歌舞伎を観る主な場所
歌舞伎はニュースやワイドショーなどで、度々目にします。歌舞伎は昔から、庶民の娯楽として楽しまれてきた伝統的な文化です。現在では、日本の方だけではなく、海外の観光客にも歌舞伎は人気になっています。
そんな歌舞伎を観劇できる場所は、日本にどれくらいの数があり、どういう種類があるのでしょうか。この記事ではまず、歌舞伎を観ることができる劇場や座館についてご紹介していきます。歌舞伎の劇場は、歴史を積み重ねた日本の文化を、現代でも強く感じる場所です。
歌舞伎座
東京都銀座にある「歌舞伎座」は、明治22年に開場した座館です。日本一の大劇場を目指し建造されました。歌舞伎座は火災や戦災などで、三度に渡り大きな改築が行われてきました。この歌舞伎座は現在、日本を代表する歌舞伎劇場として知られています。
世界で唯一の歌舞伎専用の劇場であり、劇場の規模や外装も圧巻です。現在の外観は、これまでの流れや外観を再現し最新設備も取り入れました。中には食事処やお土産場所もあり、歌舞伎の名にふさわしい代表的な劇場です。
国立劇場
「国立劇場」は東京都千代田区にある劇場です。歌舞伎を含めた、日本の伝統芸能を中心に公演をしています。歌舞伎や日本舞踊や演劇が上映される大劇場から、文楽、邦楽、雅楽、声明などの演目を行う小劇場で構成されています。
他にも、伝承者の養成や、調査研究も国立劇場内で行われています。大劇場は1600席が観劇できる広さで、日本の芸能文化を大空間で感じることができます劇場内には売店やコインロッカー等の便利な施設も充実していて、初心者でも気構えしない場所です。
大阪松竹座
西洋を思わせる特徴的な座館になります。この「大阪松竹座」は大阪の道頓堀にあり、関西初の洋式劇場になります。大阪松竹座は、歌舞伎や新劇を中心として歌劇やミュージカル、コンサート等も上映する座館にです。歌舞伎などの実演を行うようになったのは、新築開場した平成9年以降になります。
大正13年に、日本初の鉄筋コンクリート映画館として開場しました。洋画館から邦画封切館と、様々な転向を行ってきた歴史があります。舞台を顔となる有職文様の幕は、華やかで日本の歴史を感じます。
京都南座
京都の四条にある「京都四条南座」は、江戸時代初期の1596~1615年に起源を発した、日本最古の劇場です。京都は歌舞伎が発祥した土地ということもあり、南座は現代に渡るまで、伝統を伝えてきた歴史があります。
近代建築と桃山風の意匠を取り入れた、地上4階地下1階の建物は、国の登録有形文化財に登録されています。南座では、歌舞伎を中心に演劇なども行われています。外観も内装も観光名所とされるほど圧巻の造りです。南座は、歌舞伎を最高の場所で最大限に楽しめる場所です。
歌舞伎初心者の楽しみ方【演目選び】
歌舞伎を観劇には、様々な楽しみ方があります。人によって楽しみ方は人それぞれで、歌舞伎には観客を虜にする要素がたくさんあります。歌舞伎の公演は、先ほどご紹介した劇場や座館などで、年間を通して定期的に上演しています。
当日券も販売されていて、行きたいと思ったらすぐ観劇できるのが歌舞伎です。歌舞伎は、どのような楽しみ方をしたら良いのかわからない初心者も多くいます。この記事では、そんな歌舞伎の魅力がわかる、初心者におすすめの楽しみ方やマナーをまとめていきました。
好きな役者で選ぶ
歌舞伎は独特なセリフ回しや癖のある演出が多く、観ても意味が理解できないと思う方がいらっしゃいます。歌舞伎というのは、言葉や話の筋がわからなくても良いものです。歌舞伎は話の内容だけではなく、役者の芸を楽しみに観劇するのも一つの楽しみ方です。
中には、好きな役者目当ての楽しみ方もあります。何度も同じ演目や、歌舞伎を観劇するファンは多いです。好きな役者で演目を選ぶことは、悪いことではありません。好きな役者を観ているうちに、歌舞伎について知っていけるようになります。
舞踏か通し狂言がおすすめ
歌舞伎を初めて観劇するという初心者の方は、「舞踊」か「通し狂言」がおすすめです。舞踊は「見取り」という、演目の見どころをピックアップして観劇できる、歌舞伎の出し方の一つです。舞踊は耳で音楽を感じ、目で役者の舞や衣装、化粧を観る楽しみ方になります。
通し狂言は一つの芝居を、始めから終わりまで上演することです。歌舞伎は一つのストーリーーをやるとなると、長い時間がかかります。それに比べ通し狂言は、1場面のみの演目で初心者でも理解しやすい構成になっています。
おすすめ演目「助六由縁江戸桜」
歌舞伎をまだ観たことがない初心者の方でも、比較的わかりやすい演目をご紹介します。「助六由縁江戸桜」、通称助六がおすすめです。テレビでも顔を見かけることのある、有名な役者が演じることが多い演目です。
歌舞伎の華やかなイメージを、この演目で存分に楽しむことができます。衣装と髪型、演技には江戸っ子も美学が詰まっていて、退屈せずに楽しめます。華やかな衣装と豪華な髪型で登場する「遊女」も必見です。次々に変わる衣装は、花魁のファッションショーを観ている気分になれます。
歌舞伎の魅力とは!
歌舞伎の魅力は一言では表せないほど、楽しみ方は様々で魅力で溢れています。歌舞伎は長い間、時間を重ねてきた伝統的な芸能です。2009年には、歌舞伎は無形文化遺産としても記載されました。日本で生きているのなら、歌舞伎は一度くらいは観てほしい文化です。
観光客や海外の方にも人気の歌舞伎は、内容が分かる案内や演目まで、初心者でも楽しめる要素がたくさんあります。演劇だけではなく、環境づくりにもこだわっています。そんな歌舞伎は、昔から現代まで親しまれてきた娯楽です。
歌舞伎初心者の楽しみ方【チケット買い方】
歌舞伎を観たいと思ったら即行動が大切です。歌舞伎は年末や数日を除けば、休演日のなしで毎日行ってます。一年間を通して、各地にある劇場や座館で、公演が行われていることになります。主に公演は昼と夜の2部、または3部制になっています。
歌舞伎の観劇に必要な物はまずチケットです。歌舞伎のチケットを購入する方法は様々あります。初心者でもわかりやすく、歌舞伎のチケットを購入することができる方法をご紹介します。おすすめポイントや、買い方の違いをみていきましょう。
インターネット
歌舞伎のチケットは、スマートフォンやパソコンを使って簡単に、インターネット購入することが可能です。歌舞伎のチケットは、各地の劇場の演劇公演を取り扱った「チケットWeb松竹」というサイトで購入できます。
このサイトでは24時間いつでも気軽に、歌舞伎のチケットを購入することができます。インターネットで歌舞伎のチケットを購入したい方はまず、このサイトにユーザー登録をする必要があります。インターネットで購入したチケットは、クレジットカードのみの支払いとなっています。
電話
チケット購入方法の二つ目は電話での購入です。「チケットホン松竹」ではインターネットと同じく、各地の劇場で上演される、歌舞伎のチケットを取り扱っています。オペレーターが、希望の公演と座席でチケットの予約を行ってくれます。
全国どこでも、劇場窓口と同じ条件で予約が可能です。電話でのチケット購入は、特に初心者の方におすすめです。座席の選び方がわからない場合、電話だと良く見える席などを教えてもらうことができます。チケットは劇場や宅配、コンビニでの受け取りが可能です。
窓口
歌舞伎のチケット購入は直接、劇場の窓口で観たい歌舞伎のチケットを、購入することができます。歌舞伎座、大阪松竹座、南座など、各劇場にある、切符売り場の窓口で購入が可能です。劇場の窓口では、残席があれば当日開演ギリギリのチケットも購入することができます。
インターネットや電話でのチケット購入と同じく、事前の公演の予約も可能となっています。手数料のかからない、窓口でのチケット予約はお得です。また、わからないことも優しく対応してくれるのでおすすめです。
一般販売は前月12日
実際にチケットを購入する際の、ポイントをご紹介します。歌舞伎の興行は月初の初日です。インターネットや電話でのチケット一般販売は、前の月の12日から開始しています。予約はなるべく早めに行うのがおすすめです。
松竹歌舞伎会の会員になっている方は、毎月8~10日までの先行販売で購入することができます。そのため、人気の役者が出演する公演は先行の時点で売り切れる場合があります。また初心者の方は、安くて眺めの良い座席のチケットは、取りにくいことも覚えておきましょう。
当日販売は一幕見席
歌舞伎には「一幕見席」という、当日販売のチケットがあります。一幕見席の料金は1000円前後と、どの座席よりも安くチケットを購入することができます。一幕見席は、歌舞伎座の4階に位置し、椅子座席と立ち見席合わせて、150名ほどの席になります。
好きな演目のみを観劇できるため、1時間前後の公演となっています。初心者は、この一幕見席から歌舞伎を観るのもおすすめになっています。チケットの購入は歌舞伎座の1階正面玄関にあります。一幕見席は混雑するので早めに行きましょう。
歌舞伎初心者の楽しみ方【観劇料】
歌舞伎というと、敷居が高くチケットが高いイメージがありますが、座席によって観劇料には大きな違いがあります。初心者の楽しみ方として観劇料のついて見ていきましう。歌舞伎は、座る座席によって見え方に違いがあります。
同じ演目でも、座席が違うだけで別の歌舞伎を観ているような変化があります。近くの席は役者の表情の変化や、迫力を間近で感じ、遠くの席は舞台を紙芝居のように一望できます。次はそんな歌舞伎の観劇料についてご紹介していきます。
歌舞伎座の観劇料
ここでは、歌舞伎座の観劇料についてご紹介します。歌舞伎座には6種類の席種があります。上は20000円から下は1000円までと、初心者の方でも身構えせずに、楽しめる席もあります。歌舞伎は座る座席によって様々な楽しみ方があります。
見にくい席でも役者が通る花道だったりと、それぞれのメリットやデメリットがあります。演目だけではなく、座席でも歌舞伎の楽しみ方が変わっていきます。歌舞伎座の幅広い価格設定や、座席の種類をチケットを購入する前にチェックしていきましょう。
一幕見席は1000円
一幕見席は観劇料1000円と、歌舞伎座の中で一番低価格な席になります。チケットは、当日のみ販売を行っています。歌舞伎はもともと、庶民の娯楽として親しまれてきた文化です。初心者の方は、初めはこの一幕見席で、歌舞伎の雰囲気を感じるのもおすすめです。
一幕見席は、歌舞伎座の4階にあり椅子席90人、立ち見席約60人が定員です。一幕見席のチケットは、当日の歌舞伎座正面入口の左側から購入可能です。一幕見席は、毎回多くの人で列になるため、早めに行くのがおすすめです。
3階A.B席・4000円~6000円
歌舞伎の演目を、一幕だけではなく、全て観劇できるのはこの観劇料からになります。3階A席は6000円、3階B席は4000円となっています。この座席は観劇料の中でも手の出しやすい価格で、一番人気のある座席にもなります。
初心者の方にもこの座席はしっかり、歌舞伎を楽しめるのでおすすめです。A席は前方、B席は後方となっています。A席の利点は、役者が通る花道が見えやすいことです。1階に比べ圧迫感もあまりありません。B席は真正面で舞台を観劇でき、チケットも最安値です。
1等2等席14000円~18000円
1等2等席は、座席が舞台の最前列から2階の中心の座席です。観劇料は1等席18000円、2等席1400円と値をはる料金です。初心者の方には手が出しにくい価格ですが、ここは座席の中で特におすすめです。中でも1等席の「とちり席」と言われる、1階7~9列目は舞台から役者の顔を全て見渡すことができます。
他には斜め席や、花道の目の前の席があり、それぞれ見え方が違っていきます。1等席の最前は舞台と役者の顔一番見やすい席で、2等席は花道と舞台、両方を観ることができます。
1階桟敷席・20000円
歌舞伎座の中で、一番観劇料が高いのは1階桟敷席です。桟敷席は1階の舞台の東と西の端にあります。桟敷席では、他の席では受けられない特別なサービスがあります。無料のお茶や、豪華な弁当を選ぶことができます。歌舞伎の雰囲気を感じながら食事ができます。
桟敷席は2席1組で扉で別れています。中は半個室の使用で、観劇席の後ろにも座敷のスペースがあります。朱塗りでまとめられた個室には掘りごたつがあります。最高な環境で歌舞伎を観劇するのもまた、おすすめの楽しみ方です。
歌舞伎初心者の楽しみ方【事前準備】
歌舞伎の座席を決めてチケットを購入することができたら、観劇当時に向けての事前準備をしましょう。続いて、初心者におすすめしたい歌舞伎の楽しみ方、事前準備編について詳しくご紹介してきます。歌舞伎は普通にただ観劇するだけで良いのか、何が必要なのか初心者の方は悩む方も多いでしょう。
歌舞伎を観劇する前には、事前に用意しておくと、観劇中に活躍する持ち物があります。歌舞伎の観劇前に必要なことや、あると便利な物をそれぞれチェックしていきましょう。
あらすじを予習
歌舞伎の演目は難しい表現や、江戸時代の言葉で話が流れているため、聞き取れない台詞があります。初心者の方には、どのようにストーリーが進んでいるのか、話の状況が掴みにくい場合が多いです。そのため歌舞伎の観劇前には、「あらすじを予習」することがマナーとしておすすめです。
先入観なしで歌舞伎を観るのも一つの楽しみ方ですが、初心者はあらすじを知っておいた方が、内容も分かりやすく頭に入ってきます。観劇前には松竹からチラシが配布されるので、目を通すことをおすすめします。
チケット
歌舞伎の観劇に一番大切なのは「チケット」です。チケットは、歌舞伎に忘れてはいけない持ち物です。観劇前に忘れては元も子もありません。チケットも購入方法で発券方法も異なります。郵送やコンビニ、窓口でチケットを発券した際は、当日までに忘れないように保管しておきましょう。
歌舞伎座にある発券機での発券は、忘れる心配はありませんが、支払いはクレジットカードのみなので注意しましょう。チケットは受け取ったら、チケットホルダーなど分かりやすい場所に入れるのがおすすめです。
オペラグラス
歌舞伎の観劇は、座席によって舞台や役者が見えにくい場合があります。1階席は目が悪くない限り、役者の顔も観ることができますが、特に3階席以上の座席では、舞台は観えても役者の顔まではわからないことが多いです。
そんな時にあると便利な持ち物は、「オペラグラス」です。歌舞伎を演じている役者は、表情も話によって移り変わります。動作だけではなく、顔の表現も歌舞伎では観てほしい部分です。そのためオペラグラスは、歌舞伎の観劇になるべく持って行くのがおすすめです。
飲み物
次に、歌舞伎の観劇におすすめなのは「飲み物」です。歌舞伎座では、座席での飲食が可能になっています。歌舞伎ではマナー違反と思われがちですが、意外にも許されています。歌舞伎の上演中は、食べることは禁止されていますが、飲み物は可能です。
歌舞伎座の中にも売店や自販機があるので、観劇前に買っておきましょう。また歌舞伎の観劇に、水筒を持参する方も多くいらっしゃいます。歌舞伎の公演は長い時間がかかるので、休憩中や観劇中は喉が渇きます。そのため飲み物があると便利です。
お弁当・軽食
劇場内で歌舞伎の雰囲気を感じながら、お弁当を食べることも楽しみ方の一つです。歌舞伎は、4時間ほどの時間がかかる舞台です。そのため、公演では「幕間」という休憩タイムが数回あります。幕間の時間は大体15分~30分ほどあり、その間に座席で「お弁当・軽食」を食べることができます。
歌舞伎座には売店があり、他の場所で買った物を持ち込むことも可能です。匂いの強い物はマナーが悪いので、気をつけましょう。観劇前にお弁当や軽食を用意しておくのがおすすめになっています。
おやつ
先程もご紹介したように、歌舞伎には幕間という休憩が存在します。長丁場の舞台なので、観劇する側にも体力や集中力が必要になってきます。そこで、歌舞伎の観劇にあると便利なのは「おやつ」です。お弁当や軽食を食べる時間以外にも、10分程度の幕間があります。
そんな時、さっと口に入れて食べられるおやつ便利です。初心者の方は特に、歌舞伎の話を理解するのに頭を使い疲れます。甘い物や眠気冷ましのおやつを食べて、幕間の時間を過ごしましょう。おやつは匂いの少ない物がマナーです。
公演ちらし
歌舞伎の観劇に必要なことに、「あらすじを予習する」というのを先程ご紹介しました。話を把握するために活躍する「公演ちらし」は、歌舞伎の楽しみ方として必要な物です。この公演ちらしは、歌舞伎座内のいたるところに用意されています。観劇前に手に取って劇場内で確認するのがおすすめです。
公演ちらしは、表に歌舞伎に登場する配役が記載されています。上演中に、役者の配役を把握する際に便利になっています。公演ちらしの裏面には、演目のあらすじが書いてあるので予習が可能です。
歌舞伎初心者の楽しみ方【服装】
チケットを購入し、持ち物を把握していざ観劇となったら、悩むのは服装です。歌舞伎は敷居が高いイメージがあり、初心者の方はどんな服装で行けばいいか悩む方も多くいらっしゃいます。歌舞伎がどんなものかわかっていても、他のお客さんの服装や観劇スタイルは、実際に行ってみないとわかりません。
次の記事では、歌舞伎初心者の楽しみ方の服装編をご紹介していきます。歌舞伎の観劇に行っても浮かずマナー違反にならない、最適な服装について詳しくチェックしていきましょう。
ドレスコードはない
歌舞伎は日本の伝統芸能という敷居の高いイメージから、観劇スタイルもばっちり決めるという認識があります。上品にドレスコードという判断をする方が、いらっしゃるかもしれませんが、歌舞伎にドレスコードはマナー違反です。
日本では基本的に、ドレスコードが指定された観劇はほぼありません。歌舞伎の観劇はマナーが大切です。男性も女性も肌見せの少ないラフな服装が良いでしょう。舞台から近い桟敷席や1等席に座る方は、派手な色の服や露出は目立ってしまうので避けるのがマナーです。
長時間楽に過ごせる服装
歌舞伎を観劇する服装を決めるにあたって、押さえておきたいポイントをご紹介します。歌舞伎は演目によって、数時間かかる舞台です。そのため幕間を除いて、座席では長い時間、硬い姿勢で座ることになります。長時間の観劇になるので服装は、楽に過ごせる服装がマナーとしておすすめです。
体にフィットする服やジーパンなどは、窮屈に感じます。ボトムスもベルトよりもゴムがおすすめです。楽に過ごせる服装は、観劇中に意識が逸れずに済み、食事をとっても締め付けられる心配がありません。
気温調整できる上着は必要
歌舞伎の劇場内では、季節により冷房や暖房で空調が調整されています。座席の場所で、それぞれ空調の具合も変わっていきます。寒いと感じる方も、暑いと感じる方もいるでしょう。そのため歌舞伎を観劇する際は、気温調節ができる上着は一枚持っておくのがおすすめです。
夏でも、冷房に近い座席は体が冷えます。薄手のパーカーやカーディガンがあると便利です。冬は、暖房が届きにくい席だと寒いかもしれません。脱ぎ着しやすい、体温を調節できる重ね着コーデが歌舞伎の観劇ではおすすめです。
歌舞伎初心者の楽しみ方【マナー】
座館や劇場では毎日、歌舞伎を目当てに多くの方が訪れます。劇場内の座席では、同じ空間に沢山の人たちが密集して観劇します。そのため、周りのお客さんを不快にさせないように、マナーに気を向けなければなりません。ここでは歌舞伎初心者の楽しみ方の、マナー編をご紹介します。
歌舞伎の観劇ルールや規約になくても、周に迷惑をかけないように、マナーに配慮する意識を持つことは大切です。歌舞伎の観劇マナーをしっかり覚えて、自分も相手も良い気持ちで観劇しましょう。
後ろの観客を邪魔しない
歌舞伎の観劇マナーで、一番意識してほしいマナーは「後ろの観客を邪魔しない」ことです。座席の後ろには自分と同じく、歌舞伎を目的にした観客がたくさんいます。帽子など頭に装飾があると、後ろの人は舞台が見えなくなってしまうのでマナー違反です。
体を大きく動かしたり、足を必要以上に伸ばす行為は後ろだけではなく、周りの人の迷惑にも繋がりマナーが悪いです。前傾姿勢も舞台が見えなくなります。背中を背もたれにしっかり付けた姿勢で、観劇することが最低限のマナーです。
歌舞伎初心者の楽しみ方【当日】
事前の準備や劇場でのマナー知った後はいよいよ当日、歌舞伎を観劇するのみです。次は、歌舞伎初心者の当日の楽しみ方についてご紹介していきます。歌舞伎は、歌舞伎を今まで知らなかった初心者でも、初めから楽しめる要素が盛りだくさんあります。
歌舞伎座や、京都四条南座など代表的な劇場では、観劇前や終わった後でも楽しめる要素が充実しています。お客さんが喜ぶように、劇場は力を入れています。歌舞伎の観劇はもちろんのこと、それ以外の楽しみ方も合わせてチェックしていきましょう。
開場時間にあわせて行動
歌舞伎の観劇当日は、時間に余裕を持って行動をすることが大切です。初心者の方は特に、劇場までの道順に迷う可能性があります。もし仮に迷ってしまっても、時間に余裕を持てば慌てる必要もありません。
観劇の日にちや演目によって、混雑することもあります。早めに行って損はありません。また、早めに劇場についても、時間を潰すことができるお土産屋さんや、ギャラリーが充実しています。観劇前に食事処で、美味しい物を食べながら演目の確認をするのもおすすめの楽しみ方です。
イヤホンガイドのレンタル
歌舞伎の劇場では、歌舞伎をより楽しんでいただくために、「イヤホンガイド」のレンタルも行っています。イヤホンガイドは、上演中に演目のあらすじやセリフ、俳優について解説してくれる機械です。自分の横で、うんちくを言ってくれるような感覚で聞くことができます。
初心者の方は、演目の内容を完全に理解するのが難しいので、観劇の際はイヤホンガイドがおすすめです。解説のタイミングもオペレーターで絶妙に調整されています。料金はかかりますが、更に楽しみたい方は利用してみましょう。
筋書き
「筋書き」とは、映画館でいうパンフレットと同じものです。歌舞伎では筋書きといい、演目のあらすじや配役、インタビューなど豪華な内容が掲載されています。公演ちらしよりも詳しく、演目の大体のあらすじについて書かれています。事前に筋書きを購入しておけば、より観劇を楽しめます。
筋書きは、初心者を分かりやすく歌舞伎の世界に引き込んでくれます。価格は1500~1800円くらいです。中には舞台写真入もあり、好きな公演や演目の筋書きだけ買うのもおすすめの楽しみ方です。
お土産
「お土産」選びも、歌舞伎で楽しんでほしい一つです。劇場や座館の大体は、館内に多くのお土産屋さんがあります。各地の劇場内でしか買えないオリジナルグッズやグルメなどは、見るだけでも楽しいです。劇場で売っているお土産の多くは、歌舞伎の隈取などをモチーフにした雑貨や和菓子です。
日本の良さが感じられるお土産になります。自分用のプレゼントや家族へのお土産を選んでみて下さい。歌舞伎座では毎月20日前後から、その月に行った演目の舞台写真も販売しています。
歌舞伎は初心者でも十分に楽しめる!
この記事では、歌舞伎や観劇に必要な物、マナーについてご紹介していきました。歌舞伎は華やかで奥深く、魅力ある文化です。歌舞伎は難しくて敷居が高いと感じますが、初心者でも気軽に歌舞伎に触れることができます。
歌舞伎の楽しみ方は人それぞれにいくつもあり、ハマる人は日々増えています。歌舞伎は一度でも何度でも観劇してほしい、日本を代表する文化です。関東から関西まで、劇場や公演は沢山行われています。地元の人や観光で訪れた際は、劇場で歌舞伎を楽しんでみてください。