため、自宅で洗濯をするときには注意が必要です。そのためレーヨン素材の衣服を洗濯する前にいくつか準備をしておくことをおすすめします。
少し手間に思うかもしれませんが、レーヨン素材の衣服を傷付けないようにするためにしっかりと準備しておきましょう。
洗濯前にサイズを測っておく
レーヨン素材の衣服を自宅で洗濯するときには、洗濯をする前にサイズを測っておくことをおすすめします。これはクリーニング店でも同様に行われている下準備で、縮みやすい生地のときには洗う前に採寸がされています。
採寸をするのは「腕(肩から袖口)」「肩幅」「背中(首の後ろから裾)」「袖口の直径」「裾の周囲」などで、万が一衣服が縮んでしまった場合はアイロンの蒸気をあてながらゆっくりと生地を伸ばしていくことで元通りに戻すことが可能です。
ただし水に濡れたレーヨン生地は強度が通常の半分以下ととても弱くなっているので、自分で生地の縮みを直すときには破らないように細心の注意を払うようにしましょう。
洗剤の選び方
レーヨンを洗濯するときには、洗剤選びにも気を付けなくてはいけません。洗濯洗剤には「アルカリ性」「中性」「酸性」のものがあり、レーヨンを洗濯するときには「弱アルカリ性」の洗剤を選ぶことをおすすめします。
レーヨンの汚れは中性や酸性の洗剤では落ちず、かといってアルカリ性の洗剤では強いので生地が傷んでしまう可能性があります。洗剤には色々な種類があるので裏書をしっかりと確認してレーヨンにあった洗剤かを事前に確認しておきましょう。
もし自宅におしゃれ着用の洗濯洗剤があるのであれば、レーヨンの衣服を洗濯するときにはおしゃれ着用の洗濯洗剤を使用することをおすすめします。
レーヨンの服の手洗いでの洗濯方法・注意点
続いては、レーヨンを洗濯するときの洗濯方法や注意点について解説します。レーヨンは、デリケートな素材なので、自宅で洗濯するときには、洗濯機ではなく手洗いで洗うことをおすすめします。そこで、レーヨン素材の衣服の手洗いの方法などについて詳しくみていきましょう。
洗濯表示を確認
レーヨンの衣服を手洗いするときには、まずは衣服の洗濯表示を確認してください。レーヨン素材の衣服のなかには様々な加工や処理によって水洗い・手洗いができないものもあるので、水洗い・手洗いが可能な衣服かを確認するようにしましょう。
また、レーヨン素材のなかには自宅での洗濯が難しいものもあります。洗濯処理がされていないなど自宅での洗濯が難しい場合は、無理に自分で洗濯しようとはせずクリーニング店へ出してプロに任せるようにしましょう。
洗濯表示が水洗いが不可の場合は、クリーニング店へ出すとドライクリーニングで衣服を綺麗にしてくれます。
クリーニング店に出したときの相場
レーヨンの衣服の洗濯表示が「水洗い不可」となっている場合は、クリーニング店へ出すことをおすすめします。店舗にもよりますが、クリーニング店に洗濯を依頼した場合、レーヨンの服1枚につき500円から1000円程度が相場となります。
特殊な加工がしてあるなど衣服によっては数千円程度が必要となる場合もあります。もしクリーニング店への依頼を検討している人は、店舗によって金額も異なるのでホームページ等で確認してみてください。
大きめの洗面器を2つ用意
レーヨン素材の衣服を自宅で手洗いするときには、大きめの洗面器を2つ準備しましょう。なるべく衣服に負担をかけないように手洗いしないといけないので、衣服を2つ折りに畳み袖を合わせた状態で平らに入るくらいのサイズがベストです。
レーヨン素材の衣服を手洗いするときには時間勝負になるため、水を溜める時間を省略できるように一つの洗面器には洗剤を溶かしておき、もう一つにもすすぎ洗い用に水を溜めておきましょう。
洗面器の水はできたら30度程度のぬるま湯を準備し、もし難しい場合は水道水をそのままでも構いません。ただし温度の高いお湯は色褪せや縮む原因となってしまうので気を付けましょう。
洗濯方法・コツ
では、レーヨンの衣服の洗濯方法について説明します。大きめの洗面器2つを用意し、ぬるま湯を入れて片方には洗剤を入れて準備したら衣服を浸けます。レーヨン素材は濡れると強度が低くなるので揉み洗いやこすり洗いをせずに押し洗いだけにしましょう。
押し洗いをしたら、次はすすぎを充分にしましょう。すすぎが不十分だと乾燥したときに変色してしまう可能性があるので気を付けてください。また、水に長い時間浸けにないように洗いとすすぎは素早く行ってください。
脱水方法
レーヨン素材の衣服を洗うときの脱水は、大きめのバスタオルを使って行います。手洗いをするときの脱水は衣服をしぼる人が多いですが、レーヨンの衣服をしぼると生地がちぎれてしまう可能性があるので止めましょう。
レーヨンの衣服を手洗いしたときの脱水は、大きめのバスタオルに衣服を挟んでタオルドライをします。バスタオルが水分を吸って湿ってきたら新しいものと交換しましょう。ある程度衣服が乾燥したら脱水終了です。
タオルドライをしたあとは衣服の縫い目を持って持ち上げ、上下に振って衣服のシワを軽く伸ばしてください。やりすぎてしまうと生地が伸びたり破れる危険性があるので気を付けましょう。
レーヨンは短時間で洗う
度々述べているようにレーヨンは水に弱く、水に濡れると強度が半分以下まで低くなってしまいます。そのため、レーヨンを洗うときにはなるべく短時間で終わらすようにしましょう。
レーヨンの衣服の洗濯は目安は1分程度、長くても2分までには洗い終わるようにすることが大切です。手際よくできるように洗面器を2つ用意するなどしっかりと準備しておきましょう。
レーヨンの服は洗濯機でも洗える?
ここまでレーヨンの衣服の手洗いの方法について説明してきましたが、手洗いではなく洗濯機でもレーヨンの服は洗えるのでしょうか。レーヨンの衣服はいくつか気を付けるべき点がありますが、自宅で洗濯機を使って洗うこともできます。
そこで続いてはレーヨンの服を洗濯機で洗うときの洗濯方法を紹介します。洗濯機で洗う場合は手洗いよりも刺激が強くなるので、より注意が必要です。
洗濯機での洗濯方法
ではレーヨンの衣服の洗濯機での洗濯方法について説明します。まず最初に手洗いのときと同じように洗濯表示を確認しましょう。レーヨンの衣服の中には水洗い不可のものもあります。水洗い不可の場合は洗濯ができないので気を付けてください。
洗濯機を回すときのコースは「手洗いコース」や「ドライコース」などなるべく優しく洗えるものを選択し、30度以下のお湯で洗うようにしましょう。洗剤はレーヨン素材でも使用できるおしゃれ着用洗濯洗剤などがおすすめです。
衣服を洗い終わったら、脱水はなるべく短く終わらすようにしてください。脱水が始まったら数十秒で止めて衣服を取り出すようにしましょう。長時間脱水にかけることで衣服が傷んだり型崩れの原因となります。
注意すべきこと
レーヨン素材の衣服を洗濯するときに、注意すべき点がいくつかあるので紹介します。まずレーヨン素材の衣服を洗濯機で洗うときは、必ず洗濯ネットに入れるようにしてください。型崩れが起きる可能性があるので1枚ずつ畳んで洗濯ネットに入れましょう。
また、色柄物の衣服の場合も要注意です。レーヨンは水に濡れると色移りしやすくなってしまうので、洗濯をする前に色移りをしないか確認することをおすすめします。
色移りするかの確認は衣服の目立たないところに洗剤をつけ、数分間経った後に白い布をあてるとチェックすることができます。もし色移りをした場合は、分けて洗濯をするようにしましょう。
なるべく手洗いで
ここで説明した通り、レーヨンの衣服は、ネットに入れて手洗いコースで優しく洗うことで、洗濯機でも洗濯することができますが、たとえ手洗いコースでも実際に手洗いをしたときよりも刺激は強くなってしまいます。
そのためなるべく衣服が傷むリスクを少なくしたいときには、洗濯機ではなく手洗いで洗濯することをおすすめします。手間はかかりますがその分優しく洗えるので衣服が傷む可能性も低くなるでしょう。
レーヨンの服の洗濯後の乾燥方法
最後にレーヨンの衣服の乾燥方法について紹介します。レーヨンはデリケートな素材なので洗濯をときだけではなく、乾燥するときにも注意が必要です。衣服を傷めないよう、正しい乾燥方法もしっかりと覚えておきましょう。
平らな場所で平干し
レーヨンの衣服は、ハンガーにかけて干すと、肩がハンガーの形になり型崩れを起こしてしまいます。また、衣服の重さで生地が伸びてしまう可能性もあるので、レーヨンの衣服を乾燥させるときには平らな場所で平干しするようにしてください。
平干しするときには100円均一やネットなどに売っている吊り下げる網を使用すると便利です。雨の日にも他の洗濯物と使用できるように、干す場所が数段あるものをおすすめします。
そしてレーヨンの衣服を平干しするときには、風通しがいい日陰に干すようにしましょう。直射日光に当たってしまうと色褪せや繊維を傷める原因となるので気を付けてください。
乾燥させるときのコツ
レーヨンの衣服を乾燥させるときには、干す前に軽くシワを伸ばしておくことをおすすめします。洗濯をして水に浸かることで衣服にシワがついてしまうので、シワを伸ばして干すことで仕上がりが変わってきます。
シワを伸ばすときには縫い目の部分を持って歩く上下にふることでシワがある程度伸びてくれます。強く振ってしまうと逆に生地を傷める原因となるので気を付けてください。
生乾きの状態でアイロンをかける
レーヨンの衣服にアイロンをかけたいときには、まだ衣服が乾いていない状態のときにアイロンがけをするようにしましょう。レーヨンは、乾きにくい素材ではありますが、乾いてしまうとシワが伸ばしにくくなってしまいます。
そのためまだ衣服が生乾きの状態のときにアイロンをかけるようにしてください。レーヨンの衣服にアイロンがけをするときには、生地を傷めないように必ずあて布をあてるようにしましょう。
もし衣服が乾いてしまい上手くシワが伸ばせないときには、少しアイロンがけしたい部分を濡らしてから再度アイロンがけをすると、しっかりとシワを伸ばすことが可能です。
レーヨンの服の保管について
衣替えなどをしてレーヨンの衣服を長期間収納ケースで保管する場合には、湿度と虫食いに気を付ける必要があります。湿度が高いと衣服が縮む原因となってしまうので、収納ケースなどに入れて保管するときには乾燥材も一緒に入れるようにしましょう。
また、衣服を保管するときには虫食い対策も必要です。虫食いを防ぐのに大切なことは衣服を清潔な状態にして収納することです。収納する前には必ず洗濯をするようにしてください。収納するときに防虫剤を入れることも効果的です。
レーヨン素材の服を自宅で洗濯してみよう!
今回は、レーヨン素材の衣服を自宅で洗濯する方法について解説しました。おしゃれ着や裏地などに使用されるレーヨンはとてもデリケートな素材で水に濡れることで強度が弱くなるため、自分で洗濯をするときにはいくつか注意点やコツがあります。
レーヨン素材の衣服を自宅で洗濯する方法や注意点をしっかりと把握し、ぜひレーヨンの衣服を自分で洗濯してみましょう。