梅干しの賞味期限をチェック!手作りと市販品の違いや長持ちする保存方法も!

梅干しの賞味期限をチェック!手作りと市販品の違いや長持ちする保存方法も!

昔の梅干しは塩分濃度が高く、塩の殺菌効果が十分に発揮されたので、賞味期限は長いものとされて来ました。しかし、最近の市販の梅干しは、減塩した上、調味料が加えられており、賞味期限は短くなっています。市販と手作りの梅干しの賞味期限、保存方法などをご案内いたします。

記事の目次

  1. 1.梅干しの賞味期限ってどのくらいなの?
  2. 2.市販の梅干しの賞味期限
  3. 3.市販の梅干しの保存方法
  4. 4.手作り梅干しの賞味期限
  5. 5.賞味期限が切れた梅干しは食べれる?
  6. 6.市販の梅干しは賞味期限に注意しよう!

梅干しの賞味期限ってどのくらいなの?

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この記事のテーマは梅干しの賞味期限です。梅干しは昔から、保存食として日本人に親しまれて来た食べものです。ひと昔前までは、自分の家で手作りの梅干しを作る家庭も少なからずありました。

そもそも梅干しは腐らないもので、賞味期限は気にしなくてもよいものとされて来ました。それは、梅干しが多量の塩分を含むことと、梅自身が含むクエン酸にも強い殺菌効果があるためです。

しかし、最近の梅干しは、食べやすいように、塩分を抑えて作られているために、あまり強い殺菌効果は期待できません。やはり賞味期限は気にする必要があるようです。

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一口に梅干しと言っても、市販の梅干しや手作りの梅干しなど、いろいろな種類があります。以下に梅干しの賞味期限について、市販の梅干しと手作りの梅干しに分けて、それぞれの賞味期限を検討いたします。また、市販と手作りの梅干しの保存方法についても紹介いたします。

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梅干しの栄養素をチェック!嬉しい効能や効果的な食べ方も詳しく解説!
梅干しは体に良い栄養がある食べ物と昔から言われています。日本最古の医学書にも効能が書かれているくらいで、戦国時代の武将も携帯していたと言われています。ここでは梅干しの優れた栄養や効果・効能、美味しくて簡単な食べ方のレシピなども詳しく紹介します。

市販の梅干しの賞味期限

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この章のテーマは市販の梅干しの賞味期限です。市販の梅干しにも、贈答用の金箔付きで1粒何千円もするような超高級品から日用品まで、いろいろなものがあります。

市販の梅干しには、大きく分けて3つの種類があります。1つ目は、昔ながらの本流の「梅干し」です。原料は塩と梅だけの、しょっぱい梅干で、塩分を20%くらい含んでおり、賞味期限は長いです。

2つ目は、市販の梅干しの大半を占める「調理梅干し」です。これは、上記の梅干しの塩を少し抜いた上で、だし汁などに漬けて作られる梅干しです。塩分が抑えてあるため、賞味期限は短めです。

市販の梅干しの3つ目は「梅漬け」です。これは、天日で干さず、木から取った梅の実を、そのまま塩漬けにした梅干しです。塩分の量は多めなので、賞味期限も長いと言えます。

以下に、これらの市販の梅干しの賞味期限を、開封前の梅干しの賞味期限、開封後の梅干しの賞味期限、蜂蜜漬けの梅干しの賞味期限に分けて、ご説明いたします。

開封前の梅干しの賞味期限

市販の梅干しの賞味期限で、1番目に取り上げるのは、開封前の梅干しの賞味期限です。市販の梅干しには、賞味期限が記載されています。この賞味期限は、梅干しの塩分濃度によってかなりの違いがあります。塩分濃度が高い梅干しは1年くらい、塩分濃度の低い梅干しは3〜6か月くらいです。

梅干しに記載されている賞味期限の意味は、未開封の状態で保存した場合に、味が損なわれず美味しく食べることができる期限です。

元来、梅干しは保存食品で、腐り難いものなので、塩分濃度が20%程度ある、賞味期限の長い梅干しなら、記載されている賞味期限を超えても、2か月くらいは心配せずに食べられると言えます。

ただし、減塩した調理梅干しとなると、塩の殺菌力も弱く、添加されている調味料のダシなども腐敗しやすいので、記載されている賞味期限を超えても、1か月以内くらいが限度になります。

開封後の梅干しの賞味期限

市販の梅干しの賞味期限で、2番目に取り上げるのは、開封後の梅干しの賞味期限です。市販の梅干しは、開封前は殺菌した上で、空気に触れないように密封された状態で売られています。

その梅干しを一度開封すると、梅干しが空気に触れます。そうすると空気中の酸素で酸化が起こり、梅干しの劣化が起こります。

また、空気中には梅干しの腐敗を引き起こす、いろいろな微生物がたくさんいます。これらの微生物が梅干しに付着すると、その微生物にとって良い条件の下では、たいへんな勢いで増殖します。

これらの微生物が食品の成分を分解して変質させ、その食品を食べると人体に有害な作用を引き起こす状態になるのが、腐敗です。分解、変質によって返って人体に良いものになるのは発酵です。

梅干しを一度開封して空気に触れさせると、酸化や微生物の付着によって腐敗が起こりやすくなるので、記載されている賞味期限は無効となり、開封後1〜2か月が限度になります。

蜂蜜漬けの梅干しの賞味期限

市販の梅干しの賞味期限で、3番目に取り上げるのは、蜂蜜漬けの梅干しの賞味期限です。蜂蜜漬けの梅干しは、酸っぱい梅干しや、しょっぱい梅干しが苦手な子供も喜んで食べる、甘くて美味しい梅干しです。梅干しと言うよりも、むしろお菓子のようなイメージです。

しかし、このように口当たりを良くするために、蜂蜜漬けの梅干しの塩分はたいへん抑えてあり、本流の梅干しの半分の10%程度です。従って塩の殺菌効果があまり大きくなく、保存能力が少ない梅干しです。

このため、開封前の賞味期限も短くなっていますが、特に開封した後は、なるべく早く食べ終わることをおすすめします。開封後の賞味期限はせいぜい2週間程度と考えると良いでしょう。

市販の梅干しの保存方法

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梅干しは、遠い昔から日本人の食卓には欠かせない存在として、親しまれて来ました。十分に濃い塩分濃度と、梅自身が持つ酸っぱさの原因となるクエン酸によって、強い殺菌効果があります。弁当の白いご飯の真ん中に、赤い梅干しを1粒置いた日の丸弁当も、昭和生まれの人には、懐かしいでしょう。

この梅干しには、市販されている梅干しと手作りの梅干しがあります。ひと昔前までは、手作りの梅干しを作る家庭も珍しくありませんでした。今、特に都会では、市販の梅干しを買うのが当たり前になっています。市販の梅干しにも、超高級品から日用品まで幅広いレインジがあります。

前の章では、市販の梅干しの賞味期限について、開封前、開封後、蜂蜜漬けの3つの場合に分けてご説明いたしました。今度の章では、市販の梅干しの保存方法について、やはり開封前と開封後に分けてご説明いたします。

開封前でも常温ではなく冷蔵庫で保存

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市販の梅干しの保存方法で、1つ目に取り上げるのは、開封前の保存方法です。市販の梅干しにも、ただの塩漬け梅干し、シソの葉と塩だけで漬けた梅干し、それから調理梅干しなどがあります。

塩漬け梅干しや、シソの葉と塩漬けの梅干しなどの塩分濃度は18%〜20%と、かなり濃いので殺菌力は十分にあります。しかし、調理梅干しは、普通の梅干しを塩抜きした上で、赤味醂や昆布のダシ汁などに漬けたもので、塩分は8%くらいしかありません。従って殺菌力はあまり期待できません。

市販の梅干しの中でも、特に調理梅干しの場合には、開封前でも室内に常温で保存するのは避けるべきで、冷蔵庫で保存すべきです。冷蔵庫の冷蔵室の温度設定はJIS規格で4℃以下と定められています。一方、普通の室内の常温は、エアコンを使っていると15℃〜20℃に保たれています。

開封後の梅干しは保存容器に移し替えて

市販の梅干しの保存方法で、2番目に取り上げるのは、開封後の梅干しの保存方法です。上に述べた通り、特に調理梅干しの場合には、開封前でも常温保存ではなく、冷蔵庫で保存すると良いと説明しました。

増してや開封後の梅干しなら、もちろん常温保存は禁物で、冷蔵庫で保存すべきことは言うまでもありません。一度、開封すると空気に触れますが、空気中には梅干しの腐敗や変質を引き起こす微生物がたくさん含まれています。また梅干しにカビを生やすカビの胞子も含まれているのです。

さて、常温を避けて冷蔵庫に保存するにしても、冷蔵庫のドアは頻繁に開け閉めされます。冷蔵庫を開けるたびに外の空気が入ります。従って冷蔵庫内でも、密封性の悪い容器に入れるのは避けるべきで、密封性の良い保存容器に入れて冷蔵庫に保存するのが正解だと言えます。

冷凍保存も可能

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市販の梅干しの保存方法で、3番目に取り上げるのは、冷凍保存です。上に、開封前でも、開封後でも常温保存は禁物で、開封後は密閉性の保存容器に入れて、冷蔵庫に保存すべきだと説明しました。

冷蔵庫には、冷蔵室と冷凍庫の両方があります。冷凍食品などを保存しておくのが冷凍庫です。冷蔵庫の冷蔵室の温度は4℃以下と定めらていますが、冷凍室の温度の基準は、マイナス18℃以下と定められています。従って、梅干しの更に完璧な保存をしたければ、冷凍庫に保存するという方法もあるのです。

梅干しを小分けにして冷凍用のパックに入れ、冷凍保存をしておくと、少しずつ取り出して解凍して使えるので便利です。ただし、冷凍保存だから、いつまで保存しても大丈夫と過信するのは間違いです。冷凍庫内でもカビが生えることもあります。開封後なら1か月くらいが限度と思うと良いでしょう。

手作り梅干しの賞味期限

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これまでの章では、市販の梅干しを取り上げて、その賞味期限や保存方法をご紹介しました。今度の章では、手作り梅干しを取り上げて、その賞味期限や保存方法などをご紹介いたします。

前にも申し上げた通り、ひと昔前までは、各家庭で梅干しを手作りすることは、ごく当たり前の光景でした。最近は、梅干しの手作りは、特に都市部ではあまり行われなくなり、むしろ梅酒を手作りする方が多くなりましたが、地方の農家などでは、今でも梅干しの手作りがよく行われています。

実は、梅干しの手作りの歴史はたいへん古く、梅干しが文献に初めて現れるのは平安時代のことです。鎌倉時代以後になると、梅干しが大いに食べられるようになり、梅干しの手作りも盛んになりました。江戸時代には、紀州の梅干しが徳川将軍への献上品にもなっています。

鎌倉時代や江戸時代には、梅干しは当然常温で保存されました。近代になっても、昭和20年代までは冷蔵庫などは普及していないので、常温保存ですが、それでも長もちする保存食だったのです。

100年以上保存可能?

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手作りの梅干しは、昔から決して腐らない食べものとされており、「100年以上も保存可能」とか、「手作り梅干しには賞味期限はない」などと言われて来ました。今でも梅干しの老舗の広告に「塩分濃度が18%だから賞味期限はないが、100年以内に食べて下さい」などと謳われています。

「塩分濃度が18%なら賞味期限は100年」というのは、誇大な広告の感があるかもしれませんが、塩の殺菌効果は、確かに絶大です。昔から魚なども、塩漬けや味噌漬けにして長期の保存食として売られて来ました。昭和20年代には、山国では生の秋刀魚よりも塩秋刀魚の方がよく食べられました。

この塩の殺菌効果はどうして生ずるのかというと、塩の浸透圧により、食品や菌類自体から水分が抜き取られてしまうためです。ナメクジに塩をかけると、ナメクジは塩に溶かされてしまいます。また、この塩の殺菌効果は、梅のクエン酸によってさらに補強されるのです。

塩分濃度20%なら長期保存が可能

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梅干しの賞味期限の決め手は塩分濃度です。上に紹介した通り、塩には浸透圧という強い武器があり、生物から水を吸い出してしまうという効果によって、腐敗菌でもナメクジでも殺してしまうのです。

この働きによって、昔から塩は穢れを払うものとされており、大相撲の土俵上に力士がたくさん塩を撒くのも、お葬式から帰って来ると清め塩を、着て行った服に振りかけたりするのも、このためです。

従って、梅干しに強い殺菌力を持たせるためには、塩分濃度を高くして手作りする必要があります。大昔の梅干しは、塩分濃度が30%くらいあった、言われています。これなら、常温で壺にいれておいても何年も、もったことでしょう。塩分濃度が20%あれば、常温で1年はもつ、と言えるようです。

手作り梅干しの保存方法

冷蔵庫のない時代には、常温保存しか保存の方法がないので、常温保存でも傷まないように、塩分の濃度を高くして、たいへん、しょっぱい梅干しを食べていました。

今の時代の手作り梅干しは、食べやすいように、塩分の濃度を落としています。どんなに高くても、精々18〜20%は越えません。塩分が20%と言えば、常温保存も可能だと言われていますが、普通はもっと低い塩分濃度の梅干しを手作りしています。

塩分が10〜15%程度になると、常温保存はできません。今は冷蔵庫が普及している時代ですから、やはり冷蔵庫に保存すべきです。密閉式の蓋が付いた、プラスチックやガラスの保存容器に入れて、冷蔵庫に保存するのが正解です。冷凍庫に入れることも間違いではないでしょう。

賞味期限が切れた梅干しは食べれる?

上に、市販の梅干しと手作りの梅干しについて、開封前と開封後に分けて、賞味期限をご説明しました。賞味期限とは、開封前の状態で保存した時、美味しく食べられる期限のことです。その賞味期限を超えてしまった梅干しは食べられるでしょうか?この点について以下にご説明いたします。

開封前でも賞味期限は守ろう

前に、市販の梅干しで開封前なら、賞味期限を1〜2か月越えても食べられます、と説明しました。これは、食べても身体に支障はない、という意味です。

しかし、賞味期限として指定されているのは、開封前で、美味しく食べられる期間の限度です。美味しく食べるためには、賞味期限は守ることをお勧めいたします。

腐った梅干しの見分け方

異変が起きている梅干しを見分ける、見分け方をご紹介します。先ず、見てすぐわかるのは、カビです。梅干しには白カビが生えます。表面に白い粉のようなものが付いていたら、それは梅干しがカビているのです。

その他にも、色が変わっている、変な匂いがする、ちょっと食べてみたら、変な味がする、などの異常に気付いたら、すぐに捨てる方が良いです。

市販の梅干しは賞味期限に注意しよう!

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昔から、梅干しというものは、腐らないものというのが常識とされて来ました。これは梅干しが高い塩分濃度で作られていたからです。塩分濃度が高ければ、塩が十分な殺菌効果を発揮します。

しかし、最近の市販の梅干しは調理梅干しが多く出回っています。これは、普通の梅干しを塩抜きして、塩分濃度を抑え、さらに調味汁を加えて食べやすくしたものです。この調理梅干しについては、かつての常識は当てはまりません。記載されている賞味期限には注意しましょう。

八岳
ライター

八岳

定年退職して以後、八ヶ岳山麓の信州松原湖高原に山住まいをしながら、ライター稼業をしております。kuraneoの記事のテーマは大変多岐に亘っており、言葉の意味、ファッション、髪型、食材のレシピ、アウトドア商品の紹介、機械の使い方などに関する記事を書いて来ました。雑学の知識に触れて大いに勉強になります。

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