ボタンの簡単な付け方を覚えよう!
ふとした拍子に、シャツやカーディガンなどに付いているボタンが取れかけてしまうことはありませんか。そのままにしておくと、知らぬ間にボタンが落ちていて、行方不明になることもあるのではないでしょうか。
小学校や中学校時代に、ボタンの付け方を習ったはずなのに忘れてしまっている人、必見です。今回は、そんな知っておくと便利なボタンの簡単な付け方をご紹介していきます。
出来るようになりたいけれど、裁縫道具もないという人も、思い出したい裁縫の基本のおさらいから、よく服に使われているボタンの種類ごとの付け方まで一気にご紹介していきましょう。
ボタンを付ける前に裁縫の基本をおさらい
まず、ボタンを簡単に付ける前に裁縫の基本をおさらいしていきましょう。基本と言っても、裁縫が苦手な人にとって、急に用語を並べられても難しいだけなので、ボタンを簡単に付ける上で知っておいた方がいい知識をまとめてみました。
針と糸を用意
最初に、裁縫をする上で必ず用意しておきたいのが「針」と「糸」です。針は、ボタンを取り付ける服の生地が厚めだったり、薄めだったりと生地の暑さが異なることを考慮して、太めと細めの針を用意しましょう。
細い針で無理に厚めの生地を縫おうとすると、針が曲がってしまう恐れがあるので、服の生地に合う針を使うようにすることをおすすめします。
糸は、既存のボタンに使われている糸と同じ色のものを使うと、ボタンと馴染む色の糸を使うと、自然に取り付けることができます。ボタンを取り付けた後に糸を切る「糸切りバサミ」もあると便利です。なければ、普通のハサミでも代用できます。
1本取りとは
針と糸の準備が整ったら、まずは「1本取り」からご説明しましょう。1本取りとは、1本の糸で縫うことを言います。基本的に何かを手縫いしたり、ボタンを付ける時に、糸を何本使うか決めます。
使う糸が太かったり、ボタンの穴が小さい場合は1本取りで縫うのがおすすめです。使う糸の長さは腕1本分程度で、指で糸を持って肩のあたりまで伸ばしてから切り取りましょう。
まず、針に糸を通したら片方の糸を長めに取り、長めに取った糸の先端を玉結びしていきます。玉結びのやり方は下記で説明していきます。
2本取りとは
次に、「2本取り」です。2本取りとは、2本の糸で縫うことで、糸を2本使うことで糸1本より強度が上がります。1本取りでも何重にも糸を通せば強度が上がりますが、2本取りの方が縫う回数が減るし簡単です。
ボタンの穴が大きい場合は、2本取りで縫うのがおすすめです。使う糸の長さは、1本と同様に腕1本分程度を取り、指で糸を持って肩のあたりまで伸ばしてから切り取っていきます。玉止めや玉結びが上手くできるか心配な人は、2本取りの場合は長めに取っておくのがおすすめです。
2本取りの縫い方は、針に糸を通したら、2本の糸を同じ長さに調整してそのまま2本の糸をまとめて玉結びしていきましょう。
玉結びのやり方
玉結びのやり方は、まず切った糸の先端に近い部分の糸を人差し指に巻き付けて一周していきます。人差し指と親指で1周させた糸をおさえて、人差し指と親指を使ってすり合わせ、くるくるっと糸を寄り合わせていきましょう。
人差し指を抜き、寄り合わせた部分を中指と親指でしっかりと押さえ長めに取ってある糸を、糸を巻きつけていない方の手でゆっくり引いていきます。この時、親指と中指で寄り合わせた部分をしっかり押さえておきます。
適当に糸を引くと玉が大きくなり、玉結びが目立つ結果になるので丁寧に行っていきましょう。玉結びには、縫い始めに糸を固定する役割があります。2本取りで行う場合は先に糸に針を通して、2本の糸をまとめて結ぶようにするのがおすすめです。
玉止めのやり方
玉止めは縫い終わりに糸を固定するために行う方法です。やり方は、まず針縫い終わりの糸の根本に、糸が通った状態の針をあてて固定していきましょう。針の根本部分を利き手ではない方の親指で上から押さえていきます。
利き手を使い、固定した針先に縫い終わりの糸をくるくると数回巻いていきます。糸が巻けたら縫い終わり部分と巻き付けた系の間にたるみができないようきつくしておきます。たるみができると、玉止めが縫い終わり部分から離れた箇所にできてしまい糸が固定できなくなります。
巻き付けた糸をおさえつつ、利き手で針を抜き取ります。糸がピンと張った状態で抜き切るときれいな玉結びの完成です。
2つ穴・4つ穴ボタンの付け方
次は、シャツやジャケットなど男女問わず洋服に使われることが多い2つ穴と4つ穴ボタンの簡単な付け方をご紹介していきましょう。最も一般的なボタンの種類で、丸・三角・四角と形は様々あります。基本的に2つ穴と4つ穴は縫いつけ方が同じになります。
用意するもの
2つ穴・4つ穴のボタンを縫い付ける時に用意するものは、取り付ける2つ穴・4つ穴のボタン、針、糸、ハサミです。他にもチャコペンがあると便利です。チャコペンがなければ鉛筆で代用しても大丈夫です。100均に売っているので、安く手に入ります。
付け方・手順
まず2つ穴・4つ穴ボタンを付けたい場所に印を付けます。針に糸を通し玉結びをしたら、印を付けた表側から針を通していきます。玉結びが印の部分にくるようにすると、きれいに仕上がります。
縫い始めから少しだけ位置をずらして裏から表に針を通します。表に出たらそのままボタンの上から1つめの穴に針を通し、上に出たら今度は2つめの穴に糸を通します。
ボタンの向きを調整し表から針を通し、ボタンと糸の間に2〜3mmほどの空間を作る糸足をしてから、裏から針を通す・糸をボタンの穴に通す・針を生地に通すを繰り返し、各穴に3〜4重で糸が通してみましょう。
次にボタンと生地の間に糸を出し、ボタン側から生地に上下に糸を巻きつけて、糸足が隠れる程度に糸を巻きつけ、糸足の根元から裏に針を出し、裏に出来た縫い目に針を通し、糸がほどけないようにして、裏で玉止めを行い、余分な糸を切ったら完成です。
5つ穴なども付け方は一緒
ボタンの2つ穴と4つ穴の付け方は、ボタンの5つ穴も一緒になります。2つ穴以上のボタンでは、糸をクロスにしたり星形にしたりとデザイン重視で糸の渡し方に工夫してみるのも楽しいです。ただし、摩擦で糸が痛むため、並行の方が丈夫と言われています。
足つきボタンの付け方
次は、「足つきボタン」の付け方をご紹介していきましょう。足つきボタンは、よく女性の服やバッグに付けられていることが多いので、付け方を覚えておくと、取れてしまった時でも簡単に足つきボタンを付けることができるようになります。
足つきボタンの特徴
足つきボタンの特徴は、コロンとした丸いフォルムをしていて可愛い形やデザインのものが多いので、女性の服やバッグで活用されています。糸を通すところが1箇所しかないので、簡単に取れやすいという面もあります。
用意するもの
足つきボタンを取り付ける際に用意するものは、取り付けたい足つきボタン、針、糸、ハサミ、チャコペンです。チャコペンがなければ、鉛筆でも構いません。100均で手に入るものばかりなので、近所の100均に買いに行ってみましょう。
付け方・手順
足つきボタンの付け方は、取り付けた時に穴の部分がきて欲しい場所に印を付け、針に糸を通して玉結びをし、裏から針を通していきます。
ボタンの向きを調整したら、穴に糸を通し、穴部分から裏側に出ます。この時にたるみが出ないようしっかりと縫い付けていきましょう。ボタンの穴がふさがるのを目安にして3〜4回糸を通しましょう。
裏に出来た縫い目に針を通して、そのまま裏側で玉結びをし、針から糸を抜かない状態で表の足の根本に通して糸を切って完成です。これをすることで、玉止めがほつれにくくなります。
スナップボタンの付け方
次は、スナップボタンの付け方をご紹介していきましょう。スナップボタンは子供の服などによく使われていることが多いです。子供用品のボタンは何かとすぐに取れてしまうことが多いので、スナップボタンの付け方を覚えておくと便利です。
スナップボタンの特徴
スナップボタンの特徴は、凸型と凹型をバチっと合わせて使う子供服やバッグなどでよく使われている簡単に装着できるのが魅力的なボタンです。毎回引っ張るように開閉をするため、スナップボタンをしっかり取り付けておかないと簡単に外れてしまいます。
用意するもの
スナップボタンを取り付ける際に用意するものは、取り付けたいスナップボタン、針、糸、ハサミ、チャコペンです。チャコペンがなければ、鉛筆でも構いません。裁縫道具を安く手に入れたい場合は、100均で揃うので近所の100均に行ってみましょう。
付け方・手順
スナップボタンの付け方は、スナップボタン凸と凹どちらともの付けたい場所に印を付け、針に糸を通して玉結びをしていきます。印を付けた場所に玉結びがくるように表から裏へ針を通していきましょう。そうすることで、ボタンを取り付けた時に玉結びがボタンで隠れます。
玉結びの上にボタンを置いて、裏から1つ目の穴に糸を通し、穴のフチを埋めるように3〜4回ずつ糸を縫い付けていきます。1つ目の穴が固定できたら、他の穴も同様に縫い付けていきましょう。
全ての穴を縫い付けて固定できたら、ボタンと生地の隙間から針を出し玉止めをしていきます。その時、針から糸は抜かず裏に出してから糸を切っていきましょう。
スナップボタンを布でくるむ付け方
スナップボタンを布でくるむ付け方は、まずスナップボタンの2倍の直径の布を用意します。目打ちで布の中心に広げるように穴を開けて、布端から0.2cmぐらい内側にぐし縫いしていきましょう。
スナップの凸の部分を穴に入れて、ぐし縫いの糸を引き絞って玉止めし、もう片方の凹部分も同様にくるみます。何度か付け外しを行うと布に馴染んできます。
マグネットボタンの付け方
最後に、マグネットボタンの付け方をご紹介していきましょう。マグネットボタンは、衣類よりはバッグなどに使われるボタンです。頑丈なので、なかなか取れることはないかもしれませんが、ボタンの付け方を覚えておくと便利です。
マグネットボタンの特徴
マグネットボタンは、その名の通り磁石で出来ているボタンです。シャツやカーディガンなどの衣類にはほとんど使われないボタンで、バッグや財布などに使われることが多いでしょう。磁石の力で簡単にボタンを止められる便利なボタンです。
用意するもの
マグネットボタンを取り付ける際に用意するものは、差し込み型のマグネットボタン、ハサミ、チャコペン、接着芯となる布です。チャコペンがなければ、鉛筆でも構いません。
マグネットボタンは、凸のボタン・凸のボタンを留める金具・凹のボタン・凹のボタンを留める金具の4つでワンセットになっている差し込み型を使います。他にも、糸で縫い付けるタイプや叩いて留めるカシオタイプなど色々あります。
付け方・手順
マグネットボタンの付け方は、まず凸のボタンの位置を決め、水平に置き、ボタンの爪の上に布をのせて爪部分を通す予定箇所に印を付けていきます。
爪部分を通す穴をハサミで切り取って開けます。布が薄い場合は、ボタンを付ける際に布裏に接着芯を付けると安定してくっつけやすくなります。
爪部分に布を通したら、その上から金具を差し込み、爪部分を折っていきます。外側・内側どちらでも構いません。これで凸ボタンの取り付けは完了になります。凹ボタンも凸ボタンと同じ手順で取り付けます。
どちらのボタンも取り付けられて、磁石が問題なくくっつくかどうか、マグネットボタンの位置にズレがないか確認したら完成です。
ボタンが取れたときは付け方を試してみよう!
シャツやカーディガンは、毎日着たり洗濯しているとどうしてもボタンが取れやすくなります。ボタンが取れてしまった時は、上記でご紹介したボタンの付け方でボタンを留めてみましょう。裁縫と聞くと苦手意識が働く人もいますが、簡単に取り付けられるのでぜひやってみましょう。