オレガノの育て方を覚えよう!
イタリアやメキシコの料理によく利用されるハーブのオレガノですが、その実態についてはあまり知られていません。オレガノには食用と観賞用があり、それぞれ香りも花や葉の形状も異なります。家庭でも簡単に栽培出来る植物ですから、家庭菜園をする方のために、オレガノの育て方を詳説します。
オレガノとはどんな植物?
オレガノは元々はヨーロッパの地中海に面した地域で自生していたシソ科のハーブです。日本に入ってきたのは、江戸時代と言われます。気候の関係から日本での自生は少ないようですが、食用として入ってきましたので、乾燥させたオレガノなどを店頭でよく見かけます。
オレガノの特徴
特徴は、食べるオレガノと見るオレガノに分かれる事と、花や葉、香りが微妙に違う事にあります。料理によく登場する「オリガヌム種」の「ワイルドマジョラム」など、オレガノの代用として利用される「マヨラナ種」、見た目の美しい「アマラクス種」の3種に区別されます。
観賞用の「アマラクス類」には、「ケントビューティー」という種類のピンクのかわいい花を付ける花オレガノとして、家庭で栽培される人気の種類です。ポップの様なガクから小さな花が覗き、ガクの色が変化するのが特徴です。ただ食用には向いていませんが、その姿が可愛いため人気の品種です。
オレガノの花言葉
オレガノの花言葉には食用のオレガノと観賞用のオレガノでそれぞれ花言葉が存在します。食用のオレガノには、料理などに使われることから由来した「自然の恵み」「輝き」「財産」などがあり、昔から薬用としても使用されていた由来で「あなたの痛みを除きます」というのもあります。
観賞用のオレガノの花言葉には、特にケントビューティーに特化した花言葉ですが、「誠実」「輝き」などがあります。オレガノの花は、ガクの中に小さな花を付けますので、目立ちにくいですが、小花が集合して咲きますので、色の違いは分ります。淡いピンクや紫系の花を付けます。
オレガノの育て方
家庭菜園でオレガノを楽しみたい方に向けて育て方をお伝えしましょう。オレガノはハーブの中でもバジルと共にメジャーな植物で、育て方も簡単です。使う分だけ摘んで料理するには、家庭で栽培するのが一番経済的で新鮮ですから、置き場所や水やりの仕方などを覚えておきましょう。
置き場所
オレガノは自生する植物ですから、基本屋外で育てます。日光が良く当たり、風の通りがよい所で管理します。湿気は苦手ですから、梅雨時などは軒下に移動させます。室内に取り込む時には、必ず日当たりの良い場所で、風も通る所を選びましょう。夜は窓から極力離し、部屋の中央付近が望ましいです。
育て方で置き場所は大事
オレガノはハーブなため、料理に使おうと室内で栽培するなら、室内でも必ず日の当たる明るい場所に置く事が大事です。日が当たると同時に風の通りもきちっと作っておきましょう。オレガノは、環境が良いと生長が早いため、フレッシュで使い切れなくなったら、ドライにして保存しましょう。
用土
日当たりさえ良ければ多少痩せた土でも育つほど強い植物ですが、理想は水はけの良い土を好みます。地植えなら赤玉土5に対し腐葉土4に川砂を1の混合に元肥を混ぜた土が良く、ハーブ用の土ならそれだけでも構いません。鉢植えなら底に鉢底石を敷き、地植えと同じ割合の土に植えましょう。
育て方の用土に腐葉土は必須
前記にもありますが、オレガノは土への拘りはそれほどありません。といっても、生長を促すためにはある程度肥えた土が必要になってきます。生長が遅いと感じた時には、肥料をあげる前に腐葉土を少し混ぜるだけでも復活します。
肥料の与え方
肥料は、植え付けの時に元肥を与えていますので、追肥をする必要はありません。葉の数が少ないと感じたら追肥をしても構いません。ただ窒素の多い肥料のやり過ぎは葉ばかり増やしてしまい、葉が密集して風の通りが悪くなります。株にも良くなく香りも薄れてしまいますので注意しましょう。
花の育て方にはリン酸がポイント
見るオレガノを栽培している時の肥料は、花を綺麗な咲かせるためにはリン酸値の高い肥料を選びます。肥料には、N・P・Kの3つの割合が書いてありますので、真ん中の「P」の数値がリン酸です。因みに、Nは窒素で葉や茎に養分を与え、根の発達を促進させるのがKのカリウムです。
水やりの仕方
オレガノは乾燥気味に管理する事が大事です。水やりのし過ぎは致命傷ですから、鉢植えなら土を触って乾燥していても、指を土に突っ込んで確認します。そこで乾いていたら鉢底から流れるまで水やりをします。地植えの場合には、雨に任せていて問題ありません。あまりにも雨が降らなければ与えます。
育て方の水やりは感覚で与える
夏場の水やりに関しては、毎日あげる事はないのです。比較的乾燥を好みますし、特に部屋で育てているオレガノに関しては、部屋のエアコンなどで温度調節ができますので、水切れになる可能性は低いです。水やりは、日にちではなく感触で与えるようにする事が大切です。
注意したい病害虫
オレガノは、あまり病気も害虫も付かない植物です。もし害虫が付いたら、置き場所に問題があります。アブラムシもハダニも湿気た所に発生するため、日当たりの良い所で管理していれば病気や害虫に悩まされることは無いでしょう。もし発生したら、アブラムシは指で潰し、ハダニは水で流します。
オレガノの種からの育て方
ここからは、オレガノの育て方で、種から植え付けて剪定や植え替えなど、育て方の流れを詳説します。オレガノの苗も売っていますが、種からでも簡単に発芽しますので、お試し下さい。ハーブの栽培方法は、どれも同じような方法ですから、応用も出来ます。
種まき・植え付け方法
オレガノの種は市販されている種を植え付けます。時期は4月に入って気温が安定したら蒔きます。オレガノの種は極小さいのと、光で発芽しやすい好光性種子なため、上から土は被せません。土は上記にある土をセルトレイなどの苗用ポットに植え付け、種を蒔いたら飛ばない様に優しく水を与えます。
10日から20日前後で発芽しますので、葉が数枚出たらポットに移します。セルトレイならそのまましばらく様子を見て、ある程度葉の枚数が増えたら鉢に植え替えてもいいでしょう。葉が出始めると日当たり次第で、生長が早いですから、注意しておきましょう。
剪定・切り戻しの仕方
オレガノは横に伸びる性質がありますので、大きくなりすぎない様に剪定が必要です。収穫を兼ねて切り戻すと良いでしょう。伸びた状態を見て、どこで切りたいのかを決めて剪定します。あまり神経質にならなくても、思いついた箇所で剪定しても大丈夫です。
収穫を一緒に考えるなら、料理用として保存出来る様に、香りが最大の時の剪定が望ましいでしょう。花が咲く直前が、最も収穫に適した時期です。オレガノの伸び方を見て、上から3分の1程度の箇所でバッサリと剪定しましょう。あとは逆さに吊せば乾燥します。
オレガノケントビューティーの剪定と植え付け
ケントビューティーは、垂れるタイプの植物ですから、剪定や切り戻しをして植え替える時には背の高い鉢に植えると垂れる姿がが美しくなります。花が終わったら、無造作に剪定しても大丈夫です。
切り戻しをする事で、もう一度花が楽しめるという特徴があり、オレガノの中でも冬にも強い性質のため、宿根して冬越し出来ます。植え替えの時には根の張り方が密集している時には十文字にハサミを入れて崩します。
土は鉢底石を敷き、培養土にリン酸値の高い肥料を混ぜて植え付けると、生長するに従って垂れ下がり、可愛い花がたくさん咲き、全体の姿が美しくなります。
植え替え・鉢替えの仕方
鉢植えの植え替え時期は、鉢の底から根がはみ出した時ですが、大体1年から2年位を目安にすると良いでしょう。取りかかるのは春か秋の気候の良い頃が望ましいです。鉢のサイズは1つ上の鉢で、土も新鮮な土で配合は植え付けの時と同様の割合で行ないます。
オレガノの増やし方
オレガノが生長してくると、そのまま大きくしてもいいですが、置き場所が無いから分けたいという声も聞きます。どなたかに差し上げるのも良いでしょう。オレガノの増やし方には2通りの方法があり、挿し木も株分けも簡単ですから挑戦してみて下さい。
挿し木で増やす方法
一つ目の増やし方の、挿し木での増やし方は、春もしくは秋に行ないます。挿し木用のポットに土を入れて用意しておきます。植えたまま放っておくと茎が木質化してきます。生長したオレガノに木質化している茎を見つけたら、その上のグリーンの茎を切り取り、しばらく水に馴染ませて挿し木します。
株分けで増やす方法
二つ目の増やし方で挿し木の他には、株分けという増やし方があります。株分けをするには、植え付けてから2~3年経った株に絞ります。花が終わった後、上の部分を切り詰めてから、土を掘り株を出します。
株の根がグチャっと絡み合っているはずですので、古い根を切り取りながら株をほぐしていきます。いくつかに分ける事が出来たら、1株ずつ鉢に植えていきます。用意する鉢は5号程度の小さめの鉢で良いでしょう。土も植え付けの時と同じ土で構いません。
正しい育て方でオレガノの栽培を楽しもう!
オレガノは、食べるだけでなく見る植物としての人気が高い事も分りました。正しい育て方を覚えれば、他のハーブにも応用が可能です。収穫したオレガノを新鮮な食材として料理で使ったり、美しい花を咲かせるために育てたりしながら、楽しく栽培に挑戦してみて下さい。