バジルの育て方を覚えよう!
バジルについてどのくらい知っていますか。バジルはイタリア料理には欠かせない食材の一つです。パスタやピザ、カプレーゼなど、バジルの香りが楽しめる料理がたくさんあります。
これから、バジルの育て方のコツや、お手入れ方法について詳しくご紹介していきますが、まずはバジルそのものについて知りましょう。
そもそもバジルとは?
バジルはハーブの一種で、イタリアではバジリコの名前で親しまれています。鮮やかな緑がきれいな葉っぱはもちろん、バジルシードとして種もダイエット食品やデザートとして目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
シソ科メボウキ属の植物
バジルはイタリアというイメージが強いですが、シソ科メボウキ属の植物でインドが原産。一言でバジルといっても約150種とその種類も豊富です。日本のスーパーなどでよく見かけるものや、イタリア料理でよく使われているのはスイートバジルという種類であることがほとんどです。
他にもタイ料理に使われているホーリーバジル、鶏肉料理によくあうレモンの香りが爽やかなレモンバジル、香りや葉がスイートバジルに似ているけれど、全体が紫色なダークオパールバジルなどがあります。
バジルの由来
バジルは和名をメボウキといいます。バジルが日本に渡ってきたのは江戸時代で、バジルの種を水分でゼラチン状にふやかしたものを、目薬として利用していました。そのことから目の箒、メボウキと呼ばれるようになったというのが和名、メボウキの由来と言われています。
また、ホーリーバジルはその名の通り、聖なる植物としてインドで儀式や、世界三大医学のひとつと言われるアーユルヴェーダという伝統医学に用いられています。和名はカミメボウキ(神目箒)といい、日本での漢字表記からも神聖さが伺えます。
バジルの育て方①準備
バジルについてご紹介しました。バジルを種から育てたいときは4~6月の春の間に始めましょう。初めてバジルを育てる方は、春頃になると苗の販売が始まりますので、苗から育ててみるのがおすすめです。続いて、家庭でバジルを育てる時に必要な準備物をご紹介します。
準備するもの
バジルは、地植えでも鉢植えでも育てることが可能な植物なので、コツさえ抑えればベランダや庭先での生育が可能です。まずは地植え、鉢植えと共通して必要なものをご紹介します。
バジルの種、または苗を用意してください。はじめは少ない量から始めるのがコツです。失敗も少なく済みます。次に、土入れかスコップを用意しておきましょう。種まきや植え替えの際に土を直接触らずに作業ができるので、どちらかでもあると効率がアップします。
バジルだけ育てる方は用意しなくても問題はありませんが、他にも様々な種類のものを育てている方はラベルも準備しておいた方が、育てているバジルを見つけやすくなります。シンプルなものからカラフルなものまで様々なものがありますので、好みのラベルを探すのも楽しみ方の一つです。
プランター・鉢植えに必要なもの
ベランダなどではプランターや鉢植えを使った育て方が主流になります。では、その際に必要なものを見ていきましょう。まず、鉢やプランターは育てる量に合わせて大きさを選ぶのがコツです。その他にも培養土や鉢底石、鉢底ネットなどといった基本的なものを準備してください。
バジルの育て方②土作り
バジルの育て方でまず重要なのが土作りです。バジルの育て方に適した土とはどんなものなのなのかをご紹介します。
バジルは酸性が強い土が苦手です。土は水はけと通気性が良いものを選び、通気性が良いものを選ぶことで保水性も確保できます。肥えた土を用意するのですが、酸性が苦手という点に注意した土選びをすることがコツです。
地植えの土作り
バジルを植える場所は水はけが良い方がいいとご紹介しましたが、地植えする予定の場所の水はけが悪いと、後々の生育状況で頭を抱えてしまう方も少なくありません。しかし水はけは川砂を加えることで、解消することが可能です。
バジルを植える場所をあらかじめ用意し、その場所に腐葉土や堆肥をすき込んで耕すといった土のお手入れを先にしておくとスムーズに種まきや苗の植え替えを行うことができます。また、酸性の可能性があるため、中和効果のある苦土石灰や草木灰を用土に混ぜておくのをおすすめします。
プランター・鉢植えの土作り
プランターや鉢植えで使う土は、草花用培養土で問題ありませんが、ハーブ用培養土というものが販売されているのでそちらを使うことで生育前の土のお手入れの手間が省けます。
通気性や水はけは、製品によって違います。購入したものが良い培養度か見極めるコツは、手で握れるくらいの分量を取り、少量の水を含ませたものを握ってみてください。それを指で軽く押した時に簡単に崩れるものは、水はけが良く通気性の良い培養土です。
逆に、ぐっと固まってしまい、指で軽く押した程度では崩れない場合は、バジルを育てる際には適していないものなので、他の培養土を用意することをおすすめします。
バジルの育て方③苗と種まき
バジルの育て方は苗からか、種からかという二通りから選択できるということをご紹介しましたが、ここからは更に詳しいバジルの育て方について見ていきましょう。
苗を選ぶ際の注意点や、種まきのやり方、発芽したあとのお手入れのコツについてもご紹介していきますので、これからバジルを育てようと思っている方はぜひ参考にしてください。
地植えの場合の苗の選び方
バジルの苗は色々な場所で購入することができます。園芸店、ホームセンターの花売り場で見かけたことがある方も多いでしょう。ネット通販でも購入可能です。
葉に元気がなかったり、虫がついていたりと物によって状態が様々です。お手入れの仕方では回復するということも望めますが、多くの場合は品質が落ちたり、最悪の場合は枯れてしまうこともあります。
お店で販売されている苗は、数も多いため全てにお手入れが行き届いてるわけではないことが多いです。苗選びで失敗しないためにも、売り場に直接バジルの苗を見に行ける方は、目で見て選ぶのが最善策といえます。
葉色が悪い・弱々しい苗は選ばない
バジルの苗の状態がぱっと見でわかる見分け方として、まずは葉を見てみましょう。葉っぱの色が周りの苗に比べて綺麗なグリーン色で、表面に張りがあるものがあれば選びましょう。反対に、周りの苗の葉に比べて色が良くないもの、弱々しく萎れているものは選ばないように気をつけてください。
しっかり根が張った苗を選ぶ
バジルを選ぶ際、株元がグラグラと簡単に揺れてしまうようなものは避けましょう。グラグラ揺れてしまうのは、しっかりと根が張っていない証拠です。購入時に株元のグラつきを確認することで、植え替えた時の根の強さが決まります。
苗を購入する際は多くの場合がビニールポットに入っています。ですが、ビニールポットに入ったままの状態での育成は根が伸びることができず、育成不良にも繋がります。苗を買ったら早めに植え替えを行いましょう。
プランター・鉢植えの場合の種まきの仕方
バジルを種から育てる際、後々は地植えする場合でも、まずはプランターや鉢、ビニールポットなどで育てる必要があります。
用意した容器に、種まき用の土を入れて十分に湿らせておくことが大切です。それでは、バジルの種まきの適正時期、まき方といった育て方を詳しく見ていきましょう。
種をまく時期は4月下旬~6月
バジルが発芽するために必要な温度は20度以上です。最近では4月でも日によっては寒くなる日も少なくないため、4月といっても上旬は種まきを避けましょう。5月に入ればある程度気温も安定するので、急ぎでない場合は5月まで待ってから種まきを行うほうが上手く発芽させることができます。
ばらまきかピンセットや楊枝で点まき
バジルの種まきの方法は、ばらまきかピンセットや楊枝を使って点まきする方法があります。ばらまきの際は種同士が重ならないように気をつけて種まきを行う必要がありますが、点まきの場合はその手間が抑えられます。
バジルは好光性という発芽するのに光が必要な種なので、種をまいた後は土をかぶせたりする必要がありません。種に十分に光が当たる状態で、土の湿度をしっかりと保ち水分を与えましょう。
発芽したら丈夫な芽を残して間引き
バジルの種は、正しい育て方ができていれば通常2日から1週間程で芽を出します。発芽して、葉が育って隣同士の葉がかぶるようになってきたら、重なっている部分を間引きしていきましょう。
間引きをした葉は、ベビーリーフとしてサラダを楽しむことができます。自分で育てているものを早速味わえるというのは、家庭で育てる際の楽しさの一つといえます。
バジルの育て方④お手入れ
バジルの育て方で注意したいのが日差しです。バジルは、基本的には種も葉も光を好む性質なため、ある程度の高温多湿な気候であれば問題なく育ちます。しかし、夏場の強い日差しや、西日といった強い日差しには弱いという特徴があります。
そのため、地植えをする際はどの程度光があたるかを見極めた場所を選ぶことが上手な育て方のポイントとなります。プランターや鉢植えであれば、日の角度を見て移動することも可能ですが、地植えは一度植えてしまえばその後に移動するのは大変な作業です。
バジルの育て方で水やりや肥料を与えることも大切です。それではこれから、お手入れを行う上でのポイント、そして植え替えのタイミングなどをご紹介します。
水やりの仕方
バジルに水やりをする時は、朝を迎えてから午前中の間に行いましょう。ただ、日課のお手入れとして毎日水をやればいいというわけではありません。土を触った時に湿っていれば、その日は水やりを見送ってください。
また、地植えとプランターや鉢植えを行った際での水やりのタイミングが変わってくるので注意してください。では、地植えとプランターや鉢植えの場合、各状態での水やりの仕方を見ていきましょう。
地植えの場合
バジルの地植えを行う際は、植え替えの時にたっぷりと水を与えてください。苗が根付けば基本的には水やりはしなくても問題ありませんが、雨があまり降らずに土が乾いた状態が続くような時は水やりを行いましょう。
プランター・鉢植えの場合
プランターや鉢植えの基本としては、土の表面を触って乾いてたら鉢の底から出てくるくらいの水を与えます。常に土が湿っている状態では根腐れが起こってしまうので、水を与えすぎてしまわないように、必要最低限の水を与えていくのが生育のコツです。
肥料の与え方
より良いバジルの育て方として重要なのが肥料をどのように与えるかです。肥料は与えすぎると根に肥料やけという症状が現れる場合があるため、使う肥料の注意書きをよく読んで使用するようにしてください。
バジルは、植え替えの時に基肥として長い時間をかけてじっくり効いていく緩効性肥料を与えます。緩効性肥料は、ものによっては1~2ヶ月と効果期間が変わりますが、だいたいのものは1ヶ月程で効果が切れます。
緩効性肥料が切れてきたら、追肥を与えます。生育期間は1週間から10日に1回といった割合で液肥を与えていきましょう。
植え替えのタイミング
バジルの育て方で気を付けたいのが植え替えの時期です。先ほどもご紹介した通り、バジルの苗を買ってきた際は、より良い根の状態を保つためできるだけ早めに植え替えを行いましょう。
種から育てた場合は、葉が10枚程度育ってきたタイミングが植え替えの時期とおぼえておいてください。その後の生育が行き詰まらないよう、植え替えのタイミングは見逃すことなく行うよう心がけましょう。
バジルの育て方⑤収穫量を増やすコツ
せっかく育てているのだから、収穫量は増やせるなら増やしたいと思う方が多いのではないでしょうか。バジルというのは暑い地域生まれのハーブです。暖かくなっていくほど葉は成長していき、そのまま放っておくとより暖かくなる7月後半から8月にかけて花が咲きます。
バジルは花をつけると、子孫を残すための種をつけることにエネルギーを使うよう集中します。花がついてしまうと味が落ち、葉も固くなってしまいます。花の放置はバジルの葉を目的としている人には良くない状態に育成が進んでしまうので注意しましょう。
そこで、摘芯や切り戻しという剪定の作業を行うことでバジルが花をつけない状態を維持することが重要です。このお手入れを行うことで収穫時期を伸ばし、収穫量が増えるのです。
摘芯の仕方
バジルの摘芯はバジルが地面から2~3節くらい育っていればいつでも行うことができます。全体の草丈が20cm前後まで成長した際、地面から数えて2~3節目の少し上の部分を生活なハサミで切ってしまうのです。この摘芯を定期的に行うことで側芽の成長を促す効果があります。
1本の茎を摘芯をした部分は2本になって成長していくため、このお手入れを繰り返すことで育つ葉の数が増えて収穫量の増加が期待できます。
切り戻しの仕方
先ほど、バジルは7月下旬から8月にかけて花をつけるとご紹介しました。この時期よりも前に、元気に育った葉の部分を全体的に最大で半分ほどの量に減らしてしまうことを切り戻しといいます。
この切り戻し作業により残された脇芽の成長が促され、夏場の蒸れ防止といった効果があります。また、ここで剪定した葉は料理に使うことができるため、一石二鳥です。
バジルを上手に育てていろいろ活用しよう!
バジルの育て方のコツや、お手入れ方法を各項目ごとに分けてご紹介いたしました。バジルは育てていく過程で、アブラムシやハダニといった害虫がつくことがあります。害虫が増える前に確実に駆除していかなければなりません。毎日のチェックは大切な作業です。
ご紹介したバジルの育て方のコツやお手入れ方法をしっかりと抑えていくことで、爽やかな香りと鮮やかなグリーンが食卓に添えられる日も、そう遠くはありません。