英検とは
英検という検定試験があることをご存知の方は多いでしょうが、その正式名称、内容、級の意味、有効期限などについては知らないかもしれません。そこで、一つ一つ詳しく解説していきますが、英検は多くの人から認められた英語能力を測る試験制度です。したがって、この試験に合格すれば、かなりの英語力があることになります。
正式名称は「実用英語技能検定」
英検という名で知られる試験制度の正式名称は、「実用英語技能検定」と言います。別に正式名称を知らなくてもいいという人もいるでしょうが、履歴書にこの検定試験の資格の級を書く場合は、正式名称を知っておかなければいけません。英検とただ記入したのでは、有効な資格と認められないことが多いです。
英検とTOEICの違い
正式名称を「実用英語技能検定」という英検と似たような試験制度にTOEICがあります。どちらも英語能力を調べる重要なシステムですが、受験者数に大きな違いが見られます。まず英検のほうですが、国内の知名度が高く、日本人の受験者数が多いです。一方TOEICはかなり世界に浸透していて、海外の受験者がたくさんいます。
英検を履歴書に書けるのは何級から?
正式名称が「実用英語技能検定」である英検には、級がいろいろあります。全部で1級から5級の7ランクあります。1級から5級では5ランクではないかと思われる人もいるでしょうが、準2級と準1級というランクがあるので、7ランクです。それぞれレベルは違いますが、どの級から履歴書に書けるのか見てみましょう。
高校卒の人は「準2級から」中学卒の人は「3級から」
英検の何級から履歴書に書けるかはおおよその基準があります。高校卒の人は「準2級から」中学卒の人は「3級から」とされています。これらの級を取得している人は積極的に履歴書に書けることになります。ただし、これは最低のレベルの話であって,もっと高い級を得ている人は堂々と履歴書で主張すればいいのです。
昔に取得したが期限はあるのか
かなり前に英検の級を取得している場合、有効期限があるのか気にしている人もいるでしょうが、取得月についてはいつであろうと問題になりません。取得月が古いからと言って、有効期限があるなどとは言われず、履歴書に記載できます。ただし、英検の取得月が昔だと、英語の能力自体が錆びついているかもしれません。
ただし、一つ注意点があります。それは、英検を留学に利用しようという人の場合で、合格証明書発行日(取得月)から2年間が有効期限となっています。
企業によっては有効期限を定めている場合も
正式名称が「実用英語技能検定」である英検の有効期限はないのですが、企業によってはその期限を取得月からいつまでと定めている場合があります。企業が人を雇う場合、いろいろな能力を見ますが、英語力もその一つで、あまり古い時期に取得した英検では現在の役には立たないだろう考え、期限を設けているのです。
履歴書に英検を書くときの書き方
履歴書に英検資格について書くときは、無造作に記入しないように注意しましょう。履歴書に書ける級だからと言って、ただ書けばいいというのではなく、いくつかの書き方のルールがあります。そのルールを守らないと、せっかく英検の級を取得していてもそれが十分に履歴書に活かされないので、意味がなくなってしまいます。
英検と書かないように注意
まず、英検の履歴書への書き方で間違えてはいけないのは、履歴書の「免許・資格・専門教育」欄にただ英検と書かないことです。いくら英検の資格を書けるからと言って、これでは社会人としての信用度が疑われます。したがって、略式名称ではなく正式名称ではっきりと履歴書に「実用英語技能検定」と書き込みましょう。
記載した例
実際の履歴書への英検資格の記入例を見てみましょう。まず、英検の取得年と取得月を書きます。これも重要ポイントで、たとえ有効期限がないにしても記入漏れがないようにしましょう。次に、履歴書資格欄の右側に正式名称の「実用英語技能検定」と書き、級を加えます。「2級合格」のようにすればいいでしょう。
取得月を忘れた時は
最近英検に合格したという人は「実用英語技能検定」という正式名称の合格証をまだ持っているでしょうから、取得月の記録は確認しやすいでしょう。しかし、かなり以前に合格した場合、合格証を失くしてしまっている人もいて、取得月がわからないというケースがあります。その場合は、履歴書に英検のことを書けないのかというと、そんなことはありません。
英検取得月の確認方法
英検の取得月を忘れた場合は、まず英検サービスセンターに電話をするという方法があります。少し手間と時間が掛かりますが、待っていれば教えてくれるでしょう。それから、合格証明書については追加発行ができます。その場合は、各級とも発行手数料として1通につき1100円(税と送料込み)が必要です。なお、有効期限はありません。
なお、英検の合格証明証については追加発行が可能ですが、合格証書の再申し込みはできません。合格証書とは、英検合格者全員に発行されている証書とカードで、無料ですが、一度失くしたらそれまでです。
それから、かつては英検のホームページに「合格証書交付日(合格年月日)一覧」というものが載っていましたが、現在は削除されているので、この方法では取得月を確認できません。
英検資格習得予定の場合は履歴書には書けない?
英検をすでに取得している人は履歴書に問題なく記入できるでしょうが、まだこれから、あるいはもうすぐ結果が出そうという人は履歴書に書けるのか書けないのか気になります。実際に取得していないのだから履歴書への記載は無理だろうと思う人も多いでしょうが、どうなのでしょうか。よく考えてみましょう。
習得前でも記載は可能
結論から言ってしまうと、英検取得前でも履歴書への記載は可能です。これから英検を受験しようという人でも、すでに受験し、結果待ちの人でも、思い切って履歴書にその事実を書いてみましょう。そうすれば、面接官がその意思を感じ取って、いい評価をしてくれる場合もあるでしょう。
履歴書に英検受験予定や結果待ちの人がどう記入するかですが、「現在実用英語技能検定2級に向け勉強中」と書けばいいでしょう。資格をすでに取得している人にはかないませんが、一つの得点となります。
英検の難易度と履歴書上の効果
英検は、5級から1級に向けて難易度が上がっていきます。それぞれの難易度については英検のホームページを見れば、基本的なことはわかりますが、それだけでは十分ではないので少し説明を付け足しましょう。そうすれば、各級の難易度だけではなく、履歴書記載効果もより明確になってくるでしょう。
英検3級の場合
英検の3級は中学卒業レベルだとされています。その内容は、スピーキングテスト、海外の文化に関する筆記試験、リスニングテストです。これは英検のホームページ載っている内容をまとめたものですが、これだけではどのような試験なのかイマイチわかりません。履歴書記載効果についても判然としないでしょう。
英検3級のレベル①語彙数
まず、英検3級の語彙力を見てみましょう。中学卒業程度だとされる英検3級では、1250~2100語くらい覚えておく必要があります。これは中学校で学ぶ語彙数ですが、少し早く英語を勉強し始めた人なら、中学卒業前にクリアできる数字です。実際に小学生でもこのくらいの語彙数を習得している子もいます。
英検3級のレベル②リーディング
英検の3級のリーディングでは、短文の語句空所補充と会話文の文空所補充と長文の内容一致選択という問題が出題されます。漢字で書くと難しいようにも思えますが、中学生レベルの英語をマスターしていれば、解ける問題ばかりです。ただ、長文読解では読み解く力が必要ですが、特にひねくれた出題があるわけではありません。
英検3級のレベル③ライティング
ライティングと言うと構えてしまう人もいるでしょうが、英検3級のライティング試験はそれほど難しくはありません。実際に文章を書く場合も、単語数は少なく、自分が考えていることを簡単にまとめるだけです。それも中学校3年レベルの単語を使わずに、1、2年レベルの単語でもOKとなる場合があります。
英検3級のレベル④リスニング
英検3級のリスニング試験も難しい単語が使われるわけではなく、基本的なことさえ知っておけばクリアできる問題ばかりです。リーディングなどで使われている単語よりもやさしくなっています。ただし、リスニングが特に苦手という人は少し練習が必要かもしれません。しかし、それほど気にする必要はないでしょう。
英検3級のレベル⑤スピーキング
英検3級レベルのスピーキングも、それほど深く考えずにできる課題です。スピーキングと言うと上がってしまう人もいるでしょうが、内容は簡単なので、冷静に臨みましょう。その内容ですが、語彙レベルもスピーキングの課題も出題も特に難しくはなく、これまでの問題を解けた人なら難なくこなせるでしょう。
英検3級を履歴書に書くと
英検3級を履歴書に記入することはできますが、中学卒業レベルの英検3級では、ビジネスの実用場面ではほとんど役に立ちません。仮に履歴書への記載があっても、あまり評価はされないでしょう。したがって、ワンランク上げ、少なくとも履歴書には英検2級と書けるように努力しましょう。
英検2級の場合
英検2級は高校卒業レベルで、3級よりも難易度がかなり上がります。高校ではかなりのレベルの英語を勉強する場合もあるので、合格にはそれ相応の準備が必要です。英検のホームページによると、英文読解、コミュニケーションという点でかなりの評価がされるレベルだとしているので、ある程度の自信になります。
英検2級のレベル①語彙数
英検2級合格に必要な語彙数は、3800~5100語くらいです。このくらいの語彙数になると、短い期間では覚えきれず、腰を据えて勉強する必要があります。いくつか具体例を挙げてみましょう。「reward」「extremely」「undertake」などの単語の意味くらいは知っておいたほうがいいでしょう。
英検2級のレベル②リーディングなど
英検2級のリーディングの問題形式は3級と同じようになっていますが、難易度がかなり上がります。単語力も必要だし、長文読解能力も要るし、時間内に理解して回答する力も重要です。そういう意味では、高校でしっかり勉強しておかないと、合格できないレベルです。逆に言えば、さぼっていない人なら合格する率が高くなります。
英検2級のライティング試験では、指定語数がやや多くなります。したがって、少し詳しい内容のエッセイを書かなければいけません。高校で学んだ語彙を使いながら、自分の考えを相手にもわかりやすいようにまとめていく能力が求められます。
英検2級のリスニング試験では、文法的に少しレベルの高い問題が出ることがあります。関係副詞という中学生にはなじみのない出題もあり、文章も長くなることがあります。したがって、しっかりとリスニング能力を磨いておく必要があります。
英検2級のレベル③スピーキング
英検2級のスピーキング試験は、これまでの試験が理解できた人なら十分こなせる範囲です。とはいっても、慣れない英語でしゃべるというのは楽ではありませんから、日ごろからスピーキングの練習をある程度しておかなければいけません。急に英語で話せと言われても、混乱してしまうこともあるでしょう。
英検2級は履歴書に書ける
英検2級は高校卒業レベルですが、このくらいになるとかなり英語力もアップしてきます。語彙数、リーディング能力、リスニング力、スピーキングの技術ともにそこそこのレベルです。したがって、履歴書に堂々と記入ができるし、企業側の評価も一定以上のものとなるでしょう。自信をもって大丈夫です。
英検準1級の場合
英検準1級は大学中級レベルです。かなり高いレベルと言えるでしょう。難易度もさらに上がり、実戦形式の出題も増えてきます。ここまでくると、いい加減な勉強では合格しません。毎日熱心に英語能力アップに取り組み、努力している人だけが習得できる級になります。それだけに、評価も非常に高くなります。
英検準1級のレベル
英検準1級レベルとなると、かなり難しい語彙が出題されます。必要語彙数も多くなり、覚えるのが大変です。いくつか例を挙げると、「leverage」「proponent」などの問題が出てきます。しかも、制限時間内に答えるもの楽ではなく、あまりぐずぐず考えていると前に進みません。
語彙数だけが難しいのではありません。英検準1級ともなると、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキング試験でもかなりのレベルが要求されます。そのために、英検準1級を目指したけれども落ちてしまったという人も多くなります。
英検準1級なら履歴書も格好よくなる
英検2級でもそれなりの評価を受けられますが、英検準1級合格と履歴書に書けると、かなり格好がよくなります。このくらいのレベルなら、実践力もありそうだと担当者が見てくれる場合も多く、その英語力を認めてくれるでしょう。後は、このレベルに甘んじず、さらなる飛躍を目指しましょう。
英検1級の場合
英検1級は大学上級レベルです。非常に高度なレベルで、合格するのも大変です。大学上級ともなれば、その英語力はかなりのもので、英語の知識だけでなく、発信力やコミュニケーション力において特に優れたものが求められます。それだけにこの級を取得できれば、世界で活躍することも夢ではありません。
英検1級のレベルと意味
英検1級ともなると、予想外の語彙問題が出てきます。普通に大学で勉強するだけではなく、英語の書籍や新聞、雑誌などを普段から読んでおかないと対処できないでしょう。そのレベルは他の試験にも共通で、よほどしっかり勉強しておかないと合格できません。
英検1級合格と履歴書に書ける場合は、英語をほぼ完全にマスターしていると自他ともに認められます。すぐにでもその英語力を生かして、活躍の場を与えられることもあります。それだけ大きな意味があるのです。
履歴書に英検◯級と書きたい場合
履歴書に英検〇級と書きたければ、英検を受験して、合格する必要があります。その試験の難易度についてはすでに解説しましたが、少しでも上の級を獲得すべく努力しましょう。そこで、この章では、英検の試験概要について書いてみます。試験概要が分かれば、後は勉強して試験を受けるのみです。
英検の試験時期
まず、英検の試験の時期を確認しておきましょう。英検の試験は年3回実施され、その時期は、6月、10月、1月となっています。年3回も実施されるのですから、学生でも社会人でもいつでも都合のよい時に受験すればいいでしょう。ただ、一つだけ注意点があって、締め切りが試験前の約1か月前であることです。
試験内容
英検の試験内容については、級ごとに一部違いが見られます。まず、各級共通なのは、筆記試験で、級ごとの難易度に応じた出題がされます。4級と5級に限っては、録音形式のスピーキング試験を受けられますが、受けなくても構いません。3級以上では、面接によるスピーキング試験があり、ある程度場慣れしておく必要があります。
履歴書に「英検取得者」であることを書いてアピールしよう
ここまで、英検の意味、履歴書に書ける英検の級、履歴書への英検の書き方、英検の難易度と履歴書記入効果などについてお伝えしました。履歴書の資格欄には何かを書きたいものですが、英検取得者であることを記入して、アピールすることができます。しかも、有効期限はないので、いつまでも効果が長続きします。