シクラメンの育て方を覚えよう!
秋から冬にかけて美しく咲くシクラメン。毎年、新しい品種が次々と登場しています。様々な花の形、花と合うように葉の色が変わったものなど、様々な品種があります。
シクラメンは球根の植物なので、上手に育てると毎年花をつけて楽しませてくれます。シクラメンの育て方のコツを知ると、お気に入りのシクラメンを毎年寒い季節に楽しむことができるでしょう。今回は、シクラメンの育て方を詳しく紹介します。
シクラメンとはどんな花?
晩秋から冬、そして春先まで花の少ない時期に咲いてくれるシクラメン。毎年、様々な色、花の形の品種が店頭に並びます。自分の好みに合うシクラメンを必ず見つけることができます。そんなシクラメンはどんな花なのでしょうか。基本的な情報などを紹介します。
シクラメンの特徴
シクラメンは赤や白やピンクなどの様々な色、そして花の形も八重咲やロココ咲など様々な形があります。また最近では香りをもつ品種もあらわれ、葉の色もシルバーリーフなど毎年、新品種が店頭に並んでいます。
株と花の大きさで大輪系、中輪系、小輪系にタイプ分けされています。また、栽培できる温度は種類によって違ってくるので注意が必要です。
シクラメンの基本情報
シクラメンは球根の植物で株を枯らすことなく育てることができれば、毎年繰り返し花を咲かせてくれます。開花の時期は10月から3月で花の色は白、赤、ピンクなど様々です。
シクラメンは暑さ、寒さには比較的弱い植物です。寒さも5度までは耐えますが、それ以下になると弱っていまいがちです。冬場も居間など人が快適と思う温度では弱ってしまうので、玄関や暖房がきかない場所に置くことがおすすめです。
地植えであれば、暑さや霜を防ぐことができる軒下などがおすすめの場所です。鉢植えも温度を優先して管理してあげると、長くお花を楽しむことができるでしょう。
シクラメンの育て方①手入れ
毎年、寒い季節に美しい花を咲かせ、楽しませてくれるシクラメンですが、どのような育て方をしたらよいのでしょうか。水やりの仕方、屋外や室内における鉢の置き場所、肥料のやり方など、それぞれのコツを詳しく紹介します。
水やりの仕方
どんな植物でもいえることですが、水やりはとても大切なポイントとなります。毎日、忘れずにあげればよい、というものではないためです。
鉢植えの場合は、土の状態や育てている鉢の種類で水やりの方法が変わるため、方法を間違えると、根が弱り病気になったり、枯れてしまうことがあります。
シクラメンは、底面吸水鉢という鉢で販売されていることが多いようです。底面吸水鉢以外は、通常の鉢植えになります。底面吸水鉢は、底面に水を溜め、植物がその水を吸い上げ育てる鉢となっています。
まず、シクラメンの鉢が、底面吸水鉢か通常の鉢のどちらの植木鉢かを判断しましょう。底面吸水鉢であれば、受け皿の水がなくならないよう水やりを適宜おこなってあげましょう。
普通の植木鉢ならば、土の表面が乾いてきたら葉をめくり、球根のてっぺんにあたる頂部に水がかからないよう注意して、株本に水やりをしましょう。
肥料の与え方
9月から5月まで週に一度、液肥を水やりの水に入れて肥料をあげましょう。液肥は液体状の肥料です。水やりの水に混ぜて肥料を与えることが出来るので、よく利用されています。
のちほど詳しく紹介しますが、シクラメンの花期が終わった後の育て方には二通りあり、葉をつけたままにして育てる「非休眠株」といわれる育て方、「休眠株」といって葉を切り取り、水やりも行わない育て方があります。
5月上旬以降は、9月まで「非休眠株」には、2週間に1回液肥を与えましょう。「休眠株」には、一切液肥を与えないようにしましょう。
室内・室外の置き場所
暑さや寒さに弱いシクラメン。置き場所はどこが適しているのでしょうか。注意すべきことがひとつあります。それは人間の心地よい温度は、シクラメンには負担になることが多いということ。
室外にシクラメンを置く場合、雨や霜が避けられる軒下などがおすすめです。気温が5度を下回ると株が弱って枯れてしまうので、冬場が低温になるような地域であれば、室内の鉢植えがおすすめです。
室内は居間など暖房完備の場所は避けます。暖房がない窓際に置き、夜に冷え込むようなら、廊下などに置いてあげましょう。夏は、高温多湿にならない場所に置きましょう。
シクラメンを育てる理想的な温度は、5度以上20度以下になります。しかし、そのような場所はなかなかありません。室外であれば、夏は暑すぎず、冬は霜の降りない場所が適しています。
室内なら、冷暖房完備の部屋は避け、季節に応じた置き場所を見つけて置くのがよい育て方になります。シクラメンにとってベストに近い場所を探して育ててください。
冬の置き場所
シクラメンは先にも紹介しましたが、寒さには弱い花になります。5度以下の温度になると、株が弱り枯れてしまうこともあります。鉢植えであれば室内に入れ、暖房が効いていない日当たりの良い場所に置きましょう。
夜と昼の寒暖差には注意が必要です。窓辺などが冷え込むようであれば、場所を変えてあげましょう。地植えであれば、霜が降りる場所は避けて植えましょう。夏の日差しを避ける場所でも、霜が降りるような場所に植えないよう注意が必要です。
春の置き場所
春の置き場所について紹介します。シクラメンを室内に置くのなら、風通しがよく冷暖房に直接当たらない場所が適しています。暗い所よりも適度に陽が当たる場所を探してあげましょう。
窓辺では直射日光が当たりすぎ、急激に温度が上がるような場所は避けましょう。一日中日当たりがよい窓辺は、シクラメンには少し負担が大きいので注意しましょう。
シクラメンを室外に置く場合、雨が直接あたるような場所はさけましょう。風通しのよい明るい日陰に植えたり、鉢植えで置くのがおすすめです。シクラメンにとって最適なのは、明るい日陰や半日蔭になります。
もし、日当たりが良すぎるような場所しかない場合は、遮光ネットを利用しましょう。30~40%遮光するイメージの利用がおすすめです。
シクラメンの育て方②長持ちさせる方法
美しい花をつけるシクラメン。どのような手入れをすると花が長持ちするのでしょうか。長持ちさせるため、欠かせない手入れは二つあります。ひとつは花がらつみで、もう一つが葉組みになります。この二つの手入れについて詳しく紹介します。
花がらを摘む
シクラメンの花を長く楽しむために欠かせない手入れが「花がらつみ」になります。どんな花でも「花がらつみ」を行うことで花を長く楽しむことができます。知っておくと便利な手入れです。
花がらつみは、枯れかけた花や傷んだ花、枯れた花を早めに摘んであげましょう。こうすることで、余計なエネルギーをシクラメンの株に使わせずに済みます。そして花が咲くことだけにエネルギーが費やされ、次々とシクラメンが花を咲かせてくれます。
こまめな「花がらつみ」は、シクラメンの花を長く楽しむためのコツになるため、こまめな花がらつみの手入れを行って、シクラメンの花を長く楽しみ続けてください。
葉組みをする
「葉組み」とは、聞きなれない言葉かもしれません。シクラメンの手入れとして非常に大切な手入れになります。シクラメンは、中央に花がそろい、根元を囲むように葉が茂っています。この状態が時間がたつにつれて崩れてきます。
葉や花が崩れてきたら、まず葉組みをします。花芽を中央にそっと寄せ、花の周りにやさしく葉をからめながら移動させます。シクラメンを買った時のように、根元に下向きになるイメージで葉を寄せます。
根元をすっきりさせると、風通しがよくなります。球根の頭の部分にあたる株元も葉に守られ、風通しもよくなるので、元気にシクラメンが育っていきます。そうすれば、長く花をつけて楽しませてくれるでしょう。
シクラメンの育て方③夏越しさせる方法
シクラメンは、多年草と呼ばれる植物です。きちんと世話をすれば、毎年花をつけてくれますが、夏越しをさせるには2つの方法があります。
「休眠」させる方法と「休眠」させずに夏越しをさせる方法の2種類です。その2つの育て方について詳しく紹介していきましょう。上手に夏越しをさせて、毎年、秋から冬のシクラメンを楽しんでみてください。
休眠させる育て方
シクラメンの花の時期は、10月から3月。シクラメンの花の時期がおわったら、少しずつシクラメンの水やりの回数を減らしましょう。春の終わりごろ、完全に水やりをやめます。地上部に葉が残っていても水やりはせずに、葉が枯れてきたら、まめに葉をつんであげてください。
葉が完全に枯れたのちは、風通しのよい日陰で管理しましょう。こうして夏越しをさせます。高温多湿に弱いシクラメンなので、高温多湿にならないよう管理する必要があります。こうして株の活動を休ませ夏越しをします。
休眠させない育て方
花期の10月から3月の花期が終わった後、風通しのよい半日蔭の場所にシクラメンを置きましょう。シクラメンは高温多湿が苦手なため、高温多湿には注意し、水やりは土が乾いてからあげましょう。
途中で葉が急に減り始めた場合は、休眠に入った合図になります。一切水やりはしません。葉が元気なのであれば、土が乾いたら水やりをしましょう。
シクラメンの育て方④植え替え方法
シクラメンの育て方で、コツが必要となるのが「植え替えの仕方」です。シクラメンが休眠しているのか、休眠していないのか、で植え替え方法が異なるためです。シクラメンの植え替えの育て方を知って、シクラメンを長く楽しめるよう育ててあげてください。
休眠させた場合の植え替え方
シクラメンを「休眠させた場合」の植え替え方法について紹介します。まず、鉢からシクラメンを取り、古い土をすべて落とします。土を落とすと根部分がはっきりするので、根が分かったら半分ほど切ります。その後、ひとまわり大きな鉢に植え替えます。
そして、もうひとつ重要なポイントがあります。そのポイントが球根の頂部(てっぺん)を、土の下に埋まらないように植え替えるという点。球根を深く植えてしまうと、株元から腐ってしまうことがあります。充分注意を払って植え替え作業をすすめてください。
休眠させない場合の植え替え方
株を休ませなかった場合の植え替え方は、まず鉢から株を出します。株についた土を軽く落とし、もともと植えていた鉢より、ひとまわり大きな鉢に植え替えます。
注意すべき点は、球根の頂部を土で覆ってしまわないことです。株が痛んで枯れてしまうためです。球根の頂部を地上に少し出して植えます。
そして風通しがよく、高温多湿にならない場所に置いてあげてください。冬に再びシクラメンの美しい花が見ることが出来るように育ててあげましょう。
シクラメンの育て方を覚えて長く楽しもう!
以上シクラメンの育て方について紹介しました。シクラメンは適切な手入れを行う育て方をすると、花期の間は次々と花をつけてくれる上、株をきちんと管理する育て方をすることで、毎年シクラメンの花を楽しむことが出来ます。
花を咲かせるために重要な手入れが「花がらつみ」と「葉組み」です。花がら摘みは枯れた花、傷んだ花を取り除き、株にいらない負担をかけないことで、次の花を咲かせるエネルギーに変えていく方法です。
葉組みは株の痛みを避け、シクラメンの形態の美しさを保つ手入れになります。花芽を中央に寄せ、他の葉の茎と絡め合わせて、葉を株元に集めていきましょう。
シクラメンは、高温多湿に弱いことによく注意して、冷暖房に直接当てるようなことなく、できるだけ風邪通しよくしてあげましょう。直射日光がずっと当たるような場所ではなく、遮光ネットなどをかけて対応すると良いでしょう。